裕也の冒険 ~~不思議な旅~~

ひろの助

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第1章。「満月の夜」

3、ポテトサラダが好き

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--ポテトサラダが好き--

「裕也。さあ、食べましょ」メンディアは裕也に声をかけた。
テーブルには、大皿に大盛のポテトサラダ乗せられている。
そのサラダは真っ白で、ポテトの他には何も入っていないように見える。
その横にパンを入れた籠が置かれている。
「天使にラブソング」か題名は正しいか分からないが、何かの映画で見た気がする。
憧れである。
パンは少し硬い。それが、普通かもしれない。
裕也は、パンを割る。「バリィ。バリィ」
スプーンでポテトサラダをすくいパンの間に挟んだ。
口に運びこむ。ガブッとかじりつく。サラダは、少し塩味がする。
「美味しい」声を漏らす。
(俺はここのポテトが好きなんだな)
「いつも、裕也は美味しそうに食べますね。
 裕也には、悩みがないでしょう?」
メンディアは横に座り嬉しそうに微笑んだ。
「あるよ。慣れない土地だし。
 知り合いも居ないし」
裕也は、大げさにほっぺたを膨らませて見せる。
「ほっぺ。大人げないですね。
 ほんとですか?
 私が、友達になりましょうか?」
メンディアは、心配げに言う。
暫く考えて。
「お嬢さん。私をナイトにしていただけますか?」
裕也は、おごそかに片手を出し手のひらを見せて頭を下げる。
「喜んでお受けしますわ。 ほほほ」
メンディアは、その手に右手を乗せる。
そして嬉しそうに言い微笑びしょうする。
暫くして食事も済み。
「そうだ、裕也。歌を歌ってみませんか?
 歌には、信仰心が大切です。
 良く透る声の大きさと。
 き き 気持ちの大きさがありますか?」
メンディアは熱を込めて言った。最後の言葉は、日本語を振り絞った。
裕也が、日本人と分かり日本に興味を持ったらしい。勉強中である。
「う。俺?」裕也は、少し驚いて答える。
(カラオケでエクザイルが好きなんだよな。でも 賛美歌でしょ)
裕也は、その気持ちを押し殺した。
「賛美歌ですよね?そうですよね?」
「そうよ。賛美歌です。みんなで歌います。
 裕也は声がきれい。一度、歌の練習に来てみてください」
メンディアの押しは強い。
「うん わかった」裕也は、根負こんまけして、仕方なく答えたが、本当は少し乗る気なところもある。
(いっちょう試しにやってみるか)
2人は、その後、食器を片付けて洗う手伝いをした。
裕也は、知らず知らずのうちに、エクザイルの歌を口ずさんでいた。
「やみに ひかれ 二つの くちびる…」
(二つの唇とは、愛と欲望かもしれない)

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