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4 逃げるがかち
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どこぞのお貴族様のお忍びかと不安に駆けられた。
が、逃げてしまえば問題ない。
念の為、デブリスとか言ったやつになにかされたら困るためリスをそっと掬い上げリスの安全を守った。お貴族様(仮)はまだ口の中にあるパンをモゴモゴしていてなんて言ってるかわからない。
心の中でそれじゃと挨拶しながら、そそくさと帰ろうと考えていた。
まあ、そんな甘くはない。
「エッ」
くるっと振り返り足を踏み出した瞬間またもや捕まってしまった。囚われた片腕を引き抜こうと少し力を入れてみたがそれよりも圧倒的に強い力で引っ張られてしまう。逃げようとしたことを咎めるようにつよく握られた手首からはギチギチと聞こえてきた。だから痛いって、なんなんだこの馬鹿力は、、俺よりも一回りデカい手と力で抑えられては振り切れない。
また転んだらどうしてくれるんだ。
ちらっと一瞥すると、ものすごい形相をしているのがみえた。目の前のお貴族様(仮)は先程のことを少し怒ってらっしゃるようだ。
「てめぇ・・」
うわぁ。こわい、ただでさえ綺麗な顔をしてるのに威圧的な態度と言動をされてしまえば肝がひえる。さっき口に突っ込んだパンはほぼ咀嚼せず飲み込んでしまったようだ。
「逃げてんじゃねぇよ」
「すみません。でも、おれ仕事あるんで」
このまま引き止められていたらどうなる。
仕事を言い訳にあくまで逃げている訳ではないことを伝え、相手が次の言葉を発する前に手を思い切り張り切ってやった。このままじゃずっと捕まってしまうから。
すると案外すぐに抜けた。
こちとら貴族様に汚れた服を弁償しろとか、話を遮った侮辱罪だなんて言われたら溜まったもんじゃない。まずまずそこに居たのが悪い。などと勝手に被害妄想を膨らませ理不尽なことを考えていた。
振り払われた手は宙に浮いてもう追って来ようとはしない。ラッキーと思いながらも逃げることにした。後ろで、おいっまてっなどと聞こえるが気にしない。
ただ一つ聞き逃せない音が聞こえてきた。
ドサッという音。
その後に、っぅうっ、。などのうめき声も聞こえてきた。流石に足を止め振り返ってみた。あきらかにうずくまって倒れている人がいる。
・・・どうしよう。
そこまで俺も悪人ではない。
いくらお貴族様であろうと、もし倒れている原因が俺なら責任を取らなきゃいけない。あの威圧感を思い出すと戻りたくない気もしてきたが、数十歩もどりうずくまってる貴族様に声を掛けた。
「あの、、、」
「・・・なんだ」
なんだではない。相手は床に倒れて伏せたまま答えてきた。
「大丈夫ですか、」
「・・うるせぇ、はやくいけ」
ここで置いてったら人間として最低な気がする。
あきらかにさっきまでの威勢が消え失せていた。
が、逃げてしまえば問題ない。
念の為、デブリスとか言ったやつになにかされたら困るためリスをそっと掬い上げリスの安全を守った。お貴族様(仮)はまだ口の中にあるパンをモゴモゴしていてなんて言ってるかわからない。
心の中でそれじゃと挨拶しながら、そそくさと帰ろうと考えていた。
まあ、そんな甘くはない。
「エッ」
くるっと振り返り足を踏み出した瞬間またもや捕まってしまった。囚われた片腕を引き抜こうと少し力を入れてみたがそれよりも圧倒的に強い力で引っ張られてしまう。逃げようとしたことを咎めるようにつよく握られた手首からはギチギチと聞こえてきた。だから痛いって、なんなんだこの馬鹿力は、、俺よりも一回りデカい手と力で抑えられては振り切れない。
また転んだらどうしてくれるんだ。
ちらっと一瞥すると、ものすごい形相をしているのがみえた。目の前のお貴族様(仮)は先程のことを少し怒ってらっしゃるようだ。
「てめぇ・・」
うわぁ。こわい、ただでさえ綺麗な顔をしてるのに威圧的な態度と言動をされてしまえば肝がひえる。さっき口に突っ込んだパンはほぼ咀嚼せず飲み込んでしまったようだ。
「逃げてんじゃねぇよ」
「すみません。でも、おれ仕事あるんで」
このまま引き止められていたらどうなる。
仕事を言い訳にあくまで逃げている訳ではないことを伝え、相手が次の言葉を発する前に手を思い切り張り切ってやった。このままじゃずっと捕まってしまうから。
すると案外すぐに抜けた。
こちとら貴族様に汚れた服を弁償しろとか、話を遮った侮辱罪だなんて言われたら溜まったもんじゃない。まずまずそこに居たのが悪い。などと勝手に被害妄想を膨らませ理不尽なことを考えていた。
振り払われた手は宙に浮いてもう追って来ようとはしない。ラッキーと思いながらも逃げることにした。後ろで、おいっまてっなどと聞こえるが気にしない。
ただ一つ聞き逃せない音が聞こえてきた。
ドサッという音。
その後に、っぅうっ、。などのうめき声も聞こえてきた。流石に足を止め振り返ってみた。あきらかにうずくまって倒れている人がいる。
・・・どうしよう。
そこまで俺も悪人ではない。
いくらお貴族様であろうと、もし倒れている原因が俺なら責任を取らなきゃいけない。あの威圧感を思い出すと戻りたくない気もしてきたが、数十歩もどりうずくまってる貴族様に声を掛けた。
「あの、、、」
「・・・なんだ」
なんだではない。相手は床に倒れて伏せたまま答えてきた。
「大丈夫ですか、」
「・・うるせぇ、はやくいけ」
ここで置いてったら人間として最低な気がする。
あきらかにさっきまでの威勢が消え失せていた。
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