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この場は断罪の場な件
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「お、お待ちください!クォーツ公爵夫人!う、うちの娘は、シトリン伯爵令嬢のことを話していただけで、ご息女のことを悪く言ったりなどは・・・」
キプロス侯爵が慌てたように弁明をしているけど、理解ってないのね。
チェリー様が養女になったシトリン伯爵家は、クォーツ公爵家傘下の家。
つまりは、主家であるクォーツ公爵家の庇護下にあるのよ。
そこの養女のことを疫病神だなんて言っておいて、我が家が見逃すとでも思っているの?
しかも、チェリー様は第一王子殿下の婚約者で、公爵令嬢である私の友人。
こんな人が、侯爵家当主だなんて大丈夫なのかしら?
キプロス侯爵家とザイール伯爵家って、サードニクス公爵家の傘下だったわよね。
「あらあら。そのシトリン伯爵家の令嬢であるチェリー様は、うちの娘の友人なのだけど?しかも第一王子殿下の婚約者。で、その令嬢のことを何ておっしゃったのかしら?」
「「・・・」」
「さっさと答えろ!リシアが尋ねているだろうが!」
「旦那様?すこぉし、静かに待っていて下さる?」
「分かった!」
お母様の問いかけにダンマリの二人に、案の定お父様が激昂する。
そんなお父様を嗜めるお母様。
お母様は猛獣使いね。お父様は、お母様の言うことしか聞かないんだもの。
お母様が常識人で、しかもちゃんと家族を大切に思ってくれる人で本当に良かったわ。
「第一王子に、公爵令嬢がその場にいたのだから、虚偽の発言をしない方がいいわよ。そもそも、あなた方の発言についてはこの二人以外から報告を受けているの。この場はね、あなた方の弁明を受ける場じゃないの。あなた方の罪を裁く場なのよ」
「お、王妃殿下・・・」
「王妃の言うとおりだ。証拠は出揃っている。それなのにこのような場を開いたのは、そこの二人が素直に謝罪するかを見たかったのと、サードニクス公爵家への配慮からだ。傘下の貴族家が阿呆だからと言って、主家に飛び火させたくなかったからな。もっとも、サードニクス公爵家は早々にクォーツ公爵家に謝罪をしているがな」
え?そうなの?
お母様の顔を見ると、にっこりと頷かれた。
ええ。お父様に聞いたりしないわ。
当主はお父様だから、謝罪があったとしてもお父様にだと思うけどね。
サードニクス公爵家には、私と同い年のご令息とひとつ年下のご令嬢がいるから、きっとあの場面を見ていたのだわ。
止めなかったということは、ご令息じゃなくご令嬢の方が見たのかしら。
いくら公爵令嬢でも、年上の、ご令嬢に意見するのは怖いわよね。
キプロス侯爵が慌てたように弁明をしているけど、理解ってないのね。
チェリー様が養女になったシトリン伯爵家は、クォーツ公爵家傘下の家。
つまりは、主家であるクォーツ公爵家の庇護下にあるのよ。
そこの養女のことを疫病神だなんて言っておいて、我が家が見逃すとでも思っているの?
しかも、チェリー様は第一王子殿下の婚約者で、公爵令嬢である私の友人。
こんな人が、侯爵家当主だなんて大丈夫なのかしら?
キプロス侯爵家とザイール伯爵家って、サードニクス公爵家の傘下だったわよね。
「あらあら。そのシトリン伯爵家の令嬢であるチェリー様は、うちの娘の友人なのだけど?しかも第一王子殿下の婚約者。で、その令嬢のことを何ておっしゃったのかしら?」
「「・・・」」
「さっさと答えろ!リシアが尋ねているだろうが!」
「旦那様?すこぉし、静かに待っていて下さる?」
「分かった!」
お母様の問いかけにダンマリの二人に、案の定お父様が激昂する。
そんなお父様を嗜めるお母様。
お母様は猛獣使いね。お父様は、お母様の言うことしか聞かないんだもの。
お母様が常識人で、しかもちゃんと家族を大切に思ってくれる人で本当に良かったわ。
「第一王子に、公爵令嬢がその場にいたのだから、虚偽の発言をしない方がいいわよ。そもそも、あなた方の発言についてはこの二人以外から報告を受けているの。この場はね、あなた方の弁明を受ける場じゃないの。あなた方の罪を裁く場なのよ」
「お、王妃殿下・・・」
「王妃の言うとおりだ。証拠は出揃っている。それなのにこのような場を開いたのは、そこの二人が素直に謝罪するかを見たかったのと、サードニクス公爵家への配慮からだ。傘下の貴族家が阿呆だからと言って、主家に飛び火させたくなかったからな。もっとも、サードニクス公爵家は早々にクォーツ公爵家に謝罪をしているがな」
え?そうなの?
お母様の顔を見ると、にっこりと頷かれた。
ええ。お父様に聞いたりしないわ。
当主はお父様だから、謝罪があったとしてもお父様にだと思うけどね。
サードニクス公爵家には、私と同い年のご令息とひとつ年下のご令嬢がいるから、きっとあの場面を見ていたのだわ。
止めなかったということは、ご令息じゃなくご令嬢の方が見たのかしら。
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