その瞳は分かち合う

隻眼の女は知っている。

見えるものだけではない世界のことも。
死んだ人間の恨みも妬みも、願いも。
それを聞き、それを生者に伝える。

「あなたの願いは何?」

凜とした声は静かに響き渡る。
魘され、襲われ、殺されかけようが彼女は聞き続ける。

「半分死んだようなものよ、何も怖いものはない」

つまらなそうに答える彼女は今日は何を見るか。
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