5 / 19
世界の終わり方
明日へつながる眠り
しおりを挟む
目をさますと夕方だった。
頭はスッキリしたが、傷の痛みは増していた。俺はキッチンにいきコップに水道水を入れて痛み止めをのむ。
会社支給のスマホとプライベートスマホを確認すると着信履歴が並んでいる。
珍しく母親が俺にかけてきていたようだ。
まず会社スマホの方から対応する事にする。
代表電話ではないからか、意外にすぐにマネージャーとつながった。
「申し訳ありません。薬を飲んだせいか眠くなって寝ていました。
そちらは大変な状況ですよね? 大丈夫ですか?」
ハァ
ため息をつく音が聞こえる。
「お前の方だろ!
大丈夫か? と心配されるのは。
現場は色々調査が入るということで、今は俺たちも立ち入れないからやることもそんなにないから気にするな」
呑気に寝ていた事を咎められた訳ではなかったようだ。
「でも、俺は動くことは問題ないですよ」
「今、会社の前にマスコミがはっている。怪我しているお前が来たら、囲まれて面倒な状況に巻き込まれるだけだから一週間休め。
労災の手続きもしておくから。
こっちは雑務だけで、今お前がやらなければならないことはないから。
まずは傷を治すことを優先しろ。
あとお母さんから会社の方に連絡きていたぞ。ニュース見て心配していたようだから連絡してあげなさい」
身体は痛いが、こんな会社が大変な時に何もできないということは辛いものである。
深呼吸してから引き続き母親にも電話をかける。
「廻! 大丈夫なの? 遥ちゃんから貴方が大怪我を負ったと聞いて」
従兄弟の遥が余計な連絡を母親に入れてしまったようだ。
「大怪我は大袈裟だよ、十一針縫っただけだから」
「そうなの良かった。もう何ともないのね。そうだと思ったのよ。心配して損したわ」
もしコレが兄だったら、母は一針どころか血を流しただけでも大騒ぎするのだろう。そんなどうでも良い事を考えてしまった。
「びっくりしたんだけど、なんか今ニュースでやっている事故のあった会社貴方の会社だったのね」
俺はそんな母親の言葉に、ため息をつきたくなるが耐える。
母親が俺にあまり興味ないのは、今に始まったことではない。
愛されてないわけではないだろうが、俺はほっといても問題なく大丈夫と思われていて、あまり気にかけてないところがある。
兄が先天性の骨疾患「骨形成不全症」で昔から手もかかってきた。
さらに兄は過保護に育てられた分我儘。家では兄は王子様で母親は専任の召使い状態。
そのため俺は昔から放任されて過ごしていた。
伯父家族の元で生活していたこともありそちらの方が家族らしい付き合いをしている。
電話かけている後ろで、兄が何か要求しているようで怒鳴っている声が聞こえる。
「ごめん、心配をかけて。俺は本当に大丈夫だから」
今までそうしてきたように、明るくそんな感じの言葉を返して電話を切った。
多分会社に安否確認の連絡を入れたのは、母ではなく伯母か遥だろう。
案の定伯母に電話したら、泣かんばかりの対応で、俺の無事を喜んでくれた。
怪我した身体で過ごすの大変だろうから家に来ないかとか、従姉妹の遥はウチに世話しに行くとまで言ってくれたが、俺は礼だけを返して断ることにした。
とりあえず電話を返さないとダメなところには返し、今日何度目か分からないため息をつく。
今度はLINEの連絡をチェックする。するとよく分からない冷やかしてきているようコメントが多い。
どうやら、俺がミライを庇った動画がアップされていたようで、ちょっとしたヒーロー扱いになっていたからのようだ。
下手にその前にマスコミにも顔出していたのが不味かったようで、俺の顔写真も拡散されている。
全部に返すのは面倒なので、LINEのトップとフェイスブックに無事であることだけを伝えるコメントを置いておいた。
【お前ってヘラヘラしながらいつも要領良く美味しいところだけ持っていく。
ホント最低なイヤな奴だよな。
いい気になるなよ!
死ねば良かったのに。
今からでもシネ! クソが!】
スマホが震えて着信を伝えてくる見る。
兄からのそんなコメントが来ていて、俺は大きくため息をつく。
既読をつけてしまったがスルーする事にした。
兄は俺が何をしていても気に食わない。そういうところがあった。
同じ家で生まれたのに自分は不自由な障害を持って生まれ、俺は何も問題がない。
そのことからして気に食わないのだろう。だからと言って誰が悪いわけでもない。
母が大変だからと兄の看護を手伝っていたこともあるが、ある日から兄は俺をことごとく俺を拒絶するようになった。
俺は兄の嫌悪の対象で、存在そのものがストレスしか与えないものだったようだ。
だから小学校高学年から同じ県に住む伯父の家でお世話になり、中学から寮のある学校を選び家から離れて過ごした。
偶に帰っても兄は大音量で音楽をかけて部屋に引きこもって出てこない。
そして母をどうでも良い事で呼びつけ、色んな事をさせていた。
俺が代わりにしようとするとキレて暴れる。
そういう事もあり家に寄りつけなくなった。そのほうが家は平和だから。
俺は頭をふり今更のことを考えるのを止めた。
今一番気にかかることは……夢と言うにはリアル過ぎる、デジャブと表現するには長すぎる。予めに体験したようにすら感じた今日の事。
恐らくあの俺は死んだ。だとしたら今の俺は何なのか?
今の傷とは違う、欠けたビルの装飾品が身体に刺さる痛みを感じる。痛みの記憶すらも生々しい。
身体が震えてくる。その震えを抑えるように自分の身体を抱きしめる。
良いように解釈すれば、最悪の死の結果を自分で回避するために時間が戻って救われた。
それならば悩むことも無く喜ぶべき事のようにも思える。
そう、俺は今こうして生きているし、これから何でも出来る何の問題もないでは無いか! そう考える事にした。
【世間をこんな形でお騒がせして申し訳ありません。
怪我をした社員もいずれも軽傷です。営業時間ではなかった事でお客様に被害が出なかった事は幸いでした。
このアクシデントに負けず、会社として皆様に喜びと笑顔を届けられるサービスが出来るように頑張ります努力していきたいと思います】
四時頃にサムライの社長らが会見を開きコメントを発表していた。その言葉の通り起こってしまったことは仕方がない、コレから頑張るしかない。
俺はそう思い切り替えることにした。
【ゴメンなさい、色々騒がれて土岐野さんが大変な事になってるみたいで】
夜にもミライからそんなLINEがくる。
【いえ、ヒーロー扱いは照れ臭いですが、引きこもり待機命令を受けている俺には何の問題もないですよ】
直ぐに反応が帰ってくる。
【ヒーロー扱いでは無く、土岐野さんは私のヒーローですよ!】
こんな会話を続けるのは少し恥ずかしい。
【ミライさんの方は大丈夫だった? マスコミとかから囲まれたりとか困った事になっていない?】
【はい! 今は私もホテルで待機になっています。しばらく自宅ではなくコチラでの生活になりそうです。
でも明日のお仕事はする事になりそうかな~元気で無事な所見せないと行けないし】
芸能人の仕事というのも大変そうだ。
【大変だね。怪我はなかったとはいえ、あんな事があった後だから、無理はしないで】
俺は目を見開き落下物に串刺しになった俺を見つめていたミライの姿を思い出す。
自分も傷ついていっているのに、ただ俺の方を呆然と見つめ続けていた。
状況が認識出来たことで俺の名前を叫んでいたミライ。
目の前で人が死ぬ。そんな恐ろしいモノを見せずに済んだ事は良かった。
【土岐野さんのエールで頑張れます!
明日お昼の情報番組に出る予定なので見て戴けますか?】
【お休みだから是非楽しませていただきます】
【あ! 敬語になっている】
【え?】
【友達になったんだから、敬語は止めて!
なんかね、芸能界関係なくこんな感じで他愛ない感じで話せる友達欲しかったの!
だからこうしている時はフランクでいいから】
そんなので良いのかな友思ったが、色々ありすぎた日だっただけに、ミライとのそんな無邪気な会話に癒された。
しばらく会話を楽しんでから、疲れていた俺は早めに眠りについた。
頭はスッキリしたが、傷の痛みは増していた。俺はキッチンにいきコップに水道水を入れて痛み止めをのむ。
会社支給のスマホとプライベートスマホを確認すると着信履歴が並んでいる。
珍しく母親が俺にかけてきていたようだ。
まず会社スマホの方から対応する事にする。
代表電話ではないからか、意外にすぐにマネージャーとつながった。
「申し訳ありません。薬を飲んだせいか眠くなって寝ていました。
そちらは大変な状況ですよね? 大丈夫ですか?」
ハァ
ため息をつく音が聞こえる。
「お前の方だろ!
大丈夫か? と心配されるのは。
現場は色々調査が入るということで、今は俺たちも立ち入れないからやることもそんなにないから気にするな」
呑気に寝ていた事を咎められた訳ではなかったようだ。
「でも、俺は動くことは問題ないですよ」
「今、会社の前にマスコミがはっている。怪我しているお前が来たら、囲まれて面倒な状況に巻き込まれるだけだから一週間休め。
労災の手続きもしておくから。
こっちは雑務だけで、今お前がやらなければならないことはないから。
まずは傷を治すことを優先しろ。
あとお母さんから会社の方に連絡きていたぞ。ニュース見て心配していたようだから連絡してあげなさい」
身体は痛いが、こんな会社が大変な時に何もできないということは辛いものである。
深呼吸してから引き続き母親にも電話をかける。
「廻! 大丈夫なの? 遥ちゃんから貴方が大怪我を負ったと聞いて」
従兄弟の遥が余計な連絡を母親に入れてしまったようだ。
「大怪我は大袈裟だよ、十一針縫っただけだから」
「そうなの良かった。もう何ともないのね。そうだと思ったのよ。心配して損したわ」
もしコレが兄だったら、母は一針どころか血を流しただけでも大騒ぎするのだろう。そんなどうでも良い事を考えてしまった。
「びっくりしたんだけど、なんか今ニュースでやっている事故のあった会社貴方の会社だったのね」
俺はそんな母親の言葉に、ため息をつきたくなるが耐える。
母親が俺にあまり興味ないのは、今に始まったことではない。
愛されてないわけではないだろうが、俺はほっといても問題なく大丈夫と思われていて、あまり気にかけてないところがある。
兄が先天性の骨疾患「骨形成不全症」で昔から手もかかってきた。
さらに兄は過保護に育てられた分我儘。家では兄は王子様で母親は専任の召使い状態。
そのため俺は昔から放任されて過ごしていた。
伯父家族の元で生活していたこともありそちらの方が家族らしい付き合いをしている。
電話かけている後ろで、兄が何か要求しているようで怒鳴っている声が聞こえる。
「ごめん、心配をかけて。俺は本当に大丈夫だから」
今までそうしてきたように、明るくそんな感じの言葉を返して電話を切った。
多分会社に安否確認の連絡を入れたのは、母ではなく伯母か遥だろう。
案の定伯母に電話したら、泣かんばかりの対応で、俺の無事を喜んでくれた。
怪我した身体で過ごすの大変だろうから家に来ないかとか、従姉妹の遥はウチに世話しに行くとまで言ってくれたが、俺は礼だけを返して断ることにした。
とりあえず電話を返さないとダメなところには返し、今日何度目か分からないため息をつく。
今度はLINEの連絡をチェックする。するとよく分からない冷やかしてきているようコメントが多い。
どうやら、俺がミライを庇った動画がアップされていたようで、ちょっとしたヒーロー扱いになっていたからのようだ。
下手にその前にマスコミにも顔出していたのが不味かったようで、俺の顔写真も拡散されている。
全部に返すのは面倒なので、LINEのトップとフェイスブックに無事であることだけを伝えるコメントを置いておいた。
【お前ってヘラヘラしながらいつも要領良く美味しいところだけ持っていく。
ホント最低なイヤな奴だよな。
いい気になるなよ!
死ねば良かったのに。
今からでもシネ! クソが!】
スマホが震えて着信を伝えてくる見る。
兄からのそんなコメントが来ていて、俺は大きくため息をつく。
既読をつけてしまったがスルーする事にした。
兄は俺が何をしていても気に食わない。そういうところがあった。
同じ家で生まれたのに自分は不自由な障害を持って生まれ、俺は何も問題がない。
そのことからして気に食わないのだろう。だからと言って誰が悪いわけでもない。
母が大変だからと兄の看護を手伝っていたこともあるが、ある日から兄は俺をことごとく俺を拒絶するようになった。
俺は兄の嫌悪の対象で、存在そのものがストレスしか与えないものだったようだ。
だから小学校高学年から同じ県に住む伯父の家でお世話になり、中学から寮のある学校を選び家から離れて過ごした。
偶に帰っても兄は大音量で音楽をかけて部屋に引きこもって出てこない。
そして母をどうでも良い事で呼びつけ、色んな事をさせていた。
俺が代わりにしようとするとキレて暴れる。
そういう事もあり家に寄りつけなくなった。そのほうが家は平和だから。
俺は頭をふり今更のことを考えるのを止めた。
今一番気にかかることは……夢と言うにはリアル過ぎる、デジャブと表現するには長すぎる。予めに体験したようにすら感じた今日の事。
恐らくあの俺は死んだ。だとしたら今の俺は何なのか?
今の傷とは違う、欠けたビルの装飾品が身体に刺さる痛みを感じる。痛みの記憶すらも生々しい。
身体が震えてくる。その震えを抑えるように自分の身体を抱きしめる。
良いように解釈すれば、最悪の死の結果を自分で回避するために時間が戻って救われた。
それならば悩むことも無く喜ぶべき事のようにも思える。
そう、俺は今こうして生きているし、これから何でも出来る何の問題もないでは無いか! そう考える事にした。
【世間をこんな形でお騒がせして申し訳ありません。
怪我をした社員もいずれも軽傷です。営業時間ではなかった事でお客様に被害が出なかった事は幸いでした。
このアクシデントに負けず、会社として皆様に喜びと笑顔を届けられるサービスが出来るように頑張ります努力していきたいと思います】
四時頃にサムライの社長らが会見を開きコメントを発表していた。その言葉の通り起こってしまったことは仕方がない、コレから頑張るしかない。
俺はそう思い切り替えることにした。
【ゴメンなさい、色々騒がれて土岐野さんが大変な事になってるみたいで】
夜にもミライからそんなLINEがくる。
【いえ、ヒーロー扱いは照れ臭いですが、引きこもり待機命令を受けている俺には何の問題もないですよ】
直ぐに反応が帰ってくる。
【ヒーロー扱いでは無く、土岐野さんは私のヒーローですよ!】
こんな会話を続けるのは少し恥ずかしい。
【ミライさんの方は大丈夫だった? マスコミとかから囲まれたりとか困った事になっていない?】
【はい! 今は私もホテルで待機になっています。しばらく自宅ではなくコチラでの生活になりそうです。
でも明日のお仕事はする事になりそうかな~元気で無事な所見せないと行けないし】
芸能人の仕事というのも大変そうだ。
【大変だね。怪我はなかったとはいえ、あんな事があった後だから、無理はしないで】
俺は目を見開き落下物に串刺しになった俺を見つめていたミライの姿を思い出す。
自分も傷ついていっているのに、ただ俺の方を呆然と見つめ続けていた。
状況が認識出来たことで俺の名前を叫んでいたミライ。
目の前で人が死ぬ。そんな恐ろしいモノを見せずに済んだ事は良かった。
【土岐野さんのエールで頑張れます!
明日お昼の情報番組に出る予定なので見て戴けますか?】
【お休みだから是非楽しませていただきます】
【あ! 敬語になっている】
【え?】
【友達になったんだから、敬語は止めて!
なんかね、芸能界関係なくこんな感じで他愛ない感じで話せる友達欲しかったの!
だからこうしている時はフランクでいいから】
そんなので良いのかな友思ったが、色々ありすぎた日だっただけに、ミライとのそんな無邪気な会話に癒された。
しばらく会話を楽しんでから、疲れていた俺は早めに眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる