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15:小さな賭け
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ーーー
ー
「イツキ!」
カフェのテラス席から手を振ると、イツキは変わらない優しい笑みを浮かべてこちらへと歩いてきた。
片手に持ったアイスコーヒーをテーブルに置くと、そのままふわりとハグをしてくれる
「湊人さん、会いたかった」
「連絡遅くなってごめん」
「ほんとですよ!もう毎日待ってたんだから!」
少し怒ったふりをしてから、ぽすんと座ってストローを咥えるイツキ
こうして直接会うのはーーー2ヶ月ぶりくらいかな
連絡を取るのも、1ヶ月ぶり
落ち着いたら連絡するから、と言ったら本当にちゃんと待っていてくれる優しい友人だ
「湊人さん少し痩せたね?ちゃんと食べなきゃダメですよ」
「そうかな。まぁちょっとバタバタしてたからね」
「で、もう準備は整ったってことですか?」
ワクワクと瞳を輝かせて見つめてくるイツキに頷いて、俺はふぅと小さく息を吐いた。
この2ヶ月、本当に忙しかった
元々BARをしていた店舗を引き継ぐといっても、やはり細部にわたり自身の好みに作り変えていくのはなかなか大変で。
経営のノウハウや必要な資格などの準備は大学時代からコツコツと積み重ねてきたつもりだけれど、いざ現実となるとこんなにもしなければならないことがあるとは……予想以上だった。
それでも俺は引き継ぐ店の元マスターや学生時代のバイト先の店長に詳しく教えてもらえたからとても恵まれていると思う
それに、忙しい方が都合が良かった
余計なことを考えなくて済むから
「来週の金曜日には開店するよ。といっても最初は本当にひっそりとだけど」
「その時はもちろん僕を招待してもらえますよね?」
「ふふ、もちろん。最初のお客様はイツキがいいな」
「喜んで!というか、もう名刺やショップカードくらい出来てるんでしょう?くれないんですか?」
さすが、鋭いな
思わず苦笑して見やるとイツキは悪戯に瞳を細めて俺を見つめていた。
「僕を信用できませんか?悠に教えたりしないよ」
「……そんな心配はしていないよ」
「1ヶ月前、電話で言ったでしょ?僕が介入するのはここまでって」
「うん。あの時はありがとう」
2ヶ月前ーーー悠との関係を終わらせた日の夜に、イツキに会って写真と伝言を託した。
その場で写真を見たイツキは少し驚いたように目を見開いてから……ただ俺を抱き締めてくれた。
『1ヶ月以内に悠が来なかったら捨ててくれ』
そう言って渡したあの写真は、1ヶ月後に悠の手に渡ったらしい
その日に電話をくれたイツキ
悠が取りに来たよと
泣いていたよ、と
そう告げた彼の声もまた、震えていた。
「結局、悠に連絡してないんですよね?」
「……うん」
「湊人さんが脱サラして自分の店を持つんだってことは言いましたよ。良かったですか?」
「いいよ。本当のことだし」
「カクテル、美味しかったもんなって言ってましたよ」
その言葉に、一瞬フラッシュバックする光景
2度目に会った夜ーーー俺のカクテルを飲んで笑った悠の顔は、今でも目に焼き付いている
「そっか……」
「あいつなりに必死で探してるみたいです。湊人さんのこと」
「…………」
「女遊びもしてないし、彼女とも別れたらしいですよ」
「え……」
彼女と別れたのか
できれば早く、幸せになってほしいんだけど
でも女遊びもやめたならきっと良い人と出会えるんじゃないかな
1日でも早く“まとも”で“普通”な恋をしてほしい
「悠には、幸せになってほしいな」
「……そうですね。僕もそう思います」
「イツキにも幸せになってほしいよ、俺は」
そう続けると、イツキはあはっと屈託無く笑って空へと顔を向けた。
つられて俺も仰ぎ見ると、澄み渡る青空はどこまでも綺麗で流れる雲も柔らかく溶けていきそう
晴れた日はどうしても“あの日”を思い出してしまうのだけれど、切ない痛みとともに思い出す時間は一瞬一瞬が愛おしくて
どうしたって忘れられるわけないんだ。これからもずっとーーー
「ねぇ湊人さん、賭けをしませんか?」
イツキの言葉にふと視線を戻せば、真剣な瞳に射抜かれて思わず黙ってしまう。そんな俺にふと笑いかけて
「この街、けっこう広いじゃないですか」
そう呟くイツキにひとつ頷く
会社を辞めるとともに引き継ぐ店の近くに引っ越しもした。
この街はかなり大きくて人口も多く、また駅の周辺はとても栄えていて昼も夜も賑わっている
店はそんな繁華街から少し外れた場所にあるけれど、隠れ家のような静かなBARにしたいからとても理想的だった。
「BARもたくさんありますよね」
「そうだね。かなり多いと思う」
「この街のどこかに、湊人さんのBARがある。そのヒントだけで……来週の金曜日までに悠が見つけ出せるか」
驚いて息を呑むと、イツキはふふっと笑って続けた。
「僕はこんな広い街から小さなBARのひとつを見つけることなんてできない。だから、来週の開店まで僕は店を知らないままだし協力もしない。でも悠はきっと見つけ出すと思うよ」
「……ふふ、無理だよそんなの」
「じゃあ悠にヒント言ってもいいよね?どうせ見つけ出せないと思うなら」
「…………」
「湊人さん?」
覗き込んでくるイツキの瞳はいつだって優しくて、穏やかでーーー強い
ほんと少し厄介な男だったりするんだ、昔からこの子は。
「ずるいなぁほんと……」
「ふふ」
「わかった。悠に言ってもいいよ」
「おっけー。じゃあリミットは開店日までね」
「SNSでも告知したりしないし、調べてもわからないと思うけど」
「僕も悠の本気がどの程度か見てみたいだけ」
悪戯っ子のように笑うイツキに、思わずつられて笑ってしまった。
そのあとはお互いの近況をもう少し詳しく話して、また来週ともう一度ハグをして別れた。
歩き出したあとに名前を呼ばれ、振り返った俺に
「さっき言い忘れたんですけど、僕が賭けに勝ったら!悠が湊人さんを見つけ出せたら!」
「あぁ、なにをしてほしいの?」
「湊人さんに幸せになってほしいです!」
少し距離があるせいか、口に両手を当て大声でそう言ったイツキ
思わぬ答えにきょとんと見つめていたら
「相手の幸せじゃなくて、自分の幸せを考えて!」
「……はは、なにそれ」
「だから、悠がもし湊人さんの前に現れたら!」
「……現れたら?」
「諦めて、幸せになってください!」
人目も気にせず大声でそれだけ告げたイツキは、満足そうに微笑んでから手を振って歩き出した。
しばらくその背中を眺めていた俺も、ゆっくりと歩き出す
それからの一週間は本当にあっという間で
大変だったけれど順調に準備は進み、店内装飾はもちろんアルコールや食材もすべて揃った木曜日の夜
ついに明日、金曜日の夜から開店だ
シックで落ち着いた雰囲気の店内はカウンターがメインの本当に小さなBAR
けれど、夢と理想で作られた自分だけの城
カウンターの中に入って、そっとシェイカーを手に取る
思い出すのはイツキと交わした会話
あの日の帰り道、ずっと考えていた。
悠と過ごした日々はーーーたった半年ほどといえばそれまでだけど、俺にとっては忘れられない濃密な6ヶ月だった
多くて週3回、夜の数時間、セックスするだけ
会話らしい会話なんて、セックスの前と後に少し交わす程度だったけれど
お互いのことなんて、ほとんど知らないようなものだったけれど
見つめ合って、触れ合って、重ね合ったその時間はーーーたしかに特別だったと思う
俺の想いと悠の想いがまったく同じとは思わないけれど、彼も少し、俺を特別に想ってくれていたんじゃないか
「なんて、ただの願望かな」
苦笑して手早く用意する材料
ブランデー、ホワイトラム、ホワイトキュラソー、レモンジュース
シェイカーを振る時は少し無心になれるから好きだ
こだわって揃えたグラスからひとつを取り出して、ゆっくりと注ぐ淡い色味のカクテル
イツキと会ったあの日から決めていた。
賭けの最後の夜は、これを飲もうとーーー
「賭けは俺の勝ちかな?イツキに何してもらおう」
ふふっとひとり笑って一口含めば、甘さと爽快さに隠された強いアルコールがじわりと身体に沁みて
自然と瞳が潤んだのは、きっとそのせい
閉ざされた扉をノックする、小さな音のせいなんかじゃない
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「イツキ!」
カフェのテラス席から手を振ると、イツキは変わらない優しい笑みを浮かべてこちらへと歩いてきた。
片手に持ったアイスコーヒーをテーブルに置くと、そのままふわりとハグをしてくれる
「湊人さん、会いたかった」
「連絡遅くなってごめん」
「ほんとですよ!もう毎日待ってたんだから!」
少し怒ったふりをしてから、ぽすんと座ってストローを咥えるイツキ
こうして直接会うのはーーー2ヶ月ぶりくらいかな
連絡を取るのも、1ヶ月ぶり
落ち着いたら連絡するから、と言ったら本当にちゃんと待っていてくれる優しい友人だ
「湊人さん少し痩せたね?ちゃんと食べなきゃダメですよ」
「そうかな。まぁちょっとバタバタしてたからね」
「で、もう準備は整ったってことですか?」
ワクワクと瞳を輝かせて見つめてくるイツキに頷いて、俺はふぅと小さく息を吐いた。
この2ヶ月、本当に忙しかった
元々BARをしていた店舗を引き継ぐといっても、やはり細部にわたり自身の好みに作り変えていくのはなかなか大変で。
経営のノウハウや必要な資格などの準備は大学時代からコツコツと積み重ねてきたつもりだけれど、いざ現実となるとこんなにもしなければならないことがあるとは……予想以上だった。
それでも俺は引き継ぐ店の元マスターや学生時代のバイト先の店長に詳しく教えてもらえたからとても恵まれていると思う
それに、忙しい方が都合が良かった
余計なことを考えなくて済むから
「来週の金曜日には開店するよ。といっても最初は本当にひっそりとだけど」
「その時はもちろん僕を招待してもらえますよね?」
「ふふ、もちろん。最初のお客様はイツキがいいな」
「喜んで!というか、もう名刺やショップカードくらい出来てるんでしょう?くれないんですか?」
さすが、鋭いな
思わず苦笑して見やるとイツキは悪戯に瞳を細めて俺を見つめていた。
「僕を信用できませんか?悠に教えたりしないよ」
「……そんな心配はしていないよ」
「1ヶ月前、電話で言ったでしょ?僕が介入するのはここまでって」
「うん。あの時はありがとう」
2ヶ月前ーーー悠との関係を終わらせた日の夜に、イツキに会って写真と伝言を託した。
その場で写真を見たイツキは少し驚いたように目を見開いてから……ただ俺を抱き締めてくれた。
『1ヶ月以内に悠が来なかったら捨ててくれ』
そう言って渡したあの写真は、1ヶ月後に悠の手に渡ったらしい
その日に電話をくれたイツキ
悠が取りに来たよと
泣いていたよ、と
そう告げた彼の声もまた、震えていた。
「結局、悠に連絡してないんですよね?」
「……うん」
「湊人さんが脱サラして自分の店を持つんだってことは言いましたよ。良かったですか?」
「いいよ。本当のことだし」
「カクテル、美味しかったもんなって言ってましたよ」
その言葉に、一瞬フラッシュバックする光景
2度目に会った夜ーーー俺のカクテルを飲んで笑った悠の顔は、今でも目に焼き付いている
「そっか……」
「あいつなりに必死で探してるみたいです。湊人さんのこと」
「…………」
「女遊びもしてないし、彼女とも別れたらしいですよ」
「え……」
彼女と別れたのか
できれば早く、幸せになってほしいんだけど
でも女遊びもやめたならきっと良い人と出会えるんじゃないかな
1日でも早く“まとも”で“普通”な恋をしてほしい
「悠には、幸せになってほしいな」
「……そうですね。僕もそう思います」
「イツキにも幸せになってほしいよ、俺は」
そう続けると、イツキはあはっと屈託無く笑って空へと顔を向けた。
つられて俺も仰ぎ見ると、澄み渡る青空はどこまでも綺麗で流れる雲も柔らかく溶けていきそう
晴れた日はどうしても“あの日”を思い出してしまうのだけれど、切ない痛みとともに思い出す時間は一瞬一瞬が愛おしくて
どうしたって忘れられるわけないんだ。これからもずっとーーー
「ねぇ湊人さん、賭けをしませんか?」
イツキの言葉にふと視線を戻せば、真剣な瞳に射抜かれて思わず黙ってしまう。そんな俺にふと笑いかけて
「この街、けっこう広いじゃないですか」
そう呟くイツキにひとつ頷く
会社を辞めるとともに引き継ぐ店の近くに引っ越しもした。
この街はかなり大きくて人口も多く、また駅の周辺はとても栄えていて昼も夜も賑わっている
店はそんな繁華街から少し外れた場所にあるけれど、隠れ家のような静かなBARにしたいからとても理想的だった。
「BARもたくさんありますよね」
「そうだね。かなり多いと思う」
「この街のどこかに、湊人さんのBARがある。そのヒントだけで……来週の金曜日までに悠が見つけ出せるか」
驚いて息を呑むと、イツキはふふっと笑って続けた。
「僕はこんな広い街から小さなBARのひとつを見つけることなんてできない。だから、来週の開店まで僕は店を知らないままだし協力もしない。でも悠はきっと見つけ出すと思うよ」
「……ふふ、無理だよそんなの」
「じゃあ悠にヒント言ってもいいよね?どうせ見つけ出せないと思うなら」
「…………」
「湊人さん?」
覗き込んでくるイツキの瞳はいつだって優しくて、穏やかでーーー強い
ほんと少し厄介な男だったりするんだ、昔からこの子は。
「ずるいなぁほんと……」
「ふふ」
「わかった。悠に言ってもいいよ」
「おっけー。じゃあリミットは開店日までね」
「SNSでも告知したりしないし、調べてもわからないと思うけど」
「僕も悠の本気がどの程度か見てみたいだけ」
悪戯っ子のように笑うイツキに、思わずつられて笑ってしまった。
そのあとはお互いの近況をもう少し詳しく話して、また来週ともう一度ハグをして別れた。
歩き出したあとに名前を呼ばれ、振り返った俺に
「さっき言い忘れたんですけど、僕が賭けに勝ったら!悠が湊人さんを見つけ出せたら!」
「あぁ、なにをしてほしいの?」
「湊人さんに幸せになってほしいです!」
少し距離があるせいか、口に両手を当て大声でそう言ったイツキ
思わぬ答えにきょとんと見つめていたら
「相手の幸せじゃなくて、自分の幸せを考えて!」
「……はは、なにそれ」
「だから、悠がもし湊人さんの前に現れたら!」
「……現れたら?」
「諦めて、幸せになってください!」
人目も気にせず大声でそれだけ告げたイツキは、満足そうに微笑んでから手を振って歩き出した。
しばらくその背中を眺めていた俺も、ゆっくりと歩き出す
それからの一週間は本当にあっという間で
大変だったけれど順調に準備は進み、店内装飾はもちろんアルコールや食材もすべて揃った木曜日の夜
ついに明日、金曜日の夜から開店だ
シックで落ち着いた雰囲気の店内はカウンターがメインの本当に小さなBAR
けれど、夢と理想で作られた自分だけの城
カウンターの中に入って、そっとシェイカーを手に取る
思い出すのはイツキと交わした会話
あの日の帰り道、ずっと考えていた。
悠と過ごした日々はーーーたった半年ほどといえばそれまでだけど、俺にとっては忘れられない濃密な6ヶ月だった
多くて週3回、夜の数時間、セックスするだけ
会話らしい会話なんて、セックスの前と後に少し交わす程度だったけれど
お互いのことなんて、ほとんど知らないようなものだったけれど
見つめ合って、触れ合って、重ね合ったその時間はーーーたしかに特別だったと思う
俺の想いと悠の想いがまったく同じとは思わないけれど、彼も少し、俺を特別に想ってくれていたんじゃないか
「なんて、ただの願望かな」
苦笑して手早く用意する材料
ブランデー、ホワイトラム、ホワイトキュラソー、レモンジュース
シェイカーを振る時は少し無心になれるから好きだ
こだわって揃えたグラスからひとつを取り出して、ゆっくりと注ぐ淡い色味のカクテル
イツキと会ったあの日から決めていた。
賭けの最後の夜は、これを飲もうとーーー
「賭けは俺の勝ちかな?イツキに何してもらおう」
ふふっとひとり笑って一口含めば、甘さと爽快さに隠された強いアルコールがじわりと身体に沁みて
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閉ざされた扉をノックする、小さな音のせいなんかじゃない
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