52 / 125
52 砦の中で鍋パーティー
しおりを挟む
生姜と豚肉が入ったきのこたっぷり味噌鍋を作るぞ! と、意気込んで俺は厨房にてあらかじめ用意された食材の中から鍋に使えるものを選び出す。
さて、まずは野菜から入念にチェックしよう。
傷んだものは王弟殿下や領民達にけっして出せない。
まずはきのこのブナしめじと白くて綺麗なえのき……よし、新鮮そう。
キャベツと長ねぎも瑞々しくシャキシャキしてそう!
そしてにんじんの鮮やかなオレンジ色……合格。
あとは出汁用の骨つきチキンとメイン食材の豚バラ肉、生姜、そしてこちらの手持ちのみそ。
これが今回の鍋の主な具材だ。
そして領民達が高貴な方に気をつかわなくていいように鍋は4つ用意する。
ひとつ目は王弟殿下と俺とユージーンとアルテちゃんと騎士達、一番数が多い領民達に三つ分で分ける。
さて、料理の下ごしらえだ。
まず骨付きチキンを煮込んで出汁をとる。
こちらはユージーンが手伝ってくれた。
ちなみに騎士達の料理は今は数人のメイドが作ってくれていて、そのうちちゃんとした料理人が来てくれる手はずになっているらしい。
そして俺はまな板と向き合い、えのきとしめじは根元を切る。
キャベツはおよそ5cm角に切り、長ネギは斜め切り、人参は薄めの輪切りに切る。
さらに切り分けた豚肉を油で炒め、細かく刻んだにんにくを投入。
肉がジュージューと焼ける音とにんにくの香ばしい香りが厨房に広がったところで骨つきチキンからとった出汁スープと野菜も投入する。
最後におろし生姜と味噌を加えると、一気に鍋の香りは高まり、さらなる食欲をそそる匂いが漂よう。
最後の仕上げとしてスプーンで味を確かめる。
「うん、美味い」
よもや領民達は領主となる人間が心を込めて料理してるとは思うまい。
「ネオ、出汁に使ったこのチキンはどうするの?」
「今度照り焼きに使うとして、一旦魔法の布に収納する」
「なるほど」
デザートには秋らしく無花果とリンゴを選んだ。
後はこの料理を広場に運んで貰う。
手のあいた使用人達と騎士達が手伝ってくれた。
◆ ◆ ◆
夕焼け空の下、忙しい中、領民となる人達が集まってくれた。
砦の中でサンセット鍋パーティーを開催するわけだが、その前に大事な演説というか、挨拶だ。
「皆、忙しい中、集まってくれてありがとう!
私が近い将来この地を任される子爵となる者だ、名はネオと言う。この地で皆がなるべく安全で豊かに暮らせるようにしたいと思っている」
すると「おおっ」と、いう感嘆の声が広がる。
わざわざ下々の者に豊かに暮らせるようにしたいと言う貴族は珍しいのかもしれない。
まず王弟殿下につぎわけて、味噌鍋でございますと言って出した。
「お、いい味だな」
「きのこの出汁がいい感じに出ていると思います」
誰かが新鮮なブナシメジを山に入って採って来てくれたんだろう。
「うむ、皆のもの、今日は無礼講だ。
これらは子爵領の領民となるそなたらの為に子爵が用意してくれた料理だ。
楽しんで仲良く食べるといい」
王弟殿下のイケボが広場に響く。
「夕飯時の忙しい時に集まってくれた皆もこの味噌鍋を味わってみてくれ、この味噌は大森林まで行って輸入してきた貴重なものだ」
次に俺がそう促すと、最初はおっかなびっくりの様子だった領民達も、やがて器とスプーンを手にとり、食事の音と談笑が広がりだす。
「これは……美味いな」
「謎の茶色い汁、ほんとに美味しい」
「ミソって言われていたぞ」
「肉も入ってる!」
「ところで新領主様って綺麗な方ね、まるでエルフみたい」
「お前エルフを見た事があるのか?」
「教会の絵で見たわ」
「絵かよ」
「とにかく銀髪で神秘的!」
何やら俺の外見の評価まで聞こえてきたが、褒められてるし、今日は無礼講だ。
広場には暖かな灯りが灯り、領民たちは心地よい笑い声を響かせてくれた。
素朴な人柄の人が多いように見えてほっとする。
小さなアルテちゃんも嬉しそうに器から具材をすくって口に運ぶ。
「おいちい」
はい、今回もおいちいをいただきました!
「これはミィソと豚肉がコクを出し、ここにキャベツの甘みが加わってて……美味しいね」
ほっこりしたいい笑顔のユージーンも食レポをくれた。
「ありがとう、ユージーン、いっぱい食べてくれ」
「うん」
それは夕べの時のささやかな宴だったが、一食浮いただけでもラッキーだと、彼等が思ってくれるといいなと思った。
さて、まずは野菜から入念にチェックしよう。
傷んだものは王弟殿下や領民達にけっして出せない。
まずはきのこのブナしめじと白くて綺麗なえのき……よし、新鮮そう。
キャベツと長ねぎも瑞々しくシャキシャキしてそう!
そしてにんじんの鮮やかなオレンジ色……合格。
あとは出汁用の骨つきチキンとメイン食材の豚バラ肉、生姜、そしてこちらの手持ちのみそ。
これが今回の鍋の主な具材だ。
そして領民達が高貴な方に気をつかわなくていいように鍋は4つ用意する。
ひとつ目は王弟殿下と俺とユージーンとアルテちゃんと騎士達、一番数が多い領民達に三つ分で分ける。
さて、料理の下ごしらえだ。
まず骨付きチキンを煮込んで出汁をとる。
こちらはユージーンが手伝ってくれた。
ちなみに騎士達の料理は今は数人のメイドが作ってくれていて、そのうちちゃんとした料理人が来てくれる手はずになっているらしい。
そして俺はまな板と向き合い、えのきとしめじは根元を切る。
キャベツはおよそ5cm角に切り、長ネギは斜め切り、人参は薄めの輪切りに切る。
さらに切り分けた豚肉を油で炒め、細かく刻んだにんにくを投入。
肉がジュージューと焼ける音とにんにくの香ばしい香りが厨房に広がったところで骨つきチキンからとった出汁スープと野菜も投入する。
最後におろし生姜と味噌を加えると、一気に鍋の香りは高まり、さらなる食欲をそそる匂いが漂よう。
最後の仕上げとしてスプーンで味を確かめる。
「うん、美味い」
よもや領民達は領主となる人間が心を込めて料理してるとは思うまい。
「ネオ、出汁に使ったこのチキンはどうするの?」
「今度照り焼きに使うとして、一旦魔法の布に収納する」
「なるほど」
デザートには秋らしく無花果とリンゴを選んだ。
後はこの料理を広場に運んで貰う。
手のあいた使用人達と騎士達が手伝ってくれた。
◆ ◆ ◆
夕焼け空の下、忙しい中、領民となる人達が集まってくれた。
砦の中でサンセット鍋パーティーを開催するわけだが、その前に大事な演説というか、挨拶だ。
「皆、忙しい中、集まってくれてありがとう!
私が近い将来この地を任される子爵となる者だ、名はネオと言う。この地で皆がなるべく安全で豊かに暮らせるようにしたいと思っている」
すると「おおっ」と、いう感嘆の声が広がる。
わざわざ下々の者に豊かに暮らせるようにしたいと言う貴族は珍しいのかもしれない。
まず王弟殿下につぎわけて、味噌鍋でございますと言って出した。
「お、いい味だな」
「きのこの出汁がいい感じに出ていると思います」
誰かが新鮮なブナシメジを山に入って採って来てくれたんだろう。
「うむ、皆のもの、今日は無礼講だ。
これらは子爵領の領民となるそなたらの為に子爵が用意してくれた料理だ。
楽しんで仲良く食べるといい」
王弟殿下のイケボが広場に響く。
「夕飯時の忙しい時に集まってくれた皆もこの味噌鍋を味わってみてくれ、この味噌は大森林まで行って輸入してきた貴重なものだ」
次に俺がそう促すと、最初はおっかなびっくりの様子だった領民達も、やがて器とスプーンを手にとり、食事の音と談笑が広がりだす。
「これは……美味いな」
「謎の茶色い汁、ほんとに美味しい」
「ミソって言われていたぞ」
「肉も入ってる!」
「ところで新領主様って綺麗な方ね、まるでエルフみたい」
「お前エルフを見た事があるのか?」
「教会の絵で見たわ」
「絵かよ」
「とにかく銀髪で神秘的!」
何やら俺の外見の評価まで聞こえてきたが、褒められてるし、今日は無礼講だ。
広場には暖かな灯りが灯り、領民たちは心地よい笑い声を響かせてくれた。
素朴な人柄の人が多いように見えてほっとする。
小さなアルテちゃんも嬉しそうに器から具材をすくって口に運ぶ。
「おいちい」
はい、今回もおいちいをいただきました!
「これはミィソと豚肉がコクを出し、ここにキャベツの甘みが加わってて……美味しいね」
ほっこりしたいい笑顔のユージーンも食レポをくれた。
「ありがとう、ユージーン、いっぱい食べてくれ」
「うん」
それは夕べの時のささやかな宴だったが、一食浮いただけでもラッキーだと、彼等が思ってくれるといいなと思った。
200
あなたにおすすめの小説
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる