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絆の花
第51話:約束の小指
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「喧嘩するのは勝手にすればいいけど、問題起こすのだけはやめてくれよ?後処理しなきゃいけないこっちの身にもなってくれよ」
先生の言葉に、私は罪悪感を感じた。
もしも事が大きくなっていたら、問題になったのは私ではなく歩乃華だった。
私のせいで歩乃華がそんな目に遭うなんて、考えたくもない。
「分かってますよーだ」
なんて歩乃華は言うけど、全く分かっていない様子だった。
「はいはい。お前たちも早く教室戻れー。授業始まるだろ」
そう言うと、先生は職員室に戻って行った。
周りにいた生徒たちも、先生の言葉に従って教室に戻り始めた。
廊下に少しずつ静けさが戻ってきた。
「ほんっと、モラ先は相変わらず気だるげだよね」
歩乃華は笑いながら言った。
歩乃華の笑顔に、私は少しだけ安心した。
彼女が少しでも元気を取り戻してくれたことが嬉しかった。
「ふふっ、そうだね」
いつも気だるげで、サボれるならとことんサボろうとする珍しいタイプ。
そして、先生なのにモラルなんてお構い無しだからみんなからはモラル皆無のモラ先なんて呼ばれてる。
生徒からは人気だけど、大人からはあんまりよく思われてない。
だけど私は、先生がモラル皆無だとは思わない。
それに、偶にだけど、誰よりも大人なんじゃないかって思う時がある。
なんて言ったら歩乃華はきっと
普段サボってる人間がちょっと仕事したからってそんな過大評価しなくてもいいんだよ!
なんて言いそうだから言わないけど。
「さ、私達も教室戻ろうか」
私は歩乃華に向かって言った。
彼女も頷いてくれた。
「そうだね」
「…その前に、」
私は歩乃華の髪の毛を綺麗に整えた。
さっき止めに入った時、歩乃華の髪が乱れているのを見て、胸が痛んだ。
「ありがとう」
歩乃華の言葉に、私は微笑んだ。
「ううん。私の方こそありがとう。本当はね、怒ってくれて嬉しかったよ」
私は彼女に感謝の気持ちを伝えた。
危ないことはして欲しくないけど、私のために怒ってくれたことは、本当に嬉しかった。
この気持ちは正直に伝えておかないといけないと思った。
「美月、」
歩乃華の声に、私は彼女の目を見つめた。
「だけど、もう無茶なことはしないって約束して」
私は彼女に向かって真剣に言った。
「約束はできないかも…」
やっぱり。
また今日みたいなことがあったら、同じことをするつもりみたい。
「約束して。私は、陰口を言われるより、歩乃華が私のせいで怪我をすることの方が嫌なの」
「…分かった。約束」
歩乃華が小指を差し出した。
その動作に、私は少しだけ微笑んだ。
私は彼女の小指に自分の小指を絡めた。
手の温もりが、私の心を少しだけ癒してくれた。
先生の言葉に、私は罪悪感を感じた。
もしも事が大きくなっていたら、問題になったのは私ではなく歩乃華だった。
私のせいで歩乃華がそんな目に遭うなんて、考えたくもない。
「分かってますよーだ」
なんて歩乃華は言うけど、全く分かっていない様子だった。
「はいはい。お前たちも早く教室戻れー。授業始まるだろ」
そう言うと、先生は職員室に戻って行った。
周りにいた生徒たちも、先生の言葉に従って教室に戻り始めた。
廊下に少しずつ静けさが戻ってきた。
「ほんっと、モラ先は相変わらず気だるげだよね」
歩乃華は笑いながら言った。
歩乃華の笑顔に、私は少しだけ安心した。
彼女が少しでも元気を取り戻してくれたことが嬉しかった。
「ふふっ、そうだね」
いつも気だるげで、サボれるならとことんサボろうとする珍しいタイプ。
そして、先生なのにモラルなんてお構い無しだからみんなからはモラル皆無のモラ先なんて呼ばれてる。
生徒からは人気だけど、大人からはあんまりよく思われてない。
だけど私は、先生がモラル皆無だとは思わない。
それに、偶にだけど、誰よりも大人なんじゃないかって思う時がある。
なんて言ったら歩乃華はきっと
普段サボってる人間がちょっと仕事したからってそんな過大評価しなくてもいいんだよ!
なんて言いそうだから言わないけど。
「さ、私達も教室戻ろうか」
私は歩乃華に向かって言った。
彼女も頷いてくれた。
「そうだね」
「…その前に、」
私は歩乃華の髪の毛を綺麗に整えた。
さっき止めに入った時、歩乃華の髪が乱れているのを見て、胸が痛んだ。
「ありがとう」
歩乃華の言葉に、私は微笑んだ。
「ううん。私の方こそありがとう。本当はね、怒ってくれて嬉しかったよ」
私は彼女に感謝の気持ちを伝えた。
危ないことはして欲しくないけど、私のために怒ってくれたことは、本当に嬉しかった。
この気持ちは正直に伝えておかないといけないと思った。
「美月、」
歩乃華の声に、私は彼女の目を見つめた。
「だけど、もう無茶なことはしないって約束して」
私は彼女に向かって真剣に言った。
「約束はできないかも…」
やっぱり。
また今日みたいなことがあったら、同じことをするつもりみたい。
「約束して。私は、陰口を言われるより、歩乃華が私のせいで怪我をすることの方が嫌なの」
「…分かった。約束」
歩乃華が小指を差し出した。
その動作に、私は少しだけ微笑んだ。
私は彼女の小指に自分の小指を絡めた。
手の温もりが、私の心を少しだけ癒してくれた。
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