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第10話 空白の1年間
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10.空白の1年間
「花巻、こないだの臓器出血の縫合、すごい綺麗にやったんだって? 細かい技術は経験の分だけ自分の糧になる。やってみる?」
「はい、ありがとうございます」
あの緊急オペで行った俺の縫合は外科医師の中で広まっていた。こうやって別のチームの先生から褒められると嬉しい。
しかも、閉創の糸切りする相方がマヤさんなのでテンションも自然に上がった。
「……しっかし、真弥くんも医者目指したらよかったのに。その細かい指先、卓越したスキル。勿体ないよ。あー外科に欲しい」
「お褒めの言葉ありがとうございます。実はあと三年間現場で働くと経験年数が丸五年になるので、それからオペ室の認定看護師の免許を取ろうと思っています」
オペ室の認定看護師免許は看護師の免許を取って実地経験五年以上かつ、オペ室経験が三年以上だ。彼がオペ室三年目の経験年数としたらもう条件としてはクリアしているはずなのに、今の年齢が疑問だった。彼のように賢い人間が浪人や受験に落ちたとは考えられない。
プライベートに踏み込むことは出来ないので、俺は聞き耳だけ立てて黙々と針を動かした。
「向上心あるねえ~。そういう子は伸びるよ。聞いたか、花巻! あんたも出村の言いなりになってないで、腑に落ちないことはきっちり言い返しなさいよ」
「は、はい……」
男まさりの女医の言葉は響く。言いなりになっているつもりはないが、自分を育ててくれる上司なのであまり言い返せないのも事実だ。
動揺して手が震えてしまったのを、無理やり隠し皮下を縫っていたつもりだが、皮膚を通した糸を真弥の持つハサミでピタリと止められた。
「花巻先生、そこ段差になってます。やり直しお願いします」
「は、はい……」
執刀医ではなく、サポートの看護師に怒られる始末。俺の情けない姿を見て松下が大声で笑った。
「真弥くんって、元々看護師になったのが遅いの? 今で三年目か。二十七歳だっけ?」
「えぇ、ちょっと家庭が複雑だったもので。准看から学校挟んで……それから正看になって今の状態です」
マヤさんの過去が聞けるなんて、松下女医グッジョブ!
心の中で思わずガッツポーズをしそうになったが、ストレートな経歴はやはり不可解だった。
高校卒業と同時に准看護学校へ入学。ニ年間実習を経て卒業──確か、准看護師の免許があれば、正看護師の学校はニ年間で卒業できる。そう考えると今マヤさんは二十二歳のはずだ。
彼なら国家試験だって余裕のはず。その後に正看護師として働いているとしたら、一年間が空白で見えない。
この時に……俺とあの場所で会ったのだろうか。
わざわざ看護師を辞めてまでゲイバーに居た理由は何だったのだろう。苦労して手に入れた仕事を失う覚悟で、あの場所に居なければいけなかった理由が全く分からない。
真弥の話から、松下は医療現場の現状について少しだけ皮肉めいた言い方をした。
「准看から正看とって苦労してる子は仕事出来るよね。最近の若い子なんてストレートじゃない? 鼻っぱし強くて可愛くないの何の。ちょっと怒るとすぐ仕事辞めるし。おまけに『松下先生ちょー怖ーい』とか」
「それは、否定しません」
でしょう? と言いながら、何かが引っかかったのか松下は二重の眸を鋭くした。
「ちょっと真弥くん、その言葉はどこにかかってるの?」
「秘密です」
ふわりと微笑んだ真弥はそれ以上何も語らず、堅祐の糸切りに集中した。
◇
「お疲れさまでした」
「花巻、突然呼びつけて悪かったね。あんたも病棟の仕事残ってるでしょ? もう手下ろして行っていいよ」
出来る先輩は俺が働きやすいように声をかけてくれる。申し訳ないが担当の出村先生とは大違いだ。
「松下先生、貴重な乳腺チームのオペに入れてくださりありがとうございました」
「何言ってんだい、それはこっちの台詞だよ。あんたは手先が器用だからこれから期待してるよ」
お疲れ、と松下に手を振られ、急いでオペ室を後にする。病棟に向かう途中にPHSが鳴り、慌てて出ると今度は救外から連絡が入る。
この身体は一つしかないって言うのに、本当に忙しい。
◇
結局消灯過ぎまで残務をこなし、横断歩道を待っているとまたPHSが鳴った。
「……はい花巻です」
『先生、お帰りの所申し訳ありません。イレウスの緊急オペが入ったのですが、来れますか?』
電話の主はマヤさんだった。思わず機嫌悪く電話をとった自分を恥じる。
「えっと、神野くんが器械出し?」
『はい。器械出しはうちのベルチームです。ただ、花巻先生は今週すごく忙しかったですし、もしも大変そうでしたら、二番手ベルの高松先生にお願いしますけど』
「い、行きます! 行きますっ。十分くらいあれば病院まで戻れるんで!」
『わかりました。では二番片倉部長にコールしておきます。よろしくお願いします』
まさかのマヤさんからの電話。ラッキーだ。耳が幸せ。
これが忙しいなんて言ってられない。外科を選んだ俺の道だ。それに、執刀医が出村先生じゃないからいつもより全然楽だ。
病院に戻りすぐに始まった緊急オペの腸閉塞は片倉部長の腕が良いので予定よりも早く終了した。
「標本の写真よろしく」
「お疲れさまでした」
片倉部長は標本を持ちそのままIC室へ消えていった。俺はいつものように閉創担当なのでまた黙々と針を動かす。
ちらりと糸切り介助に入る真弥に視線を向けると、少しだけぼんやりしているように見えた。
眸の周りが異常に赤い。まさか、熱でもあるのだろうか。
「神野くん、もしかして調子悪い?」
「え? あ、すいません花巻先生……少しぼんやりしていたみたいで……」
俺が一針進めたところで、マヤさんが慌てたようにガーゼカウントを始めた。閉創の前に必ず数えることになっているのにおかしい。
こんな初歩的ミスなんてありえない。俺は背後で記録を書いている新人に声をかけた。
「浅川さん、手洗いして今すぐ神野くんと変わって」
「は、はいっ!」
突然名指しされ、慌てて手洗いに行く浅川の後ろ姿を見送り、目の前で呆然としている真弥からわざとハサミを取り上げる。
「先生、大丈夫ですよ。私は──」
「……んな具合悪い顔して術野にぶっ倒れたらどうすんだよ、患者のこと考えろ」
「……はい。申し訳ありません」
マヤさんはやはり体調が悪かったのだろう。俺の正論に反論することもなく、手袋を外した。
首筋と両腕が真っ赤になっている。やはり熱が上がってるのだろう……。
「先生、よろしくお願いします」
「あいよ、よろしく」
無事にオペが終わり、申し送りをしているマヤさんをカルテ越しに見つめる。立ち振る舞いはいつもとあまり変わりないようだが、顔色は悪い。
申し送りを終えてICUから真弥が出ていった瞬間、俺は偶然を装って彼を追いかけた。
「マヤさん、具合……大丈夫ですか?」
案の定、壁にもたれかかり真弥は眸を閉じたまま肩で呼吸を整えていた。
こんな所に放置するわけにいかないので、俺は細い身体をひょいと抱き上げた。
「女みたいに軽いな。マヤさんって、ちゃんと飯食ってんのかなあ……」
気絶している真弥を連れて戻ってきた堅祐に、先程器械出しを変わった浅川が申し訳無さそうに話しかけてきた。
「先生すいません。神野先輩、実は昨日から高熱があったみたいで……」
「はぁ? 朝からかよ。お前らどういう管理してるんだ」
「それが……今日出村先生の大変なオペが多くて、他チームも心臓と脳外に入っていてスタッフが足りなくて……」
深刻な看護師不足。まだ新人が多いせいか、緊急オペに対応するベル当番を変更できないのが目下の悩みらしい。
真弥は具合も悪かったので今日は一度定時で帰っていたのだが、不慣れなメンバーでの緊急オペで呼び出しされたのだろう。
「浅川さんも神野くんの体調悪いのを知っていたなら、最初から器械出し変わってあげなきゃ。片倉部長は新人に優しいでしょ」
「はい。すいませんでした……」
別に彼女が悪いわけじゃない。むしろ、体調が悪いのに強行突破した真弥に責任がある。
「とりあえず、神野くんが起きるまで休憩室借りるよ」
明日もオペはある。浅川達はリーダーではないので、物品や手術が円滑に行われるための最終チェックは現場の最終責任者に当たる真弥の仕事だ。
俺は何も出来ないので、彼が目を覚ますまでソファーに座り見守ることにした。
「花巻、こないだの臓器出血の縫合、すごい綺麗にやったんだって? 細かい技術は経験の分だけ自分の糧になる。やってみる?」
「はい、ありがとうございます」
あの緊急オペで行った俺の縫合は外科医師の中で広まっていた。こうやって別のチームの先生から褒められると嬉しい。
しかも、閉創の糸切りする相方がマヤさんなのでテンションも自然に上がった。
「……しっかし、真弥くんも医者目指したらよかったのに。その細かい指先、卓越したスキル。勿体ないよ。あー外科に欲しい」
「お褒めの言葉ありがとうございます。実はあと三年間現場で働くと経験年数が丸五年になるので、それからオペ室の認定看護師の免許を取ろうと思っています」
オペ室の認定看護師免許は看護師の免許を取って実地経験五年以上かつ、オペ室経験が三年以上だ。彼がオペ室三年目の経験年数としたらもう条件としてはクリアしているはずなのに、今の年齢が疑問だった。彼のように賢い人間が浪人や受験に落ちたとは考えられない。
プライベートに踏み込むことは出来ないので、俺は聞き耳だけ立てて黙々と針を動かした。
「向上心あるねえ~。そういう子は伸びるよ。聞いたか、花巻! あんたも出村の言いなりになってないで、腑に落ちないことはきっちり言い返しなさいよ」
「は、はい……」
男まさりの女医の言葉は響く。言いなりになっているつもりはないが、自分を育ててくれる上司なのであまり言い返せないのも事実だ。
動揺して手が震えてしまったのを、無理やり隠し皮下を縫っていたつもりだが、皮膚を通した糸を真弥の持つハサミでピタリと止められた。
「花巻先生、そこ段差になってます。やり直しお願いします」
「は、はい……」
執刀医ではなく、サポートの看護師に怒られる始末。俺の情けない姿を見て松下が大声で笑った。
「真弥くんって、元々看護師になったのが遅いの? 今で三年目か。二十七歳だっけ?」
「えぇ、ちょっと家庭が複雑だったもので。准看から学校挟んで……それから正看になって今の状態です」
マヤさんの過去が聞けるなんて、松下女医グッジョブ!
心の中で思わずガッツポーズをしそうになったが、ストレートな経歴はやはり不可解だった。
高校卒業と同時に准看護学校へ入学。ニ年間実習を経て卒業──確か、准看護師の免許があれば、正看護師の学校はニ年間で卒業できる。そう考えると今マヤさんは二十二歳のはずだ。
彼なら国家試験だって余裕のはず。その後に正看護師として働いているとしたら、一年間が空白で見えない。
この時に……俺とあの場所で会ったのだろうか。
わざわざ看護師を辞めてまでゲイバーに居た理由は何だったのだろう。苦労して手に入れた仕事を失う覚悟で、あの場所に居なければいけなかった理由が全く分からない。
真弥の話から、松下は医療現場の現状について少しだけ皮肉めいた言い方をした。
「准看から正看とって苦労してる子は仕事出来るよね。最近の若い子なんてストレートじゃない? 鼻っぱし強くて可愛くないの何の。ちょっと怒るとすぐ仕事辞めるし。おまけに『松下先生ちょー怖ーい』とか」
「それは、否定しません」
でしょう? と言いながら、何かが引っかかったのか松下は二重の眸を鋭くした。
「ちょっと真弥くん、その言葉はどこにかかってるの?」
「秘密です」
ふわりと微笑んだ真弥はそれ以上何も語らず、堅祐の糸切りに集中した。
◇
「お疲れさまでした」
「花巻、突然呼びつけて悪かったね。あんたも病棟の仕事残ってるでしょ? もう手下ろして行っていいよ」
出来る先輩は俺が働きやすいように声をかけてくれる。申し訳ないが担当の出村先生とは大違いだ。
「松下先生、貴重な乳腺チームのオペに入れてくださりありがとうございました」
「何言ってんだい、それはこっちの台詞だよ。あんたは手先が器用だからこれから期待してるよ」
お疲れ、と松下に手を振られ、急いでオペ室を後にする。病棟に向かう途中にPHSが鳴り、慌てて出ると今度は救外から連絡が入る。
この身体は一つしかないって言うのに、本当に忙しい。
◇
結局消灯過ぎまで残務をこなし、横断歩道を待っているとまたPHSが鳴った。
「……はい花巻です」
『先生、お帰りの所申し訳ありません。イレウスの緊急オペが入ったのですが、来れますか?』
電話の主はマヤさんだった。思わず機嫌悪く電話をとった自分を恥じる。
「えっと、神野くんが器械出し?」
『はい。器械出しはうちのベルチームです。ただ、花巻先生は今週すごく忙しかったですし、もしも大変そうでしたら、二番手ベルの高松先生にお願いしますけど』
「い、行きます! 行きますっ。十分くらいあれば病院まで戻れるんで!」
『わかりました。では二番片倉部長にコールしておきます。よろしくお願いします』
まさかのマヤさんからの電話。ラッキーだ。耳が幸せ。
これが忙しいなんて言ってられない。外科を選んだ俺の道だ。それに、執刀医が出村先生じゃないからいつもより全然楽だ。
病院に戻りすぐに始まった緊急オペの腸閉塞は片倉部長の腕が良いので予定よりも早く終了した。
「標本の写真よろしく」
「お疲れさまでした」
片倉部長は標本を持ちそのままIC室へ消えていった。俺はいつものように閉創担当なのでまた黙々と針を動かす。
ちらりと糸切り介助に入る真弥に視線を向けると、少しだけぼんやりしているように見えた。
眸の周りが異常に赤い。まさか、熱でもあるのだろうか。
「神野くん、もしかして調子悪い?」
「え? あ、すいません花巻先生……少しぼんやりしていたみたいで……」
俺が一針進めたところで、マヤさんが慌てたようにガーゼカウントを始めた。閉創の前に必ず数えることになっているのにおかしい。
こんな初歩的ミスなんてありえない。俺は背後で記録を書いている新人に声をかけた。
「浅川さん、手洗いして今すぐ神野くんと変わって」
「は、はいっ!」
突然名指しされ、慌てて手洗いに行く浅川の後ろ姿を見送り、目の前で呆然としている真弥からわざとハサミを取り上げる。
「先生、大丈夫ですよ。私は──」
「……んな具合悪い顔して術野にぶっ倒れたらどうすんだよ、患者のこと考えろ」
「……はい。申し訳ありません」
マヤさんはやはり体調が悪かったのだろう。俺の正論に反論することもなく、手袋を外した。
首筋と両腕が真っ赤になっている。やはり熱が上がってるのだろう……。
「先生、よろしくお願いします」
「あいよ、よろしく」
無事にオペが終わり、申し送りをしているマヤさんをカルテ越しに見つめる。立ち振る舞いはいつもとあまり変わりないようだが、顔色は悪い。
申し送りを終えてICUから真弥が出ていった瞬間、俺は偶然を装って彼を追いかけた。
「マヤさん、具合……大丈夫ですか?」
案の定、壁にもたれかかり真弥は眸を閉じたまま肩で呼吸を整えていた。
こんな所に放置するわけにいかないので、俺は細い身体をひょいと抱き上げた。
「女みたいに軽いな。マヤさんって、ちゃんと飯食ってんのかなあ……」
気絶している真弥を連れて戻ってきた堅祐に、先程器械出しを変わった浅川が申し訳無さそうに話しかけてきた。
「先生すいません。神野先輩、実は昨日から高熱があったみたいで……」
「はぁ? 朝からかよ。お前らどういう管理してるんだ」
「それが……今日出村先生の大変なオペが多くて、他チームも心臓と脳外に入っていてスタッフが足りなくて……」
深刻な看護師不足。まだ新人が多いせいか、緊急オペに対応するベル当番を変更できないのが目下の悩みらしい。
真弥は具合も悪かったので今日は一度定時で帰っていたのだが、不慣れなメンバーでの緊急オペで呼び出しされたのだろう。
「浅川さんも神野くんの体調悪いのを知っていたなら、最初から器械出し変わってあげなきゃ。片倉部長は新人に優しいでしょ」
「はい。すいませんでした……」
別に彼女が悪いわけじゃない。むしろ、体調が悪いのに強行突破した真弥に責任がある。
「とりあえず、神野くんが起きるまで休憩室借りるよ」
明日もオペはある。浅川達はリーダーではないので、物品や手術が円滑に行われるための最終チェックは現場の最終責任者に当たる真弥の仕事だ。
俺は何も出来ないので、彼が目を覚ますまでソファーに座り見守ることにした。
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