運で世界を統べる！？〜不運な私がゲームの世界で〜

第28話 リザルト確認？

　ジャンヌがジークを沈めて帰ってきた。

「トウカ、大丈夫だった？」

　戻ってくるなりジークに叩かれた事を本人よりも怒っていたジャンヌが心配そうに首を傾げながら訪ねてくる。

「HPが半分になったけど大丈夫だよ！」

　本当の事を言ったらどうなるか心配だったけど嘘をつく方が怖かったので本当の事を伝える。

「なんですって！？ジークあいつはバカなの！？こうなったら…ボソボソ…」

　最後の方は聞き取れなかったが、なんかさっきよりも怒りが増している様に見える。

「ボソボソ…ボソボソ…」

　なんか言ってるなぁ。そんな風に思ってたらジャンヌが魔法を発動しようとした。

「えっ、ちょっ！ジャンヌ！？」

　びっくりして止めようとするも、既に魔法は発動寸前だ。

「ジャンヌ。おふざけはその辺にしておいたらどうだ？トウカ様が困っているだろう。」

　もうヤバいかも！
　そう思ったところでアーサーがジャンヌを諌めた。

「あら、ごめんなさい。悪ふざけがすぎたわ。」

　アーサーに諌められるとジャンヌはオホホホホホっと少し上品な感じで笑いながらそう言ってトウカに向き直る。

「ごめんなさいねトウカ。反応が可愛いからついからかいたくなっちゃったわ。」

「もぅ！びっくりしたんだからね！！」



　そんなこんなでしばらくするとそれぞれ話し始めたり、筋トレする人もいたりと、なかなかカオスな状態になるがトウカは一息つく。

「どうしてこうなった・・・まぁいいや。」

　いつの間にかなってたカオスな現場に戸惑うが、トウカも好きなことをしようと思う。


（よく見てなかったけど、さっきの戦闘でなんかいっぱい出てたよね？どうなってるかなぁ～）

　トウカはメニューにあるログから先程のリザルトを確認する。
　初めて触った場所だったため少してこずってしまうがすぐに見つかる。

「・・・・・・あった！」
「なになに～？」

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　エグゼクティブモンスター

　地のエンシェント・古龍王アースドラゴンロードを討伐しました。

　これにより世界樹の森の管理権を入手しました。

　世界樹の森の管理権の入手により
　ユニーク称号『世界樹の森の管理者』を取得します。

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　入手アイテム

　地のエンシェント・古龍王アースドラゴンロードの魂ソウル
　龍の血×5
　ドラゴンの肉×5
　地龍の爪×10
　地龍の角×1

　碧玉のオーブ×50（パーティメンバー全員分）

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「はい？」

（なんか、名前もおかしいし管理者とかよく分からないこと書いてあるんだけど！！何これ！？）

「てか世界樹の森の管理権って何！？」

　ドロップアイテムもそうだが、よく分からないことだらけでつい声を荒らげてしまう。

　それを聞いたジークが起き上がって近づいてくる。

　心配して来たのかな？そう思ったけど・・・


「どうしたんだトウカ！お前も筋トレしたいのか！？ガハハハハハ！」

「違うよ！？」

　全く違った…。
　見当違いの事を言ってくるんだけど・・・
　どうしよう？




　ちょっと困惑してると次にジャンヌがやって来た。

「ジーク？トウカがそんな事するわけないでしょう！貴方は何を言ってるの！？」

　バゴっっ！



　ものすごい鈍い音がする。


　なんの音かって？

　ジャンヌのツッコミさ・・・


　あれ、普通の人なら絶対死んでるよね…。

　頭蓋骨粉砕したんじゃないかって感じの音が聞こえたよ？


「ガハハハハハ！」

「ちょっと！何でそんなに元気なのよ！」

「・・・・・・」


　2人は何か言い合ってるけどジークの笑い声すごいし、大丈夫でしょ。うん。


「トウカ様。突然叫びましたが何かありましたか？」

　続いてアーサーがやって来た。

「あっ、いや何でも…？」

　そこまで言いかけたところでふと思った。

（アーサーって一応王様だったよね。じゃあ管理権とかって知ってるのかな？）

　そう考えてアーサーに問おうか迷う。

「うーん…。」

「何か迷い事ですか？私でよければ相談に乗りますよ。」

　そんな事を整った顔で良い笑顔で言ってくれる。

（やっぱりかっこいいなぁ。）

　その顔を見てリザルトとは全く関係の無い考えが浮かぶ。


　街の中もそうだったけど、この世界は美男美女が多すぎる。
　華の女子高生と言えど、恋愛経験の無いトウカにこの笑顔は眩しすぎるのだ。


　会話の途中、返事をしないでじっと見つめてしまったせいでアーサーが首を傾げる。

「あっ…。ごめんちょっと考え事してた。」

　見蕩れていたなんて言えないので咄嗟にそれっぽい言い訳をする。

「そうですか？それならいいのですが…。」

　まだ少し心配そうにしているが納得はしてくれたようだ。


「ところで、先程大声を上げていましたが大丈夫ですか？」

　そう問われて少し考える。

　アーサーなら今の状況がどういう事か良い感じに理解して教えてくれるだろう。

　そう思って何を考えていたのかを説明し、先程のリザルト画面を見せてみる。

「なになに………？」
「！？」

　最初は冷静な表情で読んでいたが少しすると驚愕の表情に変わる。

（えっ？なに？なんかやばいの？えっ！？）

　その表情の変わりようにトウカも焦り、内心少しパニックになってしまう。