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目覚ましが鳴った。
眠い目を擦り動きたがらない体をなんとか起こす。適当に着替えて,鬱陶しいだけの長い髪の毛を雑にまとめる。
春休みだというのに家に引きこもってダラダラと過ごしているから気持ちが上がらない。
いつになっても意思を持って動いているように見えないから,両親は苛つき私に勉強しろとせっつく。何も考えていないわけではないのに。
両親達の心を抉るような言葉達は抉られきって風穴の空いた私の心をすり抜けていく。勉強しなさい,努力をしなさい,将来を考えなさい。しっかり物事を考えなさい。人よりやらないとできないのに何故やらないの?やりたい事に向かいなさい。志望校を早く決めなさい。才能なんてないのだから妄想ばかりしないで。
きっと,きっと私のことを真剣に思って掛けてくれている言葉。そんな言葉達。
私だって理解している。とうの昔に気付いている。自分にはなんの才能もないどこにでもいるただの凡人であるということなんて。実際にはもっと下の可能性があることも。
それ故に,私の心を深く,深く抉り取る。
高校に入って周りの人間との才能の差に絶望し,精神も参っている。
学校に行くだけで,自分はダメな人間なのだと思い知らされる。談笑に入るだけで,ただそれだけでみんなが真っ直ぐな事がわかる。優しく差を教えられる。
こうやって文に起こすたびに文才もないのだとひしひしと感じる。
私には何かしらの才など一つもないのだろう。
眠い目を擦り動きたがらない体をなんとか起こす。適当に着替えて,鬱陶しいだけの長い髪の毛を雑にまとめる。
春休みだというのに家に引きこもってダラダラと過ごしているから気持ちが上がらない。
いつになっても意思を持って動いているように見えないから,両親は苛つき私に勉強しろとせっつく。何も考えていないわけではないのに。
両親達の心を抉るような言葉達は抉られきって風穴の空いた私の心をすり抜けていく。勉強しなさい,努力をしなさい,将来を考えなさい。しっかり物事を考えなさい。人よりやらないとできないのに何故やらないの?やりたい事に向かいなさい。志望校を早く決めなさい。才能なんてないのだから妄想ばかりしないで。
きっと,きっと私のことを真剣に思って掛けてくれている言葉。そんな言葉達。
私だって理解している。とうの昔に気付いている。自分にはなんの才能もないどこにでもいるただの凡人であるということなんて。実際にはもっと下の可能性があることも。
それ故に,私の心を深く,深く抉り取る。
高校に入って周りの人間との才能の差に絶望し,精神も参っている。
学校に行くだけで,自分はダメな人間なのだと思い知らされる。談笑に入るだけで,ただそれだけでみんなが真っ直ぐな事がわかる。優しく差を教えられる。
こうやって文に起こすたびに文才もないのだとひしひしと感じる。
私には何かしらの才など一つもないのだろう。
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