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復興編
気持ち
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「はぁ……」
森精霊であるシャーロットは、森で花を手折りながら、小さくため息を漏らしていた。
「どうしたのよ、辛気臭い顔して」
そのすぐ近くでは、アリーチェも一緒に花を集めている。
見れば、彼女達以外にも、数人の女性が同じように野に咲く花を摘んでいた。
彼女達は、村人たちのお墓に供えるための花を集めているのだ。
「わたくし……嫌な女だな、と思いまして……」
「何がよ?」
「…………」
「言いたくないなら別にいいけど……別にそこまで聞きたいわけじゃないし……でも、この際だからはっきり言っておこうかしら」
「え?」
アリーチェの言葉に顔を上げ、シャーロットは彼女と視線を合わせた。
「正直言って、私、あんたのこと……嫌いよ」
「っ?!」
思わず出てきたアリーチェからの真っ直ぐな「嫌い」という発言に、シャーロットは僅かながらショックを受ける。
まだまだ種族間における蟠りはあれど、それなりの関係を築けていると思っていた。
それが、ここに来て一気にひっくり返された格好である。
「あ、勘違いしないで欲しいんだけど、私が嫌いなのは森聖霊じゃなくて、あくまでも、あんただから」
更に追い討ちを掛けるように、アリーチェの言葉は続いた。
「な、何故、急にそんな……」
「……あんたってさ、何考えてるのかよく分かんないんだよね。お姉さまともなんだか距離を取ってるように感じるし……なんていうか、ぱっと見はそうでもないんだけど、他の皆よりも接し方が他人行儀というか……お姉さまと親しくしたいのに、どこか躊躇して見えるって言うか……どっちつかずで、いらいらするわ」
「っ……!」
アリーチェからの指摘に、シャーロットは硬直した。
額からは小さく汗が流れ、心臓の音がその長い耳に聞こえてしまいそうなほど脈打っている。
「こないだ……私が、その……夜に寝られなくて、お姉さまの布団に潜り込んだときとかさ……あんた、お姉さまの部屋の前で枕抱えながら蹲ってたし……あれ、私が来なかったらあのまま部屋の前でずっとそのままだったんじゃない?」
自分が夜に怖くてひとりで寝れなかったことを恥ずかしそうにするアリーチェだが。
次の言葉では鋭くシャーロットに切り込んでいった。
「その、それは……」
否定できず、言葉を飲み込んでしまうシャーロット。
それは、3日前……テルマが目を覚ました日のこと。夜になってからだ。
別室で寝ようとしていたシャーロットは、暗闇に恐怖を覚え、またあの化け物が出てくるんじゃないかという妄想が頭を占めてしまった。
そうなると、もう目を閉じることもできなくて、とても眠るどころではなくなった。
それどころか、あまりにも怖くて、泣き出してしまいそうになったほどだ。
そして、シャーロットは布団から抜け出し、枕を抱え、板張りの床が軋む音にびくびくと震えながらも、テルマが寝ている部屋まで辿り着いた。
彼女の傍でなら、安心して眠ることができる気がしたのだ。
しかし、扉を開けようとしたところで、不意に手が止まる。
その瞬間、シャーロットの胸中から、強烈な罪悪感が溢れた出た。
彼女は、テルマに対して小さくない疑念と恐怖を抱いていた。
ひとと自然と打ち解けてしまえる、その人柄。不思議な力の数々……あまりにも完璧すぎるテルマという人物に、シャーロットは畏怖の感情を抱かずにはいられなかった。
故に、シャーロットは彼女と一定の距離を置いて接してきた。
にも関わらず、いざ己の身に危険が及んだときに、咄嗟に助けを求めた相手は、テルマだった。
実際、彼女は文字通り、身を挺してシャーロットを救ってくれた。
それだけのことをしてくれる相手のことを、シャーロットは怖いと思ってしまったのである。
だというのに、夜に怖くて寝られなくなったと、シャーロットはまたしてもテルマに頼ろうとした。
――なんて虫のいい話であろうか。
自分はテルマと距離を取っておいて、いざとなれば傍に寄っていくなど、恥知らず以外の何ものでもない。
「あの時は、なんとなく仕方なしに部屋に入れてあげたけど……挙動不審だったし。でも、横になってみればお姉さまと少し距離を空けるし。そのくせ服の端っこはちょっと握ってるし……わっけ分かんない」
「…………」
結論から言えば、テルマが傍にいると思った瞬間、シャーロットの恐怖は薄れ、眠気が襲ってきた。
しかし、それでも胸につかえたしこりはそのままであり、熟睡できているわけではなかった。
おかげで、最近はその白い肌に陰りが見えるくらいだ。
「でも、それでもアリーチェさんは、わたくしを悪霊から助けてくれようとしたと聞きましたが……」
「ああ、それは全部、お姉さまのためよ。悪いけど、あんたのためじゃない。私があの化け物の指示に従えば、お姉さまは無事に帰すって約束だったから、自分の身を差し出そうと思っただけ」
「そんな……」
アリーチェの容赦ない言葉の数々に、シャーロットは俯き始める。
好かれてはいないんじゃないかと思ってはいたが、ここまで露骨に拒絶されるとは……
「私があんたを嫌いなのは、助けてくれた恩人に対して、どっちつかずな態度を取ってることよ。まぁ、あのひとは不思議な力を持ってるから、なんとなく近寄りがたい、って気持ちは理解できる。でも、あんたはお姉さまに対して、分かりやすい好意も抱いてる」
「……」
「好きなら好きで、素直に態度で示せばいいのに……なんていうか、都合のいいときだけお姉さまに近付いてるみたいな…………ああ、なるほど」
途端、アリーチェは何かに納得したように頷いて見せた。
「さっきからあんたが憂鬱そうな顔してたのって、もしかしてまんま今私が言ったことが原因ってこと……そう……自分が嫌な女って自覚はあったんだ……へぇ」
「……っ」
シャーロットは何も言い返すことができず、ただ俯いていた。
「ここまで言われて何も反論しないのね……あんた」
「……」
シャーロットは唇を噛んで、アリーチェから顔を逸らす。
彼女の言葉があまりにも的を得すぎていて、心に鋭く入り込んでくる。
「ふん、あんたって本当にいらいらさせるわね。それとも何? 森聖霊って森にこもりすぎて相手への好意もまともに表現できない奴ばっかりなの? あんたみたいな。やっぱり巷で言われている通り、あんたら森聖霊って、『森のひきこもり』なのね。考え方が辛気臭くて嫌になるわ」
「っ!」
「何よ、その目……」
自分のことならいざ知らず、種族まで侮辱するような発言をするアリーチェに、シャーロットは目を吊り上げて睨み付けた。
「取り消しなさい……」
「は?」
「『森のひきこもり』という言葉、取り消しなさい!」
「……嫌よ」
「くっ!」
シャーロットは、思わずアリーチェの胸倉に掴み掛かり、地面に押し倒した。
「わたくしのことはいくら言われて構いませんわ。ですが、我が種族の侮蔑だけは許せません! そっこく取り消して下さい!」
「嫌よ!」
「アリーチェさん! って、うわっ?!」
尚も言葉を取り消すことなく、しかもアリーチェはその小柄な体からは考えられない力でシャーロットを吹き飛ばし、逆に押し倒した。
「私が知ってる森聖霊はあんただけ……『親しく』してたのはあんただけなの! あんたがそんな態度しか取らないから、私は森聖霊全部がそんな風にしか見えないのよ!」
「なっ?! あなた! なんて勝手な! わたくしは森聖霊の一人ですが、種族を代表したことなどありませんわ!」
「知らないわよ。言ったでしょ。私はあんたしか森聖霊を知らないんだから」
「だったら!」
「だったらもっと森聖霊の印象が良くなるようにちゃんとしなさいよ!」
「?!」
支離滅裂なアリーチェの言い分に噛み付くシャーロットだったが、まさかの返しを受けて、目を見開き唖然としてしまう。
「な、何を……」
「お姉さまに言いたい事があるならちゃんと伝えろって言ってんのよ! 『私はあなたが怖いです、でも嫌いになれないんです、むしろ好きなんです、どうしましょう』ってさ!」
「~~~~~~~~っ」
アリーチェの息継ぎなしに紡がれた、赤裸々な告白のような台詞。
自分の感情を包み隠さず相手へ伝えるための言葉。
しかし、あまりにも直接的すぎて、シャーロットの顔はその尖った耳から首筋までが、真っ赤に染まってしまう。
「あんたはこれくらい真っ直ぐに気持ちをぶつけたほうが丁度良さそうだわ。うじうじしてて踏ん切りがつかないくらいなら、いっそのこと全部ぶちまけて今みたいに顔真っ赤にして逃げてくればいいのよ」
「……」
「そしたらあんた、きっとお姉さまにも嫌われるわ。見物ね」
「……ひねくれ者」
「あんたほどじゃいわよ。優柔不断」
シャーロットはジト目でアリーチェを睨み、アリーチェは半眼で相手を見つめながら鼻を鳴らした。
お互いに無言で離れて、取っ組み合った際に散らばった花を回収する。
「……なら、今日の夕方に突貫してこようじゃありませんの。そもそも好かれる自信もありませんし、玉砕してきますわ」
「あっそ。泣いても落ち込んでも慰めてなんかやらないから。でも、お姉さまを悲しませるようなことしたら、思いっきり殴ってあげるわ。グーでね」
「乱暴者」
「根暗」
「がさつ」
「田舎者」
などなど、口々に相手を罵りあい、『一緒に』花を摘んでいく。
周囲の者たちは、そんな彼女達に怪訝そうな表情を向ける。
しかし、そんなことには気付かずに、二人はしばらくの間、歳相応か、それ以下の口喧嘩を繰り広げたのであった。
森精霊であるシャーロットは、森で花を手折りながら、小さくため息を漏らしていた。
「どうしたのよ、辛気臭い顔して」
そのすぐ近くでは、アリーチェも一緒に花を集めている。
見れば、彼女達以外にも、数人の女性が同じように野に咲く花を摘んでいた。
彼女達は、村人たちのお墓に供えるための花を集めているのだ。
「わたくし……嫌な女だな、と思いまして……」
「何がよ?」
「…………」
「言いたくないなら別にいいけど……別にそこまで聞きたいわけじゃないし……でも、この際だからはっきり言っておこうかしら」
「え?」
アリーチェの言葉に顔を上げ、シャーロットは彼女と視線を合わせた。
「正直言って、私、あんたのこと……嫌いよ」
「っ?!」
思わず出てきたアリーチェからの真っ直ぐな「嫌い」という発言に、シャーロットは僅かながらショックを受ける。
まだまだ種族間における蟠りはあれど、それなりの関係を築けていると思っていた。
それが、ここに来て一気にひっくり返された格好である。
「あ、勘違いしないで欲しいんだけど、私が嫌いなのは森聖霊じゃなくて、あくまでも、あんただから」
更に追い討ちを掛けるように、アリーチェの言葉は続いた。
「な、何故、急にそんな……」
「……あんたってさ、何考えてるのかよく分かんないんだよね。お姉さまともなんだか距離を取ってるように感じるし……なんていうか、ぱっと見はそうでもないんだけど、他の皆よりも接し方が他人行儀というか……お姉さまと親しくしたいのに、どこか躊躇して見えるって言うか……どっちつかずで、いらいらするわ」
「っ……!」
アリーチェからの指摘に、シャーロットは硬直した。
額からは小さく汗が流れ、心臓の音がその長い耳に聞こえてしまいそうなほど脈打っている。
「こないだ……私が、その……夜に寝られなくて、お姉さまの布団に潜り込んだときとかさ……あんた、お姉さまの部屋の前で枕抱えながら蹲ってたし……あれ、私が来なかったらあのまま部屋の前でずっとそのままだったんじゃない?」
自分が夜に怖くてひとりで寝れなかったことを恥ずかしそうにするアリーチェだが。
次の言葉では鋭くシャーロットに切り込んでいった。
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否定できず、言葉を飲み込んでしまうシャーロット。
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そうなると、もう目を閉じることもできなくて、とても眠るどころではなくなった。
それどころか、あまりにも怖くて、泣き出してしまいそうになったほどだ。
そして、シャーロットは布団から抜け出し、枕を抱え、板張りの床が軋む音にびくびくと震えながらも、テルマが寝ている部屋まで辿り着いた。
彼女の傍でなら、安心して眠ることができる気がしたのだ。
しかし、扉を開けようとしたところで、不意に手が止まる。
その瞬間、シャーロットの胸中から、強烈な罪悪感が溢れた出た。
彼女は、テルマに対して小さくない疑念と恐怖を抱いていた。
ひとと自然と打ち解けてしまえる、その人柄。不思議な力の数々……あまりにも完璧すぎるテルマという人物に、シャーロットは畏怖の感情を抱かずにはいられなかった。
故に、シャーロットは彼女と一定の距離を置いて接してきた。
にも関わらず、いざ己の身に危険が及んだときに、咄嗟に助けを求めた相手は、テルマだった。
実際、彼女は文字通り、身を挺してシャーロットを救ってくれた。
それだけのことをしてくれる相手のことを、シャーロットは怖いと思ってしまったのである。
だというのに、夜に怖くて寝られなくなったと、シャーロットはまたしてもテルマに頼ろうとした。
――なんて虫のいい話であろうか。
自分はテルマと距離を取っておいて、いざとなれば傍に寄っていくなど、恥知らず以外の何ものでもない。
「あの時は、なんとなく仕方なしに部屋に入れてあげたけど……挙動不審だったし。でも、横になってみればお姉さまと少し距離を空けるし。そのくせ服の端っこはちょっと握ってるし……わっけ分かんない」
「…………」
結論から言えば、テルマが傍にいると思った瞬間、シャーロットの恐怖は薄れ、眠気が襲ってきた。
しかし、それでも胸につかえたしこりはそのままであり、熟睡できているわけではなかった。
おかげで、最近はその白い肌に陰りが見えるくらいだ。
「でも、それでもアリーチェさんは、わたくしを悪霊から助けてくれようとしたと聞きましたが……」
「ああ、それは全部、お姉さまのためよ。悪いけど、あんたのためじゃない。私があの化け物の指示に従えば、お姉さまは無事に帰すって約束だったから、自分の身を差し出そうと思っただけ」
「そんな……」
アリーチェの容赦ない言葉の数々に、シャーロットは俯き始める。
好かれてはいないんじゃないかと思ってはいたが、ここまで露骨に拒絶されるとは……
「私があんたを嫌いなのは、助けてくれた恩人に対して、どっちつかずな態度を取ってることよ。まぁ、あのひとは不思議な力を持ってるから、なんとなく近寄りがたい、って気持ちは理解できる。でも、あんたはお姉さまに対して、分かりやすい好意も抱いてる」
「……」
「好きなら好きで、素直に態度で示せばいいのに……なんていうか、都合のいいときだけお姉さまに近付いてるみたいな…………ああ、なるほど」
途端、アリーチェは何かに納得したように頷いて見せた。
「さっきからあんたが憂鬱そうな顔してたのって、もしかしてまんま今私が言ったことが原因ってこと……そう……自分が嫌な女って自覚はあったんだ……へぇ」
「……っ」
シャーロットは何も言い返すことができず、ただ俯いていた。
「ここまで言われて何も反論しないのね……あんた」
「……」
シャーロットは唇を噛んで、アリーチェから顔を逸らす。
彼女の言葉があまりにも的を得すぎていて、心に鋭く入り込んでくる。
「ふん、あんたって本当にいらいらさせるわね。それとも何? 森聖霊って森にこもりすぎて相手への好意もまともに表現できない奴ばっかりなの? あんたみたいな。やっぱり巷で言われている通り、あんたら森聖霊って、『森のひきこもり』なのね。考え方が辛気臭くて嫌になるわ」
「っ!」
「何よ、その目……」
自分のことならいざ知らず、種族まで侮辱するような発言をするアリーチェに、シャーロットは目を吊り上げて睨み付けた。
「取り消しなさい……」
「は?」
「『森のひきこもり』という言葉、取り消しなさい!」
「……嫌よ」
「くっ!」
シャーロットは、思わずアリーチェの胸倉に掴み掛かり、地面に押し倒した。
「わたくしのことはいくら言われて構いませんわ。ですが、我が種族の侮蔑だけは許せません! そっこく取り消して下さい!」
「嫌よ!」
「アリーチェさん! って、うわっ?!」
尚も言葉を取り消すことなく、しかもアリーチェはその小柄な体からは考えられない力でシャーロットを吹き飛ばし、逆に押し倒した。
「私が知ってる森聖霊はあんただけ……『親しく』してたのはあんただけなの! あんたがそんな態度しか取らないから、私は森聖霊全部がそんな風にしか見えないのよ!」
「なっ?! あなた! なんて勝手な! わたくしは森聖霊の一人ですが、種族を代表したことなどありませんわ!」
「知らないわよ。言ったでしょ。私はあんたしか森聖霊を知らないんだから」
「だったら!」
「だったらもっと森聖霊の印象が良くなるようにちゃんとしなさいよ!」
「?!」
支離滅裂なアリーチェの言い分に噛み付くシャーロットだったが、まさかの返しを受けて、目を見開き唖然としてしまう。
「な、何を……」
「お姉さまに言いたい事があるならちゃんと伝えろって言ってんのよ! 『私はあなたが怖いです、でも嫌いになれないんです、むしろ好きなんです、どうしましょう』ってさ!」
「~~~~~~~~っ」
アリーチェの息継ぎなしに紡がれた、赤裸々な告白のような台詞。
自分の感情を包み隠さず相手へ伝えるための言葉。
しかし、あまりにも直接的すぎて、シャーロットの顔はその尖った耳から首筋までが、真っ赤に染まってしまう。
「あんたはこれくらい真っ直ぐに気持ちをぶつけたほうが丁度良さそうだわ。うじうじしてて踏ん切りがつかないくらいなら、いっそのこと全部ぶちまけて今みたいに顔真っ赤にして逃げてくればいいのよ」
「……」
「そしたらあんた、きっとお姉さまにも嫌われるわ。見物ね」
「……ひねくれ者」
「あんたほどじゃいわよ。優柔不断」
シャーロットはジト目でアリーチェを睨み、アリーチェは半眼で相手を見つめながら鼻を鳴らした。
お互いに無言で離れて、取っ組み合った際に散らばった花を回収する。
「……なら、今日の夕方に突貫してこようじゃありませんの。そもそも好かれる自信もありませんし、玉砕してきますわ」
「あっそ。泣いても落ち込んでも慰めてなんかやらないから。でも、お姉さまを悲しませるようなことしたら、思いっきり殴ってあげるわ。グーでね」
「乱暴者」
「根暗」
「がさつ」
「田舎者」
などなど、口々に相手を罵りあい、『一緒に』花を摘んでいく。
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