30 / 65
第三章
③★
しおりを挟む
大きく空いた横穴から中に入ると、そこは想像とはまったく違った世界が広がっていた。
薄暗くはあるが、所々から差し込む光のお陰で、中の様子が確認できる。
広いぽっかりと空いた空間に、階段一段分の段差のついた岩場があった。
「ここに竜は寝ていた」
「うん…そうだろうけど」
でも何故かそこにはベッドが置かれていて、それはどう見ても竜が寝ていたものじゃない。
「これ置いたの、ルウでしょ」
「バレた?」
「バレバレだよ…ちょ、ルウ、や」
不意に背後から抱きつかれ、首筋を彼の舌がざらりと舐め上げた。
「デルフィーヌ…オレ、もう限界」
そう言って身を寄せてきた。私のちょうどお尻の上辺りに硬いものが擦り付けられる。
目の前にはベッド。そしてそこにいるのは、一度は体を重ねた男女。男の方は臨戦態勢なのは間違いない。
「あ…ル、ルウ、やだ、あ」
後ろから抱きついたルウの腕が、胸を掴んで揉みしだく。
見せたいところがあると言っていたけど、ここはそういうことをやるため満々の舞台設定のことだった。
「み、見せたいところって…こんなこと…する、あん」
服の上から、ぎゅっと胸の頂を摘まれて、甲高い声が漏れた。
高い天井に声が響く。まるで劇場のように声が通る。すると、お尻に当たるルウのものが、更に硬くなったのがわかった。
「思ったとおりだ。ここはよく音が響く。デルフィーヌの気持ちいい声で増々興奮するよ」
「そ、そんな、あ、ああ」
またもやぎゅっと摘まれて、仰け反らせた体をルウの体に沿わせる。
「デルフィーヌ」
膝裏にルウが腕を差し込み、横抱きに抱き上げられ、そのまベッドへと歩いていく。
ドサリと意外に柔らかいベッドの上に降ろされると、すぐにルウの熱い唇に口を塞がれた。
「…ん…ル…」
チュニックのベルトが外され、下から脱がされて、薄いシャツ一枚になる。中のシャツはピタリと体にフィットするサイズなので、体のラインが良く分かる。
「ま、待って…汗、掻いてる」
旅装のままだし、戦闘の後で汗ばんでいる。そんな状態でこのまま抱かれるのかと思うと、躊躇われる。
性急すぎるルウの愛撫、暇を与えようとしない攻めに、頭の芯が蕩けていくのを感じながら、それでも細やかな抵抗を試みた。
現実的に考えて、ここには浴室もないのだけど。
「オレは気にしない。むしろデルフィーヌの匂いがして、こっちの方がいい。デルフィーヌは気になる? オレ、臭い?」
「わ、私が…恥ずかしい」
ルウの汗の匂いなんて、何度も嗅いだことがあるし、その点では気にならないけど、自分が汗臭いと思われるのは嫌だ。
「わかった。そんなに気になるなら…」
不満そうな声で言ってから、パチンとルウが指を鳴らすと、体が一気に清涼感に包まれた。
「え…、今の」
「洗浄魔法。旅の間に習得したんだ。水浴びできない時に重宝したよ」
「え、そ、そんな便利なものあるなら、最初から…」
「言っただろ? デルフィーヌの匂いがいいって。でも、デルフィーヌがそれで嫌と思うなら仕方がない。どうせ汗を掻くのに」
「お、女は…そういうわけにいかないわ。だって、その…どんなときも、綺麗だと…思われたいもの」
要は見栄みたいなものだ。
「うわ…それって、オレにそう見られたいってことだよね。やばい、今ので更に三回はヤれそう」
「さ、三回…更にって…」
一体何回するつもりだ。
「じゃあ、そういうことで、遠慮なくいただきます」
「ひゃあ」
アンダーシャツも一気に剥がされ、上半身はブラもどきの胸当てだけになる。
さっき触れられてツンと勃った部分が、薄い布地越しに目に止まる。
「かわいい。他は柔らかいのにここだけもう、硬くなってるんだ」
「だ、だって…ル、ルウが…触るから…」
「嬉しいよ。気持ちいいと思うのはオレだけじゃないんだ」
私の体が自分の与えた刺激で反応しているのを知り、ルウは至極ご満悦だ。
上半身を折って胸の頂をルウが口に含む。温かくてねっとりとした唾液と、ざらりとした舌が絡みつき、刺激に背中が弓なりに反る。
口に含んだ先端を、舌で押したり転がしたりされて、反対側も大きな手で揉まれる。
「あ・・・」
歯で軽く噛まれて、私は簡単に達してしまった。
薄暗くはあるが、所々から差し込む光のお陰で、中の様子が確認できる。
広いぽっかりと空いた空間に、階段一段分の段差のついた岩場があった。
「ここに竜は寝ていた」
「うん…そうだろうけど」
でも何故かそこにはベッドが置かれていて、それはどう見ても竜が寝ていたものじゃない。
「これ置いたの、ルウでしょ」
「バレた?」
「バレバレだよ…ちょ、ルウ、や」
不意に背後から抱きつかれ、首筋を彼の舌がざらりと舐め上げた。
「デルフィーヌ…オレ、もう限界」
そう言って身を寄せてきた。私のちょうどお尻の上辺りに硬いものが擦り付けられる。
目の前にはベッド。そしてそこにいるのは、一度は体を重ねた男女。男の方は臨戦態勢なのは間違いない。
「あ…ル、ルウ、やだ、あ」
後ろから抱きついたルウの腕が、胸を掴んで揉みしだく。
見せたいところがあると言っていたけど、ここはそういうことをやるため満々の舞台設定のことだった。
「み、見せたいところって…こんなこと…する、あん」
服の上から、ぎゅっと胸の頂を摘まれて、甲高い声が漏れた。
高い天井に声が響く。まるで劇場のように声が通る。すると、お尻に当たるルウのものが、更に硬くなったのがわかった。
「思ったとおりだ。ここはよく音が響く。デルフィーヌの気持ちいい声で増々興奮するよ」
「そ、そんな、あ、ああ」
またもやぎゅっと摘まれて、仰け反らせた体をルウの体に沿わせる。
「デルフィーヌ」
膝裏にルウが腕を差し込み、横抱きに抱き上げられ、そのまベッドへと歩いていく。
ドサリと意外に柔らかいベッドの上に降ろされると、すぐにルウの熱い唇に口を塞がれた。
「…ん…ル…」
チュニックのベルトが外され、下から脱がされて、薄いシャツ一枚になる。中のシャツはピタリと体にフィットするサイズなので、体のラインが良く分かる。
「ま、待って…汗、掻いてる」
旅装のままだし、戦闘の後で汗ばんでいる。そんな状態でこのまま抱かれるのかと思うと、躊躇われる。
性急すぎるルウの愛撫、暇を与えようとしない攻めに、頭の芯が蕩けていくのを感じながら、それでも細やかな抵抗を試みた。
現実的に考えて、ここには浴室もないのだけど。
「オレは気にしない。むしろデルフィーヌの匂いがして、こっちの方がいい。デルフィーヌは気になる? オレ、臭い?」
「わ、私が…恥ずかしい」
ルウの汗の匂いなんて、何度も嗅いだことがあるし、その点では気にならないけど、自分が汗臭いと思われるのは嫌だ。
「わかった。そんなに気になるなら…」
不満そうな声で言ってから、パチンとルウが指を鳴らすと、体が一気に清涼感に包まれた。
「え…、今の」
「洗浄魔法。旅の間に習得したんだ。水浴びできない時に重宝したよ」
「え、そ、そんな便利なものあるなら、最初から…」
「言っただろ? デルフィーヌの匂いがいいって。でも、デルフィーヌがそれで嫌と思うなら仕方がない。どうせ汗を掻くのに」
「お、女は…そういうわけにいかないわ。だって、その…どんなときも、綺麗だと…思われたいもの」
要は見栄みたいなものだ。
「うわ…それって、オレにそう見られたいってことだよね。やばい、今ので更に三回はヤれそう」
「さ、三回…更にって…」
一体何回するつもりだ。
「じゃあ、そういうことで、遠慮なくいただきます」
「ひゃあ」
アンダーシャツも一気に剥がされ、上半身はブラもどきの胸当てだけになる。
さっき触れられてツンと勃った部分が、薄い布地越しに目に止まる。
「かわいい。他は柔らかいのにここだけもう、硬くなってるんだ」
「だ、だって…ル、ルウが…触るから…」
「嬉しいよ。気持ちいいと思うのはオレだけじゃないんだ」
私の体が自分の与えた刺激で反応しているのを知り、ルウは至極ご満悦だ。
上半身を折って胸の頂をルウが口に含む。温かくてねっとりとした唾液と、ざらりとした舌が絡みつき、刺激に背中が弓なりに反る。
口に含んだ先端を、舌で押したり転がしたりされて、反対側も大きな手で揉まれる。
「あ・・・」
歯で軽く噛まれて、私は簡単に達してしまった。
193
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる