精悍な囚人騎士を護送したら溺愛されました

吉桜美貴

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本編

43. くそ。ぜんぜん

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 くそ。ぜんぜん萎えねぇ……
 アランは岩壁に持たれて座り、半ば呆れながら己自身を見下ろした。股間の怒張は衰えを知らず、猛々しくいきり勃っている。
 アランとしては、性欲は強くないどころかほとんどない自覚だったが、どうやら相手によって変わるらしい。我ながら無尽蔵な精力に驚くばかりである。
 これほど誰かに欲情したのは初めてだ。こんなに誰かを恋しく思ったのも。
 自分は強い人間だとずっと思ってきた。
 裏切りにも痛みにも慣れている。人間とは傲慢で臆病で狡猾で、己を守ることしか頭になく、信じるに値しないと。別にそれでいいと。
 どこかあきらめていたのだ。誰かを心から信じ、心の繋がりを築くことを。
 だが、今は違う。俺は、本気でキャンディスのことを……
 生まれて初めて心を甘く溶かされ、これまでいかに己の心が堅く凍りついていたのかを思い知った。卵の殻が割れて中身がこぼれるように、とめどなく想いが溢れて歯止めが効かない。
 キャンディスは向かい合う形でアランの太腿にまたがっている。そして、アランの首に両腕を回し、腰を浮かせていた。
 そろそろ明け方になるだろうか。少し仮眠を取ったが、結局一晩中やってしまった。まるで濁流に呑まれるかのように、どうしても抑えきれなかったのだ。
「アラン、傷口は大丈夫? 無理しないで」
 キャンディスが心配そうに覗き込んでくる。
 さっき背中と肩を見てもらったところ、やはり傷が開いて血が滲んでいたらしい。
「ああ、無理はしてないから大丈夫だ。君のほうが動いてくれれば……」
 と、言いながらやりたいことはやるんだよな、と申し訳なく自省しつつ。
 彼女の裸体を見上げ、惚れ惚れしてしまう。
 なんて綺麗なんだ……
 つるりとした陶器のような白い肌。ほっそりした首筋と芸術的なデコルテライン。その下には雪山のような乳房がふっくらと盛り上がっている。頂の蕾はアランにしつこくしゃぶられ、唾液でぬらぬら光っていた。
 うわ……。いやらしいな……
 一刻も早く彼女の中に挿入って、めちゃくちゃに突きまくることで頭がいっぱいになる。
 乳房の谷間から、筋がすっと垂直に下り、うっとりするような臍の窪みがある。下にはささやかな叢があり、その下に蕩けた蜜壺があることをアランは知っていた。
 一晩ですっかり雌の体つきになったな、とアランは感じる。どこもかしこもよく解れて、柔らかい。
 彼女は腰を移動させ、怒張の先端を蜜口に当てがうと、言った。
「いいですか? 行きますよ?」
 妙に真剣な顔がひどく可愛い。
 いいよ、とうなずくと、彼女はゆっくりと垂直に腰を落としていった。
 とろりと先端が温かく包まれる。次にカリ首を包まれ、竿を包まれ、ぬるぬると迫ってくる。やがて根元までしっとりと包み込まれ、思わず吐息が漏れた。
「あぁ……」
 柔らかくて、温かくて、気持ちいい……
 寂しさは消え、懐かしさにも似た安堵感に包まれる。本来いるべき場所にたどり着いたような、故郷に帰ってきたような、穏やかな気持ちだ。
 彼女の尻を掴んで引き下げ、最奥までグッと押し込んだ。
「んんっ……!」
 彼女は眉をひそめ、うめいた。けど、嫌がってはいないようだ。その証拠に、膣内なかで媚肉は活発にうねっている。早く突いてくれ、とせがむように。
 すぐ目の前で乳房がぷるんと弾み、桃色の蕾が尖っていた。とっさに蕾を咥え込み、舌の上で転がす。
 甘い……
 飴玉のように舐めしゃぶっていると、泣きそうな声で彼女は言った。
「あ、あの……。その、乳首をそんなにしゃぶられたら、あとでヒリヒリしちゃうんです。だから、やめて……。あんまり舐めないで……」
 とある想像が脳裏をよぎる。明日の朝、きっちり身支度を整えた彼女。動くたびにシャツに乳首が擦れ、一人で密かに感じてしまう。
 いいじゃないか。それ……
 淫らな妄想のせいで、怒張はますます硬く膨らみ、狭い膣道をグッと押し拡げた。
「あぁんっ……。な、なんか、大きくなった……?」
 彼女は敏感に反応し、腰をピクンと跳ねさせる。
 これをきっかけに、彼女の腰が上下に動きはじめた。媚肉がぬるりと怒張を滑り、堪らなく心地よい。
 ああ……。いいな……
 彼女は慣れないながらも、感じるところを探り、懸命に腰を振っている。
 ちゃぷ。
 彼女のお腹から微かな水音が聞こえ、アランはドキリとした。
 あぁ、これは俺の……?
 彼女の内部に精液が蓄えられているのかと思うと、息苦しいほどドキドキした。
 彼女はまるで踊り子のように肢体をくねらせ、セクシーに腰を振る。
 キャンディス、綺麗だな……
 貪欲に快感を追いかける姿も、官能的で美しい。
 キャンディスは奔放というか、よがったり、求めてきたり、快楽に従順だった。その素直な反応が淫乱な感じがせず、可愛くて好ましいのだ。
 俺は、そんなキャンディスが好きだ……
「あっ、あんっ、んっ、んんっ、はっ、はぁっ、あっ、あぁっ……」
 ぷるんと乳房は揺れ、おさげ髪が跳ねる。白い肌は薄っすら汗ばみ、くらりと目眩がするような甘い香りがした。
 あ……これは……
 きっと発情した雌が発する、フェロモンみたいなものだ。嗅いでいると、生殖本能に火をつけられ、燃え上がった。
 ……孕ませたい。
 脳裏はそれ一色に染まる。もうそれしか考えられない。
 両手で彼女の尻を掴み、無我夢中で下から突き上げた。太腿の筋肉を使い、繰り返し膣奥に己自身をなすりつける。
 堪りかねたように彼女は声を上げた。
「あっ、ああっ、いぃっ、イッ、イッちゃうっ……」
 とろりとした媚肉がアランを締めつけてくる。
「……うっ……くっ……」
 一気に達しそうになり、動きをとめて射精感をやり過ごす。
 とろとろの媚肉は淫らに蠕動ぜんどうし、怒張をしごいた。
 う……わ……。蕩けそうだ……
 腰が自ずと動き出す。怒張は狭い肉窟をくぐり抜け、激しく上下した。
 だ、射精したいっ……
 スカスカに枯れ果てるまで射精したいっ……
 彼女の四肢がビクンと痙攣し、達したらしいとわかる。
 もう余裕はなかった。精は急激に上がってくる。彼女の尻を引き下げながら深々と挿し入れ、子宮口をグッと圧し上げた。
 ……でっ、射精るっ……
 勢いよく精がほとばしり出た。腰がガクガク痙攣し、快感のあまり鳥肌が立つ。
「うっ……くぅっ……」
 気持ちよすぎて食いしばった歯の間から声が漏れる。
 く……あぁ……。気持ちいい……
 精はどんどん吐き出され、子宮を真っ白に染め上げていく……
 温かい膣内に射精するのは、極上の瞬間だった。心も体も満たされた、愛おしい気持ちでいっぱいになる。
「キャンディス、好きだ」
 口をついて本音が出てしまう。
 すると、腕の中の彼女が声を震わせた。
「赤ちゃんできちゃう……」
 ゾクゾクッと快感の追撃がきて、ますます精が放たれる。
「……ぅくっ……」
 彼女も感じ取ったのか小さく息を呑む。
「キャンディス、俺の子供を産んでくれ」
 優しく抱きしめて言うと、彼女は否とも応とも言わずにうめく。
「あぅ……」
 涙目で恍惚とした表情の彼女が可愛くて、思わずキスしていた。
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