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第1章。「満月の夜」
6、満月の夜(儀式)③ ~④~
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--満月の夜(儀式)③--
街にはレンガ作りの建物が続いている。
日は暮れ、雲から満月がはっきり出て来た。
裕也と神父は、メンディアを探し、夜の街を歩き、街の中心部に向かっている。
そして、彼らは街の中央、広場に出た。
辺りは、月明かりで明るく照らされている。
彼らの前の中央に古びた井戸がある。
(赤レンガ。何か感じる)
その井戸は今は使われていない。干上がって何年にもなる。
「あ。神父。次元の歪みがあります」裕也は、叫びそうな声を抑えた。
--満月の夜(儀式)④--
二人は、レンガ敷きの歩道が終わり、突然、広々した空間にでる。
中央に井戸がある。
裕也の目には、井戸が少し歪んで見えた。
(時空が歪んでいる)
「あの井戸が怪しいです」裕也は、アドウェイ神父に言った。
「裕也 ほんとうですか?」
「はい」
そして、二人は井戸の縁のところまで近づいた。
「井戸の底に降りる方法はないみたいですね」
裕也は、井戸の周りを探しながら言う。
「何か降りるのに良い方法はないものですか?」
アドウェイ神父は考えあぐねていた。
裕也は、意を決して両手を合わせる。
そして、井戸の底を思い浮かべた。
裕也の周りの風景が、井戸の底の風景に変わる。
裕也は次元を移動したのである。
足元は井戸の縁の床石のままである。
裕也自身は、そこから井戸の底に足を踏み出し出ることはできない。
次元を移動できるが、しかし、元の空間から異なる空間に踏み出すことはできなかった。
だが、周りの風景は見ることが出来たし、他の人を移動させることが出来た。
裕也は辺りを見渡す。
井戸の底には、横穴があった。
そこに、梯子らしきものが置かれていた。
「井戸の底の横穴に梯子があります。
きっと誰かが、井戸の中にいます」
裕也はしばらく考えて言った。
「アドウェイ神父。あなたを井戸の底に下ろします」
「どうやって?降りるにも道具がない」アドウェイ神父は、尋ねた。
「私の手を握ってください」裕也は、右手を出した。
アドウェイ神父は、その手を握った。
裕也は、アドウェイ神父を裕也の次元サークル内に引き寄せた。
そして、彼らは次元移動した。
周りの風景が井戸の縁から井戸の底に変わる。
「裕也。何をしたの?」アドウェイ神父は驚いた。
「説明は後です。外に踏み出してください。
横穴に梯子あります。
それを井戸に掛けてください」裕也は取り急ぎ言った。
アドウェイ神父は、サークルの外に踏み出す。
しかし、裕也は来ない。なぜかわからない。
「裕也はこないの?」
「私は、このサークルからでれません。
降りたら、梯子を掛けてください」
裕也は、繰り返し言った。
アドウェイ神父は、一歩、二歩と恐る恐る進む。
彼は井戸の底の風景にしみ出た。
そして、はっきりと井戸の底の風景に成った。
(裕也を早く降ろさないと)
アドウェイ神父は、横穴にある梯子を両手で抱えると、
彼はそれを井戸の壁に掛けた。
裕也は、井戸の入り口の縁に居て、井戸の中を覗いていた。
アドウェイ神父が、梯子を掛けるのが見えた。
そして、梯子の先端が井戸から出てくる。
裕也は、梯子を使い、ゆっくり井戸の底に降りて行った。
隠された古い井戸。その底で彼らを待ち受けているのは、何だろうか?
街にはレンガ作りの建物が続いている。
日は暮れ、雲から満月がはっきり出て来た。
裕也と神父は、メンディアを探し、夜の街を歩き、街の中心部に向かっている。
そして、彼らは街の中央、広場に出た。
辺りは、月明かりで明るく照らされている。
彼らの前の中央に古びた井戸がある。
(赤レンガ。何か感じる)
その井戸は今は使われていない。干上がって何年にもなる。
「あ。神父。次元の歪みがあります」裕也は、叫びそうな声を抑えた。
--満月の夜(儀式)④--
二人は、レンガ敷きの歩道が終わり、突然、広々した空間にでる。
中央に井戸がある。
裕也の目には、井戸が少し歪んで見えた。
(時空が歪んでいる)
「あの井戸が怪しいです」裕也は、アドウェイ神父に言った。
「裕也 ほんとうですか?」
「はい」
そして、二人は井戸の縁のところまで近づいた。
「井戸の底に降りる方法はないみたいですね」
裕也は、井戸の周りを探しながら言う。
「何か降りるのに良い方法はないものですか?」
アドウェイ神父は考えあぐねていた。
裕也は、意を決して両手を合わせる。
そして、井戸の底を思い浮かべた。
裕也の周りの風景が、井戸の底の風景に変わる。
裕也は次元を移動したのである。
足元は井戸の縁の床石のままである。
裕也自身は、そこから井戸の底に足を踏み出し出ることはできない。
次元を移動できるが、しかし、元の空間から異なる空間に踏み出すことはできなかった。
だが、周りの風景は見ることが出来たし、他の人を移動させることが出来た。
裕也は辺りを見渡す。
井戸の底には、横穴があった。
そこに、梯子らしきものが置かれていた。
「井戸の底の横穴に梯子があります。
きっと誰かが、井戸の中にいます」
裕也はしばらく考えて言った。
「アドウェイ神父。あなたを井戸の底に下ろします」
「どうやって?降りるにも道具がない」アドウェイ神父は、尋ねた。
「私の手を握ってください」裕也は、右手を出した。
アドウェイ神父は、その手を握った。
裕也は、アドウェイ神父を裕也の次元サークル内に引き寄せた。
そして、彼らは次元移動した。
周りの風景が井戸の縁から井戸の底に変わる。
「裕也。何をしたの?」アドウェイ神父は驚いた。
「説明は後です。外に踏み出してください。
横穴に梯子あります。
それを井戸に掛けてください」裕也は取り急ぎ言った。
アドウェイ神父は、サークルの外に踏み出す。
しかし、裕也は来ない。なぜかわからない。
「裕也はこないの?」
「私は、このサークルからでれません。
降りたら、梯子を掛けてください」
裕也は、繰り返し言った。
アドウェイ神父は、一歩、二歩と恐る恐る進む。
彼は井戸の底の風景にしみ出た。
そして、はっきりと井戸の底の風景に成った。
(裕也を早く降ろさないと)
アドウェイ神父は、横穴にある梯子を両手で抱えると、
彼はそれを井戸の壁に掛けた。
裕也は、井戸の入り口の縁に居て、井戸の中を覗いていた。
アドウェイ神父が、梯子を掛けるのが見えた。
そして、梯子の先端が井戸から出てくる。
裕也は、梯子を使い、ゆっくり井戸の底に降りて行った。
隠された古い井戸。その底で彼らを待ち受けているのは、何だろうか?
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