現代のモフかわあやかしVS 異世界の強面魔獣の大激突!!

ありぽん

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10話 可愛い邪魔者たちの話し合い1

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「……」

『これはどうぷー?』

『う~ん、それだとこっち向きの方が』

『反対にすれば良いかもくま』

『こうぷー?』

『何かおかしな感じがしますわ』

『じゃあ、やめるぷー』

「……」

『これはどうぷー?』

『あ、それ良いかも!!』

『上げる感じが良いくま!!』

『確かに良いかもしれません』

『でも、今は動いてないから良いけど、本番は走っていって決めることの方が多いのよ』

『向こうから走ってきて、やってみる』

『分かったぷー!! う~、と~ととととととっぷー!!』

 お前はハトか!!

『できたぷー!!』

『一応できたわね』

『これなら良いんじゃないか?』

『う~ん』

「……」

『とりあえずやってみようよ。それでダメならまた考えてさ』

『そうですわね。それが良いですわ』

『じゃあ次は、俺たちの掛け声な!』

『ユキくんのも!!』

「……はぁ、お前たち少し煩いぞ。というか今、俺は集中してるんだ。休憩するなら、もう少し向こうでしてくれよ」

『休憩じゃないぷー。今は考える時間ぷー』

『もうとっくの前に休憩は終わったよ。今はじいちゃんの休憩』

『次の訓練が始まるまで、大切な話し合いの時間だぜ』

『そうよ。この前はみんな、ちょっと微妙だったから。次のためにしっかりと考えておかないと』

『もしかしたら今すぐに呼ばれるかもぷー』

『次はボクも行くかなくま。行ったらボクも頑張るくまよ』

『だからこれは、大切な話し合いなの。優希こそ僕達の話し合いの邪魔しないでよ。ただでさえおじさんの叫び声が邪魔なんだから』

 みんなが一斉に少し離れた場所を見る。時刻は12時少し前。10時ごろから始まった春江ばあちゃんの、和也おじさんの特別訓練は今だに続いていて。相変わらずの叫び声が聞こえている。

「ぎゃあぁぁぁぁ!?」

『今の避け方はダメだね』

『うん、だから飛ばされた』

『しっかり訓練してくれないかな。あの叫び声、私たちの大切な話し合いの邪魔よね』

『本当ぷー』

「……そしてどう考えても、俺はお前たちに邪魔されてるんだけど。はぁ」

 今日、俺と一緒に訓練に来ているのは。クルル、ヒナタ、ソラ、ハル、キララ、モモ、ユキくん、くまチョコ、セレナの10匹。

 まずクルルだけど、俺は赤ん坊の頃、無意識でたくさんのあやかしたちと契約しただろう? その中でも1番に契約したのがクルルらしい。本人も他のみんなもそう言っていたから、間違いないだろう。

 巻雲犬(けんうんけん)というあやかしで。くるくるの雲のようなふわふわの毛に、クリクリの目がとても可愛い、プードル似のあやかしだ。喋った後に『ぷー』って言うぞ。

 首には青色のリボンを巻いているぞ。最初は、俺と契約した後、赤ん坊の俺がプレゼントしたとされる青いリボンを、ずっと付けていたんだけど。いい加減ボロボロになって、俺が後からまたプレゼントしたんだ。今で5本目のリボンかな。

 ヒナタ、ソラ、ハル、キララ、モモは隠鼠(おんそ)というあやかしで、常に団体行動をするハムスターに似ているあやかしで、しかもみんなそっくりっだ。
 俺はもちろん分かるし、話せば誰が誰か、他の人でもすぐに分かるけど。姿だけだと見慣れていない人は、絶対に見分けられないほどそっくりだ。

 だから普段はすぐに誰かわかるように、いろいろな物を身につけている。例えば夏の暑い日は色違いのリボンが巻いてある麦わら帽子を。寒い冬は色違いのマフラーをって感じだ。赤がヒナタ、青がソラ、緑がハル、黄色がキララ、ピンクがモモだぞ。

 ユキくんは、囀子鳥(てんしちょう)というあやかしで。雪玉のように白く丸い体で、大きさは俺の手のひらにすっぽり収まるくらい。シマナガエのようなあやかしだ。必ず喋る前に、ユキくんと自分の名前を言う。

 今のところ1番最後に契約した子で、契約したい理由が、俺が趣味で作っているぬいぐるみが可愛いから、そのぬいぐるみと暮らしたいだった。今じゃ家中に、ユキのぬいぐるみが溢れかえっている。
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