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魔法大戦編
エルフの国へ出発だ!え?従者がいないとダメだって!?
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眠れない夜を過ごした俺は眠気をこらえつつ、集合場所へと向かった。
「あれ?お兄ちゃん、眠そうだけど大丈夫?」
集合場所に着くと俺はミルラ王女に声を掛けられた。
「ああ、大丈夫だ。ただ少しばかり眠れなかっただけだ」
「そうですか……」
ミルラ王女はいまだに心配そうにこちらを見てるが、もう一度大丈夫だと伝えると向きを直った。
すると、正面にいた校長先生が口を開いた。
「大丈夫かね?」
「まぁ、はい」
「そうか……それではエルフの国へと向かう際の注意点を言っておく」
「はあ、注意点……ですか?」
なんだろう?なんか必需品でもあんのかな。
「まぁ、まずは向こうで問題を起こさないことだな」
「それは当たり前です」
「そうだな。次に今から渡すこの紙をなくさないことだ」
校長の手に一枚の紙が握られていた。
「何ですか、それ」
「まぁ、身分証明書みたいなものだと思ってもらえたらいい。最後に従者をつけることだ」
ふーん、従者ね。ハイハイ、そんなもの用意してたっけなー。
って、従者ぁぁぁっ!?
「従者をつける必要があるって初耳なんですけど!」
すると校長先生は困った顔をした。
「あ、あれ?私言ってなかったけ?」
「言ってないです!」
校長先生は見るからにショックを受けていた。
やってしまった、教師失格、国に文句を言われるなどとつぶやき始めた。
「ど、どうしたんですか?」
マサトが尋ねると校長先生は何やら思い付いた顔でこちらを見た。
「そうだ!出発は明日でもいい!だから今日中にエルフの国へと連れていける従者を一人でもいいから連れてきたまえ!」
この人、態度変わりすぎだろ……
ま、でも俺たちも今のままではエルフの国へは行けないし、しょうがないか……
「分かりました、今日中に探してきます。その代わりに旅費の追加頼みますよー!」
俺たちは街のほうに走っていきながら、校長先生に言うと、何やら後ろから叫ぶ声が聞こえたが分からなかった。
校長先生の無理に決まってんだろー!って声なんて聞こえなかった。
「でもお兄ちゃん、どうやって従者を探すの?」
「時間だってそんなにないんだぞ」
確かにこの状況では、従者なんてのを探すのは時間がかかってしまう。
ツテなんてなかったらなおさらだ。
だけど、俺は知っている。
一人だけだが、俺たちの従者にぴったりなやつを。
「という訳なんだ」
「何がという訳なんですか。それでは分かるはずがないでしょう」
「いや、元俊腕メイドなら心でも読めるかなーと思いまして」
「さすがにそれは無理です」
ということで、俺が知っている上で一番従者として有能だと思う元メイドのメリィのところに来ていた。
「外の国に行くために従者が必要なんだ。だからメリィには俺らの従者になってほしいんだ」
俺がそう言うと、メリィは少しだけ考えるそぶりを見せるとすぐに返事をした。
「分かりました。そういうことでしたら、お供いたしましょう」
「本当か!助かる!」
「あの、ライトさん、手を離してください」
「あ、すまない」
「い、いえ。それでは私はマスターに事の次第を伝えてきますので明日また会いましょう」
俺は嬉しさのあまりメリィの手を握っていたらしい。
それにしても突然手を握ったからやっぱ怒ってんのかなー。
めちゃくちゃ顔を赤くしてたしな。
まぁ、いいか。とりあえずこれで明日にはちゃんとエルフの国へと迎えるはずだ。
……大丈夫だよね?行けるよね?なんか心配になってきた……
「あれ?お兄ちゃん、眠そうだけど大丈夫?」
集合場所に着くと俺はミルラ王女に声を掛けられた。
「ああ、大丈夫だ。ただ少しばかり眠れなかっただけだ」
「そうですか……」
ミルラ王女はいまだに心配そうにこちらを見てるが、もう一度大丈夫だと伝えると向きを直った。
すると、正面にいた校長先生が口を開いた。
「大丈夫かね?」
「まぁ、はい」
「そうか……それではエルフの国へと向かう際の注意点を言っておく」
「はあ、注意点……ですか?」
なんだろう?なんか必需品でもあんのかな。
「まぁ、まずは向こうで問題を起こさないことだな」
「それは当たり前です」
「そうだな。次に今から渡すこの紙をなくさないことだ」
校長の手に一枚の紙が握られていた。
「何ですか、それ」
「まぁ、身分証明書みたいなものだと思ってもらえたらいい。最後に従者をつけることだ」
ふーん、従者ね。ハイハイ、そんなもの用意してたっけなー。
って、従者ぁぁぁっ!?
「従者をつける必要があるって初耳なんですけど!」
すると校長先生は困った顔をした。
「あ、あれ?私言ってなかったけ?」
「言ってないです!」
校長先生は見るからにショックを受けていた。
やってしまった、教師失格、国に文句を言われるなどとつぶやき始めた。
「ど、どうしたんですか?」
マサトが尋ねると校長先生は何やら思い付いた顔でこちらを見た。
「そうだ!出発は明日でもいい!だから今日中にエルフの国へと連れていける従者を一人でもいいから連れてきたまえ!」
この人、態度変わりすぎだろ……
ま、でも俺たちも今のままではエルフの国へは行けないし、しょうがないか……
「分かりました、今日中に探してきます。その代わりに旅費の追加頼みますよー!」
俺たちは街のほうに走っていきながら、校長先生に言うと、何やら後ろから叫ぶ声が聞こえたが分からなかった。
校長先生の無理に決まってんだろー!って声なんて聞こえなかった。
「でもお兄ちゃん、どうやって従者を探すの?」
「時間だってそんなにないんだぞ」
確かにこの状況では、従者なんてのを探すのは時間がかかってしまう。
ツテなんてなかったらなおさらだ。
だけど、俺は知っている。
一人だけだが、俺たちの従者にぴったりなやつを。
「という訳なんだ」
「何がという訳なんですか。それでは分かるはずがないでしょう」
「いや、元俊腕メイドなら心でも読めるかなーと思いまして」
「さすがにそれは無理です」
ということで、俺が知っている上で一番従者として有能だと思う元メイドのメリィのところに来ていた。
「外の国に行くために従者が必要なんだ。だからメリィには俺らの従者になってほしいんだ」
俺がそう言うと、メリィは少しだけ考えるそぶりを見せるとすぐに返事をした。
「分かりました。そういうことでしたら、お供いたしましょう」
「本当か!助かる!」
「あの、ライトさん、手を離してください」
「あ、すまない」
「い、いえ。それでは私はマスターに事の次第を伝えてきますので明日また会いましょう」
俺は嬉しさのあまりメリィの手を握っていたらしい。
それにしても突然手を握ったからやっぱ怒ってんのかなー。
めちゃくちゃ顔を赤くしてたしな。
まぁ、いいか。とりあえずこれで明日にはちゃんとエルフの国へと迎えるはずだ。
……大丈夫だよね?行けるよね?なんか心配になってきた……
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