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第三章
8:不運の連鎖
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翌日。長く寝たつもりはなかったのだけど、目が覚めるともうお昼を回っていた。
のそのそと起き上がったわたしは大きく伸びをして、体の具合を確認する。うん、昨晩のことが嘘みたいだ。体が軽いし、寒くない。若干まだ頭は重いけど、これなら出歩いても問題なかろう。
乾いたまま額に張り付いていた冷えピタを剥がして居間に行く。座卓の上に一人用の土鍋が用意されていた。蓋の上には丸っこい可愛い字で『七さんへ』と付箋が貼られている。ゆかりちゃんだ。今度ちゃんとお礼をしなければならない。
わたしは土鍋に感謝の合掌をしてから、コンロで軽く温めなおしてお粥を食べた。お腹がほかほかになった頃、タイミングよく大地くんが居間に姿を見せる。彼はわたしを見るなり、ポーカーフェイスの顔をたちまち心配そうに曇らせた。
「七さん、起きて大丈夫なんスか」
「うん、ごめんね大地くん。いろいろご迷惑をおかけしまして……」
「や、自分は全然。というか昨日は、七さんより橘さんの方が大変だったんで」
「……橘さんが?」
「七さんがひっくり返っていることを電話で話したら、三十分で戻って来たんス。そっから七さんを襲った地縛霊をぶち殺すとか言って騒ぎ出して、聞かなくて……。仕舞いには七さんが寝ている客間をガムテープでガチガチに固定して監禁しようとしていたんで、止めるのに苦労したっス」
なんか昨日もさり気なく言っていた気がするけど、本気だったらしい。誰だ昨日、奴の顔は好きかもとかほざいた奴は。わたしだ。
「まぁそういうわけなんで、橘さんからだいたい七さんの話は聞きました。自分でよければ手伝います。今から怨霊のところに行くんスか」
「あ、うん、そうなんだけど……ごめんね、大地くん。わたしのせいで本当に迷惑かけて。バイトも忙しいのに」
「自分は全然平気っス。金城も迷惑だなんて思ってないと思うっスよ。自分らも、七さんと同じ立場になったら同じことをしそうな気がするし。七さんの気持ちが間違っているとは思いません」
大地くんはいつも通り平然と、ごくごく当たり前のことを言った。
「誰でも死んだ人には、安らかに眠ってほしいもんかと」
わたしは申し訳なさからいくらか救われたような気がした。そうかと思う。誰でも思うことなんだ。思ってもいいのだ、たとえ自己満足でも。
祈りって、きっとそういう形もしていると思うから。
着替えたわたしはマフラーを巻くと、大地くんと一緒に荘を出た。
橘さんが帰ってくるのは、明日である。
***
交差点に着いたものの、ハルトくんの姿はどこにもなかった。
二人で電柱を中心にあちこち探してみたけれど、見つからず。前にも同じことがあったなと、直接呼びかける方法に切り替えてみたが、ハルトくんが出てきてくれることはなかった。
「どうしたんだろ……祓い屋さんと一緒に来ているのに」
前にハルトくんは、わたしが祓い屋さんを連れてくるなら覚悟を決めると言っていた。べつに祓うわけじゃないけれど、実際連れてきたわけだから、すぐに姿を見せてくれると思っていたのだけど。
「やっぱ祓われたくないんスかね」
背中に竹刀袋を背負った大地くんが神妙に言う。
「金城を連れてきた方がよかったかもっス。こういうときはあいつの力が役に立つんで」
「そうなの?」
「はい。あ、でも――……やっぱ無理かも」
何かを思い出した様子で打ち消される。何が無理なんだろう。
「ていうか、ここの話でしたか。ウワサ通り、空気が淀んでますね」
「……? 何か知ってるの、大地くん」
「まぁ、はい。自分もここに来てまだ一年なんで詳しくは知らないスけど」
大地くんは軽く周囲を見渡した。
「この交差点のことはスーパーに来る業者の死神さんからよく聞いてました。ちょっと前から死亡事故が多発しているところのようで」
なぜか、ここでは飛び出し事故が相次いでいるらしい。
不運としか言いようがない形で人が死んできたらしい。
そして、いずれも皆、厄介な地縛霊か怨霊となって除霊されてきたらしい。
「ただでさえここは交差点――十字路っス。十字路は昔からよくないものが通る場所で……集まりやすい場所でもあります。そういうところは祓っても空気が淀む。フンイキが出る。だから、ウワサになりやすい。たとえば、『ここを通ると道連れにされる』とか」
「道連れ……」
「典型的な話っス。事故ほど未練が残るものはありませんし、慰めとして誰かを連れていきたい衝動に駆られるのもあり得るもんかと。実行したらアウトっスけど。でもそういう不運な霊ほど怨霊か地縛霊、あるいはどちらともになりやすい。ここで死亡事故が続いているのは、そういう連鎖があるせいかもしれません」
わたしの頭に、先日検索エンジンで出てきた見出しが浮かぶ。――【突然奪われた命 近年増加する交通死亡事故 警察は呼びかけを徹底】……。
じゃあ――ハルトくんは、不運にも、その連鎖に囚われてしまったのだろうか。
「もちろん、七さんも他人事じゃないと思います。経緯はどうあれ、ここの死霊と関わりを持ってから急激に生気を失ったことといい、少なくとも道連れの対象にはされていたはずっス。七さんの体調が悪くなる一方で、死霊は元気になっていましたか」
「え、あ……そういえば、ポルターガイストが使えるようになってた。あと若干空腹もするって」
「普通の善霊ならそんな超常現象起こせないっス。空腹も大方、七さんの生気を吸い続けていたからでしょう。立派な悪霊スね」
「く、詳しいね、大地くん」
「まだ見習いスけど、これでも一応祓い屋なんで」
二つ年下の高校生なのに、大地くんはなんだか長年監督を任される現場主任みたいな貫禄があった。本当に見習いなのかと思う。
「でも、ハルトくんは怨霊認定されているけど全然怨霊じゃないっていうか。そもそも怨霊になった原因が頭から抜け落ちているから、怨霊とも呼べないと思うんだよ。ていうか死神さんもどうしてハルトくんを怨霊認定したんだろ。今思えば不思議かも……」
「死神さんは魂を見極める存在スから、間違いは起こしません。その怨霊は、死神さんの目で見たら怨霊だったんでしょう。深層では誰かを怨んでいたんじゃないスか」
「でも怨む相手って……誰?」
「さぁ。自分を轢いた相手とか」
「相手の人には謝りたいって言ってた。怨んでないと思う」
「じゃあ他スか」
……分からない。
わたしはスマホの時計を見る。もう十六時を回っていた。辺りは昼下がりを過ぎて夕方の色になりつつある。それなりに長い時間が経っている。こうも大地くんを連れ回していると、やっぱり申し訳なくなってきた。……あれ、申し訳ない?
申し訳ないって、当たり前だけど、自分に非があるときに使う言葉だ。
ハルトくんも毎度わたしに言っていた。撥ねた相手にも。家族にも。
そう。彼は今の一度も、誰も責めていない。それはつまり。
誰も怨んでいないのだ。
「――……あ、……」
思わず声が零れる。その時だった。
突如として背中に寒気が走る。冷蔵庫のドアを一気に開け放ったような冷気を感じた。咄嗟に後ろを振り返って、ギョッとする。
なんの変哲もない物陰から、黒い手が無数に生えていた。イソギンチャクみたいにわさわさと。おどろおどろしく。
目が合ったわけじゃないけど、感覚で目が合ったような気がした。陰から生まれたイソギンチャクはわたし目がけて手を伸ばしてくる。腕を掴まれた感触が確かにあった。そのままものすごい力で引っ張られる。
「わ、わわわわ……っ⁉」
「七さん!」
大地くんが急いでわたしのもう片方の手を掴む。大根でも引っこ抜くのかというほどの力で引っ張ってきた。千切れる、体が千切れる。
けれども力の差は歴然だった。たった一人の腕力に対し、チームイソギンチャクの力は圧倒的。それどころか、加勢に出てきた新しい手がわたしたちを丸ごと包み込む。
わたしの視界が、暗転した。
***
「――い、おい、黄泉野」
声と一緒に軽く頬を叩かれた気がした。わたしはううう、と目を開ける。
すぐ目の前にハルトくんがいた。なんだかいつもよりハッキリ見える。そうだ、透けていない。幽霊じゃないハルトくんだ。
「え、あ、ハルトくん……?」
目を瞬いて周囲を見る。辺りはとっぷり夜だった。わたしは明かりが灯っている電柱に寄りかかって座っている。傍らには気を失っている大地くんも座っていた。ハルトくんがぺちぺちと頬を叩くと、わたしと同じようにううう、と呻きが出てくる。よかった生きてる。
「な、なんでハルトくん、実体化してるの……? ていうか、わたしたち……何が起きて」
「ごめんな、黄泉野。俺のせいなんだ」
状況が読み込めていないわたしに、ハルトくんは申し訳なさそうに言う。くしゃりと表情を歪めた。
「お前たち二人、帰してやれないかもしれない」
のそのそと起き上がったわたしは大きく伸びをして、体の具合を確認する。うん、昨晩のことが嘘みたいだ。体が軽いし、寒くない。若干まだ頭は重いけど、これなら出歩いても問題なかろう。
乾いたまま額に張り付いていた冷えピタを剥がして居間に行く。座卓の上に一人用の土鍋が用意されていた。蓋の上には丸っこい可愛い字で『七さんへ』と付箋が貼られている。ゆかりちゃんだ。今度ちゃんとお礼をしなければならない。
わたしは土鍋に感謝の合掌をしてから、コンロで軽く温めなおしてお粥を食べた。お腹がほかほかになった頃、タイミングよく大地くんが居間に姿を見せる。彼はわたしを見るなり、ポーカーフェイスの顔をたちまち心配そうに曇らせた。
「七さん、起きて大丈夫なんスか」
「うん、ごめんね大地くん。いろいろご迷惑をおかけしまして……」
「や、自分は全然。というか昨日は、七さんより橘さんの方が大変だったんで」
「……橘さんが?」
「七さんがひっくり返っていることを電話で話したら、三十分で戻って来たんス。そっから七さんを襲った地縛霊をぶち殺すとか言って騒ぎ出して、聞かなくて……。仕舞いには七さんが寝ている客間をガムテープでガチガチに固定して監禁しようとしていたんで、止めるのに苦労したっス」
なんか昨日もさり気なく言っていた気がするけど、本気だったらしい。誰だ昨日、奴の顔は好きかもとかほざいた奴は。わたしだ。
「まぁそういうわけなんで、橘さんからだいたい七さんの話は聞きました。自分でよければ手伝います。今から怨霊のところに行くんスか」
「あ、うん、そうなんだけど……ごめんね、大地くん。わたしのせいで本当に迷惑かけて。バイトも忙しいのに」
「自分は全然平気っス。金城も迷惑だなんて思ってないと思うっスよ。自分らも、七さんと同じ立場になったら同じことをしそうな気がするし。七さんの気持ちが間違っているとは思いません」
大地くんはいつも通り平然と、ごくごく当たり前のことを言った。
「誰でも死んだ人には、安らかに眠ってほしいもんかと」
わたしは申し訳なさからいくらか救われたような気がした。そうかと思う。誰でも思うことなんだ。思ってもいいのだ、たとえ自己満足でも。
祈りって、きっとそういう形もしていると思うから。
着替えたわたしはマフラーを巻くと、大地くんと一緒に荘を出た。
橘さんが帰ってくるのは、明日である。
***
交差点に着いたものの、ハルトくんの姿はどこにもなかった。
二人で電柱を中心にあちこち探してみたけれど、見つからず。前にも同じことがあったなと、直接呼びかける方法に切り替えてみたが、ハルトくんが出てきてくれることはなかった。
「どうしたんだろ……祓い屋さんと一緒に来ているのに」
前にハルトくんは、わたしが祓い屋さんを連れてくるなら覚悟を決めると言っていた。べつに祓うわけじゃないけれど、実際連れてきたわけだから、すぐに姿を見せてくれると思っていたのだけど。
「やっぱ祓われたくないんスかね」
背中に竹刀袋を背負った大地くんが神妙に言う。
「金城を連れてきた方がよかったかもっス。こういうときはあいつの力が役に立つんで」
「そうなの?」
「はい。あ、でも――……やっぱ無理かも」
何かを思い出した様子で打ち消される。何が無理なんだろう。
「ていうか、ここの話でしたか。ウワサ通り、空気が淀んでますね」
「……? 何か知ってるの、大地くん」
「まぁ、はい。自分もここに来てまだ一年なんで詳しくは知らないスけど」
大地くんは軽く周囲を見渡した。
「この交差点のことはスーパーに来る業者の死神さんからよく聞いてました。ちょっと前から死亡事故が多発しているところのようで」
なぜか、ここでは飛び出し事故が相次いでいるらしい。
不運としか言いようがない形で人が死んできたらしい。
そして、いずれも皆、厄介な地縛霊か怨霊となって除霊されてきたらしい。
「ただでさえここは交差点――十字路っス。十字路は昔からよくないものが通る場所で……集まりやすい場所でもあります。そういうところは祓っても空気が淀む。フンイキが出る。だから、ウワサになりやすい。たとえば、『ここを通ると道連れにされる』とか」
「道連れ……」
「典型的な話っス。事故ほど未練が残るものはありませんし、慰めとして誰かを連れていきたい衝動に駆られるのもあり得るもんかと。実行したらアウトっスけど。でもそういう不運な霊ほど怨霊か地縛霊、あるいはどちらともになりやすい。ここで死亡事故が続いているのは、そういう連鎖があるせいかもしれません」
わたしの頭に、先日検索エンジンで出てきた見出しが浮かぶ。――【突然奪われた命 近年増加する交通死亡事故 警察は呼びかけを徹底】……。
じゃあ――ハルトくんは、不運にも、その連鎖に囚われてしまったのだろうか。
「もちろん、七さんも他人事じゃないと思います。経緯はどうあれ、ここの死霊と関わりを持ってから急激に生気を失ったことといい、少なくとも道連れの対象にはされていたはずっス。七さんの体調が悪くなる一方で、死霊は元気になっていましたか」
「え、あ……そういえば、ポルターガイストが使えるようになってた。あと若干空腹もするって」
「普通の善霊ならそんな超常現象起こせないっス。空腹も大方、七さんの生気を吸い続けていたからでしょう。立派な悪霊スね」
「く、詳しいね、大地くん」
「まだ見習いスけど、これでも一応祓い屋なんで」
二つ年下の高校生なのに、大地くんはなんだか長年監督を任される現場主任みたいな貫禄があった。本当に見習いなのかと思う。
「でも、ハルトくんは怨霊認定されているけど全然怨霊じゃないっていうか。そもそも怨霊になった原因が頭から抜け落ちているから、怨霊とも呼べないと思うんだよ。ていうか死神さんもどうしてハルトくんを怨霊認定したんだろ。今思えば不思議かも……」
「死神さんは魂を見極める存在スから、間違いは起こしません。その怨霊は、死神さんの目で見たら怨霊だったんでしょう。深層では誰かを怨んでいたんじゃないスか」
「でも怨む相手って……誰?」
「さぁ。自分を轢いた相手とか」
「相手の人には謝りたいって言ってた。怨んでないと思う」
「じゃあ他スか」
……分からない。
わたしはスマホの時計を見る。もう十六時を回っていた。辺りは昼下がりを過ぎて夕方の色になりつつある。それなりに長い時間が経っている。こうも大地くんを連れ回していると、やっぱり申し訳なくなってきた。……あれ、申し訳ない?
申し訳ないって、当たり前だけど、自分に非があるときに使う言葉だ。
ハルトくんも毎度わたしに言っていた。撥ねた相手にも。家族にも。
そう。彼は今の一度も、誰も責めていない。それはつまり。
誰も怨んでいないのだ。
「――……あ、……」
思わず声が零れる。その時だった。
突如として背中に寒気が走る。冷蔵庫のドアを一気に開け放ったような冷気を感じた。咄嗟に後ろを振り返って、ギョッとする。
なんの変哲もない物陰から、黒い手が無数に生えていた。イソギンチャクみたいにわさわさと。おどろおどろしく。
目が合ったわけじゃないけど、感覚で目が合ったような気がした。陰から生まれたイソギンチャクはわたし目がけて手を伸ばしてくる。腕を掴まれた感触が確かにあった。そのままものすごい力で引っ張られる。
「わ、わわわわ……っ⁉」
「七さん!」
大地くんが急いでわたしのもう片方の手を掴む。大根でも引っこ抜くのかというほどの力で引っ張ってきた。千切れる、体が千切れる。
けれども力の差は歴然だった。たった一人の腕力に対し、チームイソギンチャクの力は圧倒的。それどころか、加勢に出てきた新しい手がわたしたちを丸ごと包み込む。
わたしの視界が、暗転した。
***
「――い、おい、黄泉野」
声と一緒に軽く頬を叩かれた気がした。わたしはううう、と目を開ける。
すぐ目の前にハルトくんがいた。なんだかいつもよりハッキリ見える。そうだ、透けていない。幽霊じゃないハルトくんだ。
「え、あ、ハルトくん……?」
目を瞬いて周囲を見る。辺りはとっぷり夜だった。わたしは明かりが灯っている電柱に寄りかかって座っている。傍らには気を失っている大地くんも座っていた。ハルトくんがぺちぺちと頬を叩くと、わたしと同じようにううう、と呻きが出てくる。よかった生きてる。
「な、なんでハルトくん、実体化してるの……? ていうか、わたしたち……何が起きて」
「ごめんな、黄泉野。俺のせいなんだ」
状況が読み込めていないわたしに、ハルトくんは申し訳なさそうに言う。くしゃりと表情を歪めた。
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