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元婚約者が襲来した件
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男爵令嬢・・・
いえ、下位の貴族でも優秀な人はいるし、努力してマナーや教養を身につけている令嬢や令息はいると思う。
でも、王妃様の言い方だと・・・
きっと、王太子殿下の好みの容姿をしてるんだろうけど。
容姿で王太子妃を選んだら駄目でしょ。
その日、帰りに何とか王太子殿下に会わずに帰ったのだけど・・・
こともあろうに、クォーツ公爵家に突撃して来た!
「・・・私は居留守だから、帰っていただいて」
「それが、どうやら窓からお嬢様がご在宅なのを見たらしくて」
「まぁ!なんて品のない行動を、王太子殿下ともあろう方が。というか、留守と言われたなら、例えいるのを見たとしても会いたくないという隠語なのだから、引き下がりなさいよね。本当あの方、あんなに駄目駄目だったかしら」
婚約者だった頃はもっとマトモだったと思ったけど、本当あり得ないわね。
「仕方ないわ。うちの大切な使用人たちを罰せられたらたまらないもの。王宮に出向いているお母様に早馬を出して。それから、応接室の準備を。茶菓子はいらないわ。殿下にだけ紅茶を淹れて差し上げて」
「あの・・・お連れ様がいらっしゃるようで」
「は?え、ちょっと待って。それってご令嬢?」
「はい」
チッ。あのお馬鹿王太子、なに真実の愛の相手連れて来てるのよ。
先触れも寄越してないし、勝手にやって来た上に女連れとかありえないんだけど!
「・・・仕方ないわ。王太子殿下の連れだもの。そのご令嬢にも紅茶を出してちょうだい」
「かしこまりました」
「着替えるわ。さすがに相手が王太子殿下では、部屋着では会えないもの」
今までは婚約者だったから王太子殿下の瞳の色の青いドレスばかり着てたけど、婚約が白紙撤回になって、青いドレスは全て孤児院に寄付した。
公爵家や王家で作ったドレスだから、布に戻してもいいし、売ってもいい値が付く。
私は淡いパープルのドレスに着替えると、王太子殿下とご令嬢が待つ応接室に向かった。
こんなのなら、お母様と一緒に王宮に行けばよかったわ。
「ごきげんよう、王太子殿下。先触れもいただいておりませんが、何か急を要する案件でもありましたか?」
とりあえず、嫌味を言っておく。
そもそも、婚約破棄を宣言した元婚約者の家に能天気に女連れで来るんじゃないわよ。
だけど残念ながら、残念な思考の王太子殿下には通じなかった。
「急用というか、こないだルチルとゆっくり話せなかったし、チェリーのことも紹介したくてさ」
「私と話すような用件は無いと思いますけど」
というか、名前で呼ぶなって何度言えば分かるの?
いえ、下位の貴族でも優秀な人はいるし、努力してマナーや教養を身につけている令嬢や令息はいると思う。
でも、王妃様の言い方だと・・・
きっと、王太子殿下の好みの容姿をしてるんだろうけど。
容姿で王太子妃を選んだら駄目でしょ。
その日、帰りに何とか王太子殿下に会わずに帰ったのだけど・・・
こともあろうに、クォーツ公爵家に突撃して来た!
「・・・私は居留守だから、帰っていただいて」
「それが、どうやら窓からお嬢様がご在宅なのを見たらしくて」
「まぁ!なんて品のない行動を、王太子殿下ともあろう方が。というか、留守と言われたなら、例えいるのを見たとしても会いたくないという隠語なのだから、引き下がりなさいよね。本当あの方、あんなに駄目駄目だったかしら」
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「仕方ないわ。うちの大切な使用人たちを罰せられたらたまらないもの。王宮に出向いているお母様に早馬を出して。それから、応接室の準備を。茶菓子はいらないわ。殿下にだけ紅茶を淹れて差し上げて」
「あの・・・お連れ様がいらっしゃるようで」
「は?え、ちょっと待って。それってご令嬢?」
「はい」
チッ。あのお馬鹿王太子、なに真実の愛の相手連れて来てるのよ。
先触れも寄越してないし、勝手にやって来た上に女連れとかありえないんだけど!
「・・・仕方ないわ。王太子殿下の連れだもの。そのご令嬢にも紅茶を出してちょうだい」
「かしこまりました」
「着替えるわ。さすがに相手が王太子殿下では、部屋着では会えないもの」
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