俺の名前は今日からポチです

ムーン

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おきがえ、いち

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着替えさせてと言って、俺に押し倒されて、雪兎は俺から顔を背ける。瞳はぼうっと部屋の隅を見つめていた。
旅行の件がそんなにショックだったのだろうか。そう考えながらも口に出さず、雪兎の頬に唇を寄せた。

「ユキ様……旅行ってどこなんです?」

頬から耳に唇を移すと雪兎は身を強ばらせた。

「ヨーロッパの、別荘……海岸沿いの、綺麗なとこ」

耳を甘噛みして、中を舌で犯すと、雪兎の声はぶつ切りになった。

「……楽しみです」

「あっ……ね、耳、やめてよっ……」

顔を離し、紅潮した頬を眺めながら、今度は指で弄ぶ。

「ユキ様耳弱いですよね」

口を手の甲で押さえ、目を閉じる。

「声聞かせてください、俺を見てくださいよ」

その手を掴んで、頭の上で押さえる。もう片方の手も重ねて、片手で軽く押さえた。俺が写真を撮られたのと似た体勢だ。

「……早く、着替えさせてよ」

雪兎の手を押さえると、俺の首輪の紐も引っ張られる。けれど、今日は雪兎は紐を手首に一周しかさせておらず、紐はまだ弛んでいた。

「可愛いですよ、ユキ様。顔真っ赤にして、目ぇ潤ませて俺を見つめてっ……最高です」

雪兎に痛みを与えないよう、両手は軽く押さえるだけ。重くないように、馬乗りになるようにしながらも膝を立て、身体を浮かす。
足だけで身体を支えて前のめりになるのは案外辛い体勢だ。ボタンも片手では外しにくい。

「……手、押さえてなくても首輪引っ張ったりしないよ」

「気分ですよ気分。でも、助かります。頭の上から動かさないでくださいね」

雪兎は押さえられていた時のまま、手を動かすことはなかった。俺は両手で素早く上着を脱がせ、シャツのボタンを外し、肌着を捲り上げた。

「着替えさせてって言ってるのに……」

筋肉も脂肪もないながらも、雪兎のお腹はふにふにと柔らかい。頬を擦り付け、主張は控えめな縦長の臍に舌を割り入れる。

「……今日体育ありました?」

「な、何?  臭い?」

「いえ……いい匂いです。暖房効いた校内に車内なのに、こーんな厚着して、ちょっとしっとりしてて……いい感じです」

「恥ずかしいんだけど……」

雪兎の背に腕を回し、軽く持ち上げ、ぴちゃぴちゃと音を立てて腹を舐め回す。

「くすぐったいしぃ……」

雪兎の上体を持ち上げ、上着を完全に脱がす。シャツと肌着を更に捲り、頭を通して肘のあたりで止める。そうすると柔らかで緩い拘束が出来上がる。

「いつもとは逆ですね」

「…………何言ってんの?  いつも通りだよ。ほら、ご奉仕して?」

「恥ずかしがったりくすぐったがったりしたじゃないですか……」

「ふふ……僕もたまにはこうやって身を任せたいの。いいから、僕の機嫌を治してよ。旅行……何年も前から決めてたのに……ドタキャンなんてさぁ……ねぇ、ほら、忘れさせて」

上半身裸になって腕を頭の上で拘束されているのに、俺は雪兎に馬乗りになっているはずなのに、雪兎は俺の上に立っている。

「手のひらの上って感じしますよ、ほんと……肩の上くらいまでは飛びたいですね」

冗談めかして言って、腕を背中の後ろから抜いて、舌での愛撫を再開した。
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