22 / 22
22 これが私が楽しむ最高のリアルの恋愛です。
しおりを挟む
あるランチの時間。
誘われて皆と外に出た。
「ねえ、湯田君が注目され始めてるらしいんだけど。」
「何?」
なんだろう?何があった?
「三木君が紀伊さんとくっついたらしくて、湯田君主催の飲み会だったらしいじゃない。確か里穂もいたんだよね。」
「うん・・・・。」
知らないふりを忘れて答えてしまった。
やっぱり噂は巡ってるらしい。
相手もちゃんと正確に間違えられずに伝わったらしい。
「里穂知ってたの?」
「ううん、知らない。トイレでそんな話が盛り上がってるのを聞いてびっくりしたのがちょっと前だったと思う。」
「二瓶さんと紀伊さんと食事に行ってたよね?聞いてなかったの?」
「うん、好きな人が出来たって真っ赤になって報告はしてくれたけど、うまくいったら次に報告するねってところまでだった。もうびっくりした。」
「里穂との噂もどっかに行ったね。」
「うん、良かった。」
「一部の男子が湯田君と飲みたがってるみたい。」
「なんで・・・ってまさか?」
「うん、湯田君と飲むと恋愛運が上がるらしいって誰かが言い出したらしいよ。速攻で決めた能力が評価されたんだろうね。」
まさか希那を押しのけて次を狙いに行く人がいたとは。
希那もそんな人に譲りそうだけど、だって・・・・べつにね・・・。
「でもあれは二瓶さんが紀伊さんと仲良しで一緒に誘われたんだよ。湯田君と二瓶さんの飲み会に誘われないとダメじゃない?」
「そうだね。で、誘われた里穂は?」
んんっ。
「だって三木君と仲良くできただけだもん。」
そう言ったらガッカリされた。
「その内湯田君幹事で飲み会のお知らせが来るかもね。」
「他にこっそり付き合ってる人はいないかな?」
自分の事を棚に上げて聞いてみた。
希那が知ってる二人は誰だろう?
皆も知らないの?
「今のところそんな話はないね。」
「うん、知らない。」
誰も知らないらしい。
本当にこっそりと出来てるらしい。
でも確かに湯田君と二瓶さんのお陰で三木君とも知り合えて、後押しされて。
私と希那も元をたどれば湯田君のお陰かも。
何だか手を合わせた方がいい?
自分の研究は今一つ変な味わいしか醸し出さずに、でもそれが気になって見ててくれたんだろうか?湯田君と三木君がいなかったらどうなってた?
分からない。
でも感謝はしよう。
一番は希那に、二番目は湯田くん二瓶さんに、三番目は三木君に。
おまけに雑用を投げてくる部長にも、だってそこはちょっと盛り上がりのポイントだったしね。
「何楽しそうな顔してるの?」
希那の声にハッと我に返った。
いつの間にか仕事時間は終わりになっていた。
あと13分かあぁ、なんて思った記憶はあるけど、そこからはぼんやりしてた。
それでも楽しそうな顔をしていたらしい。
「ねえ、今日飲みに行かない?」
堂々と誘ってくる。
もしかして三木君達も一緒かな?
「いいよ。今終わりにする。」
お互いに名前は呼ばないようにしてる。
今までだってそんなに呼び合うこともなかった。
だからうっかりも出ないし、先輩たちも気がついてないと思う。
パソコンを閉じてトイレにいって。
「終わったよ。お腹空いたね。」
残ってる先輩たちに挨拶をして二人で廊下に出た。
まだまだ同僚の距離感で。
それでも私と三木君がザワザワしたんだから、この二人がちらりとも噂にならないのはまったく目撃されてないか、本当にさらさらとした同期にしか見えないか・・・・?
元々表情が分かりにくい希那だし、私といても本当に漏れ出してないから。
そう思っても前に比べるとグンと笑顔は優しいし、目もキラキラにも見えるけど。
二人でくっついてるくらいの甘さは出てない。
すっごく優しくてちょっと男らしいところなんて、見えないんだと思う。
そう、ほんとうはもっともっとだから。
「お腹空いてたんだね、すごく楽しみな顔してるけど。」
そう言われた。
もう、全然違うよって言いたいのに。
私だってもしかして二人でいると食欲が増すだけ増して、希那より食べる女ってだけにしか見えないのかもしれない。
やっぱり二人ともお互いだけの時にしか見せない顔はある。
それが特別な相手だってことで。
だからバレてないうちはこっそり特別な二人でもいい。
希那もそう思うよね?
グラスを手に希那を見た。
「・・・いいよ、まだ何か頼む?」
だから・・・・・・・もう。
全然漏れ出てないみたい。
仲良し二人はまだまだ同僚のふりで堂々としながらこっそり恋愛してます。
そんなパターンもあるみたい。
そんな二人、誰か参考にしてくれる?
色んなパターンがやっぱり三次元にはあるみたい。
足をバタバタして心臓をバクバクさせるような、そこまではいかなくてもじんわりとしたハッピーなパターン、そんな恋愛も普通にあるんだから。
誘われて皆と外に出た。
「ねえ、湯田君が注目され始めてるらしいんだけど。」
「何?」
なんだろう?何があった?
「三木君が紀伊さんとくっついたらしくて、湯田君主催の飲み会だったらしいじゃない。確か里穂もいたんだよね。」
「うん・・・・。」
知らないふりを忘れて答えてしまった。
やっぱり噂は巡ってるらしい。
相手もちゃんと正確に間違えられずに伝わったらしい。
「里穂知ってたの?」
「ううん、知らない。トイレでそんな話が盛り上がってるのを聞いてびっくりしたのがちょっと前だったと思う。」
「二瓶さんと紀伊さんと食事に行ってたよね?聞いてなかったの?」
「うん、好きな人が出来たって真っ赤になって報告はしてくれたけど、うまくいったら次に報告するねってところまでだった。もうびっくりした。」
「里穂との噂もどっかに行ったね。」
「うん、良かった。」
「一部の男子が湯田君と飲みたがってるみたい。」
「なんで・・・ってまさか?」
「うん、湯田君と飲むと恋愛運が上がるらしいって誰かが言い出したらしいよ。速攻で決めた能力が評価されたんだろうね。」
まさか希那を押しのけて次を狙いに行く人がいたとは。
希那もそんな人に譲りそうだけど、だって・・・・べつにね・・・。
「でもあれは二瓶さんが紀伊さんと仲良しで一緒に誘われたんだよ。湯田君と二瓶さんの飲み会に誘われないとダメじゃない?」
「そうだね。で、誘われた里穂は?」
んんっ。
「だって三木君と仲良くできただけだもん。」
そう言ったらガッカリされた。
「その内湯田君幹事で飲み会のお知らせが来るかもね。」
「他にこっそり付き合ってる人はいないかな?」
自分の事を棚に上げて聞いてみた。
希那が知ってる二人は誰だろう?
皆も知らないの?
「今のところそんな話はないね。」
「うん、知らない。」
誰も知らないらしい。
本当にこっそりと出来てるらしい。
でも確かに湯田君と二瓶さんのお陰で三木君とも知り合えて、後押しされて。
私と希那も元をたどれば湯田君のお陰かも。
何だか手を合わせた方がいい?
自分の研究は今一つ変な味わいしか醸し出さずに、でもそれが気になって見ててくれたんだろうか?湯田君と三木君がいなかったらどうなってた?
分からない。
でも感謝はしよう。
一番は希那に、二番目は湯田くん二瓶さんに、三番目は三木君に。
おまけに雑用を投げてくる部長にも、だってそこはちょっと盛り上がりのポイントだったしね。
「何楽しそうな顔してるの?」
希那の声にハッと我に返った。
いつの間にか仕事時間は終わりになっていた。
あと13分かあぁ、なんて思った記憶はあるけど、そこからはぼんやりしてた。
それでも楽しそうな顔をしていたらしい。
「ねえ、今日飲みに行かない?」
堂々と誘ってくる。
もしかして三木君達も一緒かな?
「いいよ。今終わりにする。」
お互いに名前は呼ばないようにしてる。
今までだってそんなに呼び合うこともなかった。
だからうっかりも出ないし、先輩たちも気がついてないと思う。
パソコンを閉じてトイレにいって。
「終わったよ。お腹空いたね。」
残ってる先輩たちに挨拶をして二人で廊下に出た。
まだまだ同僚の距離感で。
それでも私と三木君がザワザワしたんだから、この二人がちらりとも噂にならないのはまったく目撃されてないか、本当にさらさらとした同期にしか見えないか・・・・?
元々表情が分かりにくい希那だし、私といても本当に漏れ出してないから。
そう思っても前に比べるとグンと笑顔は優しいし、目もキラキラにも見えるけど。
二人でくっついてるくらいの甘さは出てない。
すっごく優しくてちょっと男らしいところなんて、見えないんだと思う。
そう、ほんとうはもっともっとだから。
「お腹空いてたんだね、すごく楽しみな顔してるけど。」
そう言われた。
もう、全然違うよって言いたいのに。
私だってもしかして二人でいると食欲が増すだけ増して、希那より食べる女ってだけにしか見えないのかもしれない。
やっぱり二人ともお互いだけの時にしか見せない顔はある。
それが特別な相手だってことで。
だからバレてないうちはこっそり特別な二人でもいい。
希那もそう思うよね?
グラスを手に希那を見た。
「・・・いいよ、まだ何か頼む?」
だから・・・・・・・もう。
全然漏れ出てないみたい。
仲良し二人はまだまだ同僚のふりで堂々としながらこっそり恋愛してます。
そんなパターンもあるみたい。
そんな二人、誰か参考にしてくれる?
色んなパターンがやっぱり三次元にはあるみたい。
足をバタバタして心臓をバクバクさせるような、そこまではいかなくてもじんわりとしたハッピーなパターン、そんな恋愛も普通にあるんだから。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる