巨人族の1/3の花嫁〜王様を一妃様と二妃様と転生小人族の僕の三妃で幸せにします〜〈完結〉

2章

SS 少年の日の思い出（ロキ）

　俺はロキ・タイタン。半獣人だけど、見た目は痩せ気味の巨人族って感じかな。完全変幻型の獣人だ。珍しいタイプだと思う。

　ガリウスのことを知ったのは、結構前だったと思うぜ。下級貴族ってのは士官訓練を受けてて、俺はお袋に言われてそこに混ざっていた。お袋は士官訓練官で、やんちゃ盛りの俺を村に置いとけなかったのかもしれない。

　剣術訓練でピカ一の腕を見せていたガリウスは、巨躯で巨チンで熟女に人気者だった。何故か商売女しか抱かないんだ。俺は男女区別なくそこそこモテてて、奴に相手してやろうかと話すと真面目な顔をして、

「金に困っているのか」

と聞かれた。奴は商売女は商売として身を使い、奴は精を出した分金を落としていると言って、俺の誘いを一蹴したんだ。

　抱いたり抱かれたりしている俺の一時的な快楽とは違う、なんだかすげえ奴だなと一目置いた。

　あの頃はタイタン王がギガス軍とユミル軍と戦い続けていて、俺たちは北のユミル軍と南のギガス軍に挟まれて休みなしだった。巨人族最大の国ユミルは、軍の統率が取れていて、俺たち下級貴族と市井上がりの騎士遊撃隊はかなり苦戦を強いられていた。

　俺はワーウルフを口寄せして使役し、ユミル軍前衛隊を蹴散らしていたんだが、ユミル兵の弓の掃射に遭いワーウルフごと矢の餌食になるとこだった。

　そこに駆け付けてくれたのがガリウスだった。矢を剣ひとなぎで払って、俺を抱き上げて口寄せに集中させつつ、前衛隊の裏に回り、味方と挟み撃ちにして全滅させ勝利に導いたんだ。ユミル軍は撤退してユミル国との長期休戦を引き出したのは、ガリウスの剣技が大きくモノを言ったとお袋は今でも話している。

　市井騎士の中には戦死した奴もいたが、俺たちは勝利した。しかし王軍は南から来ていたギガス軍に何故かあっさりと敗北し、休戦状態になり、途端……ガリウスが居なくなった。

　俺も村に帰って畑仕事をしながら弟妹たちの面倒を見ていたら、ガルド神の神託により二妃になれって話が来たんだよ。

　見たこともない奴に抱かれるのかと思ったらガリウスなんだぜ？ガルド神、まじ、神！とか思ってたら、奴のイチモツはデカすぎて。巨チンなんだよ、超絶巨チン！ガリウスは商売女しかしていないから、準備とか知らないんだ。

　抱かれ馴れてる俺も初夜は尻の孔が裂けて大出血よ。腸の中の方まで裂けてすげえ熱が出て、二週間はソニンちゃんのとこに行ってもらった。ソニンちゃんも苦しんでたみたいなんだけど、そこはごめん、無理だった。そん時に同じ村のクラリが来てくれて世話してくれたんだ。

　クラリは元々ユミル軍に捕まっていた去勢奴隷で、お袋が開放して村に連れてきたんだが、俺は図々しくずっと世話になっている。

　ガリウスのことは好きなんだけど、あの巨チンのイチモツに串刺しになるのはかなり辛くて凹んでいた。

「そうかよ、おまえはそんな奴なんだな」

　なんてぼやきながら相変わらず巨チンに慣れなくて半泣きで実家に帰っていた帰りに、タークに会ったんだ。

　あの小さな身体で三妃だぜ？まじ死んじゃうだろと思った。だってガリウスのイチモツなんてタークの背丈の半分くらいありそうなんだ。ガルド神に祈りを捧げたよ、あの可愛い小人を殺さないでくれって。

　タークは死ぬことなくて、ガリウスも変わった。すげえ気持ちよくしてくれて腰が抜けそうだったし、俺は生まれて初めて贈り物を貰った。初めて見る珍しい首飾りは銀で、ずっしりしていて格好いい。変幻した狼の時も決まってて、家族にも好評だ。お袋は似たような物が欲しいとか言い出していた。

　ガリウスは今、俺の宝物だ。宝物を手放したりはしない。宝物にしてくれたタークには感謝しかない。

　ん？タークが俺の宝物を欲しいって言ったらどうするかって？

　タークがどうしてもって言うなら少しくらい独占してもいいぜ。俺はそんなに心の狭い奴じゃない。でも、時々は俺を滅茶苦茶にしてくれよ。首が締まるくらい飾りを引っ張り突きまくってどろどろにしながら、甘やかしてくれよな。あと、発情期は有無を言わさず、ガリウスは俺のもんだし。

　大事なのは村の家族。宝物はガリウス。俺のちょっとした自慢だ。


　ーーーーーーーー
　これで二章が終わりです。ありがとうございます！！さあ、起承転結の転期になります。お楽しみにしていてください。