高嶺の花には彼氏ができない!?

hayama_25

文字の大きさ
3 / 68
ひまわりの咲く頃に

第2話:出会い

しおりを挟む
「今日は転校生を紹介する」

 転校生…だから、机がひとつ増えてるのか。

「イケメンなのかな~!」
「いやいや、女子だろ。なんかすでにいい香りするんですけど!?」

 なんて、推測して盛り上がってる。

「美月はどっちだと思う?」

「うーん。どっちでもいいかな」
「何それ~」

 どっちでも仲良くなれたらいいな。

「静かに!それじゃあ早速入ってもらおう」

 教室のドアが開くと、そこに立っていたのは…


「男かよ~!」

「キャー!かっこいい!」

 彼が一歩教室に入ると、女子たちの視線が一斉に彼に向けられた。

「やばい!ちょーかっこよくない!?」
「そうだね、」

 お兄ちゃんを毎日見ているからか、イケメンには免疫がある。

「大きな瞳と高い鼻筋、形の良い唇にしっかりとした顎のライン、清潔感のある髪型…爽やかイケメンってとこか」

 歩乃華ほのかはイケメンを見ると、口数が多くなる。

「歩乃華、静かに」

「ごめんごめん。イケメンセンサーが反応した」

 歩乃華がお兄ちゃんを初めて見た時は、それはそれは凄かったな…

「こんにちは。神奈川県から来ました。中川蒼大そうたです。よろしくお願いします」

 でも、確かに歩乃華が多弁になる理由も分かる。

 私が今まで出会った人の中で一番かっこいい。

 短めの黒髪は風になびき、爽やかな笑顔が教室全体を明るくした。

「あれは、人気出るだろうねぇ」
「だといいね」

 人気があるに越したことはない


 ___



「美月ー!」

「お兄ちゃん、」

 休み時間の度に私に会いに来るけど、この人は友達がいないんだろうか。

「颯人先輩こんにちは!」

「歩乃華ちゃん、こんにちは」

 今でこそ歩乃華は、お兄ちゃんと普通に会話しているけど、初めてあった時なんて腰を抜かしていた。

 まともに話せるようになったのもここ最近だ。

「転校生が来たんだって?」
「あぁ、そうそう」

 かっこいいから情報が早く回ったのか、それとも、お兄ちゃんの情報収集能力が高いのか。

「クラスの女子がイケメンだ、イケメンだ。って騒いでますよ」

「へー、イケメンなんだ。その子と話してみた?」

 話そうとしたんだけど、無理だった。

「いや、それが話せてないんだよね。話そうとしたけど、周りに女子が沢山いたから諦めた」

「初日から質問攻めされてて可哀想だよね」

「転校生はそういうものなんじゃないかな。最初は興味を持って話しかけるけど、時間が過ぎれば関心も薄れていくよ」

 普通ならそうなんだろうけど。

 ただ、彼の場合は…

「いや、転校生っていうより、イケメンだからですよ!颯人さんも一度見に行ってみてください!すっごくかっこいいので!」

「へぇ、そんなにかっこいいんだ」

「はい!あ、でも颯人さんほどではないですけどね」

「はは、ありがとう」

 お兄ちゃんは…クラスの女子に囲まれたりしないんだろうか。

 そういえば、一度もお兄ちゃんの教室に行ったことないや。

「美月さん!」

「中川君?」

 噂をすればなんとやら

 私なんかに何の用だろう。

「学級委員って美月ちゃんだよね?」
「あ、うん。そうだけど、」

「先生に委員長に学校案内してもらえって言われて」

「そうなんだ。じゃあ行こっか。ごめん歩乃華、先に教室戻っててもらえる?」

「分かったー!」

「お兄ちゃんも、もう教室『俺もついて行くよ』」

 出た…

「なんでよ。いらないよ」

 先輩に付いてこられても気まづいだけでしょ。

「生徒会長だからね。美月よりも学校のことよく分かってるよ」

 そう言われれば、そうなんだろうけど

「ありがたいですが、今回は美月さんと回らせていただきます」

「えーなんで?」





「美月さんと二人きりで話がしたいので」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される

絵麻
恋愛
 桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。  父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。  理由は多額の結納金を手に入れるため。  相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。  放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。  地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。  

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

幼馴染の許嫁

山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~

湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。 「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」 夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。 公爵である夫とから啖呵を切られたが。 翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。 地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。 「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。 一度、言った言葉を撤回するのは難しい。 そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。 徐々に距離を詰めていきましょう。 全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。 第二章から口説きまくり。 第四章で完結です。 第五章に番外編を追加しました。

処理中です...