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5.めくるめく夏の日々
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無機質なグレーに霞がかった青空と弱々しい朝光。視界の片隅に映るのは、窓の外に望める都心の早朝の景色。
薄く柔い外光が部屋に射し、目下のシーツ上をじゅうぶん鮮明に照らすから。その艶めかしい情景は俺を興奮させた。
まるで真っ白に波打つ海原に浮かぶ生肌の女身が揺れ動いているみたいに。
そうやってダブルベッドの白いシーツに波線を幾重も作り、女肌を思うままに操っている優越感に浸った。
そして湧き上がる喘ぎ声を耳にしながら、制御の効かない起床後の下半身が刺激を得て完全に脳まで覚醒する。
「ああっ、夏樹くんっ、ダメッ……」
「んー、ここ?」
「ダメってぇ、朝から強いっ」
「とりあえず、1回イッとく?」
甲高い普段の声より少し鼻にかかった艶声は、寝起きを襲った俺への不満が混じっている。そのくせ寝る前に突き回した彼女の中はまだ俺自身を覚えていたようで、すんなり受け入れ吸着しているのに。
それに、ダメとよがりながら膝を自分で抱えイイ箇所に充てている。そんなふうにしたら丸見えで煽られてるとしか思えないんだが。
「はっ、ホント素直で可愛いよね……」
折り曲げたすらっと長い足にもそそられ全身に力が漲る。快楽に溺れる可愛くて淫らな彼女の姿は、俺の体を加熱させ興奮を誘った。
悦んで締まり始めたナカをもっと可愛がってやる気満々になる。汗ばんできた額の前髪をかきあげると拍車をかけ、そのまま息を上げ攻めたてて彼女をうねらせた。
「はぁっ、はぁっ。ダメって言ったのに」
「ははっ。まだ凄いシメつけてるよ。気持ち良かったでしょ?」
3ヶ月前、誰のパーティだったか忘れたが、ファッションモデルで人懐っこく妹っぽい絡み方をしてくる彼女が気に入って誘ってみた。裏表のない子で変に気を遣わなくて済むから、都合がつけばデートをして可愛がっている。
俺にしては長続きしてる関係だ、体の相性もいいし。
「まだ少しつき合ってね?」
「ちょっと!」
少しの休憩を挟んで細い腰を逃さないように掴むと、悶える彼女の奥に向かって再び腰を素早く振った。
生々しくイヤらしい音を彼女と繋げた部分から響かせて紅潮し、勢いよくシーツの波を揺らして欲を快放したんだ。
一晩と朝までセックスを愉しんだら頭も体もスッキリして、満足感いっぱいでベッドを下りる。シャワーを浴びてさっぱりした後は濡れた髪を備付けの高級ドライヤーとヘアクリームでセット。ニュアンスパーマの毛束を指で横に流し、鏡の中の自分を右左と向けて確かめた。
それから白Tを着て、Cのメンズ香水を手首に一吹き。ビジネスバッグの内ポケットに放り込んで、適当にはみ出たコンドームも箱に納めて一緒にジッパーを閉じた。
セットアップの黒いパンツとジャケット、Sウォッチを手首にはめ革靴を履けば……いつもの俺スタイル完成だ。
「アキ、シャワー使う?」
「後で~」
「何かルームサービス頼む?」
「外で食べるからいい」
彼女はまだベッドの上でスマホに夢中らしかった。うつ伏せで上半身を起こし、明るめの長髪を片方にまとめ胸までたらした女らしいポーズで。それでいて膝から上げた両足をパタパタと動かし、可愛さも見せて男心を擽っている。
グラビアみたいだなとプロポーションに感心しながら声をかけた。
「じゃあチェックしとくけど、ちゃんと食べなよ?」
「うん。バイバーイ」
心配して言い聞かせたつもりが奔放な返事で済まされてしまい、苦笑いをひとつこぼして部屋を出た。
20Fからエレベーターでフロントに向かい会計をする。エントランスを出たところでドアマンと軽く挨拶を交わし、ホテルに停めていた自分の車に乗り込んだ。
今日の仕事はフレックスで自宅に一旦帰ってから出社する。こんな感じも俺のスタイルに定着しつつあった。
女の子と遊ぶ時は都心でハイエンドなホテルを利用して少し贅沢を。大事なのは仕事に支障が出ない程度に。
仕事か、女か。
もちろん優先するのは仕事で女には溺れない、それでバランスを取っている自分が心地良かった。
――――季節外れの夏日がついこの前記録されたばかりだが、間違いを急いで修正かけたみたいに、冷たくなった風が街路樹の葉を紅く染め始めていた。
昨日はリフレッシュして愉しんだから、今日のコンディションはなかなかいい調子だ。仕事兼私用車の軽クロスオーバーで高速を走行中。平日の午後3時、渋滞もなくジャンクションを通り過ぎて次のインターチェンジまでしばらく楽な運転が続く。
ちょうど高速に入って30分程経過し、少し肩の力を抜いた時だった。スマホに着信があり、名前を確認してイヤホンの通話ボタンを押した。
「アキ~? どうしたの?」
「うん、あのね~、あたし彼氏できたの」
「……ちょっと待って、俺が彼氏じゃなかった?」
「え~? セフレだと思ってた~」
うぉい。
セフレは割り切った体だけの関係だろ? 誕プレも宝石店で欲しいって高いの買ってあげたし、結構可愛がってあげてたつもりなんだけど。
「ふ~ん。アキはその彼氏好きなの?」
「ずっと気になってて、昨日告白されたからいいよって」
うぉぉい。
昨日は朝まで一緒に俺とホテルに居ただろ?
その後で速攻乗り換えたの??
若干呆れた心理が湧いたが今はゴタゴタしたくない。それに、いつもの事だから……
「そっか。じゃあ、もう会わない方がいいね」
「なんか話早くて助かる~。それでね、誕生日に貰ったピアスだけど、返さなくてもいい?」
あぁ、この電話の意図がクリアになる。他に夢中になりたい人ができたからいろいろ精算してスッキリしたい、そうゆう事だろう。
まぁ、似た者同士だったなと結論がすぐ出た。前方の車間と標識に注意を向けてから淡々と答えた。
「それはアキにあげたんだから、もうアキの物だよ」
「わ~ありがとう」
「じゃあね。元気で」
「うん。夏樹くんもね。バイバ~イ」
「……ふぅっ」
捨てるように一息吐き出して俺も気持ちをスッキリさせた。つもりだったが、ちょっと目を向けただけでまた不穏な感じになる。
フロントガラスの角に映る暗雲が嫌な予感をさせた。いかにも雨を降らしそうな怪しい雲行き。夕立ちだろうか、目的地方面は天気が悪そうだ。標識に従って首都高速の矢印へウィンカーを出す。
ポツッ。東京に入ると大きな雨粒が視界にぶつかってきた。景色も薄暗くあっという間にガラスに水玉模様ができてしまった。ワイパーを動かして視界を確保する。
ついてないな……
心でボヤく。アキの電話も出るんじゃなかった。未練があるわけじゃないが、運に見放されたような気分だ。
これからクライアントと初打合わせでいろいろと気張ってたのが台無しに感じた。
女はまた作ればいい。
でも仕事は、失敗したくない。
仕事がうまくいかなきゃ飯が食っていけないし、実家に戻って地元で暮らすのだけは御免だ。あんな山があるだけの田舎で、つまらない人生送るのは何としても避けたい。
高校を卒業し東京のデザイン学校に通うまで、父の故郷でひっそりと暮らしていた。子供は極端に少なく年寄りばかりな所だ。友達とは学校で遊ぶだけの仲間で、家ではゲーム機やパソコンが遊び相手だった。
ふっ、上京したての自分をちょっと思い出して鼻で笑った。
ダサかったな、完全に田舎モンの容姿で。東京の小学生のほうが俺よりオシャレだった。
デザイン学ぶならまず自分をデザインしろよって試行錯誤して。美容室に足を運んでファッションを知って外見を整えていったんだ。幸い180センチ近い身長のおかげで何とか様になったけど。
あと少しで上京してちょうど10年か……
都会の色に染まったなと物思いにふける。遊び方も覚えたし女の子の扱いも手慣れてきた。
仕事もブラックな職場を体験して、フリーランスに転向もして。やっぱり安定してる今の会社が一番だと感じている。
広告代理店のデザイン子会社の社長にスカウトされたのは3年前。海岸近くの会社に合わせて住まいも東京から移した。
高速に乗れば都心まで1時間位。仕事であっても遊びであっても、自宅でのプライベートな空間と程良い距離感を保てている。
いつまで続けられるか……
できるなら仕事で成功を納めてもっと良い暮らしがしたい。経験値上げてアワード狙って、余裕ある30代送れたらいいよな……
漠然と理想を追いかけてたら高速の出口まで来ていた。一般道に出て港区のクライアントオフィス近くの駐車場に到着すると、エンジンを切った車内まで雨音がするくらい外は土砂降りだ。
慌ただしく荷物を抱えると仕方無しに、悪天候の強雨の中へ飛び出した。
――――よし、仕事だ。
「初めまして。ご依頼誠にありがとうございます。湘南wreathの海浦夏樹と申します」
「御足労ありがとうございます。アプロディタの冬咲雪乃です……あら?」
七葉社の受付でアポイントを伝えると出迎えに来てくれた担当者と名刺交換をする。今企画のチームリーダーといった立場だろう。
色白な肌に派手じゃない化粧を施した控えめな笑顔を、暗めの茶色い髪がさらりと鎖骨まで包んで。清潔感たっぷりの生真面目な雰囲気を漂わせる。
そんなふうに観察しながら挨拶を交わすと、お辞儀から戻ってこない彼女がそのまましゃがみこんで俺を見上げた。
「……?」
「靴までびしょ濡れですね。タオルを持ってきますので」
「いえ、あの、お構いなく……」
「きっと冷たい雨でしたよね。風邪を引いてしまいますよ?」
彼女は続けてまるで遠慮なくと伝えるように優しく微笑んだ。初対面なのにあまりに自然で嫌味を感じない親切に俺は驚いて……半分は惚けているっぽい気がした。
駐車場から傘をさしてここまで来るのに数分間。パソコンの入ったビジネスバッグとデザインサンプルは抱きかかえていたから、どうにか雨に濡らすのを防ぐことができたけれど。
時折ビル街を吹き抜けていく風で足元はびしゃびしゃになっていた。待合用のイスには袋に入れた傘と保護したバッグを堂々と置いて。横に立つ俺の足はハンカチじゃ救助できないほどに、彼女の言うとおりひんやりさせていた。
平気な振りをしていれば気づかれないだろうと身だしなみを欠いた所を、いとも簡単に見つけられてしまった。
ダサいな……
ふうっと軽いため息を飛ばす。
見て呉《く》れ、とか。我慢、とか。
補正かけたいところを彼女は笑顔ひとつでクリアにしたんだ。俺の良く魅せたいというキザっぽい部分も丸め込まれたような?
凛として美しい……
この場を離れ小走りでタオルを取りに戻る彼女の後ろ姿に 、、、俺は見惚れてた。
内面が光るってやつだろうか?
見せかけじゃなく振る舞いに心を掴まれたのは初めてな気がする。今まで接してきた女のタイプとは全然違う異質な感じを覚えた。
仕事関係者に手は出さない。
後で面倒になるのも嫌だし、仕事に集中できなくなるから。
それが俺のスタイル!
で通してきたんだけれど……
この複雑な感情はうまく処理できなかった。予感は当たり、なんだか空回りしてばかりで。初めての打ち合わせだったがうまく良い印象を残せなかったと反省したんだ。
――――初日はハプニングに見舞われ出鼻を挫かれたが、どうやら杞憂に過ぎなかったみたいだ。クライアントが大手メーカーとあって、気後れしないようにと変に力が入っていたのかもしれない。
初めましての時は未だに緊張するものだ。依頼先は様々で担当者の力量もさることながら、企業のバッググラウンドに御膳立てが必要な時もあり……なかなか善良なクライアントに当たることは少ない。
納期も考えずに無理難題を言ってきたり、小さい会社だから横柄に扱われる事もあったり。ヘタをすると利益なしの損害を負うような案件も。経験上あったからちょっとビビってたんだ。大企業に圧力かけられるような事態は絶対に避けたいと。
まあ仕事にトラブルは付き物だから多少のダメージは覚悟しているが……
現案件まさかのストレスフリー!
始まったばかりだがアプロディタさんの対応に満足している。
確かこちらのブランドは七葉社が傘下にしたんだ。元の会社が信念や理念を大事にしてきた結果だろう。躍進させた上役の手腕なのか社員の質も高いように思う。
リーダーの冬咲さんは見た目どおり真面目な方だ。丁寧でまめな連絡のおかげか調整いらずのスムーズな進捗具合。チームのほうも皆さん温和で険悪なムードなど一切感じない。仕事が捗って余裕はあるわ、なんか俺が癒やされてる感覚もあって……
「ブラックコーヒーよりもハーブティーにしませんか? リラックスできますよ」
会議室のドアをノックして冬咲さんが現れる。打ち合わせ後も作業を続けさせてもらっていた俺にお茶を運んで来てくれたようだ。
ホント癒やし……
即座にパソコンをほったらかし、俺はにっこりと応対する。手元に置いた缶コーヒーはもう空っぽだった。そのすぐそばに冬咲さんはトレイからティーカップを置いてくれた。
初めこそ戸惑ったが、冬咲さんは常に相手ファーストで心遣いはファーストクラス。これが彼女のスタイルなのだろう。
「ありがとうございます。冬咲さんは終業時間ですか?」
「大丈夫ですよ。海浦さんのご都合で」
これは早めに終わらせた方が良さそうだと思った。きっと俺に何時までも合わせようとしている気がして……
今日の案に沿ったデザインサンプルを作成中で、すぐ終わるから次回の参考にしてほしいと伝える。
癒やされている分は仕事でお返ししないと。良い関係を築きたいからこちらも丁寧に真摯な紳士を心掛けた。
特に彼女の前では失敗しないように、騎士に変身したかの振る舞いを。そうでもしないと彼女の細やかな親切に肩を並べられない気がして……
でも肩肘張っただけの鎧は簡単に剥がされてしまう。
「ハーブティーなんて初めてです。あ~甘い香りがする……」
「それは葛根で…」
「ぶほぉっ!! カッコウ!?」
「きゃあ!?」
あぁもう何やってんだっ!
お茶を吹き出すとかいろいろ台無しすぎる。パソコンにもかかって「やべっ」と素でつぶやくと慌てた彼女がトレイを置いてティッシュを持ってきてくれた。
「デ、データとか大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。自動バックアップだから」
カッコ悪いにも程がある。カッコウに反応して咄嗟にむせてしまった。俺以上に隣で慌てふためく彼女にどうにかこの事態の言い訳をしなければ。
「えっと、カッコウって言った?」
「え? ……カッコン! 葛根で有名な漢方とか葛餅とかの、葛の花が入ってるの」
「あ、葛根か。カッコウって聞こえちゃって、鳥が入ってんのかって驚いて……」
「…………鳥?」
あ、まずい。バカ丸出しだった。
彼女のぽかんとした顔は、たぶん鳥がティーカップに浸かっている想像をしているのだろうと思われた。
「ぷっ……あははは!」
「っ!!」
突然冬咲さんが笑い声をまき散らす。我慢できないという様子で、口元を隠しても可愛らしい声と笑顔がこぼれて止まらない。
なんとゆうか、意外な感じで……
胸の中を擽られている気分だ。むず痒いような恥ずかしさ。どうも彼女を相手にすると隠したいダサい所を曝け出してしまう。
「鳥のお茶って、あはっ」
「いや、あの。俺、田舎で育ったんでカッコウの鳴き声が耳にしみついてて」
山梨の辺ぴな場所に実家があると話すと、彼女の故郷は秋田で田畑だらけだと言う。会話が弾んで生まれ年を聞いてみると、俺と彼女は同学年だったので驚いた。
俺は8月生まれで彼女は早生まれの2月。現在11月での年齢は俺が28で彼女は27だ。
「冬咲さん年上かと思ってた。初対面で雨に濡れた俺の靴下まで乾かそうとしたでしょ? 普通できないよなって」
「え? そうかな?」
「女子は嫌がるでしょ? そんな母親みたいなの」
「私ってもう女子じゃないんだ! ガ~ン……」
「ははっ、ガーンとか。自分で言っちゃう?」
身構えていたより気さくな女性だと思った。少しの間だったが彼女と話せて一気に打ち解けたような?
なんか、いいな……
不意に湧き上がってしまった欲を、急いで蓋をして打ち消す。
仕事に恋愛感情を持ち込むな!
きちんと分別つけて仕事を優先しないと。人生かかってるんだから、女にうつつを抜かしてたらいい仕事なんてできないだろ。
自分を戒める 、、、
こんな事が必要な時点で俺は、もしかしたらもう既に、砕けているのかもしれなかった。
今までの俺のスタイルは……
薄く柔い外光が部屋に射し、目下のシーツ上をじゅうぶん鮮明に照らすから。その艶めかしい情景は俺を興奮させた。
まるで真っ白に波打つ海原に浮かぶ生肌の女身が揺れ動いているみたいに。
そうやってダブルベッドの白いシーツに波線を幾重も作り、女肌を思うままに操っている優越感に浸った。
そして湧き上がる喘ぎ声を耳にしながら、制御の効かない起床後の下半身が刺激を得て完全に脳まで覚醒する。
「ああっ、夏樹くんっ、ダメッ……」
「んー、ここ?」
「ダメってぇ、朝から強いっ」
「とりあえず、1回イッとく?」
甲高い普段の声より少し鼻にかかった艶声は、寝起きを襲った俺への不満が混じっている。そのくせ寝る前に突き回した彼女の中はまだ俺自身を覚えていたようで、すんなり受け入れ吸着しているのに。
それに、ダメとよがりながら膝を自分で抱えイイ箇所に充てている。そんなふうにしたら丸見えで煽られてるとしか思えないんだが。
「はっ、ホント素直で可愛いよね……」
折り曲げたすらっと長い足にもそそられ全身に力が漲る。快楽に溺れる可愛くて淫らな彼女の姿は、俺の体を加熱させ興奮を誘った。
悦んで締まり始めたナカをもっと可愛がってやる気満々になる。汗ばんできた額の前髪をかきあげると拍車をかけ、そのまま息を上げ攻めたてて彼女をうねらせた。
「はぁっ、はぁっ。ダメって言ったのに」
「ははっ。まだ凄いシメつけてるよ。気持ち良かったでしょ?」
3ヶ月前、誰のパーティだったか忘れたが、ファッションモデルで人懐っこく妹っぽい絡み方をしてくる彼女が気に入って誘ってみた。裏表のない子で変に気を遣わなくて済むから、都合がつけばデートをして可愛がっている。
俺にしては長続きしてる関係だ、体の相性もいいし。
「まだ少しつき合ってね?」
「ちょっと!」
少しの休憩を挟んで細い腰を逃さないように掴むと、悶える彼女の奥に向かって再び腰を素早く振った。
生々しくイヤらしい音を彼女と繋げた部分から響かせて紅潮し、勢いよくシーツの波を揺らして欲を快放したんだ。
一晩と朝までセックスを愉しんだら頭も体もスッキリして、満足感いっぱいでベッドを下りる。シャワーを浴びてさっぱりした後は濡れた髪を備付けの高級ドライヤーとヘアクリームでセット。ニュアンスパーマの毛束を指で横に流し、鏡の中の自分を右左と向けて確かめた。
それから白Tを着て、Cのメンズ香水を手首に一吹き。ビジネスバッグの内ポケットに放り込んで、適当にはみ出たコンドームも箱に納めて一緒にジッパーを閉じた。
セットアップの黒いパンツとジャケット、Sウォッチを手首にはめ革靴を履けば……いつもの俺スタイル完成だ。
「アキ、シャワー使う?」
「後で~」
「何かルームサービス頼む?」
「外で食べるからいい」
彼女はまだベッドの上でスマホに夢中らしかった。うつ伏せで上半身を起こし、明るめの長髪を片方にまとめ胸までたらした女らしいポーズで。それでいて膝から上げた両足をパタパタと動かし、可愛さも見せて男心を擽っている。
グラビアみたいだなとプロポーションに感心しながら声をかけた。
「じゃあチェックしとくけど、ちゃんと食べなよ?」
「うん。バイバーイ」
心配して言い聞かせたつもりが奔放な返事で済まされてしまい、苦笑いをひとつこぼして部屋を出た。
20Fからエレベーターでフロントに向かい会計をする。エントランスを出たところでドアマンと軽く挨拶を交わし、ホテルに停めていた自分の車に乗り込んだ。
今日の仕事はフレックスで自宅に一旦帰ってから出社する。こんな感じも俺のスタイルに定着しつつあった。
女の子と遊ぶ時は都心でハイエンドなホテルを利用して少し贅沢を。大事なのは仕事に支障が出ない程度に。
仕事か、女か。
もちろん優先するのは仕事で女には溺れない、それでバランスを取っている自分が心地良かった。
――――季節外れの夏日がついこの前記録されたばかりだが、間違いを急いで修正かけたみたいに、冷たくなった風が街路樹の葉を紅く染め始めていた。
昨日はリフレッシュして愉しんだから、今日のコンディションはなかなかいい調子だ。仕事兼私用車の軽クロスオーバーで高速を走行中。平日の午後3時、渋滞もなくジャンクションを通り過ぎて次のインターチェンジまでしばらく楽な運転が続く。
ちょうど高速に入って30分程経過し、少し肩の力を抜いた時だった。スマホに着信があり、名前を確認してイヤホンの通話ボタンを押した。
「アキ~? どうしたの?」
「うん、あのね~、あたし彼氏できたの」
「……ちょっと待って、俺が彼氏じゃなかった?」
「え~? セフレだと思ってた~」
うぉい。
セフレは割り切った体だけの関係だろ? 誕プレも宝石店で欲しいって高いの買ってあげたし、結構可愛がってあげてたつもりなんだけど。
「ふ~ん。アキはその彼氏好きなの?」
「ずっと気になってて、昨日告白されたからいいよって」
うぉぉい。
昨日は朝まで一緒に俺とホテルに居ただろ?
その後で速攻乗り換えたの??
若干呆れた心理が湧いたが今はゴタゴタしたくない。それに、いつもの事だから……
「そっか。じゃあ、もう会わない方がいいね」
「なんか話早くて助かる~。それでね、誕生日に貰ったピアスだけど、返さなくてもいい?」
あぁ、この電話の意図がクリアになる。他に夢中になりたい人ができたからいろいろ精算してスッキリしたい、そうゆう事だろう。
まぁ、似た者同士だったなと結論がすぐ出た。前方の車間と標識に注意を向けてから淡々と答えた。
「それはアキにあげたんだから、もうアキの物だよ」
「わ~ありがとう」
「じゃあね。元気で」
「うん。夏樹くんもね。バイバ~イ」
「……ふぅっ」
捨てるように一息吐き出して俺も気持ちをスッキリさせた。つもりだったが、ちょっと目を向けただけでまた不穏な感じになる。
フロントガラスの角に映る暗雲が嫌な予感をさせた。いかにも雨を降らしそうな怪しい雲行き。夕立ちだろうか、目的地方面は天気が悪そうだ。標識に従って首都高速の矢印へウィンカーを出す。
ポツッ。東京に入ると大きな雨粒が視界にぶつかってきた。景色も薄暗くあっという間にガラスに水玉模様ができてしまった。ワイパーを動かして視界を確保する。
ついてないな……
心でボヤく。アキの電話も出るんじゃなかった。未練があるわけじゃないが、運に見放されたような気分だ。
これからクライアントと初打合わせでいろいろと気張ってたのが台無しに感じた。
女はまた作ればいい。
でも仕事は、失敗したくない。
仕事がうまくいかなきゃ飯が食っていけないし、実家に戻って地元で暮らすのだけは御免だ。あんな山があるだけの田舎で、つまらない人生送るのは何としても避けたい。
高校を卒業し東京のデザイン学校に通うまで、父の故郷でひっそりと暮らしていた。子供は極端に少なく年寄りばかりな所だ。友達とは学校で遊ぶだけの仲間で、家ではゲーム機やパソコンが遊び相手だった。
ふっ、上京したての自分をちょっと思い出して鼻で笑った。
ダサかったな、完全に田舎モンの容姿で。東京の小学生のほうが俺よりオシャレだった。
デザイン学ぶならまず自分をデザインしろよって試行錯誤して。美容室に足を運んでファッションを知って外見を整えていったんだ。幸い180センチ近い身長のおかげで何とか様になったけど。
あと少しで上京してちょうど10年か……
都会の色に染まったなと物思いにふける。遊び方も覚えたし女の子の扱いも手慣れてきた。
仕事もブラックな職場を体験して、フリーランスに転向もして。やっぱり安定してる今の会社が一番だと感じている。
広告代理店のデザイン子会社の社長にスカウトされたのは3年前。海岸近くの会社に合わせて住まいも東京から移した。
高速に乗れば都心まで1時間位。仕事であっても遊びであっても、自宅でのプライベートな空間と程良い距離感を保てている。
いつまで続けられるか……
できるなら仕事で成功を納めてもっと良い暮らしがしたい。経験値上げてアワード狙って、余裕ある30代送れたらいいよな……
漠然と理想を追いかけてたら高速の出口まで来ていた。一般道に出て港区のクライアントオフィス近くの駐車場に到着すると、エンジンを切った車内まで雨音がするくらい外は土砂降りだ。
慌ただしく荷物を抱えると仕方無しに、悪天候の強雨の中へ飛び出した。
――――よし、仕事だ。
「初めまして。ご依頼誠にありがとうございます。湘南wreathの海浦夏樹と申します」
「御足労ありがとうございます。アプロディタの冬咲雪乃です……あら?」
七葉社の受付でアポイントを伝えると出迎えに来てくれた担当者と名刺交換をする。今企画のチームリーダーといった立場だろう。
色白な肌に派手じゃない化粧を施した控えめな笑顔を、暗めの茶色い髪がさらりと鎖骨まで包んで。清潔感たっぷりの生真面目な雰囲気を漂わせる。
そんなふうに観察しながら挨拶を交わすと、お辞儀から戻ってこない彼女がそのまましゃがみこんで俺を見上げた。
「……?」
「靴までびしょ濡れですね。タオルを持ってきますので」
「いえ、あの、お構いなく……」
「きっと冷たい雨でしたよね。風邪を引いてしまいますよ?」
彼女は続けてまるで遠慮なくと伝えるように優しく微笑んだ。初対面なのにあまりに自然で嫌味を感じない親切に俺は驚いて……半分は惚けているっぽい気がした。
駐車場から傘をさしてここまで来るのに数分間。パソコンの入ったビジネスバッグとデザインサンプルは抱きかかえていたから、どうにか雨に濡らすのを防ぐことができたけれど。
時折ビル街を吹き抜けていく風で足元はびしゃびしゃになっていた。待合用のイスには袋に入れた傘と保護したバッグを堂々と置いて。横に立つ俺の足はハンカチじゃ救助できないほどに、彼女の言うとおりひんやりさせていた。
平気な振りをしていれば気づかれないだろうと身だしなみを欠いた所を、いとも簡単に見つけられてしまった。
ダサいな……
ふうっと軽いため息を飛ばす。
見て呉《く》れ、とか。我慢、とか。
補正かけたいところを彼女は笑顔ひとつでクリアにしたんだ。俺の良く魅せたいというキザっぽい部分も丸め込まれたような?
凛として美しい……
この場を離れ小走りでタオルを取りに戻る彼女の後ろ姿に 、、、俺は見惚れてた。
内面が光るってやつだろうか?
見せかけじゃなく振る舞いに心を掴まれたのは初めてな気がする。今まで接してきた女のタイプとは全然違う異質な感じを覚えた。
仕事関係者に手は出さない。
後で面倒になるのも嫌だし、仕事に集中できなくなるから。
それが俺のスタイル!
で通してきたんだけれど……
この複雑な感情はうまく処理できなかった。予感は当たり、なんだか空回りしてばかりで。初めての打ち合わせだったがうまく良い印象を残せなかったと反省したんだ。
――――初日はハプニングに見舞われ出鼻を挫かれたが、どうやら杞憂に過ぎなかったみたいだ。クライアントが大手メーカーとあって、気後れしないようにと変に力が入っていたのかもしれない。
初めましての時は未だに緊張するものだ。依頼先は様々で担当者の力量もさることながら、企業のバッググラウンドに御膳立てが必要な時もあり……なかなか善良なクライアントに当たることは少ない。
納期も考えずに無理難題を言ってきたり、小さい会社だから横柄に扱われる事もあったり。ヘタをすると利益なしの損害を負うような案件も。経験上あったからちょっとビビってたんだ。大企業に圧力かけられるような事態は絶対に避けたいと。
まあ仕事にトラブルは付き物だから多少のダメージは覚悟しているが……
現案件まさかのストレスフリー!
始まったばかりだがアプロディタさんの対応に満足している。
確かこちらのブランドは七葉社が傘下にしたんだ。元の会社が信念や理念を大事にしてきた結果だろう。躍進させた上役の手腕なのか社員の質も高いように思う。
リーダーの冬咲さんは見た目どおり真面目な方だ。丁寧でまめな連絡のおかげか調整いらずのスムーズな進捗具合。チームのほうも皆さん温和で険悪なムードなど一切感じない。仕事が捗って余裕はあるわ、なんか俺が癒やされてる感覚もあって……
「ブラックコーヒーよりもハーブティーにしませんか? リラックスできますよ」
会議室のドアをノックして冬咲さんが現れる。打ち合わせ後も作業を続けさせてもらっていた俺にお茶を運んで来てくれたようだ。
ホント癒やし……
即座にパソコンをほったらかし、俺はにっこりと応対する。手元に置いた缶コーヒーはもう空っぽだった。そのすぐそばに冬咲さんはトレイからティーカップを置いてくれた。
初めこそ戸惑ったが、冬咲さんは常に相手ファーストで心遣いはファーストクラス。これが彼女のスタイルなのだろう。
「ありがとうございます。冬咲さんは終業時間ですか?」
「大丈夫ですよ。海浦さんのご都合で」
これは早めに終わらせた方が良さそうだと思った。きっと俺に何時までも合わせようとしている気がして……
今日の案に沿ったデザインサンプルを作成中で、すぐ終わるから次回の参考にしてほしいと伝える。
癒やされている分は仕事でお返ししないと。良い関係を築きたいからこちらも丁寧に真摯な紳士を心掛けた。
特に彼女の前では失敗しないように、騎士に変身したかの振る舞いを。そうでもしないと彼女の細やかな親切に肩を並べられない気がして……
でも肩肘張っただけの鎧は簡単に剥がされてしまう。
「ハーブティーなんて初めてです。あ~甘い香りがする……」
「それは葛根で…」
「ぶほぉっ!! カッコウ!?」
「きゃあ!?」
あぁもう何やってんだっ!
お茶を吹き出すとかいろいろ台無しすぎる。パソコンにもかかって「やべっ」と素でつぶやくと慌てた彼女がトレイを置いてティッシュを持ってきてくれた。
「デ、データとか大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。自動バックアップだから」
カッコ悪いにも程がある。カッコウに反応して咄嗟にむせてしまった。俺以上に隣で慌てふためく彼女にどうにかこの事態の言い訳をしなければ。
「えっと、カッコウって言った?」
「え? ……カッコン! 葛根で有名な漢方とか葛餅とかの、葛の花が入ってるの」
「あ、葛根か。カッコウって聞こえちゃって、鳥が入ってんのかって驚いて……」
「…………鳥?」
あ、まずい。バカ丸出しだった。
彼女のぽかんとした顔は、たぶん鳥がティーカップに浸かっている想像をしているのだろうと思われた。
「ぷっ……あははは!」
「っ!!」
突然冬咲さんが笑い声をまき散らす。我慢できないという様子で、口元を隠しても可愛らしい声と笑顔がこぼれて止まらない。
なんとゆうか、意外な感じで……
胸の中を擽られている気分だ。むず痒いような恥ずかしさ。どうも彼女を相手にすると隠したいダサい所を曝け出してしまう。
「鳥のお茶って、あはっ」
「いや、あの。俺、田舎で育ったんでカッコウの鳴き声が耳にしみついてて」
山梨の辺ぴな場所に実家があると話すと、彼女の故郷は秋田で田畑だらけだと言う。会話が弾んで生まれ年を聞いてみると、俺と彼女は同学年だったので驚いた。
俺は8月生まれで彼女は早生まれの2月。現在11月での年齢は俺が28で彼女は27だ。
「冬咲さん年上かと思ってた。初対面で雨に濡れた俺の靴下まで乾かそうとしたでしょ? 普通できないよなって」
「え? そうかな?」
「女子は嫌がるでしょ? そんな母親みたいなの」
「私ってもう女子じゃないんだ! ガ~ン……」
「ははっ、ガーンとか。自分で言っちゃう?」
身構えていたより気さくな女性だと思った。少しの間だったが彼女と話せて一気に打ち解けたような?
なんか、いいな……
不意に湧き上がってしまった欲を、急いで蓋をして打ち消す。
仕事に恋愛感情を持ち込むな!
きちんと分別つけて仕事を優先しないと。人生かかってるんだから、女にうつつを抜かしてたらいい仕事なんてできないだろ。
自分を戒める 、、、
こんな事が必要な時点で俺は、もしかしたらもう既に、砕けているのかもしれなかった。
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