FIGHT AGAINST FATE !

薄荷雨

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Ride or Die

8・小田桐洋菓子店にて

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 花園地区の賀萼ががく町にある洋菓子店のイートインスペースに、二人の客人の姿があった。
 鳥居地区を本拠とする〔紅薔薇クローズ〕の元総長、烏丸翔子。そして地蔵地区の精鋭〔獄烙町青年団〕の団長である早乙女忍だ。
 いらっしゃませ、と店員が恭しくケーキと紅茶を運んでくる。
「なにさ、ウチらはそんなに畏まる間柄でもないじゃァないか」
 水くさいねェ、と文句を言う翔子であったが、実のところこうしたもてなしを受けて照れているだけなのだ。
 この店員、かつて御磨花市の九つのレディースをまとめ上げた〔檸檬姐弩レモネード〕の元総長、小田桐麗子である。
「麗子、少しご一緒しないか」
 同席に誘う早乙女に麗子は、
「もちろんそのつもり」
 と笑顔を見せて早乙女の隣に座った。
 麗子が用意したのは四人分。もう一人、ここに来ることになっている。
 程なくして店に現れたのは、榊龍時だった。

 小さめの洋菓子が花のように並ぶケーキスタンドを囲み、四人が揃った。
 一個目のケーキと紅茶をいただき、徐々に会話が乗ってきたところで、
「あんた学校では理科を教えてるそうじゃないか」
 と翔子が榊に訊く。
「生物の授業もあるんだろう?」
「そうですね、各学年で生物を受け持ってます」
「第二性のことも教えてんだろうね」
 翔子は榊の方に詰め寄るようにして身を乗り出し、
「αのフェロモンを長いこと浴びれば、βがΩになるもんなのかい」
 Ω化ってやつ、と真剣な眼差しを向ける。榊はそのような現象を知らないし、どう考えても肉体的にはあり得ない。ならば精神面の問題だろうかと思ったので、
「性自認が変わるということですか?」
 と訊き返した。
 ところが翔子の話しでは、先に述べた通り長時間αフェロモンに曝されたβがΩに性転換するとか、α同士で親密な関係になると片方がΩ化してしまうとか、そんな噂があるらしい。
「整形手術をしてΩっぽい外見になるだけなんじゃないですかね」
がわはともかく中身はどうなのさ。フェロモンが出るようになったり、発情期がきたりとか」
「βにはαやΩのフェロモンを受容する細胞がありませんので、αフェロモンのせいで体質が変化したりはしません。Ω特有のホルモン物質を作る臓器やフェロモン分泌腺も存在しないため、Ωになるということは……」
 ないでしょう、と榊が言い終えるのを待たずに翔子は、
「やっぱりね!あたしぁそうだと思ってるんだよ。だって染色体とかさ、よく知らないけど、変わるわけないじゃァないのさ」
 と胸を反らした。
「でもΩ化を信じてる若いもんが結構いてね。ひょっとしたらって」
 ちょいと気になったのさ、と翔子はケーキの生クリームをフォークで掬った。
 麗子もまたそのような噂話を聞いたことがあるという。
「あたしはそれ、悠斗から聞いた」
 悠斗とは麗子の弟で、二番目の性別はαだ。彼は鳥居地区にある凰曲おうまが高校の近場に下宿し、通学している。
「こないだ帰ってきたとき、同じようなこと訊いてきたわ」
 なんでも自分がαだから周りの奴らがΩになってしまうんじゃないか、と心配していたらしい。麗子はこれを、んなことあるわけないでしょ、と軽く一笑に付した。
「何者かが子供たちに誤情報を流してるんでしょうか」
「いや違うのよ。これはね、二次元の影響なわけ」
「二次元?」
 榊には何がなんだかさっぱりだったが、
「漫画やアニメの設定が、現実にもあり得ると思い込んでいるんだよ」
 と早乙女が補ってくれたおかげで、ようやく合点がいった。
「性に関する知識をフィクションで得てしまった人間というのは、意外と多いんだ」
 年齢や性別を問わずね、と早乙女はうんざりしたような口調でそう言った。
 早乙女忍はαの女性だ。両性具有ということもあり、無知蒙昧な輩から馬鹿げた言葉を投げかけられることが間々ある。相手にどこでそんな間違ったことを覚えたかと問えば、たいていは漫画やアニメ、あるいはSNSなどを見たというのだ。
「創作の中の魔法みたいな設定が、現実にもあると信じている?」
「そういうことだ。βからΩに変身してαとつがいになりたいとか、囲われたいとか、夢見る子がいるようだからね」
「へぇ、そういうものですか」
 榊はαの良太と恋愛関係にあるものの、Ωになって良太の番として囲われたい、などという願望は無い。なのでそうした人々の欲求は不可解なものだった。
「ねえ榊、連合の定例会で第二性についての講義をしてみないか?先月の事件でαとΩへの関心も高まっていることだし、個々に調べて間違った情報を得るよりは、皆で正しい情報を共有したほうがいいと思うんだ」
 と早乙女が榊に持ちかけるのに、いいねやろうよ、と麗子と翔子が賛成する。
「皆さんが知りたいことって、生物というより保健体育に近いですよね」
「似たようなもんさ。翔吾のやつも色々知りたがっててね」
 翔子の双子の弟である翔吾が、つがいになった後のαとΩが実際いかにして普通の生活を送れるものか、虚構で装飾されていない情報を知りたがっているという。
「番った後のですか……それなら竹之内先生が詳しいかも」
 榊の職場、花園高校で養護教諭をしている竹之内という男性型αは番持ちなのだ。彼は榊から見て、Ωに溺れて身を持ち崩すこともなくきちんと働いている。
「講義と番生活の件、教えるなら私より竹之内先生の方が適任ですね」
 頼んでみます、と榊は苺の乗ったケーキの一片を口にした。

 円卓の四人は二つ目の菓子に手を伸ばす。
 翔子は幾分か声の調子を低くしてこう話し出した。
「どうも近ごろ白鳥とこの若造が、コソコソと翔吾を呼び出してるみたいでね。あいつもまた律儀なもんだから、それに応じるわけだけど……」
「白鳥のっていうと、白鳥善羽介ようすけ?」
 妙なこともあるものだ、と麗子は首を捻る。
 白鳥家は長年にわたって烏丸一家と敵対している勢力である。
 しかしその対立も、第三次世界大戦と呼ばれた戦争が始まった辺りでほぼケリがついている。白鳥家は烏丸一家に敗北し、鳥居地区から駆逐されたのだ。
 勝者の烏丸と敗者の白鳥の間には遺恨が残り、それが現代まで続いていることは、御磨花市の勢力図に聡い者なら誰でも知っている。
「そいつが翼紗つばさつがいを作れと、頼みに来るのさ」
「番を?どうしてまた」
「そこなんだよねェ、分からないのは。時間がないから早く番を作らせろ、俺がΩを紹介するから会わせろと、そればかりだそうでね」
 翼紗、とは翔子と翔吾の姪にあたる女性で、第二性はαである。
 そして白鳥善羽介は、翼紗の叔父にあたる人物だ。
 烏丸と白鳥の男女が遺恨の垣根を越えて恋仲になり、そうして誕生した娘が烏丸翼紗だった。
「この間の発情Ωやら宗教やらをまだ警戒してるってのに、今度は白鳥が番だなんだと喚きゃあがる」
 酒でもあおるかのような仕草で、翔子は紅茶をと飲み干した。
「翼紗は奴の姪っ子でもあるからさ。何か裏があるのかねえ」
「裏、ですか」
 と榊が少しばかり背中を丸めて腕組みした。
「どこかのΩと番わせることができれば、白鳥家が持ち直すとか」
「私ぁそれも考えた。翼紗をどっかの上級国民みたいなΩに献上して縁続きになり、烏丸に復讐するための資金でも調達する算段なのかって。でもそれで親戚になるのはウチの方だろう?だって烏丸翼紗なんだもの」
 敵に塩を送ることになるだけさ、と翔子は言う。
「もし翼紗さんが、烏丸の血筋ではなかったとしたら、どうなります」
「血が繋がらなくても、家族は家族さ」
「烏丸一家の頭領も同じでしょうか」
 烏丸の頭領、つまり翔子の父親である。
「あのクソ親父なら、そうさね……翼紗を叩き出しちまうだろうね」
 追い出された翼紗が白鳥家の養子に迎えられれば、榊の読みは現実味を増す。
 けど翔子、と早乙女が意見する。
「向こうの要求は、とにかく誰でもいいからその子とΩを番わせてしまえ、というニュアンスなんじゃないか?」
「翔吾の話しでは、そういう感じだね」
 その子、と聞いて榊は、翔子に翼紗の年齢を確認した。
「翼紗さんて今おいくつなんですか」
「十四歳だよ」
「だとすれば番制度に登録はできません。成人していないと」
「そりゃ私も知ってるけどさ、じゃあなんで今かってことなんだよ」
「時間がない、というのがどういう意味なのか」
 翔子と榊の会話を聞きながら、なんのタイムリミットなんだろう、と麗子が小さく呟いた。
「番制度上もそうだけど、十四歳だとまだ、身体的にも番を獲得できない可能性は大きいよ」
 と早乙女が言う。
「α女性がΩと番うための機能が発達するのは、確か平均で十六歳だったはず」
 そうだよね、と早乙女から確認を求められた榊は、もちろん個人差はありますがと受け応える。
「十六歳未満でも、発情期のΩに無反応というわけではありませんから、番を望まないのであれば油断は禁物です。十代ともなればΩフェロモンに惹きつけられ行為にも及ぶでしょう。けれども男性機能が不完全なら、未遂で終わるということも」
「未遂っていうと?」
「性的な話になりますが……」
 と躊躇する榊に、いいからお言い、と翔子は急かす。
「下世話な言い方をすれば、勃つけど射精はできない状態」
 αがΩのうなじに噛み付くだけでは番にならない。Ωの内性器にあるフェロモン受容体に、精液に含まれるαフェロモン物質を結合させる必要がある、と榊は説明した。
「しかしΩの発情がきっかけで、精通と共に番を獲得したαもいるといいます」
「最悪なタイミングで……」
「一度でもつがってしまえば発情期のΩフェロモンが効きにくくなりますので、白鳥氏が翼紗さんに番を勧めるのは、Ωに耐性をつけさせたいのかも」
「ふぅん、なるほどね。番制度に登録できなくても、一か八かで耐性がつきゃあ構わないってことか」
 翔子は何度か頷く。
「それってやっぱり、就職や世間体のためなの?」
 と麗子が疑問を呈する。
 麗子たちが生まれる前、αが社会人として企業に就職するためには、番を持っていることが採用の必須条件とされた時代があった。
 Ωのフェロモントラップにかかっている隙に会社の機密情報を盗まれたり、性的不祥事を起こしたり、といったリスクを減らすためだ。就活の面接時、αに発情したΩを引き合わせ理性の強さを審査した所もあったという。
 現在は表向き番の有無は選考条件に含まないこととなっているが、それでもまだ隠れた了解事項として、αなら番持ちしか採用せずという組織もある。
「今だに番のあるなしにこだわるジジババてのは、けっこう居るもんさね」
 と翔子が不満気に頬杖をつく。
 特に社会的地位のあるαなどは番持ちであり、加えて配偶者がいないことが望まれた。
 番制度は協力義務、扶助義務、同居義務だけで貞操義務はない。そこだけ見ればΩとは別にもう一人、結婚によってαかβの配偶者を得ることができそうなものだが、番がいれば婚姻制度上の貞操義務に反することになってしまう。なにしろ番はΩとの性交とうなじへの噛みつきによって成立するものだし、性欲の強いΩに対して協力義務を果たすならば房事は必須。
「世間様ってのは、配偶者よりも番の方を優先に考えちまうもんさ」 
 Ωは番の獲得と共に忌避フェロモンを分泌するようになると、発情しても番以外のαを誘引できなくなる。
 そうなってしまえばもう、αに強く性的欲求の充足を求め、さらに経済的な自立の難しいΩは、番からの協力と扶助なしでは到底生きていけない。
 αはパートナーとして「優秀な同族のα」や「普通のβ」よりも、「か弱く哀れなΩ」の方を優先し保護すべきであるとされるのはそのためだ。
 いっそのことΩと結婚すれば問題ないはずなのだが、多くのαはこれを避ける。
 ゆえにαは番制度にのみ登録することを善しとされた。とはいえ──
「翼紗ちゃんにはまだ早すぎる」
 という麗子の言葉に全面同意の三人だ。
「どんな理由があろうと、翼紗に勝手にΩをあてがうような真似は、力尽くでも阻止してやるさ」
 右の拳を左手で受け止めた翔子は、相手が誰であろうとね、と固い決意を表明した。

 金縁の華奢なティーカップに紅茶を注ぎ足した麗子は、
「なにかいい話があるんだって?」
 例のΩさんのことで、と榊に促す。
「はい、Ω限定の有償ボランティアを募集しているところがあるんです」
「なるほど、ボランティアか」
 十日ほど前に麗子は、「発情Ω投下事件」で犯人に利用されたΩの面倒を見てくれる所がないだろうか、と榊に相談を持ち掛けたのだ。
 それを受けた榊はさっそく氷川三千緒に連絡を取り、〔白幻〕で預かってもらえないか頼んでみた。番の斡旋所である〔白幻〕が、いわゆるをしているΩをスカウトし入居の交渉をしていたことを知っているので、いけるんじゃないかと踏んだのだ。
 ところが氷川は、
『駄目だ』
 とあっけなく一蹴してしまった。
 今は昔と違い、〔白幻〕の会員や従業員から紹介された、身元の確かなΩしか取っていないのだ。ラインナップが充実してきたため、人選が慎重になったということだろう。
 そのことを聞いた麗子は諦めかけていたのだが、新たな情報が入ったと榊から連絡を受け、今日ここに招いたというわけだ。
「氷川グループと提携している製薬会社が、Ω用の性欲減退薬を開発したんだそうです。白幻ではその臨床試験に協力してくれるΩを募集しているそうですが……」
「治験バイトってわけね」
「しかし全く誰も応募してくれないため、治験者集めは難航しているといいます」
「報酬がよくないとか?」
「というよりおそらく、白幻住みのΩは衣食住に困っていないんですよね。もちろんにも。なので労働をして収入を得る必要がない。募集に応じないのはそのせいかもしれません。そこであのΩのかたであれば、どうでしょうかと」
「確かにねえ……」
 あのΩはベーシックインカムだけでは事足りず、生活保護を受給しながら隠れて体を売り、稼いだ金で男を買う生活を十年以上も続けている。
 若いうちは快楽と同時にお金も貰える売春を天職にし、かなりの荒稼ぎをしたという。Ωである希少性が客に喜ばれ、性フェロモンが出ない体質でもβの男性客にはたいそうモテたと、Ωは麗子に自慢気に語った。
 だが年齢を重ねるとともに客足は遠のき、安売りせざるを得なくなる。買った男から要求される対価もどんどん増える。安く売り、高い買い物をするという悪循環。そもそも売買春は違法だし、収入があることをケースワーカーに申告してもいないようだ。
「もし治験で収入があった場合、役所への申告や手続きはどうなるんだろ」
「治験前には個別の説明会を行いますので、そこで相談してみた方がいいですね。もし応じてくれるのであれば、氷川さんに事前に伝えておきます」
「悪いわね、手間かけさせて」
 なにも麗子が謝ることではない。榊は、いえ大丈夫です、と少し慌てた様子を見せた。
「実施場所は東京の病院で、長期の入院治験となります。家族や親しい人とは離れることになってしまいますので、もしつがいがいるとなれば難しいかもしれません」
「その点は大丈夫なはず」
「期間中は帰宅できませんので、その間発生した賃貸料も製薬会社で負担するということです。入院中は食事も提供されますし、報酬はもちろん行き帰りの交通費も出ます」
 一般的な治験の報酬相場がいかほどか麗子には分からないが、聞いた限りではかなりの好待遇に思えた。
「わかった、とりあえずあの人に治験の話、してみるわ」
 でもあまり期待しないで、と麗子は珍しく自信なさげだ。
 あのΩは売春と買春をしなければならないほど、男性との性行為に依存している。その上、良太を熱望するあまり麗子にしつこく粘着しているのだ。
 そうした人間が入院して規則正しい生活を送り、異性に触れず──なんて深山の修行僧みたいなことができるだろうか。正直なところ麗子には無理に思える。だが万一これをきっかけに生活態度を改め、自立し、良太のことを諦めてくれたなら願ってもない。
 報酬と待遇の良さをアピールするしかないか、と麗子は短いため息をついて温い紅茶を飲んだ。

「次も紅茶でいい?」
 と麗子が訊くのに、コーヒーがいいと翔子が答えたので、榊と早乙女も同じものを所望した。
 空のケーキスタンドと茶器を片付け、麗子はいったん店の奥に消える。店舗の接客カウンターでは、彼女の祖母がレジを使っていた。
「男ケ田に湖遥こはるさんのことを聞いたろう?」
 早乙女が榊に尋ねる。
 榊は昨日、獄烙町ごくらくちょう青年団の副団長である男ケ田に会った。そのとき軽い気持ちで、湖遥は前任者だったのかと訊いてみたのだ。
 いつもはニヒルに構えている男ケ田なのだが、彼女の名を耳にした途端、
紫馬しば湖遥さん、のことか』
 と険しい顔をした。榊は、最近世話になった人だ、とそれだけ告げて深入りせぬようにした。
「紫馬さんはね、青年団の先輩だったんだ。私たちに指導と訓練をしてくれた人だよ」
 特に男ケ田は紫馬湖遥の後任者として期待されていたために、教育の厳しさもひとしおだったという。
「副団長を務めていたのは二、三年と短期間だったが優秀な人だった。あの人なら今頃は、壮年団に入っててもおかしくないんだが……」
 なぜか急に退団して地蔵地区から居なくなってしまった、と早乙女は不可解そうに首を傾げた。
 その理由について、榊は「天眼様」の護衛のためだろうと推察した。現在の団長を務める早乙女が知らないことであるならば、それなりの理由があるのだろう。彼女の現在について無闇に口外すべきではない。
 早乙女は榊に、なにがきっかけでいつ何処で会ったか、などと問い詰めたりはせず、
「お元気そうだったか?」
 とだけ訊いた。
 榊はただ、はいお元気そうでした、と無難に答えるしかなかった。


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