【最弱勇者】100回目の転生

黒崎

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【エピローグ】

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魔界の魔族達が消えると僕はその場で膝をついて泣いた。

「僕がサタンを倒したばかりに消えるなんて…こんなのってないよ……。」

僕の悲痛な叫びにドレッドもかける言葉を失い、俯いた。すると僕の肩に手が触れた気がした。振り返ると僕の頬に指が触れた。

「バーカ」

そこにはベリアルがいた。

「へへっ」
「ベリアル―ーーー!!!」

僕はベリアルに抱き着いた。少し照れた表情をするも僕の服をみて驚愕する。

「おいおい、お前血だらけじゃねぇーの。大丈夫かよ!?」

魔王と戦っていたときに同じ部屋にいたけど、距離があって見えなかったようだ。

「うん、もう大丈夫だよ!!それよりみんなどうしたの?」
「おぅ、どうせ気になっていると思って伝えに来たぜ!」

どうやら魔界に住む魔族は一斉にアースガルドの魔王城の敷地内に転移したらしい。過去にもそのようなことがあったとか。

以前は城ごと転移させられたらしいが、既にアースガルドに魔王城があるため、魔族だけまるごと転移したようだ。現在、アースガルドの魔王城周辺は魔族達が集結しており、芋洗い状態だそうだ。

「あれ?ベリアルは先代魔王封印後、アースガルドではなく魔界にいたんだよね?」
「俺は坊っちゃんが自立してからは新魔王生誕と共に魔界に戻ったんだ。」

アースガルドの魔王城に一時的に戻されるも、その後は好きに移動できるらしい。

「さぁ、ドレッド。お前も行こうぜ!王様がお待ちかねだ。」

後日、魔王を含む各国の王が1か所に集まり、勲章式を開催した。ベリアルは英雄、僕は伝説の魔法使い、そしてドレッドは魔族の勇者としてそれぞれ勲章を授与した。

僕のことを勇者と信じて疑わなった者が偽勇者や嘘つき魔法使いと陰口を叩くこともあったが、僕は勇者ドレッドの伴侶のため多くの者は次第に気にしなくなった。

魔界の魔王がいなくなって平和になってからも、理性をもたない野生の魔獣達が時々暴れているが、魔族と人間が手を取り合って対処し共存する理想の世界となった。
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