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訓練シリーズ
新しい拘束台で先輩と後輩にいじめられる話
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ブリッジ拘束/媚薬/擽り/尿道責/痒責/連続絶頂
攻→柚木+渚
受→由麗/視点
◇ ◆
訓練用に使用していた拘束台が古くなってきたということで、新しい物が組織へやってきた。その確認のために柚木先輩や七彩を始め、中間に位置する役職の人達が全員訓練部屋へ集められた。
新しく届いたものは今までと少し違う形のものだった。隣に居る柚木先輩がその拘束台を見ながら不思議そうにしていると、俺たちを呼び出した桜花上司が小さく手を叩いて注目を集めた。
「忙しい時に集まってくれてありがとうございます。見てもらった通り、それが新しい拘束台になります。実際に仰向けに寝てもらえば分かりますが、寝転んだら腰が反る状態になります。──手足を拘束するの鎖が下の方にあるので、そうですね。体勢的には海老反りというかブリッジというか、まぁそんな格好になります。では由麗くん。実際に服を脱いで寝てみてくれますか」
「え?あ…はい」
七彩辺りに指示されると反抗していたが、相手は桜花上司。──風見上司だったらとっつきやすいので軽く「やです」と言えそうだが、この人には言えそうにないので大人しく従った。何処まで脱ぐのか指示されなかったのでとりあえず下着は履いた状態。
「どうぞ」
下着は履いてても何も言われなかったので、低めの台に背中を合わせてごろんと寝転ぶと、腰部分が少し高くなっているのでお腹が一番高い位置になった。
「手を拘束する鎖がこの位置にあるので、万歳してくれますか?」
「…はい」
元々体は柔らかい方なので全く体勢的には苦ではない。腕は万歳の状態のまま引っ張られて下に位置する鎖に固定された。肘は曲げれるが脇は剥き出し。このまま前みたいに擽られたら絶対にやばそう。
「そして足はこの様に拘束します」
ガチャンと足首を固定すると、立派なブリッジのようなポーズが完成した。足は開いた状態で少しガニ股気味で、下着を履いていなければ恥ずかしい所が丸見えだ。──まぁ履いててもみんなが見てるから相当恥ずかしいけど。
「これで殆ど動けない状態になるので、実際の拷問にも、訓練にも最適です。例えばこうやって擽ってみたり──」
「っ!?」
クルクルと脇を擽られるとググッと体に力が入った。
(これ、体が硬い人とかキツそうだな…)
「こうやって──色んな所を触ったりしても一切抵抗出来ない上に体にも負担がかかるので今までのような大の字拘束よりも拷問の効果はあるでしょう」
桜花上司の人差し指が脇から胸元を通り、触りやすくなった腹部をひと撫でした後、下着の上からクルクルと股間の形に合わせて遊び出すとビクンと腰が跳ねた。
「あ、あのっ…ちょ…っ」
「何ですか?」
桜花上司は、柚木先輩の様なわざと意地悪している笑みも浮かべない。ただ本当に「何?」みたい表情で見下ろしてくるので、何も言えなくなってしまった。
「あ…いえ、何も……」
「では拘束台の説明は以上です。──柚木くんだけ残って、あとは解散にします。お疲れ様でした」
「お疲れ様でしたー」
七彩を先頭にペコリと頭を下げると、すぐにみんなが部屋を出て行った。風見上司ならみんなもっとノロノロしていそうなので、やっぱりみんなもこの人を少しビビっているのかなと思った。
残った柚木先輩も真面目な顔して桜花上司の指示を待っていた。
「──さて、まだ時期は確定していないけど今度由麗くんと渚くんには潜入捜査に行ってもらう事になりました。渚くんは何回も捕まってるし免除したんだけど、由麗くんは潜入捜査が初めてなので少しだけこの状態で責めてあげてくれるかな」
その言葉を聞いて、今までの訓練は一旦何だったの?と思わせたが、柚木先輩は頭を下げて「かしこまりました」と伝えている。
(…ま、まじでか。こんな事になるならもう少し拘束の時に抵抗すれば良かった…っ)
そんな事してもきっと圧に耐えきれずに拘束されてはいたんだろうけども。
「では──渚くん、中へ入ってきて下さい」
「…はい」
ひょこっと外から顔を出した渚が訓練部屋へ入ってくると、柚木先輩の隣に立って桜花上司に軽く頭を下げた。
「今回渚くんは柚木くんと一緒に由麗くんを責めて下さい。──そして、また捕まれば自分もこうなると自覚して下さい」
「はい…」
「由麗くん。あまり長い時間ではありませんので、しっかりと気を引き締めて任務に臨める様に体に叩き込んで下さいね。君が渚くんを引っ張って任務してもらわないといけないので。──では柚木くん宜しくね」
「はい」
笑顔の圧を出しながら桜花上司が出口へ向かうと、重たい扉が閉まる音と共に、部屋は薄暗い雰囲気になった。
「……あの、柚木先輩。俺…責められる意味、ありますか」
「え?桜花先輩の指示なんだから意味があるに決まってるよね。──渚を連れての任務は大変だろうし、しっかりと気を引き締めてね」
(あ、目がまじだ。)
今の柚木先輩には何を言っても効果はないと悟り、俺は今の状況を受け入れた。
◇ ◆
「──っ、……ぐ、ぅッ………ふふっ、んん、」
二人の指が動く度に激しく体が反応した。始まる直前に足首を解放されて下着を脱がされた。
すぐに拘束は戻され、剥き出しになった股間には柚木先輩の指。そして脇には渚の指があった。
必死に声を殺して耐えているが、優しく撫でられるとどうしても擽ったくて時折笑い声が混ざる。
柚木先輩が相手じゃなかったら、もう少し感度は下がっているはずなのに。それも分かった上なのか、桜花上司が少し怖くなった。
「由麗、渚に擽られてちょっと反応してるね」
「ちが…っ、柚木、先輩がっ…そこを、触るからぁ…っ」
少し勃ち上がっている股間を撫で回されると、いやでも反応してしまう。
「それにしてもこの体勢、辛そうだね。視覚的にも少し無様だし、訓練とかにもってこいだね」
「ひ──ッ、ぐ、ぅッ」
こちょこちょと先端を擽られると変な声が漏れた。先輩の指が少し湿っていたので、先走りが溢れ出しているのが分かり、羞恥が生まれた。
「や…っ、ぁ!先輩…ッ、」
訓練モードではなく、普通に俺の名前を呼んで話しかけてくるのも中途半端な気持ちのまま臨む事になって恥ずかしい。
「渚、もっと激しく指動かして」
「はぁい」
上司が出て行ったからか、渚は緊張モードから通常モードになって気の抜けた返事をしている。顔を見るとニヤけていたので、それも悔しい。
「何?睨まないでよ由麗くん。桜花上司の命令なんだから仕方ないでしょ?──それに、前俺の事いっぱいいじめたんだから少しは返させてもらうよ」
「ひゃああ! あはははは! やめ…っ、んん!」
グッと腕に力が入り、必死に下げようとしても鎖の音が響くだけで脇は全開のまま。そこへ指を添えられて少し強めに擽られると笑いが堪える事は出来なかった。
指が動く度にビクビクと体が跳ねると、最初に拘束された時よりも太腿が開いて爪先がピンと伸びた。
(くっそ、何だよこのポーズ…めっちゃ恥ずかしい…)
体にいいと言われていたので、よくストレッチやヨガ等に手を出していた俺は、ブリッジも簡単にこなしていた。
しかしこんな反った状態で固定されるのは初めてだし、体が張ってしまっているので刺激も強く受け入れてしまう。現に渚の指が脇の下や二の腕にくると擽ったくて堪らない。
「あっ、あっ……やだ!これ…っ恥ずかしい、やめろよッ」
「この体勢だとちんちんよく見えるし普通に恥ずかしいよね」
「──っ、」
股間を見ながら渚にそんな事言われるとカァッと顔が熱くなった。
「み、見るなよお前はぁ…っ、やっ、ぁ、あ」
「由麗くん、顔赤いよ」
「そりゃ赤くもなるっての…っ」
二人の指使いにガクガクと太腿が震えると、柚木先輩がとある物を持ち出した。
「由麗。これ覚えてる?──前、泣きながら痒い痒いって悶えてたやつ」
「!」
「今度潜入する場所って、この薬を開発した組織なんだよ。もしバレたらきっと使われちゃうだろうね」
「や……やだ!!それはやだ!! 本当にキツかったんですそれ!!やめて下さい!!」
「うん。俺も手につけたから痒さは体感してるよ」
「ちょ…っ、嘘ですよね…っもう俺に、こんなことしないって、言っ、ぁぁぁ!」
トロリと太腿に落とされた薬。もちろんすぐに効果があるわけではないので今は何ともないが、体が前の刺激を思い出したのか一気に鳥肌が立った。
「やだ!!やめて!やだぁぁ!」
ガタガタと体を動かすと、柚木先輩はクスクスと笑いながら俺の動きを眺めていた。
「その体勢で暴れたらすっごい恥ずかしい事になってるよ?──ここ、いっぱい震えてるし」
腰を捩る度に、半勃ちしている股間が揺れてるのは分かっていた。自分で震わせて恥ずかしい事この上ないが、今は恥ずかしいよりもあの時の恐怖が勝る。
「渚、手袋付けて由麗の体に塗ってあげて。自分が擽られて辛かった所とか、気になる所とかに。薬に詳しい人達が少しアレンジを加えてさぁ。──擽ったい場所に塗ると、痒さよりもくすぐったさを増幅させるような効果になったみたいだよ」
「何それ、すごいけどやめて…っ、やめて、お願いやめて!」
前と同じくローションみたいなヌルヌルした液体が、手袋を付けた渚の手によって身体中に伸ばされていく。
脇の下や首筋、胸元や脇腹、腹部にまでたっぷりと塗られると、一番最初に付けられた太腿部分に強い擽ったさが襲った。
「──っ"、」
ドクンと身体中が異変を察知すると、額から汗が垂れる。
「太腿に塗ったのが効いてきたかな?ここは痒みより擽ったい刺激になるのかな」
柚木先輩も手袋をつけると、薬を塗った太腿に指を滑らせた。
「ぁ、ぁぁぁ……っ、あ、やぁぁ……」
薬をたっぷりと塗った上半身からもむずむずとするような、小さな何かが思いっきり肌を撫でている様な不思議な感覚がした。
「──っあ、なに……っひ、はぁっ、あ…っ、うそ…やっ、拭いて…ひぅッ……ぁは、ぁぁ…」
上半身と太腿の強烈な擽ったさ。ガタガタと暴れると、こちょこちょと渚が脇の下を擽ってきた。
「ひゃははぁ! あ──ッ!! あ"っ」
「由麗くんすっごい力入ってる」
優しく撫でられるだけで、さっきの何十倍にも感じる刺激。ポロポロと大量の涙が溢れた。
「ぐぅぅっ、…は、ぁ、ぁぁぁっ、あっ…」
「由麗くんって顔可愛いし、敵味方関係なくこんなことされちゃうんじゃない?気を付けないとね」
「あはぁっ、あ…ははは! ひっ、ぁはははは、やめっ…ひはぁぁッ」
渚の攻撃に悶えていると、下からは柚木先輩の声が聞こえてた。
「今の体勢だと、こういう所も擽りやすいからいいよ」
柚木先輩は足の付け根や太腿を擽り出し、渚も上半身を擽ったまま。
「ひゃははははぁ! あはははははっ、ぁぁあ"っ、擽ったぃっ、やだぁぁぁ!」
全身の力を使って暴れても、股間が激しく揺れる程度で擽ったさは強まる一方だった。
ほんの少し風が体に当たっただけで強い擽ったさになるので、暴れれば暴れるほどに辛い。けど暴れないでじっと出来る刺激なわけもなく、ひたすら泣きながら暴れ悶えた。
「由麗くん、ここをこうやって擽ったらすっごい悶えてくれるね」
人差し指の腹で脇の窪みを丁寧に擽られると、指摘通りに激しく体が跳ねた。
「ひははははぁぁ!! あ"はははははっ、ひぁぁっ、やめっなぎさぁぁ、やめれっ…擽ったぃぃぃぃ!!」
「いっぱい爪で引っ掻いてあげるね」
「引っ掻かなくていぃぃぃっやば、いっ、ははははっ、あ"っひぁははははは、ひはぁっ、~~ッ、んやぁぁぁぁあ!!」
人差し指一本だけで、こんなにも追い詰められるなんて。する側も優しく指を動かすだけでいいし、準備も必要ないのでくすぐりとは簡単に取り入れられる拷問だと思う。
「次は脇腹にしようか。こっちはどうやって擽るのが弱いの?」
楽しそうに指を動かす渚は、脇腹の弱点を探している。
「──っひ、ぁはははははは!もぉぉっ!もぉやめれっ!!擽ったっ、いっ、あっ、あ"はははははっ!やはははははぁ!ぁあっ」
「脇腹は全部の指でこちょこちょ動かすと弱そうだね。薬を沢山塗った効果もあるのかな?」
「ゃめ"っ、ろ、なぎっ、あっ、はははははぁぁ! だめぇっ、それやばっ、あはははぁ! ぁひゃははははっ、くるしっ…!──ひははっ」
薬の影響か、体をピンと張ってるからか、全く抵抗出来ないからか──。全部の要素が混ざって、一つ一つの動きが追い詰めてくる。
擽ったくて息がおかしくなって、お腹が苦しくて、ブンブンと首を振って泣き喚いていると、しゃがみ込んだ柚木先輩が足の甲を撫で始めた。
「あっ、ぁぁぁ、ぁぁ……っ」
触れるか触れない程度に指を添えると、ゆっくりと足の甲を擽られ、ピンと伸びる足首。プルプルと震えていると足の指を通って足の裏で伸びてきた。
「ひぁぁぁぁ!!」
「足も効いたっけ?由麗はどうやって触るのが苦手かな~上半身の弱点は渚に探してもらうから、俺は足を探すね」
足首が固定されているので大して動けないが、少しでも触れさせないように動かした。もちろん効果はなく、足の裏に到達した指が離れてくれることはなかった。
「こうやって優しく撫でるか、──少し爪を立てるように掻いてあげるの、どれが弱い?」
「ぃぁあ"っ、ひひっ、はははぁぁ! あ──っ!!やだぁ!やっ、ぁははははは!」
「どっちが苦手か教えて?そしたら逆の方してあげるから」
爪で強めに引っ掻かれると、強い擽ったさが襲う。絶対に柚木先輩は言葉通りにせず弱点を責めてくるはずだ。なので──。
「やさっ、し…くッ、撫でられっ、ひはっ、あはっ、むりっ、らめぇっ、れすっ、ぁ"、はははははぁぁぁ」
「そっかそっかぁ。──嘘つきには爪でいっぱい引っ掻いてあげるね?」
「ぎゃぁっ、ああああああ!!ぁははっ、足ぃっ、やめ"っで、くだっ、ぁぁはははははは! ひぁっ、あははっ、はははははは!!」
「ふぅん。指の付け根が一番ビクビクするね。指の間とかはどう?」
「やだぁああああああっ、がまんっ、ぁっ、ははははは!!やめっ、できなッ、あはぁっ!~~ッ、ひゃははははは!」
激しく笑い転げながら暫く二人の攻撃を受け続けていると、笑い声を上げる事すら困難になり、ピクピクと小さく体が揺れるだけになった頃、漸く指の動きが止まった。
「わぁ、顔真っ赤で痙攣して事後みたいだね」
「…っ、は、ぁ、…ぁ、っ、んん」
指が止まっても薬はまだ効いているので、優しく擽られている感覚だけはずっと残っている。小さな吐息を漏らしながら擽ったい感覚に耐えていると、柚木先輩の指が完全に勃ち上がってしまった裏筋をなぞり出した。
「ゃぁ……ん」
自分でも驚く程に甘い声が出ると、二人はクスクスと笑った。ピクピクと痙攣し続ける体で、まだ羞恥を感じる余裕はある。
二人の笑い声に涙が滲むと、「照れてて可愛い」と優しく先端を撫でられた。
「ゃだぁ……そこ、触っちゃ…やぁ……っ」
「恥ずかしいくらいにトロトロしてるよ?ここにはまだ薬つけてないんだけど」
クルクルとピンク色に主張した亀頭を擽られるとピクンと体が跳ねた。
「やだ…っ、終わってぇ……せんぱ、い…やらぁ…」
「流石にくすぐり責めで辛そうだったから休憩入れただけだよ?喋れるくらいに回復したみたいだし、薬も沢山あるから第二ラウンドだよ?」
「──え?」
効果は持続されていたが、少し乾いてしまっていたので追加された薬。再び全身に塗られると、それだけで口が開いて間抜けな声が出た。
「ひぁぁぁ…もぉっ、ゃ、だぁぁぁ…!」
「さっき弱い擽り方もある程度把握したし、たっぷり堪能してね」
「ぁっ、あ、あははははぁっ!!」
少しだけだと思っていた休憩だが、激しい笑い声が出る前には回復してしまったようで。
再度くすぐり攻撃が送られると、ボロボロ泣きながら悶えることとなった。
渚はさっき発見したように脇の窪みを爪で優しく引っ掻き、柚木先輩は足の指の付け根を引っ掻いた。
「ああぁはははははは!! やめっ!! やめっ、ひゃぁあああ、あははははははは!」
「由麗くん由麗くん、お腹ビクビクしてるよ」
腹以外もビクビクしてるわとツッコミたいが、もちろん出来ないので悔しくて睨みつけるくらいの抵抗がやっと。
「そんな可愛い顔で見つめてくるなんて、もしかしてもっとっておねだりしてるの?欲張りだなぁ」
「お前、ぇぇ、…っざけ、んなやめっ、あっ!? ぁははははは! ひはっ、あ────!!」
片方の手で脇腹を、もう片方は脇の下を擽られ、柚木先輩も足にいるので三箇所からの刺激に頭がパニックになり、予想がつかない体がひたすら不快感として擽ったさを生み出し続けた。
弱い触り方を徹底してるので動くパターンは変わらないはずなのに、何で擽ったいのが続くんだ。
自分の体に不満を抱きながら泣き喚くと、声が続いている内はひたすらこちょこちょと擽られた。
「由麗くんのお臍可愛い」
「──っ!?」
脇腹に居た指が腹部へやってくると、指を立てながらサワサワと臍周りを撫で始めた。
「んんんんん~~~ッッ!!」
体が張って一番触りやすい箇所。そこに自分の最大の弱点。擽ったすぎてやめてと声に出せなかったので目で訴えると、薬を塗った指が穴へ侵入した。
「はぁぁ…っぁ、んん…ッ、──ぁぁ、」
「あれ?気持ち良さそうだね」
「由麗はお臍が一番の弱点だよ」
「──へぇ」
「やぁぁ…やらぁ、やっ…もぉ、やめてぇ……」
擽られてすぎておかしくなった体は、腹部への刺激は強い"快感"だけを生み出した。
トロトロになった顔で訴えると、渚はニヤニヤとただ笑い、指を感じるように優しく優しく動かした。
「はぁっ、やだぁ…渚ぁ!…やだ、っ、ねぇ…それ…ぁ、やぁっ、変…ッ」
「指入れたくらいで何でそんな蕩けてんの?」
「だ、てぇ……だめ…やだ…もぉ終わってよぉ…っ」
「由麗。まだだめだよ。触りたい場所たくさん残ってるんだから。でもお臍はまた今度かな、気持ち良くさせる目的じゃないし。渚、次は乳首触ってあげて」
「はぁい」
頭が痺れるような刺激が終わったかと思えば、また同じような刺激がやってきた。薬を追加した指が乳首へやってくると、ヌルヌルと擦り出した。
「──っ、ンン、」
「乳首もピンクで綺麗。由麗くんの事、汚したくなるねぇ」
「ガキが…っ、ふざけたこと、言うなよ…っ」
「照れてて可愛い。ピンクの乳首恥ずかしい?」
「やぁぁ…っ、いじるな…っ、指、やめっ、────あ?」
ジクジクと乳首が疼き出したかと思えば、次に襲ったのは懐かしい刺激。
「あ……っ、──ぐ、ッぁ、」
ピリピリと痒み出すと、次第に大きくなっていく強い痒み。その様子を見て柚木先輩は呟いた。
「乳首は痒くなるんだ。他は擽ったくなるのに、不思議だね。次はずっと触ってって訴えてきてるこの子に沢山塗ってあげるからね」
「やめ…ぁぁ!」
トロトロと大量に股間に垂らされた薬。先端を始め、裏筋や二つの玉にまで入念に塗り込まれると、気持ち良さにガクンと腰が跳ねた。痒みが出てくるまではただのローションみたいな役割なので、気持ち良すぎて目の前がチカチカする。
「はぁぁっ、ぁ、出る──ッ、やぁ、あっ」
「出せるわけないよね」
「──っ、はぁ……」
止まった刺激に、ガクガクと足を震わせながら呼吸を整えた。
「う、ぁぁぁぁぁ……痒ぃ…ッ、か、ゆっ、──ッ"、」
数分経って出てきた痒みに、体からは大量の汗。そして目からは涙が零れ落ちた。
「痒いね。──渚はこの筆で由麗の乳首をくすぐってあげて。指よりもこっちの方が痒くて辛いだろうから」
「はぁい」
「やめて…っ、今も、十分痒いの…!もぉやだぁぁ!」
ガタガタと泣きながら暴れると、ふわりと乳首に当たる柔らかい筆の感触。その刺激と共に、耐えられない程の痒みが襲った。
「ぁぁぁぁぁあ、んんっ!」
「由麗くん痒い?くすぐったい?すっごい乳首ぷっくりしたよ」
「痒いぃぃぃ!!触んないでぇぇっっ!!それだめぇぇぇえ!!」
「へぇ。悶え方すごいね。そんなにこれやばいんだ」
筆の毛先でツンツンと乳頭を突かれるとビリビリとしたような電撃が走った。
「ひゃあああああああっっ!!」
「うん、そんな感じで強い刺激は与えずにずっと撫でてあげてて」
「はぁい」
「やだぁぁあ!!これっ、やっ、ぁぁあ"!!耐えれない!耐えれないっ、痒いっ…掻いてぇ…触るなら、ちゃんと触って…っ、ねぇ、渚っお願い、やめっ、ひゃんッ」
「もう片方は指でこちょこちょしてあげるね」
「ひゃぁぁぁぁぁ!!しないで…っ、やだぁ!!」
乳首に与えられる別々の刺激。強い痒みに悶えていると、股間にも強い痒みが襲った。
「──っぐ、ぅぅぅ……」
迫り来る痒みに、ぎゅぅぅぅっと足の指に必死に力を込めて耐えた。
「股間のお薬も効いてきたね。俺も筆で撫でてあげるから、しっかりと悶えなよ」
「ひゃぁぁ…柚木先輩っ、柚木、せんぱぁぃ…痒い…熱いッ、やだ! もぉやだぁぁぁぁぁぁ」
二人からの筆での刺激に耐えきれずに泣きじゃくった。前は射精すれば治ると言われていたが、筆の優しい刺激でイケるはずもなく。俺にとって永遠とも言える時間が続くことになる。
どれだけ暴れても取れない拘束と、台が腰を支えてくれているとは言え、ずっと体を反らせているので疲労も蓄積される。
そんな中、二人は一番苦手な触れ方を探るような筆を動かしてくる。
「由麗くん、乳首の周り優しくなぞると悶えてくれるね。あとは──そうやって焦らした後に尖ったここをいじめてあげると顔がすごくえっちになる」
「~~、る、さぃぃ…あく…しゅみっ、観察…す、なぁぁ…」
「そんな事言ったらこちょこちょも追加するよ?」
「ひゃぁぁぁ…やだッ、やだ!やっ、ぁぁあ……」
「やだやだ言う割に、甘い声出しちゃってさ」
「はぁぁぁ…っ、んん、ぁぁあ、」
痒みと敏感な箇所への刺激で、もう頭は終始蕩けている。柚木先輩の筆が鈴口を弄るように動けば口からはだらしなく声が漏れ、涎が滴る。
痒さより焦ったい快感に蕩けていると、柚木先輩は何やら物騒なものを手に取った。
小さなビーズが連なったそれは、何度も見たことがある尿道用の玩具。それにたっぷりと薬を付けている。
「な……に、する、の…ッ」
「そんなに痒みが辛そうじゃないから、中をいじめてあげようかと思って」
「──ッ、ひ!?ぁぁぁぁ、あ」
たっぷりと薬を塗り込んだ細いビーズがツプリと先端に当てがわれるとゆっくりと進んできた。
「ひ、ぐ、──ッ、いぁぁぁ」
体勢的によく見えるからか、渚は青ざめながらその様子を眺めていた。今こそ気を紛らすために胸を刺激してほしいんだが、渚の手は止まったまま。
ゆっくりと奥まで入ると、俺の様子を確認しながらグリグリと持ち手の部分を動かしてきた。
「や"………っ、め、ろ…っ、てめぇ………ッ」
大好きな柚木先輩でも、ここまでされると腹が立つ。歯を食い縛りながら睨みつけると、俺を見下ろす冷たい瞳。
「俺にそんな口聞いてんじゃねーよ」
似つかわしくない口調と共に柚木先輩は奥を刺激するように玩具を上下させた。
「い、あああああああッッ」
「あんまりそういう口の聞き方しちゃだめだよ。分かった?」
「わ、か…っ、り、ま、し──ッ、だ、っ、ぁあ"、あっ」
「はい、いい子だね」
「ひあっ、──あ、っ、ぐ、ぅぅ…イクっ、い、っあ、いああ、ぁ"、うッ、ぁぁ、や、だっ、おか、しっ」
グリグリと前立腺を刺激されると、絶頂したい気持ちだけが頭を駆ける。痒い薬が効いてるのか分からない程に、尿道を動く玩具は気が狂いそうな刺激を生み出した。
完全に渚の動作は止まってしまったが、何故か労るように俺の頭を撫でてきた。
それに対して色んな感情が込み上げてボロボロと涙が零れ落ちた。
「い、か…ッ、せ、て──っ、くだ、さっ」
「勝手にイケば?出せないだろうけど、由麗ならイケるんじゃない?」
完全に無抵抗状態で、強制的に強い刺激だけを送られると精神的にも体力的にももう限界。
尿道に玩具が刺さった状態でやんわりと竿を揉まれ、トントン、と奥をノックされると、言葉にならない叫び声を上げて悶え狂った後に、俺は出さずに絶頂した。
「イッたの?すごく体ビクビクしてるよ」
「~~──ッ、ぁ……っ、」
「もっとイカないと、痒み取れないよ?──刺激が強すぎて痒みもないのかな」
何度絶頂しても止まらない刺激に涙すると、卑猥な音を立てて尿道から玩具が抜け、少し刺激されるとドロドロと大量の白濁液が溢れ出した。
「──っ、ぁー……ぁ、…っ、はぁ……ゆ…き、せ、…ぱ…ぃ、っ」
「なーに由麗」
「せ、ぱ、い…に、もっ、いつか…絶対に……ッ、同じ、こと、して…やるっ」
「へぇ。流石由麗だね。相変わらず強気で頼もしいよ。────まぁお前が俺にそんな事出来るわけねーけどな」
最後に聞こえた言葉は、先輩がよく七彩に対して使う素の口調。──その後、枯れるまでイカされた俺は、意識を手放した。
◇ ◆
「ん………」
「おはよ、由麗」
目を開くと、ラフな格好の柚木先輩。寝かせてもらっていたのはまたもや柚木先輩の布団だった。
「…もぉ、いい加減にして下さい。やりすぎです」
「うん。桜花先輩に報告したら流石に怒られたよ。あの後、何回もイッた後に擽り倒したら気を失いながらビクビクしてたよ」
「正気ですか」
「渚にも止められた。あんな渚初めて見たよ」
「──もう、普段冷静なのに変なところで暴走すんのやめてくれませんか」
「由麗が煽るからでしょ。じゃあ寝ようか。どうせここで寝るんでしょ」
「ん、俺この布団で寝ますけど柚木先輩は寝相悪いんで床で寝て下さい」
バサっと頭まで布団を被ると、柚木先輩は「俺の布団なんだけど」と文句を言いながらも本当に床に寝転んだ。
ちらっと布団から顔を出して眺めていると、既に眠りこける先輩。今何時か分からないけど、外は真っ暗なので俺が起きるまでは待っててくれたんだろう。
「……今日、先輩が俺に対して七彩みたいに喋ってくれて、ちょっとだけ嬉しかった。これからも、素の先輩見せて下さいね」
小さくそう呟いて、俺は眠りにつこうとした。
が。──もちろん何処で眠っていてもころころと転がってくる柚木先輩に睡眠を妨害され、俺は重たい体を引き摺りながら自室へ戻ることとなった。
end.
攻→柚木+渚
受→由麗/視点
◇ ◆
訓練用に使用していた拘束台が古くなってきたということで、新しい物が組織へやってきた。その確認のために柚木先輩や七彩を始め、中間に位置する役職の人達が全員訓練部屋へ集められた。
新しく届いたものは今までと少し違う形のものだった。隣に居る柚木先輩がその拘束台を見ながら不思議そうにしていると、俺たちを呼び出した桜花上司が小さく手を叩いて注目を集めた。
「忙しい時に集まってくれてありがとうございます。見てもらった通り、それが新しい拘束台になります。実際に仰向けに寝てもらえば分かりますが、寝転んだら腰が反る状態になります。──手足を拘束するの鎖が下の方にあるので、そうですね。体勢的には海老反りというかブリッジというか、まぁそんな格好になります。では由麗くん。実際に服を脱いで寝てみてくれますか」
「え?あ…はい」
七彩辺りに指示されると反抗していたが、相手は桜花上司。──風見上司だったらとっつきやすいので軽く「やです」と言えそうだが、この人には言えそうにないので大人しく従った。何処まで脱ぐのか指示されなかったのでとりあえず下着は履いた状態。
「どうぞ」
下着は履いてても何も言われなかったので、低めの台に背中を合わせてごろんと寝転ぶと、腰部分が少し高くなっているのでお腹が一番高い位置になった。
「手を拘束する鎖がこの位置にあるので、万歳してくれますか?」
「…はい」
元々体は柔らかい方なので全く体勢的には苦ではない。腕は万歳の状態のまま引っ張られて下に位置する鎖に固定された。肘は曲げれるが脇は剥き出し。このまま前みたいに擽られたら絶対にやばそう。
「そして足はこの様に拘束します」
ガチャンと足首を固定すると、立派なブリッジのようなポーズが完成した。足は開いた状態で少しガニ股気味で、下着を履いていなければ恥ずかしい所が丸見えだ。──まぁ履いててもみんなが見てるから相当恥ずかしいけど。
「これで殆ど動けない状態になるので、実際の拷問にも、訓練にも最適です。例えばこうやって擽ってみたり──」
「っ!?」
クルクルと脇を擽られるとググッと体に力が入った。
(これ、体が硬い人とかキツそうだな…)
「こうやって──色んな所を触ったりしても一切抵抗出来ない上に体にも負担がかかるので今までのような大の字拘束よりも拷問の効果はあるでしょう」
桜花上司の人差し指が脇から胸元を通り、触りやすくなった腹部をひと撫でした後、下着の上からクルクルと股間の形に合わせて遊び出すとビクンと腰が跳ねた。
「あ、あのっ…ちょ…っ」
「何ですか?」
桜花上司は、柚木先輩の様なわざと意地悪している笑みも浮かべない。ただ本当に「何?」みたい表情で見下ろしてくるので、何も言えなくなってしまった。
「あ…いえ、何も……」
「では拘束台の説明は以上です。──柚木くんだけ残って、あとは解散にします。お疲れ様でした」
「お疲れ様でしたー」
七彩を先頭にペコリと頭を下げると、すぐにみんなが部屋を出て行った。風見上司ならみんなもっとノロノロしていそうなので、やっぱりみんなもこの人を少しビビっているのかなと思った。
残った柚木先輩も真面目な顔して桜花上司の指示を待っていた。
「──さて、まだ時期は確定していないけど今度由麗くんと渚くんには潜入捜査に行ってもらう事になりました。渚くんは何回も捕まってるし免除したんだけど、由麗くんは潜入捜査が初めてなので少しだけこの状態で責めてあげてくれるかな」
その言葉を聞いて、今までの訓練は一旦何だったの?と思わせたが、柚木先輩は頭を下げて「かしこまりました」と伝えている。
(…ま、まじでか。こんな事になるならもう少し拘束の時に抵抗すれば良かった…っ)
そんな事してもきっと圧に耐えきれずに拘束されてはいたんだろうけども。
「では──渚くん、中へ入ってきて下さい」
「…はい」
ひょこっと外から顔を出した渚が訓練部屋へ入ってくると、柚木先輩の隣に立って桜花上司に軽く頭を下げた。
「今回渚くんは柚木くんと一緒に由麗くんを責めて下さい。──そして、また捕まれば自分もこうなると自覚して下さい」
「はい…」
「由麗くん。あまり長い時間ではありませんので、しっかりと気を引き締めて任務に臨める様に体に叩き込んで下さいね。君が渚くんを引っ張って任務してもらわないといけないので。──では柚木くん宜しくね」
「はい」
笑顔の圧を出しながら桜花上司が出口へ向かうと、重たい扉が閉まる音と共に、部屋は薄暗い雰囲気になった。
「……あの、柚木先輩。俺…責められる意味、ありますか」
「え?桜花先輩の指示なんだから意味があるに決まってるよね。──渚を連れての任務は大変だろうし、しっかりと気を引き締めてね」
(あ、目がまじだ。)
今の柚木先輩には何を言っても効果はないと悟り、俺は今の状況を受け入れた。
◇ ◆
「──っ、……ぐ、ぅッ………ふふっ、んん、」
二人の指が動く度に激しく体が反応した。始まる直前に足首を解放されて下着を脱がされた。
すぐに拘束は戻され、剥き出しになった股間には柚木先輩の指。そして脇には渚の指があった。
必死に声を殺して耐えているが、優しく撫でられるとどうしても擽ったくて時折笑い声が混ざる。
柚木先輩が相手じゃなかったら、もう少し感度は下がっているはずなのに。それも分かった上なのか、桜花上司が少し怖くなった。
「由麗、渚に擽られてちょっと反応してるね」
「ちが…っ、柚木、先輩がっ…そこを、触るからぁ…っ」
少し勃ち上がっている股間を撫で回されると、いやでも反応してしまう。
「それにしてもこの体勢、辛そうだね。視覚的にも少し無様だし、訓練とかにもってこいだね」
「ひ──ッ、ぐ、ぅッ」
こちょこちょと先端を擽られると変な声が漏れた。先輩の指が少し湿っていたので、先走りが溢れ出しているのが分かり、羞恥が生まれた。
「や…っ、ぁ!先輩…ッ、」
訓練モードではなく、普通に俺の名前を呼んで話しかけてくるのも中途半端な気持ちのまま臨む事になって恥ずかしい。
「渚、もっと激しく指動かして」
「はぁい」
上司が出て行ったからか、渚は緊張モードから通常モードになって気の抜けた返事をしている。顔を見るとニヤけていたので、それも悔しい。
「何?睨まないでよ由麗くん。桜花上司の命令なんだから仕方ないでしょ?──それに、前俺の事いっぱいいじめたんだから少しは返させてもらうよ」
「ひゃああ! あはははは! やめ…っ、んん!」
グッと腕に力が入り、必死に下げようとしても鎖の音が響くだけで脇は全開のまま。そこへ指を添えられて少し強めに擽られると笑いが堪える事は出来なかった。
指が動く度にビクビクと体が跳ねると、最初に拘束された時よりも太腿が開いて爪先がピンと伸びた。
(くっそ、何だよこのポーズ…めっちゃ恥ずかしい…)
体にいいと言われていたので、よくストレッチやヨガ等に手を出していた俺は、ブリッジも簡単にこなしていた。
しかしこんな反った状態で固定されるのは初めてだし、体が張ってしまっているので刺激も強く受け入れてしまう。現に渚の指が脇の下や二の腕にくると擽ったくて堪らない。
「あっ、あっ……やだ!これ…っ恥ずかしい、やめろよッ」
「この体勢だとちんちんよく見えるし普通に恥ずかしいよね」
「──っ、」
股間を見ながら渚にそんな事言われるとカァッと顔が熱くなった。
「み、見るなよお前はぁ…っ、やっ、ぁ、あ」
「由麗くん、顔赤いよ」
「そりゃ赤くもなるっての…っ」
二人の指使いにガクガクと太腿が震えると、柚木先輩がとある物を持ち出した。
「由麗。これ覚えてる?──前、泣きながら痒い痒いって悶えてたやつ」
「!」
「今度潜入する場所って、この薬を開発した組織なんだよ。もしバレたらきっと使われちゃうだろうね」
「や……やだ!!それはやだ!! 本当にキツかったんですそれ!!やめて下さい!!」
「うん。俺も手につけたから痒さは体感してるよ」
「ちょ…っ、嘘ですよね…っもう俺に、こんなことしないって、言っ、ぁぁぁ!」
トロリと太腿に落とされた薬。もちろんすぐに効果があるわけではないので今は何ともないが、体が前の刺激を思い出したのか一気に鳥肌が立った。
「やだ!!やめて!やだぁぁ!」
ガタガタと体を動かすと、柚木先輩はクスクスと笑いながら俺の動きを眺めていた。
「その体勢で暴れたらすっごい恥ずかしい事になってるよ?──ここ、いっぱい震えてるし」
腰を捩る度に、半勃ちしている股間が揺れてるのは分かっていた。自分で震わせて恥ずかしい事この上ないが、今は恥ずかしいよりもあの時の恐怖が勝る。
「渚、手袋付けて由麗の体に塗ってあげて。自分が擽られて辛かった所とか、気になる所とかに。薬に詳しい人達が少しアレンジを加えてさぁ。──擽ったい場所に塗ると、痒さよりもくすぐったさを増幅させるような効果になったみたいだよ」
「何それ、すごいけどやめて…っ、やめて、お願いやめて!」
前と同じくローションみたいなヌルヌルした液体が、手袋を付けた渚の手によって身体中に伸ばされていく。
脇の下や首筋、胸元や脇腹、腹部にまでたっぷりと塗られると、一番最初に付けられた太腿部分に強い擽ったさが襲った。
「──っ"、」
ドクンと身体中が異変を察知すると、額から汗が垂れる。
「太腿に塗ったのが効いてきたかな?ここは痒みより擽ったい刺激になるのかな」
柚木先輩も手袋をつけると、薬を塗った太腿に指を滑らせた。
「ぁ、ぁぁぁ……っ、あ、やぁぁ……」
薬をたっぷりと塗った上半身からもむずむずとするような、小さな何かが思いっきり肌を撫でている様な不思議な感覚がした。
「──っあ、なに……っひ、はぁっ、あ…っ、うそ…やっ、拭いて…ひぅッ……ぁは、ぁぁ…」
上半身と太腿の強烈な擽ったさ。ガタガタと暴れると、こちょこちょと渚が脇の下を擽ってきた。
「ひゃははぁ! あ──ッ!! あ"っ」
「由麗くんすっごい力入ってる」
優しく撫でられるだけで、さっきの何十倍にも感じる刺激。ポロポロと大量の涙が溢れた。
「ぐぅぅっ、…は、ぁ、ぁぁぁっ、あっ…」
「由麗くんって顔可愛いし、敵味方関係なくこんなことされちゃうんじゃない?気を付けないとね」
「あはぁっ、あ…ははは! ひっ、ぁはははは、やめっ…ひはぁぁッ」
渚の攻撃に悶えていると、下からは柚木先輩の声が聞こえてた。
「今の体勢だと、こういう所も擽りやすいからいいよ」
柚木先輩は足の付け根や太腿を擽り出し、渚も上半身を擽ったまま。
「ひゃははははぁ! あはははははっ、ぁぁあ"っ、擽ったぃっ、やだぁぁぁ!」
全身の力を使って暴れても、股間が激しく揺れる程度で擽ったさは強まる一方だった。
ほんの少し風が体に当たっただけで強い擽ったさになるので、暴れれば暴れるほどに辛い。けど暴れないでじっと出来る刺激なわけもなく、ひたすら泣きながら暴れ悶えた。
「由麗くん、ここをこうやって擽ったらすっごい悶えてくれるね」
人差し指の腹で脇の窪みを丁寧に擽られると、指摘通りに激しく体が跳ねた。
「ひははははぁぁ!! あ"はははははっ、ひぁぁっ、やめっなぎさぁぁ、やめれっ…擽ったぃぃぃぃ!!」
「いっぱい爪で引っ掻いてあげるね」
「引っ掻かなくていぃぃぃっやば、いっ、ははははっ、あ"っひぁははははは、ひはぁっ、~~ッ、んやぁぁぁぁあ!!」
人差し指一本だけで、こんなにも追い詰められるなんて。する側も優しく指を動かすだけでいいし、準備も必要ないのでくすぐりとは簡単に取り入れられる拷問だと思う。
「次は脇腹にしようか。こっちはどうやって擽るのが弱いの?」
楽しそうに指を動かす渚は、脇腹の弱点を探している。
「──っひ、ぁはははははは!もぉぉっ!もぉやめれっ!!擽ったっ、いっ、あっ、あ"はははははっ!やはははははぁ!ぁあっ」
「脇腹は全部の指でこちょこちょ動かすと弱そうだね。薬を沢山塗った効果もあるのかな?」
「ゃめ"っ、ろ、なぎっ、あっ、はははははぁぁ! だめぇっ、それやばっ、あはははぁ! ぁひゃははははっ、くるしっ…!──ひははっ」
薬の影響か、体をピンと張ってるからか、全く抵抗出来ないからか──。全部の要素が混ざって、一つ一つの動きが追い詰めてくる。
擽ったくて息がおかしくなって、お腹が苦しくて、ブンブンと首を振って泣き喚いていると、しゃがみ込んだ柚木先輩が足の甲を撫で始めた。
「あっ、ぁぁぁ、ぁぁ……っ」
触れるか触れない程度に指を添えると、ゆっくりと足の甲を擽られ、ピンと伸びる足首。プルプルと震えていると足の指を通って足の裏で伸びてきた。
「ひぁぁぁぁ!!」
「足も効いたっけ?由麗はどうやって触るのが苦手かな~上半身の弱点は渚に探してもらうから、俺は足を探すね」
足首が固定されているので大して動けないが、少しでも触れさせないように動かした。もちろん効果はなく、足の裏に到達した指が離れてくれることはなかった。
「こうやって優しく撫でるか、──少し爪を立てるように掻いてあげるの、どれが弱い?」
「ぃぁあ"っ、ひひっ、はははぁぁ! あ──っ!!やだぁ!やっ、ぁははははは!」
「どっちが苦手か教えて?そしたら逆の方してあげるから」
爪で強めに引っ掻かれると、強い擽ったさが襲う。絶対に柚木先輩は言葉通りにせず弱点を責めてくるはずだ。なので──。
「やさっ、し…くッ、撫でられっ、ひはっ、あはっ、むりっ、らめぇっ、れすっ、ぁ"、はははははぁぁぁ」
「そっかそっかぁ。──嘘つきには爪でいっぱい引っ掻いてあげるね?」
「ぎゃぁっ、ああああああ!!ぁははっ、足ぃっ、やめ"っで、くだっ、ぁぁはははははは! ひぁっ、あははっ、はははははは!!」
「ふぅん。指の付け根が一番ビクビクするね。指の間とかはどう?」
「やだぁああああああっ、がまんっ、ぁっ、ははははは!!やめっ、できなッ、あはぁっ!~~ッ、ひゃははははは!」
激しく笑い転げながら暫く二人の攻撃を受け続けていると、笑い声を上げる事すら困難になり、ピクピクと小さく体が揺れるだけになった頃、漸く指の動きが止まった。
「わぁ、顔真っ赤で痙攣して事後みたいだね」
「…っ、は、ぁ、…ぁ、っ、んん」
指が止まっても薬はまだ効いているので、優しく擽られている感覚だけはずっと残っている。小さな吐息を漏らしながら擽ったい感覚に耐えていると、柚木先輩の指が完全に勃ち上がってしまった裏筋をなぞり出した。
「ゃぁ……ん」
自分でも驚く程に甘い声が出ると、二人はクスクスと笑った。ピクピクと痙攣し続ける体で、まだ羞恥を感じる余裕はある。
二人の笑い声に涙が滲むと、「照れてて可愛い」と優しく先端を撫でられた。
「ゃだぁ……そこ、触っちゃ…やぁ……っ」
「恥ずかしいくらいにトロトロしてるよ?ここにはまだ薬つけてないんだけど」
クルクルとピンク色に主張した亀頭を擽られるとピクンと体が跳ねた。
「やだ…っ、終わってぇ……せんぱ、い…やらぁ…」
「流石にくすぐり責めで辛そうだったから休憩入れただけだよ?喋れるくらいに回復したみたいだし、薬も沢山あるから第二ラウンドだよ?」
「──え?」
効果は持続されていたが、少し乾いてしまっていたので追加された薬。再び全身に塗られると、それだけで口が開いて間抜けな声が出た。
「ひぁぁぁ…もぉっ、ゃ、だぁぁぁ…!」
「さっき弱い擽り方もある程度把握したし、たっぷり堪能してね」
「ぁっ、あ、あははははぁっ!!」
少しだけだと思っていた休憩だが、激しい笑い声が出る前には回復してしまったようで。
再度くすぐり攻撃が送られると、ボロボロ泣きながら悶えることとなった。
渚はさっき発見したように脇の窪みを爪で優しく引っ掻き、柚木先輩は足の指の付け根を引っ掻いた。
「ああぁはははははは!! やめっ!! やめっ、ひゃぁあああ、あははははははは!」
「由麗くん由麗くん、お腹ビクビクしてるよ」
腹以外もビクビクしてるわとツッコミたいが、もちろん出来ないので悔しくて睨みつけるくらいの抵抗がやっと。
「そんな可愛い顔で見つめてくるなんて、もしかしてもっとっておねだりしてるの?欲張りだなぁ」
「お前、ぇぇ、…っざけ、んなやめっ、あっ!? ぁははははは! ひはっ、あ────!!」
片方の手で脇腹を、もう片方は脇の下を擽られ、柚木先輩も足にいるので三箇所からの刺激に頭がパニックになり、予想がつかない体がひたすら不快感として擽ったさを生み出し続けた。
弱い触り方を徹底してるので動くパターンは変わらないはずなのに、何で擽ったいのが続くんだ。
自分の体に不満を抱きながら泣き喚くと、声が続いている内はひたすらこちょこちょと擽られた。
「由麗くんのお臍可愛い」
「──っ!?」
脇腹に居た指が腹部へやってくると、指を立てながらサワサワと臍周りを撫で始めた。
「んんんんん~~~ッッ!!」
体が張って一番触りやすい箇所。そこに自分の最大の弱点。擽ったすぎてやめてと声に出せなかったので目で訴えると、薬を塗った指が穴へ侵入した。
「はぁぁ…っぁ、んん…ッ、──ぁぁ、」
「あれ?気持ち良さそうだね」
「由麗はお臍が一番の弱点だよ」
「──へぇ」
「やぁぁ…やらぁ、やっ…もぉ、やめてぇ……」
擽られてすぎておかしくなった体は、腹部への刺激は強い"快感"だけを生み出した。
トロトロになった顔で訴えると、渚はニヤニヤとただ笑い、指を感じるように優しく優しく動かした。
「はぁっ、やだぁ…渚ぁ!…やだ、っ、ねぇ…それ…ぁ、やぁっ、変…ッ」
「指入れたくらいで何でそんな蕩けてんの?」
「だ、てぇ……だめ…やだ…もぉ終わってよぉ…っ」
「由麗。まだだめだよ。触りたい場所たくさん残ってるんだから。でもお臍はまた今度かな、気持ち良くさせる目的じゃないし。渚、次は乳首触ってあげて」
「はぁい」
頭が痺れるような刺激が終わったかと思えば、また同じような刺激がやってきた。薬を追加した指が乳首へやってくると、ヌルヌルと擦り出した。
「──っ、ンン、」
「乳首もピンクで綺麗。由麗くんの事、汚したくなるねぇ」
「ガキが…っ、ふざけたこと、言うなよ…っ」
「照れてて可愛い。ピンクの乳首恥ずかしい?」
「やぁぁ…っ、いじるな…っ、指、やめっ、────あ?」
ジクジクと乳首が疼き出したかと思えば、次に襲ったのは懐かしい刺激。
「あ……っ、──ぐ、ッぁ、」
ピリピリと痒み出すと、次第に大きくなっていく強い痒み。その様子を見て柚木先輩は呟いた。
「乳首は痒くなるんだ。他は擽ったくなるのに、不思議だね。次はずっと触ってって訴えてきてるこの子に沢山塗ってあげるからね」
「やめ…ぁぁ!」
トロトロと大量に股間に垂らされた薬。先端を始め、裏筋や二つの玉にまで入念に塗り込まれると、気持ち良さにガクンと腰が跳ねた。痒みが出てくるまではただのローションみたいな役割なので、気持ち良すぎて目の前がチカチカする。
「はぁぁっ、ぁ、出る──ッ、やぁ、あっ」
「出せるわけないよね」
「──っ、はぁ……」
止まった刺激に、ガクガクと足を震わせながら呼吸を整えた。
「う、ぁぁぁぁぁ……痒ぃ…ッ、か、ゆっ、──ッ"、」
数分経って出てきた痒みに、体からは大量の汗。そして目からは涙が零れ落ちた。
「痒いね。──渚はこの筆で由麗の乳首をくすぐってあげて。指よりもこっちの方が痒くて辛いだろうから」
「はぁい」
「やめて…っ、今も、十分痒いの…!もぉやだぁぁ!」
ガタガタと泣きながら暴れると、ふわりと乳首に当たる柔らかい筆の感触。その刺激と共に、耐えられない程の痒みが襲った。
「ぁぁぁぁぁあ、んんっ!」
「由麗くん痒い?くすぐったい?すっごい乳首ぷっくりしたよ」
「痒いぃぃぃ!!触んないでぇぇっっ!!それだめぇぇぇえ!!」
「へぇ。悶え方すごいね。そんなにこれやばいんだ」
筆の毛先でツンツンと乳頭を突かれるとビリビリとしたような電撃が走った。
「ひゃあああああああっっ!!」
「うん、そんな感じで強い刺激は与えずにずっと撫でてあげてて」
「はぁい」
「やだぁぁあ!!これっ、やっ、ぁぁあ"!!耐えれない!耐えれないっ、痒いっ…掻いてぇ…触るなら、ちゃんと触って…っ、ねぇ、渚っお願い、やめっ、ひゃんッ」
「もう片方は指でこちょこちょしてあげるね」
「ひゃぁぁぁぁぁ!!しないで…っ、やだぁ!!」
乳首に与えられる別々の刺激。強い痒みに悶えていると、股間にも強い痒みが襲った。
「──っぐ、ぅぅぅ……」
迫り来る痒みに、ぎゅぅぅぅっと足の指に必死に力を込めて耐えた。
「股間のお薬も効いてきたね。俺も筆で撫でてあげるから、しっかりと悶えなよ」
「ひゃぁぁ…柚木先輩っ、柚木、せんぱぁぃ…痒い…熱いッ、やだ! もぉやだぁぁぁぁぁぁ」
二人からの筆での刺激に耐えきれずに泣きじゃくった。前は射精すれば治ると言われていたが、筆の優しい刺激でイケるはずもなく。俺にとって永遠とも言える時間が続くことになる。
どれだけ暴れても取れない拘束と、台が腰を支えてくれているとは言え、ずっと体を反らせているので疲労も蓄積される。
そんな中、二人は一番苦手な触れ方を探るような筆を動かしてくる。
「由麗くん、乳首の周り優しくなぞると悶えてくれるね。あとは──そうやって焦らした後に尖ったここをいじめてあげると顔がすごくえっちになる」
「~~、る、さぃぃ…あく…しゅみっ、観察…す、なぁぁ…」
「そんな事言ったらこちょこちょも追加するよ?」
「ひゃぁぁぁ…やだッ、やだ!やっ、ぁぁあ……」
「やだやだ言う割に、甘い声出しちゃってさ」
「はぁぁぁ…っ、んん、ぁぁあ、」
痒みと敏感な箇所への刺激で、もう頭は終始蕩けている。柚木先輩の筆が鈴口を弄るように動けば口からはだらしなく声が漏れ、涎が滴る。
痒さより焦ったい快感に蕩けていると、柚木先輩は何やら物騒なものを手に取った。
小さなビーズが連なったそれは、何度も見たことがある尿道用の玩具。それにたっぷりと薬を付けている。
「な……に、する、の…ッ」
「そんなに痒みが辛そうじゃないから、中をいじめてあげようかと思って」
「──ッ、ひ!?ぁぁぁぁ、あ」
たっぷりと薬を塗り込んだ細いビーズがツプリと先端に当てがわれるとゆっくりと進んできた。
「ひ、ぐ、──ッ、いぁぁぁ」
体勢的によく見えるからか、渚は青ざめながらその様子を眺めていた。今こそ気を紛らすために胸を刺激してほしいんだが、渚の手は止まったまま。
ゆっくりと奥まで入ると、俺の様子を確認しながらグリグリと持ち手の部分を動かしてきた。
「や"………っ、め、ろ…っ、てめぇ………ッ」
大好きな柚木先輩でも、ここまでされると腹が立つ。歯を食い縛りながら睨みつけると、俺を見下ろす冷たい瞳。
「俺にそんな口聞いてんじゃねーよ」
似つかわしくない口調と共に柚木先輩は奥を刺激するように玩具を上下させた。
「い、あああああああッッ」
「あんまりそういう口の聞き方しちゃだめだよ。分かった?」
「わ、か…っ、り、ま、し──ッ、だ、っ、ぁあ"、あっ」
「はい、いい子だね」
「ひあっ、──あ、っ、ぐ、ぅぅ…イクっ、い、っあ、いああ、ぁ"、うッ、ぁぁ、や、だっ、おか、しっ」
グリグリと前立腺を刺激されると、絶頂したい気持ちだけが頭を駆ける。痒い薬が効いてるのか分からない程に、尿道を動く玩具は気が狂いそうな刺激を生み出した。
完全に渚の動作は止まってしまったが、何故か労るように俺の頭を撫でてきた。
それに対して色んな感情が込み上げてボロボロと涙が零れ落ちた。
「い、か…ッ、せ、て──っ、くだ、さっ」
「勝手にイケば?出せないだろうけど、由麗ならイケるんじゃない?」
完全に無抵抗状態で、強制的に強い刺激だけを送られると精神的にも体力的にももう限界。
尿道に玩具が刺さった状態でやんわりと竿を揉まれ、トントン、と奥をノックされると、言葉にならない叫び声を上げて悶え狂った後に、俺は出さずに絶頂した。
「イッたの?すごく体ビクビクしてるよ」
「~~──ッ、ぁ……っ、」
「もっとイカないと、痒み取れないよ?──刺激が強すぎて痒みもないのかな」
何度絶頂しても止まらない刺激に涙すると、卑猥な音を立てて尿道から玩具が抜け、少し刺激されるとドロドロと大量の白濁液が溢れ出した。
「──っ、ぁー……ぁ、…っ、はぁ……ゆ…き、せ、…ぱ…ぃ、っ」
「なーに由麗」
「せ、ぱ、い…に、もっ、いつか…絶対に……ッ、同じ、こと、して…やるっ」
「へぇ。流石由麗だね。相変わらず強気で頼もしいよ。────まぁお前が俺にそんな事出来るわけねーけどな」
最後に聞こえた言葉は、先輩がよく七彩に対して使う素の口調。──その後、枯れるまでイカされた俺は、意識を手放した。
◇ ◆
「ん………」
「おはよ、由麗」
目を開くと、ラフな格好の柚木先輩。寝かせてもらっていたのはまたもや柚木先輩の布団だった。
「…もぉ、いい加減にして下さい。やりすぎです」
「うん。桜花先輩に報告したら流石に怒られたよ。あの後、何回もイッた後に擽り倒したら気を失いながらビクビクしてたよ」
「正気ですか」
「渚にも止められた。あんな渚初めて見たよ」
「──もう、普段冷静なのに変なところで暴走すんのやめてくれませんか」
「由麗が煽るからでしょ。じゃあ寝ようか。どうせここで寝るんでしょ」
「ん、俺この布団で寝ますけど柚木先輩は寝相悪いんで床で寝て下さい」
バサっと頭まで布団を被ると、柚木先輩は「俺の布団なんだけど」と文句を言いながらも本当に床に寝転んだ。
ちらっと布団から顔を出して眺めていると、既に眠りこける先輩。今何時か分からないけど、外は真っ暗なので俺が起きるまでは待っててくれたんだろう。
「……今日、先輩が俺に対して七彩みたいに喋ってくれて、ちょっとだけ嬉しかった。これからも、素の先輩見せて下さいね」
小さくそう呟いて、俺は眠りにつこうとした。
が。──もちろん何処で眠っていてもころころと転がってくる柚木先輩に睡眠を妨害され、俺は重たい体を引き摺りながら自室へ戻ることとなった。
end.
50
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