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訓練 (パラレル)
パラレル七彩がやってきた!①
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※パラレルワールドのスパルタ七彩が登場します。苦手な方はご注意下さい。
拘束/へそ責/手コキ/少し暗い?/柚木視点
攻→パラレル世界の七彩
受→由麗
◇ ◆
「あれー?こっちの世界の柚木は随分可愛らしい雰囲気してんじゃん」
朝食を食べようと食堂へ向かっている途中、七彩にそう声をかけられた。
『こっちの世界の』という言葉に疑問を感じたが、声の主は確かによく知っている七彩だ。──しかし、何処となく雰囲気が違うようにも見える。
首を少し傾けている所為か、俺を見下すように見つめる冷めたような瞳は、昔よく見せていた『スパルタ』だった部分を彷彿とさせる。俺とその人が暫く見つめ合っていると、バタバタと騒がしく廊下を走る音が聞こえてきた。
「うわぁぁ!ちょ、俺!勝手に外に出るなって言ったじゃん!!」
角から現れたのは、なんと──七彩だった。
「あ、弱体化七彩じゃん。こっちの奴らはみんなどんな感じなのかと思ってさー。柚木も気の抜けた顔してるし、Irisやってけてんの?」
「なんつールビだよ!普通に七彩って呼べよ!こっちはこれでちゃんと上手くやってんの!突然現れてかき乱すなよ!」
二人の七彩が言い争いをする中、事態が把握出来ずにポカンとしていると、スパルタ七彩がそんな俺に気付いたのか、ニヤッと口角を上げながら簡単に状況を説明してくれた。
「俺も此処に来たばっかで完全に理解してるわけじゃないけどー。多分別次元の世界からここに飛ばされて来たみたいなんだよねー」
物語などでよく出てくるパラレルワールド──というものなのだろうか。ただの作り話だと思っていたが、実際に二人の七彩を目の当たりにしたら信じるしかないだろう。
しかし、七彩は自分が突然知らない世界に来たというのに特に動じている様子もなく、ただ淡々に状況を説明している。
一方、本物の七彩──ややこしくなるので七彩①と呼ぼう──は、終始あわあわとしており、どうやったらこいつを元の世界に戻せんだよ!?と口走っている。
「ま、何かの拍子にパッと帰れんだろ。つーわけでぇ。それまでよろしくー」
「それまでよろしくーじゃないんだよ!あんまり他の人達を刺激したりすんなよ!見た目は俺なんだから!!後で怒られるだろ!」
「はー?俺を怒る奴とか居んのー?俺の世界じゃ、そんな奴存在しねーんだけどー」
「えぇ…そうなの?俺こっちじゃそんなんじゃないし」
「へぇ。お前がそんな腑抜けた感じだからじゃねーの?別世界とは言え、俺がそんな扱いされてんの気に食わないんだけどー。もしかして柚木にもバカにされてんの?」
「別にバカにされてるわけじゃ──」
「朝っぱらからうっせーんだけど。黙れよ七彩」
七彩①が言葉を言い切る前に現れたのは、バカにしている代表でもある由麗だった。
「…は? 何で七彩が二人も居んの?」
「あっれー、由麗ちーじゃん。今こいつのこと呼び捨てしたー?えー?あの由麗がー?へぇー?」
この世界での由麗との関係性を理解した七彩②がニヤニヤと笑いながら近付くと、雰囲気が違うことに気付いたのか、由麗は後退った。
「…お前、誰」
「誰って七彩だよー?」
「……」
もう下がる場所がなく、由麗がトンッと小さく音を立てて壁にぶつかると、七彩②が壁に手をついて追い詰めるようにクスリと微笑んだ。
「こいつ生意気だし、俺が躾けてやるよ。訓練部屋来いよ、由麗」
「!? はぁ…っ、何言って……」
乱暴に由麗の手首を掴んだ七彩②は、嫌がる由麗を引っ張って訓練部屋がある方向へと向かった。
「うおおぃ!ちょ、待て待て待て!勝手に訓練部屋入っちゃダメだろ!」
「俺が管理してるからいつ入っても問題ねーんだよ」
「それはそっちの世界でだろ!?こっちは桜花先輩が管理してんの!勝手なことすんなよ!!」
七彩①が止めに入るも、強引な②に叶うはずもなく。三人はどんどん訓練部屋へ進んでいった。流石に心配になったので一緒についていくことにしたのだが、ここから七彩②の行動が更に悪化していくことになる。
◇ ◆
結局七彩②は止まることなく突き進み、由麗は天井から吊るされた鎖に繋ぎ止められ、立ち拘束の状態にされた。
反抗する術もなかったのか、最初こそは騒いでいた由麗も今は黙り込み、悔しそうな瞳で七彩②を睨みつけていた。
「お前、俺にそんな顔していいと思ってんの?──俺の世界じゃ大人しくて可愛いのにな?」
「……はぁ。あのさ、お前が何処の七彩だか知んねーけど、その顔で偉そうにされたら腹立つんだけど」
「あはは。こっちの七彩は随分舐められてるみたいじゃん?──ちょっと痛い目見せてやろうか」
「やれるもんならやってみろよ」
二人から流れる雰囲気は、いつも見るようなものではない。由麗の態度はそこまで変わらないので、いかに今まで七彩が柔らかい雰囲気に変えていたのかが分かる。
「もぉぉお!俺たちはそんなダークな関係性じゃないの!」
耐えきれなくなった七彩がそう叫び、由麗と七彩②の前に立ちはだかると、今度は七彩対決になった。
(何だこれ…)
そう思いながら見ていると、どんどんとヒートアップしてきた七彩対決。最終的には②が①を思いっきり蹴ったことにより少し進展を見せた。
「あぁーー!!とっとと帰れよ俺ぇぇぇぇ!!いってぇな!由麗に暴力振るってみろ!俺も本気出すからな!!」
「暴力は振るわないから安心してー?」
「俺に振るってきたくせにな!!」
「ま、本格的に躾するつもりはないよ。ただあんまりに態度がひどいから、ちょっといじめてやろうかと思っただけ」
冷静にそう告げた後、②は由麗へ近付き、服の上から優しく肌を撫で回した。
「…!!」
今までの言葉や態度からは想像出来ないようなソフトタッチな刺激に、由麗は小さく体を揺らしながら口をぎゅっと結んだ。
別世界の七彩も、おそらく訓練経験には長けているはず。別世界の由麗がどんな攻めが苦手か分からないが、今の行動を見ている限りどちらの世界の由麗も大して苦手なものは変わらないんだろう。
服の上から肌を撫で回した後、ベストとシャツのボタンを下からゆっくりと外していく。
シャツの中に着ているインナーを捲って腹部を露出させると、七彩②は膝立ちになって顔の位置を調整すると、ゆっくりと臍にキスをした。
「…ッッ」
その瞬間、ビクッと由麗の体が跳ね、固定している拘束具がガチャンと激しく音を立てた。体を捩ることが出来ないように脇腹に手を添えた七彩は、優しくくすぐりながら音を立てて臍に吸い付いた。
「んん……っ、やめ……!」
向こうの世界の由麗も臍が弱点なのか、七彩②は迷うことなくその場所を一番に攻め立てる。ふと横を見ると、蹴られてこけていた七彩①が俺の隣でその様子を眺めていた。
「はぁ……っ!やめ、七彩…っ、七彩、やぁっ」
ガチャガチャ激しく手を動かしながら暴れる体を押さえつけ、早々から容赦ない激しい臍責めを繰り返す。
鞭などで体を痛め付ける刺激を与えたらすぐにでも止めようかと思ったが、ただ臍を舐めているだけなのでじっと見つめていると、隣に居る七彩も割り込もうとする様子はない。
暫く拘束具が鳴り響く音と、腹部から生み出される唾液の音──そして由麗の可愛らしい切羽詰まった声だけが部屋に響き渡る。
「ひっ、…ぅぅぅ……だめ、だめっ…七彩、やだっ許して…っ」
「へぇー?やれるもんならやってみろよとか言って調子乗ってたくせに何弱音吐いてんの?」
「…っ、」
「ま、俺もいつ突然元の世界に帰るか分かんねーし、とっとと次進めていくわ」
「な…っ、やめろ!変態!!」
カチャカチャとベルトを外して下着ごと一気にずり下ろすと、半分反応している由麗自身が晒された。
「っ!? ひぁぁぁぁあ!」
由麗の発言に気にすることなく、手の平にたっぷりとローションを垂らした七彩②が陰茎を握り、激しい水音を響かせながら手を上下させた。
今にも崩れ落ちそうになりながらも、大きく声を上げながらその刺激に堪えている。
「っ、ぁ、うっ、イクっ、出る、出るっ!!」
由麗の先走りも混ざっているのか、グチュグチュと激しい音は更に加速し、震えた声で嘆きながら大きく体を痙攣させた。
勢い良く放たれた白濁液はポタタッと床に落ち、同様に由麗もがっくりと顔を落とした。
「お前何休憩してんの?終わるわけねーだろ」
「えっ、やぁぁ!!今はっ、まだ──ッだめ、触っ、んな、ぁ!ぁああああ!!」
絶頂しようがお構いなしに動く手に、由麗は絶叫しながら泣き叫んだ。何度か激しく体が揺れていたので再度絶頂したのだろう。
泣き声が響く部屋の中、我慢出来なくなったのか隣にいた七彩は、手を動かし続ける七彩に向かっていった。
「もうそれくらいにしときなよ。由麗、何も悪いことしてないし」
「はぁ?お前への態度、悪くないっていうの?」
「俺は別に何も思ってないよ。仕事の時はきちんと俺の指示に従ってくれてるし、こういう態度なのはプライベートな時だけだもん。確かに由麗は昔から生意気なところはあるけど、恐怖で支配してscarみたいに違う方向に暴走されても嫌だし。この子の発散場所になってあげれたらそれで満足なの。だからもういじめるのはやめて」
優しい口調の中に含まれたしっかりとした強い意志のある言葉に、七彩は小さく溜息を吐くと手を離して繋ぎ止めていた鎖を解放した。
膝から崩れ落ちそうになる由麗をキャッチしたのは俺のよく知る優しい七彩。
由麗もグズグズ泣きながら七彩にしがみつくと、ぽんぽんと優しく頭を撫でているのが見えた。
「お前さ、向こうの世界で力だけで支配しようとしてない?」
「部下なんて従えばそれでいいからな。舐められたら終わりだし」
「根本的なところを舐められさえしなければ、大丈夫だよ。まぁ、そっちの世界のことを変える権利はないけどさ。俺の姿をしてるからお前には不幸になってほしくないし、向こうのIrisも俺達と同じでずっと信頼感のある組織であってほしい」
「……あー、うざ。はいはい。んじゃ俺、帰るわ。お前らと居ると頭おかしくなりそうだし」
最後の言葉が響いたのか、それは本人にしか分からない。しかし、一番最初に会った時より少しだけ瞳の色が変化しているように思えた。
じゃあなと言って部屋を出て行った七彩を三人で静かに見送ると、由麗がモゾモゾと動き出した。
「由麗ー。大丈夫ー?あの俺、怖かったねぇ。けど大丈夫だよ」
「……俺」
「うん?」
「七彩は七彩が一番いい。お前じゃないと無理。だから、何処も行かないで」
消え入りそうな涙声に、七彩は嬉しそうに笑った。
end.
↓あとがき
Xで「二人の七彩が柚木を攻めるパラレルを書きたい!」と呟いてすぐに書き始めたのですが、全くの別物になりました。本当はただのギャグにするつもりだったのに…。
因みに初期設定のスパルタ七彩は、私の中ではこんな感じでした。書けて良かったです。明日はW七彩×柚木です。
拘束/へそ責/手コキ/少し暗い?/柚木視点
攻→パラレル世界の七彩
受→由麗
◇ ◆
「あれー?こっちの世界の柚木は随分可愛らしい雰囲気してんじゃん」
朝食を食べようと食堂へ向かっている途中、七彩にそう声をかけられた。
『こっちの世界の』という言葉に疑問を感じたが、声の主は確かによく知っている七彩だ。──しかし、何処となく雰囲気が違うようにも見える。
首を少し傾けている所為か、俺を見下すように見つめる冷めたような瞳は、昔よく見せていた『スパルタ』だった部分を彷彿とさせる。俺とその人が暫く見つめ合っていると、バタバタと騒がしく廊下を走る音が聞こえてきた。
「うわぁぁ!ちょ、俺!勝手に外に出るなって言ったじゃん!!」
角から現れたのは、なんと──七彩だった。
「あ、弱体化七彩じゃん。こっちの奴らはみんなどんな感じなのかと思ってさー。柚木も気の抜けた顔してるし、Irisやってけてんの?」
「なんつールビだよ!普通に七彩って呼べよ!こっちはこれでちゃんと上手くやってんの!突然現れてかき乱すなよ!」
二人の七彩が言い争いをする中、事態が把握出来ずにポカンとしていると、スパルタ七彩がそんな俺に気付いたのか、ニヤッと口角を上げながら簡単に状況を説明してくれた。
「俺も此処に来たばっかで完全に理解してるわけじゃないけどー。多分別次元の世界からここに飛ばされて来たみたいなんだよねー」
物語などでよく出てくるパラレルワールド──というものなのだろうか。ただの作り話だと思っていたが、実際に二人の七彩を目の当たりにしたら信じるしかないだろう。
しかし、七彩は自分が突然知らない世界に来たというのに特に動じている様子もなく、ただ淡々に状況を説明している。
一方、本物の七彩──ややこしくなるので七彩①と呼ぼう──は、終始あわあわとしており、どうやったらこいつを元の世界に戻せんだよ!?と口走っている。
「ま、何かの拍子にパッと帰れんだろ。つーわけでぇ。それまでよろしくー」
「それまでよろしくーじゃないんだよ!あんまり他の人達を刺激したりすんなよ!見た目は俺なんだから!!後で怒られるだろ!」
「はー?俺を怒る奴とか居んのー?俺の世界じゃ、そんな奴存在しねーんだけどー」
「えぇ…そうなの?俺こっちじゃそんなんじゃないし」
「へぇ。お前がそんな腑抜けた感じだからじゃねーの?別世界とは言え、俺がそんな扱いされてんの気に食わないんだけどー。もしかして柚木にもバカにされてんの?」
「別にバカにされてるわけじゃ──」
「朝っぱらからうっせーんだけど。黙れよ七彩」
七彩①が言葉を言い切る前に現れたのは、バカにしている代表でもある由麗だった。
「…は? 何で七彩が二人も居んの?」
「あっれー、由麗ちーじゃん。今こいつのこと呼び捨てしたー?えー?あの由麗がー?へぇー?」
この世界での由麗との関係性を理解した七彩②がニヤニヤと笑いながら近付くと、雰囲気が違うことに気付いたのか、由麗は後退った。
「…お前、誰」
「誰って七彩だよー?」
「……」
もう下がる場所がなく、由麗がトンッと小さく音を立てて壁にぶつかると、七彩②が壁に手をついて追い詰めるようにクスリと微笑んだ。
「こいつ生意気だし、俺が躾けてやるよ。訓練部屋来いよ、由麗」
「!? はぁ…っ、何言って……」
乱暴に由麗の手首を掴んだ七彩②は、嫌がる由麗を引っ張って訓練部屋がある方向へと向かった。
「うおおぃ!ちょ、待て待て待て!勝手に訓練部屋入っちゃダメだろ!」
「俺が管理してるからいつ入っても問題ねーんだよ」
「それはそっちの世界でだろ!?こっちは桜花先輩が管理してんの!勝手なことすんなよ!!」
七彩①が止めに入るも、強引な②に叶うはずもなく。三人はどんどん訓練部屋へ進んでいった。流石に心配になったので一緒についていくことにしたのだが、ここから七彩②の行動が更に悪化していくことになる。
◇ ◆
結局七彩②は止まることなく突き進み、由麗は天井から吊るされた鎖に繋ぎ止められ、立ち拘束の状態にされた。
反抗する術もなかったのか、最初こそは騒いでいた由麗も今は黙り込み、悔しそうな瞳で七彩②を睨みつけていた。
「お前、俺にそんな顔していいと思ってんの?──俺の世界じゃ大人しくて可愛いのにな?」
「……はぁ。あのさ、お前が何処の七彩だか知んねーけど、その顔で偉そうにされたら腹立つんだけど」
「あはは。こっちの七彩は随分舐められてるみたいじゃん?──ちょっと痛い目見せてやろうか」
「やれるもんならやってみろよ」
二人から流れる雰囲気は、いつも見るようなものではない。由麗の態度はそこまで変わらないので、いかに今まで七彩が柔らかい雰囲気に変えていたのかが分かる。
「もぉぉお!俺たちはそんなダークな関係性じゃないの!」
耐えきれなくなった七彩がそう叫び、由麗と七彩②の前に立ちはだかると、今度は七彩対決になった。
(何だこれ…)
そう思いながら見ていると、どんどんとヒートアップしてきた七彩対決。最終的には②が①を思いっきり蹴ったことにより少し進展を見せた。
「あぁーー!!とっとと帰れよ俺ぇぇぇぇ!!いってぇな!由麗に暴力振るってみろ!俺も本気出すからな!!」
「暴力は振るわないから安心してー?」
「俺に振るってきたくせにな!!」
「ま、本格的に躾するつもりはないよ。ただあんまりに態度がひどいから、ちょっといじめてやろうかと思っただけ」
冷静にそう告げた後、②は由麗へ近付き、服の上から優しく肌を撫で回した。
「…!!」
今までの言葉や態度からは想像出来ないようなソフトタッチな刺激に、由麗は小さく体を揺らしながら口をぎゅっと結んだ。
別世界の七彩も、おそらく訓練経験には長けているはず。別世界の由麗がどんな攻めが苦手か分からないが、今の行動を見ている限りどちらの世界の由麗も大して苦手なものは変わらないんだろう。
服の上から肌を撫で回した後、ベストとシャツのボタンを下からゆっくりと外していく。
シャツの中に着ているインナーを捲って腹部を露出させると、七彩②は膝立ちになって顔の位置を調整すると、ゆっくりと臍にキスをした。
「…ッッ」
その瞬間、ビクッと由麗の体が跳ね、固定している拘束具がガチャンと激しく音を立てた。体を捩ることが出来ないように脇腹に手を添えた七彩は、優しくくすぐりながら音を立てて臍に吸い付いた。
「んん……っ、やめ……!」
向こうの世界の由麗も臍が弱点なのか、七彩②は迷うことなくその場所を一番に攻め立てる。ふと横を見ると、蹴られてこけていた七彩①が俺の隣でその様子を眺めていた。
「はぁ……っ!やめ、七彩…っ、七彩、やぁっ」
ガチャガチャ激しく手を動かしながら暴れる体を押さえつけ、早々から容赦ない激しい臍責めを繰り返す。
鞭などで体を痛め付ける刺激を与えたらすぐにでも止めようかと思ったが、ただ臍を舐めているだけなのでじっと見つめていると、隣に居る七彩も割り込もうとする様子はない。
暫く拘束具が鳴り響く音と、腹部から生み出される唾液の音──そして由麗の可愛らしい切羽詰まった声だけが部屋に響き渡る。
「ひっ、…ぅぅぅ……だめ、だめっ…七彩、やだっ許して…っ」
「へぇー?やれるもんならやってみろよとか言って調子乗ってたくせに何弱音吐いてんの?」
「…っ、」
「ま、俺もいつ突然元の世界に帰るか分かんねーし、とっとと次進めていくわ」
「な…っ、やめろ!変態!!」
カチャカチャとベルトを外して下着ごと一気にずり下ろすと、半分反応している由麗自身が晒された。
「っ!? ひぁぁぁぁあ!」
由麗の発言に気にすることなく、手の平にたっぷりとローションを垂らした七彩②が陰茎を握り、激しい水音を響かせながら手を上下させた。
今にも崩れ落ちそうになりながらも、大きく声を上げながらその刺激に堪えている。
「っ、ぁ、うっ、イクっ、出る、出るっ!!」
由麗の先走りも混ざっているのか、グチュグチュと激しい音は更に加速し、震えた声で嘆きながら大きく体を痙攣させた。
勢い良く放たれた白濁液はポタタッと床に落ち、同様に由麗もがっくりと顔を落とした。
「お前何休憩してんの?終わるわけねーだろ」
「えっ、やぁぁ!!今はっ、まだ──ッだめ、触っ、んな、ぁ!ぁああああ!!」
絶頂しようがお構いなしに動く手に、由麗は絶叫しながら泣き叫んだ。何度か激しく体が揺れていたので再度絶頂したのだろう。
泣き声が響く部屋の中、我慢出来なくなったのか隣にいた七彩は、手を動かし続ける七彩に向かっていった。
「もうそれくらいにしときなよ。由麗、何も悪いことしてないし」
「はぁ?お前への態度、悪くないっていうの?」
「俺は別に何も思ってないよ。仕事の時はきちんと俺の指示に従ってくれてるし、こういう態度なのはプライベートな時だけだもん。確かに由麗は昔から生意気なところはあるけど、恐怖で支配してscarみたいに違う方向に暴走されても嫌だし。この子の発散場所になってあげれたらそれで満足なの。だからもういじめるのはやめて」
優しい口調の中に含まれたしっかりとした強い意志のある言葉に、七彩は小さく溜息を吐くと手を離して繋ぎ止めていた鎖を解放した。
膝から崩れ落ちそうになる由麗をキャッチしたのは俺のよく知る優しい七彩。
由麗もグズグズ泣きながら七彩にしがみつくと、ぽんぽんと優しく頭を撫でているのが見えた。
「お前さ、向こうの世界で力だけで支配しようとしてない?」
「部下なんて従えばそれでいいからな。舐められたら終わりだし」
「根本的なところを舐められさえしなければ、大丈夫だよ。まぁ、そっちの世界のことを変える権利はないけどさ。俺の姿をしてるからお前には不幸になってほしくないし、向こうのIrisも俺達と同じでずっと信頼感のある組織であってほしい」
「……あー、うざ。はいはい。んじゃ俺、帰るわ。お前らと居ると頭おかしくなりそうだし」
最後の言葉が響いたのか、それは本人にしか分からない。しかし、一番最初に会った時より少しだけ瞳の色が変化しているように思えた。
じゃあなと言って部屋を出て行った七彩を三人で静かに見送ると、由麗がモゾモゾと動き出した。
「由麗ー。大丈夫ー?あの俺、怖かったねぇ。けど大丈夫だよ」
「……俺」
「うん?」
「七彩は七彩が一番いい。お前じゃないと無理。だから、何処も行かないで」
消え入りそうな涙声に、七彩は嬉しそうに笑った。
end.
↓あとがき
Xで「二人の七彩が柚木を攻めるパラレルを書きたい!」と呟いてすぐに書き始めたのですが、全くの別物になりました。本当はただのギャグにするつもりだったのに…。
因みに初期設定のスパルタ七彩は、私の中ではこんな感じでした。書けて良かったです。明日はW七彩×柚木です。
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