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第4章
90. 対峙
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ネフライトに案内された場所は城内ではあるが、本館ではなく別館にある部屋で僕が今まで訪れたことのない場所だった。
「ここは…?」
「こちらは別棟の一室になります。本館に入られますとモリオン様に気付かれてしまいますので…。」
ああ、そうか…モリオンに気付かれた元も子もないもんね。
「どうぞ、お掛けください。」
そう言われ僕はソファーに腰掛けるとネフライトと対峙する。こうやって彼を見るのも久しぶりだ。彼も同じ様に思ったのか僕の存在を懐かしむように微笑む。
「…この1ヶ月ほど、どう過ごされていたのですか?」
彼は前より幾分か落ち着いた様子で告げる。その言葉にインカさんとアクアの姿が浮かんだ僕はフッと笑うと「とても楽しかったよ。」と答えた。
「そうですか…不自由はございませんでしたか?」
「うん…前にもお世話になったインカさんの所にいたから気持ち的には楽だったかも…。モリオンのことはずっと気掛かりだったけどね、モリオンの様子はどう?」
僕が一番気になっていたところだ。モリオンは次期魔王らしく成長しているだろうか。
僕の言葉にネフライトは困ったように笑うと「ええ…ひと月前に比べたら多少は落ち着きました。しかし…。」と言い淀む。
「しかし…?」
やはり何かあったのだろうか…モリオンの名前が出てきてからネフライトの様子が若干おかしくなったのは気付いたが何があったかまでは分からない。
「モリオン様はショウ様が居なくなってから暫くは部屋に閉じこもり、こちらの問いにも全く応えては下さいませんでした。しかし数日経った頃、人が変わった様に自ら政務を執り仕切る様になったのです。始めはその変化に我々も驚きはしましたが以前とは比べ物にならない程しっかりと役割をこなされ、その姿は次期魔王様に相応しいと思うほどでした。」
ネフライトの言葉に僕の選択は正しかったのだとホッと吐息を吐く。
「そっか…。モリオン、立派に政務を仕切ってるんだね。」
「はい、政務は立派にこなされていますが…それだけなのです。」
「えっ…?」
「モリオン様は以前の様に感情を露わにすることもなく、ただ政務と日々を過ごしているだけなのです。」
「どっどういうこと⁉︎」
次期魔王としての自覚を持ったんじゃ…⁉︎
「今も必要最低限の食事と睡眠しか取らず、黙々と仕事をなさっています。ショウ様…私、個人的なことを言えば敵に塩を送りたくはありません。しかし今のモリオン様を放っておけば取り返しのつかないことになりそうで心配にもなります。一度、モリオン様の今後のことについて魔王様と話し合ってみてはいかがですか…?」
「ここは…?」
「こちらは別棟の一室になります。本館に入られますとモリオン様に気付かれてしまいますので…。」
ああ、そうか…モリオンに気付かれた元も子もないもんね。
「どうぞ、お掛けください。」
そう言われ僕はソファーに腰掛けるとネフライトと対峙する。こうやって彼を見るのも久しぶりだ。彼も同じ様に思ったのか僕の存在を懐かしむように微笑む。
「…この1ヶ月ほど、どう過ごされていたのですか?」
彼は前より幾分か落ち着いた様子で告げる。その言葉にインカさんとアクアの姿が浮かんだ僕はフッと笑うと「とても楽しかったよ。」と答えた。
「そうですか…不自由はございませんでしたか?」
「うん…前にもお世話になったインカさんの所にいたから気持ち的には楽だったかも…。モリオンのことはずっと気掛かりだったけどね、モリオンの様子はどう?」
僕が一番気になっていたところだ。モリオンは次期魔王らしく成長しているだろうか。
僕の言葉にネフライトは困ったように笑うと「ええ…ひと月前に比べたら多少は落ち着きました。しかし…。」と言い淀む。
「しかし…?」
やはり何かあったのだろうか…モリオンの名前が出てきてからネフライトの様子が若干おかしくなったのは気付いたが何があったかまでは分からない。
「モリオン様はショウ様が居なくなってから暫くは部屋に閉じこもり、こちらの問いにも全く応えては下さいませんでした。しかし数日経った頃、人が変わった様に自ら政務を執り仕切る様になったのです。始めはその変化に我々も驚きはしましたが以前とは比べ物にならない程しっかりと役割をこなされ、その姿は次期魔王様に相応しいと思うほどでした。」
ネフライトの言葉に僕の選択は正しかったのだとホッと吐息を吐く。
「そっか…。モリオン、立派に政務を仕切ってるんだね。」
「はい、政務は立派にこなされていますが…それだけなのです。」
「えっ…?」
「モリオン様は以前の様に感情を露わにすることもなく、ただ政務と日々を過ごしているだけなのです。」
「どっどういうこと⁉︎」
次期魔王としての自覚を持ったんじゃ…⁉︎
「今も必要最低限の食事と睡眠しか取らず、黙々と仕事をなさっています。ショウ様…私、個人的なことを言えば敵に塩を送りたくはありません。しかし今のモリオン様を放っておけば取り返しのつかないことになりそうで心配にもなります。一度、モリオン様の今後のことについて魔王様と話し合ってみてはいかがですか…?」
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