俺の名前は今日からポチです

ムーン

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ゆうはんはゆっくりと

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目を覚まし、まず前立腺を小突かれて絶頂を迎えた。だがそれによる嬌声は外に出なかった、目を覚ます前から唇が重なっていたからだ。

「ん……? ぁ、おはよ、真尋」

舌は痺れたようになっていてろくに動かない。まさかずっとキスをされていた訳ではないとは思うけれど、似たようなことにはなっていたようだ。

「そろそろ夕飯できるぞ。食べさせてやるから首吊らないようには自分で調整しろよ?」

雪風はそう言って俺の顎に添えていた手を揺らす。眠っていた間ずっと支えていてくれたのか、何時間眠ってしまっていたんだ?

「分かっ……た、らぃ、じょーぶ……」

「大丈夫には見えないな」

「んむ……ぅ、ふぅっ……!」

顎に添えられていた手の親指が口内に侵入し、舌を軽く押して遊ぶ。俺は犬らしく唾液を垂らして口内に与えられる快楽を楽しんで、玩具によって絶頂を高頻度で繰り返した。
そうこうしているうちに一人分の夕飯が机の上に並んだ。機械に突き上げられて喘ぐ様を何人もの使用人に見られたのは酷い恥辱だったが、何故か見られていることを意識する度に玩具を締め付けてしまって、絶頂の頻度が高まっていた。

「真尋から食うか。ほら、あーん」

「ぁー……んっ! んぁっ、無理っ……止めて、止めてぇっ!」

焼き魚を一口放り込まれたが、常に首が少し絞まって機械に突き上げられて絶頂を繰り返している俺が食事なんて行えるはずもなく、焼き魚の欠片は口移しによって雪風の食事になった。

「仕方ないな……じゃあ俺が先に食うから、首の力抜けそうだったら呼べよ」

雪風が俺から離れて夕飯を食べ始める。小さく手を合わせての食事の挨拶には何故か萌えたが、それどころではない。本格的な放置が始まってしまった。

「ぁ、んっ! あぁっ……イっ、くぅ……! はぁんっ、あ、あっ、あっぁあっ……」

突き上げに合わせて誰に聞かせるでもなく甘い声を漏らし、癖になっているのか時折に絶頂を宣言する。そんな俺を雪風は味噌汁をすすりながら眺めている。頬を染める訳でも股間に膨らみを作る訳でもなく、感情の読み取りにくい赤い双眸を細めて眺めている。


雪風は夕飯を終えて挨拶も終えるとすぐに俺の前にやって来て、まず唇を重ねた。

「俺が一番最後に食べたのは?」

「ちゃ、わん……むし」

「正解! 正解のご褒美にしゃぶってやるよ」

だし風味のキス……なんか、複雑な気分だ。雪風が食べる様子しか見るものがなかったからキスで当てた訳でもないし。

「ひっ……ぁ、ああぁっ! 雪風っ、雪風ぇっ……や、ぁっ……らめぇっ、やらぁっ……!」

いくら刺激されても射精は許されない性器を咥えられるほどに苦しいことはない。身を捩っても縄が軋んで手足や胸が締め付けられるだけだし、声を上げても雪風の興奮を煽ってフェラの激しさを増させるだけだ。

「ゃ、ぁあっ! ぁあんっ! はぁっ……やぁ、やらぁ……」

強い快楽に身体を痙攣させていると、不意に襖が開いた。

「あのー……ポチさんの分のお食事をお持ちしましたが……」

雪風は慌てて上体を起こして口元を隠し、振り返って大声を上げた。

「入る前には声をかけろ! 常識だろ!?」

「すっ、すいません……食べさせるので時間差で……とは聞いておりましたが、まさか……その」

「この、バカっ! お前らもだ! 誰までだ、誰まで見た! 記憶消せ!」

雪兎は使用人に俺のはしたない姿を見せるのが好きだが、雪風は見られるのは嫌いらしい。当主のプライドなのだろうか。

「ゆっ、ゆきかぜっ……落ち着い、てっ……んんっ……!」

「縛られて喘いでる奴に宥められて落ち着くと思うか!?」

その通りだがそんな返しが出来るならもう落ち着いていると思う。

「……ったく。おい、とっとと飯並べろ。真尋、一旦止めるぞ。首輪も外す」

機械が止められて快楽のない時間が返された。常に与えられていた首の圧迫感も消え、口移しで飲まされた水を問題なく飲み込めた。
配膳が終わり使用人が出ていくと、雪風は清酒を一口飲んでため息をつき、俺にどれから食べるのかと苛立ち紛れに聞いた。
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