現代のモフかわあやかしVS 異世界の強面魔獣の大激突!!

ありぽん

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9話 山の特訓、逃げられなかった和也おじさん2

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 ちなみにじいちゃんの家族あやかしは、岩牙熊(がんがぐま)と呼ばれるあやかしで、名前はガンガ。目の色は琥珀色。筋肉質で、背中や肩に硬い毛が生えいる、クマに似ているあやかしだ。

 攻撃する時は、硬い岩を生成して投げつけたり、叩きつけ敵を粉砕。あとは地面を踏みつけ地面を割り、周囲の敵を吹き飛ばしたり、落としたりもできる。硬い毛をさらに硬くし、物理攻撃を防ぐこともできるぞ。

 俺たちはガンガが出してくれたのが岩で、訓練をすることもあって。これから訓練をするヒナタたちは、確か岩を使うって言ってたな。

 ばあちゃんの家族あやかしは、旋風牙(せんぷうが)というあやかしで。名前はサラナ。チーター似ているあやかしで、細身でしなやかな体つき。光沢のある毛並みに、耳先や尾先には霊力を帯びた白い毛が生えている。動きはとても俊敏だ。

 敵を攻撃する時は、全力疾走しつつ鋭い爪で斬り裂き、風圧で敵の動きを封じる。高速での連続攻撃や回避が得意で、相手の懐に一瞬で飛び込みダメージを与えるぞ。スピードと攻撃力を活かして、よく奇襲や追撃を行うぞ。

 俺の家族あやかしの中で、スピード技が得意な子たちは、サラナが時々マンツーマンで、訓練をしてくれているんだ。

 俺は小さい頃は、ぜんぜんサラナの動きが分からずに、突然現れるかのような動きをするサラナに、何度か驚きすぎて泣いたらしい。

 そんなじいちゃんたちとガンガたちだけで、どれほどの戦力になるのか。平均で家族あやかしが3匹と言われているのに、じいちゃんとばあちゃんはそれぞれ1人と1匹で、これまでどれだけの敵を打ち破ってきたのだろう。

 だから、みんなの憧れの的で、じいちゃんたちに訓練をつけてほしい人が後を絶たないんだ。

 そして、和也おじさんの家族あやかしは。蒼翼鳥(そうよくちょう)というあやかしで、名前はオルフェ。

 ワシに似ているあやかしで、でも大きさは普通のワシの3倍以上。翼を広げるとかなりの幅になり、深い蒼色の羽毛が光を受けて美しく輝く。鋭い爪とくちばしを持っているぞ。

 攻撃は、空高く舞い上がってから急降下し、爪と翼で地面や敵を砕く。さらに遠くの敵や危険を察知してくれて、そのおかげで俺たちは何度も危険から守られてきた。
 というかメンバーが、和也おじさんに話しを聞きにくるんじゃなくて、オルフェ自身に話しを聞きにくるくらい、オルフェはみんなに頼られるあやかしだ。

 そしてもう1匹は、炎牙(えんが)というあやかしで、名前はダイゴ。人の背丈ほどの大きさで、全身に燃えるような模様がある、トラに似ているあやかしだ。牙と爪が鋭く、いつでも霊力を宿していてる。

 攻撃は炎を全身に纏い、全力の敵に突進。突進で吹き飛ばし攻撃をしながら、敵を切り裂き、周囲には炎攻撃する。

 和也おじさんも、おじさんの年代では1番力を持っている人で、何度となく大勢の人を救ってくれた。本当はもっと上の人になれるんだけど、今の方が自由に動けて、みんなを守れると、みんなんと共に戦ってくれている。だけど……。

 訓練が嫌いで、何度もじいちゃんたちに捕まっては、じいちゃんたちのもう訓練を受けていたって。

 それに何をするにも面倒だ、どうにか楽にできないか、っていうのをいつも考えているらしい。

 これだけの力を持っているおじさんが? 実は影で努力しているんじゃないか。そう思って中学生の頃に、じいちゃんやオルフェたちに聞いたんだけど。
 あの時のオルフェとダイゴの表情と言ったら。にっこりと笑っていたけれど、でも絶対内心は怒っていたし、呆れているって感じの、なんとも言えない感情が伝わってきた。

 それに、その後聞いちゃったんだよ。和也おじさんと共に訓練を受けていた人たちが、なんであいつはぜんぜん訓練しないのに、あれだけの力を持っていて、あれだけの動きができるんだ。それにあいつばっかりモテるし、不公平すぎる、って言っているのを。

 まぁ、最後のは別として、父さんにもそれとなく聞いたら。ああ、あいつはいつもあんな感じだぞ、俺もどれだけむかついたことかって。

 おじさんの面倒くさがりと訓練嫌いは、昔から今も変わっていないらしい。

『おい、回復しているのは分かっているぞ』

『そろそろ動かなければ……』

 と、その時、和也おじさんがガバッと起き上がった。

「そう。そんなに私に訓練して欲しいのね。そうね、いいわ。これからとお昼休憩後も、しっかり私が訓練をしてあげましょうね」

「い、いや、俺はもう十分だから、優希の方を……」

 バシィィィッ!!

「ギャアァァァ!!」

 和也おじさんが大きな叫び声をあげながら、数メートルふっとば飛ばされ、続け様に攻撃を受ける。あ~あ。まぁ、ばあちゃんは死ぬまではやらないから大丈夫だろう。
 ダイゴとオルフェが、溜め息を吐きながら、和也おじさんの元へ。俺ももう少し休憩したら、霊力を高める訓練を始めよう。
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