【完結】初恋の女神の弟がなぜか俺にちょっかいを出してくるんだが? ~恋、始まり今いずこ~

上杉

文字の大きさ
44 / 53
3 Side 慧

43 ひとつに※

しおりを挟む

 待ち望んだ誉史のものは、みちり、みちりと俺の穴をさらに広げながらなかに入ってきた。その、これまで感じたことのない内側から押される感覚に、俺はなんとか必死に呼吸をする。
「……ふっ……ううっ……」
 きちんと準備していたおかげか、痛みはまったく感じなかった。ただ俺が襲われていたのは、気持ちいいところへ届きそうで届かないそんなもどかしさだった。
 実は、入口の拡張は済んでいたものの、まだ太いものを挿れるのが怖くてディルドを入れたことはなかったのだ。
 だから比較的細い棒状のものでなかをかき回していたのだが、そのときのいい場所を掠めるような感覚に覚えがあった。
 ――きっと、この奥を付いたら気持ちいいのだろう。
 そんな期待感を抱いた瞬間、誉史自身は止まることなくさらに奥へと進んだのだった。
 めりめりと分け入るような圧迫感があって、ずぶりと押し込むように熱いものが侵入してくる。次第に腹に圧迫感を感じ、俺は声が出せずにいた。
 すると突然、内側から押し寄せるような気持ちよさが現れたと思えば、まるで身体のなかから快感を直接刺激されるような、未知の感覚が俺を襲った。
 同時に腹部を押し上げる圧迫感もあり、俺は快楽と苦しさに一瞬意識が飛びそうになる。
 すると誉史から、
「慧……力抜いて……っ……きついって」
 と必死な声が聞こえた。その切羽詰まった声色にどうにかしないといけないとは思ったものの、俺にできることはこちらの状況を伝えることだけだった。
「……んんっ……ぬ、抜いてるって……」
 そのやりとりがあったあと、しばらく経ったあとで誉史はようやく腰を引いた。
 ――ようやく穴が馴染んだのだろうか。
 そう思ったのも束の間、引かれたものはずぶりと俺のなかに入り込み、気持ちいいところをぐわりと押し上げる。先程以上の快感に全身に鳥肌が立ってしまう。
 ――や、やばい。
 俺はそう思いながら、相反する感覚のなかでよくわからなくなっていた。
 いま自分を襲っていたのはとてつもない快楽と苦しさだった。またそれに加えて、あんな場所へ誉史の大切なものを入れているという背徳感もあった。
 そんな無数の感覚と同時に、もちろん繋がれたという胸に込み上げる嬉しさもあって。俺はもう身体に力が入らなかった。
 突っ伏した机に身を委ねるように脱力していると、ようやく刺激に慣れた誉史が上半身を起こして俺の被っていたウィッグを取り払う。
 そして俺の顎に触れ優しく口づけをし、それを合図についに誉史は動き始めたのだった。
 背にはずっしりとした重みと熱、そして吐息と誉史の匂いがあった。それは俺に安心をもたらしたものの、一瞬で快感へと昇華されてしまう。
「誉史……ゆっくり――んぐっ……ふっああぁ……」
「…………無理」
 ずぶ、ずぶと激しくものが打ちつけられるなかで、俺は卑猥な声を止めることができなかった。
「あっ……ああんっ……ああっ」
「慧……声……抑えてっ……!」
「誉史、お前が……んっ……優しくしろって……ああっ」
「無理だって……慧のナカ、よすぎ…………俺のを搾り取ろうとしてる」
 穴がそんな動きをしていることはわからなかったが、確かにいま俺のからだは快感に震え、下を向いたからは透明な液が溢れ糸を引いていることだろう。
 しかし、そんな恥ずかしさなんてどうでもよくなっていた。
 ありとあらゆる刺激と感情のすべてが奔流となって、俺達の快感を加速しているように思えた。
「ふっ……ううっ……あっあっ」
「慧っ…………もう、無理……」
 そう息を荒らげながら、ぐちゃぐちゃにそしてひとつになった俺達は、備品庫の片隅で静かに達したのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

僕の恋人は、超イケメン!!

BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

fall~獣のような男がぼくに歓びを教える

乃木のき
BL
お前は俺だけのものだ__結婚し穏やかな家庭を気づいてきた瑞生だが、元恋人の禄朗と再会してしまう。ダメなのに逢いたい。逢ってしまえばあなたに狂ってしまうだけなのに。 強く結ばれていたはずなのに小さなほころびが2人を引き離し、抗うように惹きつけ合う。 濃厚な情愛の行く先は地獄なのか天国なのか。 ※エブリスタで連載していた作品です

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

処理中です...