ガチ・女神転生――顔だけ強面な男が女神に転生。堕女神に異世界の管理を押し付けられました!

昼行灯

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奴隷編

胸の谷間から白いあいつを

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「でも、まずは……腹ごしらえからだ」

 何をするにも、お腹が空っぽでは話にならん。

 と言っても、食べるのは天馬ではない。

 先程のサヨから聞いた話によれば、ここで提供される食事は、お世辞にも良質とはいえないようだ。
 そして、今この部屋で最も栄養が必要なのは……誰か。

 と、天馬がそんなことを考えていると、

「っ……! テルマ、袋を被って! 早く!」
「え?」

 先程シャーロットの元へと行ってしまったサヨが、慌てた様子で天馬の方へ駆け寄ってきた。
 すると、シャーロットまでそのあとに続いて、天馬の元へと近付いてくる。
 サヨは天馬の傍に落ちていた袋を拾い上げると、一気に顔へと被せてしまった。

「え? なになに?」
「しっ……」

 サヨが口に指を当てて、静かに、と合図してくる。

 すると、

「――おら、お前らメシだ!」

 扉が乱暴に開かれ、盗賊の男が部屋に入ってきた。
 男は木箱を手に持ち、とても不快な表情を浮かべながら、小さく舌打ちする。

「ちっ、なんで俺がこんなところに餌を持っていかねぇといけねぇんだよ……そら!」

 そう呟くと、男は無造作に木箱を部屋に投げ込んだ。
 床に箱がぶつかり、蓋が開くと、中から何も加工されてていない、芋のような物が飛び散った。

 唖然とした表情を浮かべる天馬だったが、男はそれで用は済んだと言わんばかりに扉を閉めて、そそくさと部屋を後にする。

 何がなんだか、天馬にはさっぱり分からない。

 一応、メシだ、とは言っていたが、はて? これはご飯? 何かの冗談か?

「な、何だったんだ、あれ?」
「……食事を持ってきたんですよ。毎日2回、今のように木箱が投げ込まれます。それにしても、今日は比較的まとな奴が持ってきたみたいね……食べ物が無事に届いたわけですし……」

 え? あれで? 
 シャーロットの言葉に、天馬がポカンとしてしまう。

「うん。そうだね。酷い奴だと、ほとんど食べられないような状態で持ってくるのもいるし、今回は当たりみたい」
「???」

 サヨとシャーロットが放している内容が理解できず、天馬は首を傾げてしまう。

 しかし、二人から更に話を聞くと、こういうことらしい……

 用意される食事は、いつもこの芋だけ。しかも数が人数分ないときも珍しくないようで、そのときは、ただでさえ少ない芋を半分に割って皆に行き渡るようにしている様だ。

 だが、それとは別に、この芋を持ってくる人物によっては、食べ物を足で踏みつけたり、ゴミと混ぜて持ってくるような輩がいるという。

「なっ?! ……どうして、そんな……」
「……単なる嫌がらせだと思います。わたくし達が、人《ヒューム》ではないから。……この部屋に来ること自体を、彼らは嫌がっているのは明らかですし……それに、わたくし達があれだけ騒いでも部屋に怒鳴りつけに来ないのは、部屋の外に見張りがいなからです。それだけ、あいつらはわたくし達と距離を取りたいのですよ」
「え、見張りが、いない……?」

 それは、いくらんでも無警戒がすぎるのでは?
 そう思う天馬だったが、その理由をサヨが説明してくれた。

「この部屋の外はね、一本の通路になってて、扉で仕切られているの。見張りは多分、外に繋がる扉の前にいると思う。この部屋の前にも、何か荷物を置いているみたいで、この部屋の外に出ることはできなくなってるんだけどね……」

 と、サヨは説明してくれた。
 しかし、天馬は少し疑問に思うことがあった。

「そうなんだ? でも、皆でなんとか盗賊を倒して、とかは考えなかったの?」

 部屋にいる体の大きな男性が本気になれば、扉を破るくらいはできそうな気がする。
 それに、サヨでさえ結構な筋力を持っているくらいだ。
 他の獣人たちも、盗賊たちと戦うことくらいはできそうな気がする。
 なのに、何故皆は、ここで大人しくしているのだろうか?

「……無理です。わたくしたちが船で暴れたら、きっとあいつらは……」

 天馬の言葉に、シャーロットが唇を噛んで、下を向いてしまう。
 その理由についても、サヨが引き続き説明してくれた。

「テルマ、実はね、アタシ達、何度もそれは考えたの。でも、やっぱり無理だった……だって……『子供が人質』にされてるんだもん」
「っ……?!」

 サヨの言葉に、天馬が驚愕に目を見開いた。
 いや、そういえば、この部屋には幼い子供の姿がない。
 サヨは、村から連れ去られたひと達の中に、小さな子供もいると話していたのに、だ。

「その子達が、船のどこにいるのかも分かってないから、アタシ達も迂闊に動けないの……」
「そんな……」

 なんて卑劣な……と、天馬は先程と同様に、激しい憤りを覚えた。

「ですから、安易に動くのは、無理なのです……」

 シャーロットはそう言葉を吐き出すと、木箱から散らばった芋をひとつとってきて、天馬に差し出した。

「ですが、わたくしは諦めたくありません。必ず機会は巡ってくると信じてます。ですから、絶望などしません。必ず、わたくしの達の子供を取り戻し、家族を殺した報いを、あいつらに味合わせてやります……そのためにも、こんな粗末なものでも、食べなくてはいけないのです」
「シャーロットさん……」

 力強く芋を握り締め、扉に視線を送るシャーロット。
 彼女の瞳には、盗賊に対する憎悪の念が、はっきりと見て取れる。
 そして、こんな現状でも決して諦めない、強い精神力も持ち合わせているようだ。

 とはいえ、状況的にかなり厳しいことは、彼女も分かっているのだろう。

 その表情は、決して明るいとはいえない。
 具体的な策などない上に、シャーロットが縋り付いているものは、ほとんど神頼みのようなのだから。

「あの、シャーロットさん……あなたも、あまり無理をしないでくださいね」
「ありがとうございます、テルマさん。気を使っていただいて……あ、それと、あいつらが部屋に来そうなときは、必ず袋を被るようにして下さい。どいうわけか、あの男達はテルマさんを醜いと思っているようですが、もしかしたら単に、特殊な感性を持った方が、そう判断しただけという可能性は十分にありますから。それでもし、他の誰かが、テルマさんのお顔を見てしまったら……おそらく……『慰み者』にされてしまうかと」
「そ、そんなこと……」
「確実です。絶対です。間違いありません。以前部屋に来たあいつらの仲間が口にしていたのを耳にしたのですが、どうやら人《ヒューム》の女性……中でも、器量のいい娘は、毎晩、陵辱を受けているという話でした」
「うわぁ…………」
「ですから、テルマさんも気をつけて……」

 シャーロットの言葉を聞いた天馬は、思わず身震いしてしまった。
 童貞のまま前世では死を向かえたというのに、こっちの世界では下手をするとレイプされるというのだから、たまったものではない。
 しかも、精神が男である天馬に、ガタイのいい男が寄ってたかってズッコンバッコン……。

 もはや、地獄絵図でしかない。

「わ、ま分かりました……わたし、かなり、気をつけます……」
「そうしてください」
「テルマ、そんなに震えて……でも、大丈夫だよ! もしそうなりそうになったら、アタシが全力で守ってみせるから!」
「あ、ありがとう、サヨさん」

 明るく励ましてくれるサヨ。
 しかし、天馬が震えているのは、きっと世間一般で言う、レイプされそうになっている女性の心境とは、少し違うと思われる。

 有体に言えば、男が男に抱かれる。そういうシチュエーションに、全力で身体と精神が拒否反応を起こしているのだ。

 うん……どこのBLだという話である。いや、体は女だけどさ。

「まぁ、なにはともあれ、食べましょうか。はい、テルマさんの分です」
「よし。それじゃアタシ、お姉ちゃんのところ行ってくるね」
「あ、待ってくださいサヨさん、わたしもいくから」

 そう言って、天馬はサヨの後に続きながら、先程落ち込ませてしまったヨルの元へと赴いた。

 先程のサヨの話と、今しがた聞いたシャーロットの話から、ヨルに栄養が足りていないというのは、天馬も思ったいたことだ。

 この芋だけが、毎日2回部屋に届く……どう考えても、妊婦には色々と足りなさすぎる。

 それなら……
 天馬は、短い移動の中、自分の胸に視線を落とした。

「お姉ちゃん、ご飯!」
「あら、もうそんな時間なのね……ノームさん、起きてください……」
「……ほにょ……ご飯……?」
「そうみたいですよ」
「ん~……取ってくる……」
「はい、いってらっしゃい」

 ノームはのそりと起き上がると、どこかフラフラとしながら芋を取りに行った。

「だ、大丈夫ですね?」
「彼女はいつもあんな感じですし、大丈夫ですよ」

 そう言ってヨルは、ノームの背中を見送っている。

「それよりお姉ちゃん! お姉ちゃんはしっかりと食べないとダメなんだから! はい、これ!」
「あらあら、ありがとうサヨ……でも、私は『2つ』も要《い》らないから、1つはサヨの分よ……」
「う、どさくさに紛れて渡す作戦、失敗……」
「もう、この子ったら……」

 どことなく、先程までの落ち込んだ雰囲気を払拭しようと、ヨルは無理をしておどけているように、天馬にの目には映った。
 その姿が、どことなく痛々しく、天馬は彼女の横に腰掛け、そっと呟いた。

「ヨルさん、大丈夫ですか? さっきは、すみませんでした。どうも、無神経なことを言ってしまったみたいで……」
「あら……もしかして、サヨが?」
「ええ、話してくれました。ヨルさん達の村で、何があったのか……」
「そう、ですか……いえ、気にしないで下さい。私も少なからず心を痛めてはいますが、今はそれほでもありません。ですから、あまり気に病まないで下さい」

 ヨルは、手に持った芋を転がしながら、寂しそうな表情を浮かべた。

「あの、そのこととは別に、少しだけ話があるんです。ヨルさん、差し出がましいとは思いますが、お腹の赤ちゃんのためにも、ちゃんと食べないとダメだと思います。申し訳ないという気持ちは分かりますが、誰かから、食べ物を分けてもらうべきです」
「……それは分かっているのですが……だからって、あの子……サヨからご飯を取り上げることなんてできません……それは他の方も同様です、それに、もし私が誰かのご飯まで食べてしまって、それで、あのひとが倒れでもしたら、私はもう、きっと立ち直れません」
「…………」
「ですから、私は……」
「分かりました」
「え? あの、分かったって、何を……」

 ヨルが天馬の言葉に小首を傾けると、当の本人はすくっと立ち上がり、部屋全体に声を張った。

「皆さん! 食事中にすみません、少しいいでしょうかっ?」

 その声を聞き、部屋にいた全員が天馬に注目する。
 何だ何だといわんばかりに、皆が天馬に視線を送っていた。

「テ、テルマさん? どうされたのですか?」

 天馬の行動の意味が分からず、そう問い掛けてくるヨル。

 それに対し、今度は何をやらかす気なのだと、サヨとシャーロットは、天馬の行動に注視していた。

「わたしは、正直に申し上げれば、食料を持っています! この芋のことではなく、これ以外にも、別に食料を持っている、という意味です!」

 途端、部屋の中がざわついた。
 皆が、お互いに顔を見合わせたりして、このひとは急に何を言い出しているのかと、口々にそう言っているが聞こえてくる。

「あ、あのテルマさん、失礼ですが、その……テルマさんが着ている服……その格好では、他に食料があるようには……その……思えないのですが」
「はい、見た感じはそうかもしれせんが、実際に持ってるんです」

 天馬の服は、貫頭衣かんというとなっており、体のラインは出にくい物だ。
 しかし、周りから見れば、それでも彼女が服のどこかに、食べ物が忍ばせあるようには思えなかった。

 それもそのはずである。
 天馬が食料を保管している場所は、アイテムボックスの中……つまり、胸の谷間に入っているのだから。

「ですが、この船があとどれだけ海を航海するのか分からない以上、皆さんにお配りすることは、できません。……ですから、わたしは、今ここにいるひと達の中で、ヨルさん、そして、身体が弱っているひとに、わたしの持っている食べ物を、分け与えようと思っています」
「テ、テルマさんっ、何を言ってるんですかっ? そもそも食べ物なんて、いったい何処に……」
「……その、少し恥ずかしいので、皆さん、少し失礼します」

 そう言って、天馬は部屋の隅に移動すると、胸の谷間から、あの白い果実を取り出した。
 それを手に、ヨルの元へと戻ると、手に果物を掲げて、部屋の皆に見えるように高く持ち上げる。

「「っ?!」」

 すると、部屋にいた全員が驚きの表情を浮かべ、目を見張った。

「え~と、これはわたしが無人島で見つけた果物です。甘くて非常に柔らかく、水分も多く含んでいるので、喉も潤せます。ではこれを、ヨルさん、食べて下さい」
「え? あ、あの……」

 ヨルは目を白黒させ、天馬と渡された果物を交互に見やる。

「それと、もし身体が弱っているひとがいたら、名乗り出て下さい」

 しかし、他に自分もと出てくる者はおらず、天馬はそれを見届けると、今度は頭を下げたのだ。

「本当にごめんなさい。できれば、皆さんにも分けてあげたいですが、さっきも言った通り、いつまで海の上にいるのか分かりませんし、そこまで多く食料を持っているわけでもありません……ですから……どうか、ヨルさんだけにこの食べ物をあげることを、許してください!」
「「………………」」

 皆が無言になる。
 天馬は頭を下げた状態で、冷や汗を掻き始めていた。

「(ダメか……下手に隠して、後で追求されるより、今ここで話してしまった方がいいと思ったけど……浅はかだっただろうか?)」

 皆だって、食料が足りていないことは天馬も理解しているつもりだ。
 だが、ここにそれ以上に栄養が足りていないのひとがいるのも、また明らか。
 できれば納得してほしかったが、やはり無理だったのか、と天馬はこのあとの事態に、どうしたものかと頭を悩ませていた。

 しかし、

「別に、構いませんよ。わたくし達だって、そちらの……え~と、ヨル、さんのお腹に、子供がいるのは分かっておりましたし、できれば何とかしてさしあげたいとも思っていましたから……」

 第一声を発してくれたのは、シャーロットだ。
 天馬は頭を上げて、彼女を見た。

「ですから、気になさる必要はありません。テルマさんが、ヨルさんに食事を与えてさしあげられるのでしたら、それをわたくし達が、どうこう言うつもりもあません。お好きになさってください」

 僅かに頬を綻ばせ、微笑を浮かべながら紡がれた、シャーロットの言葉に、部屋にいた全員の首が縦に動く。

 皆、その顔にはシャーロットと同様の微笑みを湛えている。

「皆さん……~~~っ! ありがとうございます!」

 ああ、なんて優しいひとたちだ……と、天馬は心が温かくなるの感じた。
 それと同時に、安堵の息を吐く。

「それじゃヨルさん、それは差し上げますから、しっかり食べて下さいね」
「あ、あの、やはり遠慮させてください……皆さんだってお腹が空いているのに、私だけこんな贅沢なんて……」
「ヨルさん、それは違います」

 天馬は、ヨルの言葉をきっぱりと否定した。
 真っ直ぐにヨルの瞳を見つめて、天馬はゆっくりと口を開く。

「これは、ヨルさんと――『お腹にいる赤ちゃん』にあげるんです」
「で、ですけど……」
「いいんです。……お腹の中にいる子供は、ヨルさんと、あなたの旦那さんとの愛で出来た、大切な赤ちゃんでしょ?」
「っ……!」
「今は、誰かに甘えていいんです。すがっていいんです」

 天馬は静かに、しっかりとした口調で、ヨルの瞳から目を逸らさず、真っ直ぐに語りかける。

「ヨルさんは、誰かに頼ってもいいんです。妹さんでも、わたしでも……やって欲しい事があれば、現状でも出来ることで、力になります。そうして、元気な赤ちゃんを産んでください。あなたが愛したひとの子供を、産んであげてください」
「で、でも、私は……っ~、わ、わた、し、は…………」
「大丈夫です……弱さを見せても、大丈夫ですから……辛いことを我慢して、他のひとを優先しなくても、今は大丈夫です」

 大丈夫、という単語を繰り返し、天馬はヨルの肩に手を置いて、ちょっと照れていた。
 くさい台詞のオンパレードが、自分の口から出ていることに、羞恥心が刺激されたのだ。

 しかし、目の前のヨルは、俯きながら肩を震わせ、表情がよく見えない。

 少しお節介が過ぎて、怒ったかな……と、天馬は少し慌てたが。
 次の瞬間、ヨルの頬に、ひとつの雫がこぼれた。
 雫は少しずつ数を増して、止めどなく溢れてくる。

「っ~~、シンさん……シン、さん…………ふぇ~……」

 ヨルが声を震わせて、愛しいひとの名を何度も口にする。
 そして、顔を上げると共に、天馬の胸に飛び込み、

「う、うぅ……うぇ……うあああああ~~っ!」

 声を圧し殺すことなく、天馬の服をぎゅうっと掴んで、力の限り泣いた。
 天馬はサヨ同様に、彼女の体を優しく包み込み、気の済むまで、泣かせてあげた。

 姉妹揃って溜め込んでいたことに少し苦笑しつつも、天馬はヨルの華奢な体を抱き締めて、彼女が泣き止むのを、筋かに待ち続けた。
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