無能と呼ばれた魔術師の成り上がり！！

魔法学園グリモアール編

思わぬ再会！？

　対抗戦が終わった次の日、俺は朝早くから目を覚ました。
　さして早く目が覚めた俺だったが、特にすることもないので、何をしようか考えていた。

「早く目が覚めてしまった……することねえな。何すっかな。とりあえず、街の中でも散歩でもするかな」

　思い付いたことをとりあえず実行するためにベッドから跳び上がり、服を出掛けるようの服に着替えてから、外に出ていった。
　街に出ると、まだ朝早くなためか人もあまり多くなく、店もまだ開いていないところが多かった。

「おお、この辺りがあまり人がいないってのは結構新鮮だなー。まだ開いていない店も多いみたいだし、なんか暇を潰せる店開いてないかなー」

　ライトは大通りを抜けて、脇道へと入っていく。
　裏通りには、普段大通りには売っていないような武器や防具、装飾品などがあったりする。が、ほとんどのものがガラクタなのだが、たまに掘り出し物で聖剣クラスの武器や防具が出回っていたりする。
　そういうの目当てでこの辺りのお店を回る冒険者は多い。
　そして、この辺りのお店は朝夜関係なく開いているお店が多く存在している。
　ライトはここの辺りならちょうどいい暇潰しが見つかると思い、こちらに向かっていく。
　しばらくこの道を歩いていくと、目の前にひとつの開いているお店があった。
　ライトはここならちょうどいい暇潰しができると思い、ドアを開けてなかに入っていった。
　ドアを開けて中に入ると、中は古くレトロな感じなカフェだった。
　ライトは席に着き、メニューを開き、中身を見てみた。
　ここにはコーヒーとかカフェオレとかあるんだな。なんかあっちの世界の単語を久し振りに聞いたような気がするな。とりあえず、なんか頼むとするか。

「すみません！オーダーお願いします！」

「はい！いま参ります」

　そう言った声の持ち主は厨房から顔をだして出てきた。
　そこから現れたのは、メイド服に猫耳が飾りではなく、本物であり、そしてどこかで見たことのある人だった。
　というか、いつぞやのメイドのメリィさんでした。

「久し振りだな、メリィ」

「そうですね、お久し振りです。サトウさん」

「あっ、今の俺の名前は佐藤光じゃないんだ。今の名前はライト=シュガーだ」

「そうでしたか、ならライトさん……ですね」

　二人とも再会を懐かしむが、何のために来てもらったかを忘れそうになった。

「おっと、注文いいか？」

「あっ、すみません。大丈夫ですよ」

「じゃあこのモーニングＡセットをくれ」

「分かりました。しばらくお待ちください」

　メリィは注文を受けとると、厨房へと戻っていった。
　ライトは料理がくるまで暇になってしまった。
　とりあえず今日の日程の確認をしていた。
　たしか………今日は授業は座学だけしかないはず。つまり、今日は睡眠授業ということになるな。とライトはダメな思考を持っていた。
　しばらくして、メリィが料理を持って来た。

「お待たせしました。モーニングＡセットです」

「おお、すまん。ありがとうな」

　モーニングＡセットは、コーヒーとサンドイッチというあっちの世界では普通の朝食だったものだ。
　とりあえずサンドイッチから食べてみる。シャキシャキとしたキャベツとハムがパンに挟まって、絶妙な味を出していた。

「なんだこれ……うますぎる」

　ライトはサンドイッチがおいしすぎたせいかあっという間に食べてしまい、今はコーヒーを飲んで一息ついている。
　コーヒーも飲み終えてしまい、そろそろいい時間になっていた。
　席を立って、会計を済ませてからメリィと少しだけ話す。　

「そういえば………なんでメリィがここで働いているんだ？」

　ライトがそう尋ねると、メリィは少し苦笑いをしてから言った。

「……実はメイドをクビになってしまったんですよ」

「えっ？クビに？」

「はい。クビになりました」

「そうだったのか……すまんな。あまり聞いてもいい内容じゃなかったな」

「いえ、大丈夫ですよ」

　メリィは絵顔でそう言った。その笑顔は無理をしているようには見えなかった。

「そうか……じゃ、また来る」

「はい、お待ちしています」

　ライトは店を出て、学園へと向かった。
　こうしてライトは思いがけない再会を果たしたのだった。