独占欲

１０

　それまで後孔を撫でていた兄様の指が、その窄んだ口を無理矢理押し開き、乱暴に突き挿れられる。

「ひっ……！　あぁ、そんな……いきなりっ……！」

　いつもなら一本ずつ、ゆっくり慣らすように挿れられる筈の指が、三本一気に捻じ込まれ、僕は思わず身体を仰け反らせた。

「痛いっ……、兄様、抜いてぇっ……」

　僕はいやいやをするように何度も頭を振るけど、それでも兄様の指が抜かれることはなく、僕の中を搔き混ぜるように動かされる。

「智樹がいけないんだよ？　悪い子だから」


　ああ、僕はやっぱり悪い子なんだ……
　僕がこんな身体だから…


「ほら、これも一緒に挿れて上げようね？」

　後孔に、液体をたっぷりと纏った小さな張型の先端が押し当てられる。

「いやっ……、そんなの……、無理ぃ……」

　僕は張型の侵入を拒もうと、腰を揺らした。

　なのに……

「智樹様、観念なさいませ」

　松下が僕の耳元で囁き、抱えていた僕の足を解放すると、その手が僕の胸の先を掠めるように撫でた。

「あっ、あぁ……、んんっ……」

　敏感な部分を刺激され、僕は呆気なく張型の侵入を受け入れてしまい……

「んくっ、はっ……ぁぁ……っ……、あっ、らめぇ……っ……！」

　その瞬間、僕は二度目の熱い飛沫を放った。

　そして、熱を放っても尚治まらない疼きが、僕をどんどん淫らで、悪い子にして行った。