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うぇっとすーつ、はち
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雪兎は俺から携帯を取り上げると腕を後ろに組んで待つように言い、窓から外に出て行った。言う通りにしておかなければ何をされるか分からない……小躍りでもしていればかなり怒られ……いや、やめておこう、鞭打ちから一晩だけでお仕置きを受けようと思えるほど俺は痛みを求めていない。
「お待たせポチー、プール行こっか」
戻ってきた雪兎はラッシュガードを脱いでいた。そのことに興奮するより先に後ろ手に隠しているつもりであろう赤い縄が目に入る。
「…………はい」
予想通り雪兎は俺の腕を縛った。プールに行くとか言っていたような……まさか縛ったまま落とされるのか? お仕置きなんてレベルじゃない。
まぁ、一応手足を縛られても呼吸だけは確保出来る泳ぎ方は習得している、問題はないこともないが、普通の人よりは少ない。
「ぁ、ポチ今後ろで両手縛ったよー。ううん、手首が肘くらいまで来る感じ、そうそうガッツリ」
雪風との電話はまだ続いている。雪兎は俺と雪風が致すのは気に入らないようだが、写真を送り付けたり音声を聞かせたりはしたいらしい。他人に遊ばせはしないが最新ゲーム機を見せびらかすタイプだ。
「うん……そう、別荘のプールにも同じ機能あるでしょ? それ使いたいなって。あ、ポチの声は聞かせてあげるから感謝してよ、お小遣いちょーだい」
雪兎は腕を縛った縄を引き、自分だけ日傘で太陽から隠れて俺をプールの前に立たせる。
「危ないから段差使ってゆっくり入ってね」
「あ、はい……危ないって言うならこの縄の方が……いえ、なんでも」
言われた通りにゆっくりとプールに入る。プールなんて何年ぶりだろう、中高とプールはサボっていた、座学も寝て過ごした。何の為に行っていたのか未だに分からない。
「冷たっ……萎えますねこれ」
「知らないよ。ほら、こっち来て」
プールサイドから縄を引っ張り、俺を壁際に誘導する。
「な、何なんですか? まさかこの冷たい水の中で壁に擦り付けて出せとか言いませんよね? 流石に無理ですよ?」
「雪風って温泉好きなんだよ、ね?」
雪兎はスピーカーを設定し、飛び込み台に携帯を置く。
『好きだな』
「だから、家のプールと別荘のプールは?」
『ちゃんと温水出るようにしてるし、泡とか電気とか完備。市販の温泉の素を入れれば完璧』
「そもそも温泉作ればって話だよね」
雪兎はそう言いながら別の端末を取り出し、操作を始める。俺の腕にを縛った縄の先は飛び込み台に括りつけられた。
「で、その電気とか泡とかは壁から出るんだよ」
「……ひっ!? な、何……」
下腹に直接刺激が与えられたような……
「今のが電気。どうだった?」
「どうだったって言われても……」
「もうちょっと強いの連続で欲しい? ポチったら淫乱」
『いや、それ健康器具的なやつなんだけど。エログッズじゃない……いや待てよ電マとかもはやそういう使い方しかしないし』
「それ僕普通に使ってるからそういう言い方やめてよ!」
よくよく見れば密着した壁に小さな銀色の物が見える。あれが電極か何かだろう。そこに触れている部分を中心として、へその下辺りをトントンと叩かれているような感覚がある。
「雪風はもうちょっと仕事と性欲以外を……ぁ、ポチ、効いてきた?」
「な、なんかっ……お腹、トントンって……」
『肩とか腰とかやると気持ちいいんだよ。あ、凝り的な意味な』
「雪風黙ってて。どう? ポチ、もうちょっと強くしても大丈夫そう?」
刺激としてはもう少し欲しいところだが、電気だと言われると途端に原始的な恐怖が湧いてくる。
「波形変えてみよっか」
『俺のオススメは三番』
「じゃあ二番ね」
『息子が厳しい。あ、今のは血の繋がり的な意味の息子……』
「そういうことばっかり言うからだって早く気付きなよ」
トントンと下腹を叩いていた感覚が今度は手で揉むような感覚に変わる。腹の中という手で直接触れられないはずの部分を、皮膚と筋肉に守られて揉みしだくなんて不可能の部分をを、ぐにぐにと掻き乱される。
「あっ……ぁ、ぁ……やだ、なにこれやだっ……」
「ポチ? 痛い? 弱くする?」
「気持ち悪いっ……こわい……ユキ様、ほどいて、プールから出してくださいっ……」
快感は確かに覚え始めている。だが、未知のものへの恐怖が勝る。
雪兎は俺が痛がっている訳ではないと分かると再び端末を手に取った。
「お待たせポチー、プール行こっか」
戻ってきた雪兎はラッシュガードを脱いでいた。そのことに興奮するより先に後ろ手に隠しているつもりであろう赤い縄が目に入る。
「…………はい」
予想通り雪兎は俺の腕を縛った。プールに行くとか言っていたような……まさか縛ったまま落とされるのか? お仕置きなんてレベルじゃない。
まぁ、一応手足を縛られても呼吸だけは確保出来る泳ぎ方は習得している、問題はないこともないが、普通の人よりは少ない。
「ぁ、ポチ今後ろで両手縛ったよー。ううん、手首が肘くらいまで来る感じ、そうそうガッツリ」
雪風との電話はまだ続いている。雪兎は俺と雪風が致すのは気に入らないようだが、写真を送り付けたり音声を聞かせたりはしたいらしい。他人に遊ばせはしないが最新ゲーム機を見せびらかすタイプだ。
「うん……そう、別荘のプールにも同じ機能あるでしょ? それ使いたいなって。あ、ポチの声は聞かせてあげるから感謝してよ、お小遣いちょーだい」
雪兎は腕を縛った縄を引き、自分だけ日傘で太陽から隠れて俺をプールの前に立たせる。
「危ないから段差使ってゆっくり入ってね」
「あ、はい……危ないって言うならこの縄の方が……いえ、なんでも」
言われた通りにゆっくりとプールに入る。プールなんて何年ぶりだろう、中高とプールはサボっていた、座学も寝て過ごした。何の為に行っていたのか未だに分からない。
「冷たっ……萎えますねこれ」
「知らないよ。ほら、こっち来て」
プールサイドから縄を引っ張り、俺を壁際に誘導する。
「な、何なんですか? まさかこの冷たい水の中で壁に擦り付けて出せとか言いませんよね? 流石に無理ですよ?」
「雪風って温泉好きなんだよ、ね?」
雪兎はスピーカーを設定し、飛び込み台に携帯を置く。
『好きだな』
「だから、家のプールと別荘のプールは?」
『ちゃんと温水出るようにしてるし、泡とか電気とか完備。市販の温泉の素を入れれば完璧』
「そもそも温泉作ればって話だよね」
雪兎はそう言いながら別の端末を取り出し、操作を始める。俺の腕にを縛った縄の先は飛び込み台に括りつけられた。
「で、その電気とか泡とかは壁から出るんだよ」
「……ひっ!? な、何……」
下腹に直接刺激が与えられたような……
「今のが電気。どうだった?」
「どうだったって言われても……」
「もうちょっと強いの連続で欲しい? ポチったら淫乱」
『いや、それ健康器具的なやつなんだけど。エログッズじゃない……いや待てよ電マとかもはやそういう使い方しかしないし』
「それ僕普通に使ってるからそういう言い方やめてよ!」
よくよく見れば密着した壁に小さな銀色の物が見える。あれが電極か何かだろう。そこに触れている部分を中心として、へその下辺りをトントンと叩かれているような感覚がある。
「雪風はもうちょっと仕事と性欲以外を……ぁ、ポチ、効いてきた?」
「な、なんかっ……お腹、トントンって……」
『肩とか腰とかやると気持ちいいんだよ。あ、凝り的な意味な』
「雪風黙ってて。どう? ポチ、もうちょっと強くしても大丈夫そう?」
刺激としてはもう少し欲しいところだが、電気だと言われると途端に原始的な恐怖が湧いてくる。
「波形変えてみよっか」
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「じゃあ二番ね」
『息子が厳しい。あ、今のは血の繋がり的な意味の息子……』
「そういうことばっかり言うからだって早く気付きなよ」
トントンと下腹を叩いていた感覚が今度は手で揉むような感覚に変わる。腹の中という手で直接触れられないはずの部分を、皮膚と筋肉に守られて揉みしだくなんて不可能の部分をを、ぐにぐにと掻き乱される。
「あっ……ぁ、ぁ……やだ、なにこれやだっ……」
「ポチ? 痛い? 弱くする?」
「気持ち悪いっ……こわい……ユキ様、ほどいて、プールから出してくださいっ……」
快感は確かに覚え始めている。だが、未知のものへの恐怖が勝る。
雪兎は俺が痛がっている訳ではないと分かると再び端末を手に取った。
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