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第3章:最強ヤンキーはコスプレが苦手?
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しおりを挟むつか、冬牙はともかく、何で枢木院と黒橋までいるんだよ。
黒橋はたしかに当事者ではあるが、人を殴れないんだからいても意味ないし、枢木院に関してはもっと意味がない。
「神聖な文化祭を壊すのは、校則違反です」
校則の問題じゃねーし。
「悠雨さん、ここは俺たちに任せてください!」
いや、お前に任せるなら自分でやるし。
「お前ら二人は足手まといになるから、すっこんでろって!」
この二人を守りながら喧嘩をするより、冬牙と一緒に好き放題やったほうが、確実に勝てる。というか、負けるわけがない。
「ごちゃごちゃうるせーな! やれ、お前ら!!」
さきほど冬牙に蹴られた男が叫ぶと、周りにいた不良たちが一斉に殴りかかってきた。
「ご安心ください、悠雨さま。いついかなる場合でも生徒の安心、安全のために最善の努力を尽くす」
枢木院は後ろに数歩下がると、クラウチングスタートの姿勢を取り、そのまま全力疾走で不良の集団に突っ込んで行った。
「それが、この学園の生徒会というものです」
「……え」
一番近くにいた不良に飛び蹴りを食らわせると、枢木院はそのまま乱闘に参加した。慣れた様子で不良の腹や顔面を殴り倒している。
「たしかに俺は人を殴るのは苦手です。ただ、苦手なだけで、できないわけではありません」
黒橋は目を閉じて深呼吸をすると、向かってきた不良の拳を顔面で受けた。しかし体格がよく、体幹がいいらしい黒橋は、倒れるどころかよろけることすらなかった。
「会長はおっしゃいました。右の頬を殴られたなら、容赦なく相手を沈めなさいと」
自分の頬を殴った相手の顔面を、黒橋はそのデカい拳で力のままに殴った。
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