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第3章
88. 帰還
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アクアからあの大切なネックレスをもらってから更に1週間ー…。この1週間で出した結論はやはりインカさんの家を出て行くことだった。
彼の部屋を訪れ、改めて告げる。
「インカさん…僕、やっと決心がつきました。やっぱり此処を離れることにします。本当はもっと早くに決心しなければならなかったのに長々とすみませんでした。今まで本当にありがとうございました。」
そう言って頭を下げる。すると彼が椅子から静かに立ち上がり、そっと僕の頭をポンポンと撫で「そうか…。」と了承してくれた。
実はあの事件からインカさんの接触は全くと言っていい程無くなり、今の頭を撫でる行為がとても久しぶりに感じるほどだった。
「すみません、色々良くしてもらったのに…。」
「いや、元々無理に滞在を促したのはこちらの方だ。それに…俺の方こそ色々と済まなかったな…。」
彼は僕に向き直ると「アクアには俺から伝えておこう。ショウが出て行くと言えば必ず引き止めるだろうから俺が上手く言っておく。だからショウは心置き無く家に帰るといい。」と気を遣って言ってくれた。
「はい、何から何まですみません。アクアのこと、宜しくお願いします。」
そう言ってインカさんに背を向けた。すると「ショウ…。」と呼び止められる。振り返ると彼は哀しそうな笑顔を浮かべたまま「此処にはまた来てくれるか?」と聞いてきた。彼の表情から僕の答えは分かっているだろうに…。僕はそれに無言で首を横に振るとそのまま部屋を後にした。
次の日、アクアは案の定泣いていたが僕を引き留めることはしなかった。
インカさん、なんて説得したんだろうー…。
そう思いつつ最後にアクアに手紙を渡し、家を後にする。そして魔王城までの道程を歩きながらモリオンのことを思い出していた。
モリオンどうしてるかな…元気にしてるかな。僕が思うよりそんなに気にしてないのかも…いや、でも少しでも寂しいと思ってくれてたらいいな…。
僕は淡い期待を抱きつつ森を進んで行った。
数時間、歩き続けやっと魔王城の前に着いた。門の前には前回と同様、あの門番2人が立っている。僕の姿を見つけた門番2人は慌てふためき、オロオロとしながら「どうしたらいいんだ⁉︎」とお互いに叫んでいた。その光景に思わずクスリと笑うと誰にも内緒でネフライトだけを呼んでほしい旨を告げる。
すると1人が「急いで行って参ります!」と走って行ってしまい残された1人は気まずそうに視線を彷徨わせた。
彼の部屋を訪れ、改めて告げる。
「インカさん…僕、やっと決心がつきました。やっぱり此処を離れることにします。本当はもっと早くに決心しなければならなかったのに長々とすみませんでした。今まで本当にありがとうございました。」
そう言って頭を下げる。すると彼が椅子から静かに立ち上がり、そっと僕の頭をポンポンと撫で「そうか…。」と了承してくれた。
実はあの事件からインカさんの接触は全くと言っていい程無くなり、今の頭を撫でる行為がとても久しぶりに感じるほどだった。
「すみません、色々良くしてもらったのに…。」
「いや、元々無理に滞在を促したのはこちらの方だ。それに…俺の方こそ色々と済まなかったな…。」
彼は僕に向き直ると「アクアには俺から伝えておこう。ショウが出て行くと言えば必ず引き止めるだろうから俺が上手く言っておく。だからショウは心置き無く家に帰るといい。」と気を遣って言ってくれた。
「はい、何から何まですみません。アクアのこと、宜しくお願いします。」
そう言ってインカさんに背を向けた。すると「ショウ…。」と呼び止められる。振り返ると彼は哀しそうな笑顔を浮かべたまま「此処にはまた来てくれるか?」と聞いてきた。彼の表情から僕の答えは分かっているだろうに…。僕はそれに無言で首を横に振るとそのまま部屋を後にした。
次の日、アクアは案の定泣いていたが僕を引き留めることはしなかった。
インカさん、なんて説得したんだろうー…。
そう思いつつ最後にアクアに手紙を渡し、家を後にする。そして魔王城までの道程を歩きながらモリオンのことを思い出していた。
モリオンどうしてるかな…元気にしてるかな。僕が思うよりそんなに気にしてないのかも…いや、でも少しでも寂しいと思ってくれてたらいいな…。
僕は淡い期待を抱きつつ森を進んで行った。
数時間、歩き続けやっと魔王城の前に着いた。門の前には前回と同様、あの門番2人が立っている。僕の姿を見つけた門番2人は慌てふためき、オロオロとしながら「どうしたらいいんだ⁉︎」とお互いに叫んでいた。その光景に思わずクスリと笑うと誰にも内緒でネフライトだけを呼んでほしい旨を告げる。
すると1人が「急いで行って参ります!」と走って行ってしまい残された1人は気まずそうに視線を彷徨わせた。
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