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5回目〜20年前〜(悠)
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『!』
メガネのスイッチを入れ、バス停へ向かおうとして驚いた。景色が全然違う。公園側の景色はさほど変わらないが、モール側は畑が多くて家もまばらだった。モールは影も形もない。出てきた所は古臭い廃業した喫茶店だ。入り口の赤いフードが破れて垂れ下がり、何か出てきそう…。思わず出てきた場所に手紋を合わせた。
「どうした?」
奥のパソコンの前から洸一さんの声が飛んでくる。途端に恥ずかしくなった。
「す、スミマセン。あまりにも違くて…。不安になりました。」
「そこの場所をしっかりと頭に入れておけ。迷子になるなよ。」
洸一さんがニヤッと笑いながら呟いた。
「行ってきます。」
気を取り直して扉を閉め、バス停に向かった。まずは慣れている場所に行きたい。バス停のベンチも材質が違ったが、他は記憶通りだ。座って携帯を取り出し、あたりを見回す。
『………』
落ち着かない。目の前に家が数件並んでいるが、どの家も見たことがない。もっと新しい家だったはず…。
『公園の中に行くか。」
噴水の所にベンチがあったはず。そこで今日の行程を確認しようと、近くの入り口から入っていった。
『誰かいる?』
長い木立の中を歩いていった。木々はまだ青々として、初秋とはいえまだ夏のようだ。目指した場所に噴水はあったがベンチがなかった。1組の若いカップルが噴水をぐるりと囲んだ石に座って昼間からじゃれ合っていた。
『……朝っぱらから…。』
朝といっても、もう10時に近い。が、平日のこんな時間に何やってるんだ。横目で睨みながら、自然と左の道に向かっていった。
「…ねぇ…ここで3回以上キスすると、その2人が幸せになれる言い伝え知ってる?」
「うん?…じゃ、しよっか…。」
『しよっか、じゃねえよっ!…見せつけんなっ!』
後ろから聞こえて来たカップルの声に内心で毒づきながら、遊具スペースまでやって来た。ここは、やぐらの下に木のテーブルと椅子が設置され、剥き出しのベンチもあちこちに配置されていた。ジャングルジムや滑り台、ブランコなど設置されてかなり広い。前に真人を追って来た時にはこんなにたくさんの遊具があるとは気づかなかった。
『やっと落ち着ける。』
遊具コーナーの入り口に1番近いベンチに腰を下ろす。近くには砂場があり、1人で遊んでいる小さな男の子がいた。その他には少し離れた場所のベンチに座ってそれを見守る女性がいるだけだった。
鞄を傍に置き、携帯を取り出して情報を確認する。住所を見ると、ここと同じ町だ。近くには違いないが…。次に出てきた地図には、印がついてる。見づらい…。画面を拡大しようと親指と人差し指を這わすが、写真の拡大は出来なかった。
『昔の携帯って使えないな。アプリはないのか?』
アプリと書いてあるボタンを押して、確認してみた。
『……』
全然わからない。何だこれ?
「はい、どうじょ。」
いきなり視界に入ってきた子どもにびっくりして顔を上げた。
メガネのスイッチを入れ、バス停へ向かおうとして驚いた。景色が全然違う。公園側の景色はさほど変わらないが、モール側は畑が多くて家もまばらだった。モールは影も形もない。出てきた所は古臭い廃業した喫茶店だ。入り口の赤いフードが破れて垂れ下がり、何か出てきそう…。思わず出てきた場所に手紋を合わせた。
「どうした?」
奥のパソコンの前から洸一さんの声が飛んでくる。途端に恥ずかしくなった。
「す、スミマセン。あまりにも違くて…。不安になりました。」
「そこの場所をしっかりと頭に入れておけ。迷子になるなよ。」
洸一さんがニヤッと笑いながら呟いた。
「行ってきます。」
気を取り直して扉を閉め、バス停に向かった。まずは慣れている場所に行きたい。バス停のベンチも材質が違ったが、他は記憶通りだ。座って携帯を取り出し、あたりを見回す。
『………』
落ち着かない。目の前に家が数件並んでいるが、どの家も見たことがない。もっと新しい家だったはず…。
『公園の中に行くか。」
噴水の所にベンチがあったはず。そこで今日の行程を確認しようと、近くの入り口から入っていった。
『誰かいる?』
長い木立の中を歩いていった。木々はまだ青々として、初秋とはいえまだ夏のようだ。目指した場所に噴水はあったがベンチがなかった。1組の若いカップルが噴水をぐるりと囲んだ石に座って昼間からじゃれ合っていた。
『……朝っぱらから…。』
朝といっても、もう10時に近い。が、平日のこんな時間に何やってるんだ。横目で睨みながら、自然と左の道に向かっていった。
「…ねぇ…ここで3回以上キスすると、その2人が幸せになれる言い伝え知ってる?」
「うん?…じゃ、しよっか…。」
『しよっか、じゃねえよっ!…見せつけんなっ!』
後ろから聞こえて来たカップルの声に内心で毒づきながら、遊具スペースまでやって来た。ここは、やぐらの下に木のテーブルと椅子が設置され、剥き出しのベンチもあちこちに配置されていた。ジャングルジムや滑り台、ブランコなど設置されてかなり広い。前に真人を追って来た時にはこんなにたくさんの遊具があるとは気づかなかった。
『やっと落ち着ける。』
遊具コーナーの入り口に1番近いベンチに腰を下ろす。近くには砂場があり、1人で遊んでいる小さな男の子がいた。その他には少し離れた場所のベンチに座ってそれを見守る女性がいるだけだった。
鞄を傍に置き、携帯を取り出して情報を確認する。住所を見ると、ここと同じ町だ。近くには違いないが…。次に出てきた地図には、印がついてる。見づらい…。画面を拡大しようと親指と人差し指を這わすが、写真の拡大は出来なかった。
『昔の携帯って使えないな。アプリはないのか?』
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『……』
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「はい、どうじょ。」
いきなり視界に入ってきた子どもにびっくりして顔を上げた。
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