俺の名前は今日からポチです

ムーン

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へやでゆっくり、よん

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雪風は亡き妻と雰囲気が似ていて体の相性がそれなりに良いから俺が好き。俺は雪兎に似ていて色々と過去を知ったから情が湧いて雪風が好き。そんな不純で紛い物同然の愛憎に、性欲が九割九分の求め合いに、人間らしさなんて必要ないと俺は思っている。

「人間になったってなんだよ、ポチと演じ分けできて偉いねって話か?」

「……昔のお前の話だよ。ちゃんと治ったみたいで良かった」

この家に引き取られる以前の話か? それともほとんど記憶が無い中学時代の話か? どちらの話もしたくない。

「お前は……共感とか同情とか、そういうのがなかった。短気で感情の種類が少なくて…………人間じゃなかった」

「…………もう聞きたくない」

上体を起こし、雪風の足を持ち上げる。細いながらも雪兎と違ってしっかりとしたふくらはぎに唇を寄せて、内腿を手探りで撫でる。

「あいつ……病院で死んで良かったのかもな」

膝の裏あたりに手を添えて限界まで開脚させ、すっかり俺に慣れた穴に挿入した。根元まで入って雪風が腕で顔を隠して、欲望と苛立ちに任せて腰を掴む。

「んなわけねぇだろ……アイツは、俺がこの手で殺さなきゃならなかったんだよ!」

「ぁ、はっ……あぁっ! ちょっ……真尋、乱暴……」

「人のモン全部奪っといて死に逃げなんざ許される訳ねぇだろ!」

乱暴に腰を振って、快感に身を任せることも出来ず、単調な刺激によって射精する。頭が少しずつ冷めてクリアになっていき、微かに震える白い肢体に腕を回した。

「……雪風」

「ん、ぁあ……気にするな。何ともないし、今みたいなのも嫌いじゃないし……」

「俺がここに来る前のこと、二度と話すな」

八つ当たり同然に手酷く抱いてしまった。腰と背中に腕を回して抱き締め、どろっとした液体に満たされた中からゆっくりと引いていく。

「んっ、ふ……ぅ、ぁっ…………真尋、待って……もう少し、居て……」

挿入されていたものが抜かれる時の寂しさは分かる。自分の一部が失われるような感覚だ。だから
雪風が俺に手足を絡めて俺を引き留めようとしている気持ちもよく分かる。

「真尋……もう少し…………っ!?」

けれどそれは早合点だ。俺はまだやめる気はない。

「ま、ひろっ……? まだ……? ゃ、待てっ、まっ……ぁ、ぁあっ、ぁんっ! 奥っ……今、やばい……ひっ、ぃああっ!」

逃げられないように強く抱き締めて、先程とは正反対に丁寧に優しく弱点ばかりを突いていく。蜜壷と呼ぶに相応しい、絡みつく柔らかく蕩けた肉壁。自分の精液に満たされていると思うと忌避感を越える征服感が得られる。
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