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26 最終話 ※
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俺の怪我が治るのを待って、改めて結婚の許可をもらう為に、両家を訪れた。
双方の実家共に、驚く程の歓迎ぶりで、まだ少し不安がっていたティムも、ようやく笑顔を見せてくれた。
そして半年後、俺とティムはめでたく結婚式を挙げ、夫夫になった。
俺とティムの希望で、身内と極々親しい友人だけを招待して、ささやかな結婚式を挙げた。
「「「おめでとう!」」」
結婚式は、終始和やかな雰囲気だった。
ティムの柔らかな雰囲気に当てられた招待客は、皆ティムにメロメロになり、俺の嫉妬が爆発しそうになる寸前で、オーギュに止められた。
「このお料理、全部ティムちゃんが作ったの?」
「あっ、はいっ、お義母様。でもっ、ブラント様もお手伝いしてくださいました。それに、伯爵家の料理長もうちまで来てくれたんです」
「まあ、そうだったの?あの子、ちゃんとティムちゃんを大切にしてるみたいで、安心したわ」
「母上、もういいでしょう?ティムを離してやってください」
「まあっ、ブラント、少しくらい、私がティムちゃんを独り占めしてもいいじゃない。あなた達、ちっとも顔を見せに来ないんだから」
「駄目です」
「ブラント、母様はあなたに愛する人ができて嬉しいの、ぐすっ」
「ああ、もう、母上、今日はずっと泣きっぱなしではありませんか」
「今日くらい、いいじゃない」
「はいはい」
「ティム、あっちにも挨拶に行こうか 」
ティムの腰を引き寄せて歩き出した時、後ろから声を掛けられた。
「ブラント、ティム、私の願いを叶えてくれてありがとう」
こ、この声は⋯。
俺とティムは立ち止まって、ゆっくり後ろを振り向いた。
「伯母上⋯」
「会長⋯、あっ、違った、伯母上様」
「ふふっ、今日はなんておめでたい日なの。あなた達は、私が仲人をした夫婦(夫夫)の記念すべき1000組目ですよ。ティム、私はあなたを一目見て、ピンときたの。あなたがブラントの心を絶対に掴んでくれるって」
「そ、その節は、お世話になりました!」
「伯母上、ティムを紹介していただきありがとうございす。心から感謝しています。⋯まさか包丁を持ち歩いているティムの対応に困って、俺に丸投げされたんじゃないですよね?」
「そ、そんな訳ないでしょう!最悪ティムが強盗でも、あなたがどうにかするだろう、なんて思う訳ないじゃない!」
伯母上、そんな事思ってたんですか⋯。
「ぼ、僕、強盗なんてしません!」
「ティム、伯母上は冗談をおっしゃったんだ」
俺は含み笑いをして、伯母上と目を合わせた。
「そ、そうよ、冗談よ。あなた達も挨拶で忙しいでしょう?私は少し休憩でもしようかしら。おほほほほ」
伯母上はバツが悪くなったのか、くるりと踵を返して、俺達の前から去って行った。
「やっと嵐が去ったな」
「でも、ブラント様に出会えたのは、会長のお陰ですから」
「そうだな。伯母上には一生頭が上がらないよ」
「ふふっ、そうですね」
幸せそうに笑うティムが愛おしくて、俺はティムを包み込むように抱き締め、柔らかな髪に口付けをした。
「よし、ティム、挨拶回りに行くか」
「はいっ、ブラント様」
俺とティムの夫夫としての人生が、いよいよ今日から始まる。
「ティム、疲れてないか?」
「僕は大丈夫です。ブラント様はお疲れではないですか?」
「ティム、俺はむしろ結婚式の前よりも元気だ。早く我が家へ帰ろう」
結婚式の当日くらい豪華なホテルに泊まればいいのに、と母上から言われたが、俺もティムも、我が家に帰りたいからと言って断った。
家に帰ってすぐに風呂の準備を済ませたところで、ティムから恥ずかしそうに、俺に先に入って、ベッドで待っててくれと言われた。
「わ、分かった。だが、一緒に入る手もあるぞ」
「だ、駄目ですっ。今日は、何だか恥ずかしくて⋯、だから、先に入ってください」
「くっ⋯」
もうすぐだ。やっとティムと本物の夫夫になれる。
俺達は、半年前に心を通わせ合い、同時に共寝もするようになったが、結局まだ、口付けしかしていない。
俺もティムもいい大人で、別に結婚初夜に強いこだわりがあった訳ではなかったが、いざそういう事になりそうになると、ティムがとにかく恥ずかしがるのだ。
しかし、結婚初夜の今日、ティムも覚悟を決めたようだ。
「あ、あの、ブラント様、お待たせしました」
「ティム⋯」
俺はベッドから立ち上がり、もじもじしているティムを横抱きに抱き上げた。
「わわっ」
「ティム、ベッドに行くよ」
ティムは顔を赤らめ、こくりと小さく頷いた。
ティムをそっとベッドに下ろすと、ティムは俺の首に手を回してしがみつきてきた。
「おわっ、ティム、どうした!?」
「ブラント様、このまま抱いてください」
「ティム⋯、いいのか?」
「はい」
俺は寝間着を一気に脱ぎ捨て、ティムの寝間着もそっと脱がせた。
二人共、一糸まとわぬ姿になり、もじもじと恥ずかしがるティムにそのまま覆い被さった。
「あぁっ」
「ティムがこの状況に慣れるまで、しばらくこうしていよう」
格好つけてそうは言ったものの、俺のガチガチの愚息は、もう既にティムのカチコチの愚息を探し当ててしまっている。
これ、いつまで持つか⋯?
すると、ティムの息が色っぽく乱れてきた。
「はぁはぁ、ふぁん、あぁっ⋯ん⋯」
俺は思わず愚息同士を当てたまま、腰を激しく振ってしまった。
「あぁぁぁっ、やぁ、だめぇ、きちゃうっ」
危なっ!かった⋯。
達してしまうところだった(2人共)。
俺は達する寸前で腰を止めた。
慌ててティムの顔を覗き込むと、ティムは涙目でふるふると震えていた。
「ティム、すまない、ティムも感じてくれていると思ったら、抑えが効かなかった」
「はぁはぁ、ブラント様、夫夫の契りとは、こんなに気持ちいいものなのですね」
「くっ⋯、ティム、まだこれからが本番だぞ」
「は、はいっ、頑張りますっ」
「ふっ、ティムは可愛いな。じゃあ、力を抜いていてくれ」
ティムは俺がどこを触っても、喘ぎながら、びくんと跳ねて反応してくれる。
「ティム、ここは、気持ちいいか?」
胸の尖りを指の腹で擦ってみる。
「ふぁっ、あぁっん、きもちい、い、です」
ごくっ
たまらん。
腹を撫で、腰を撫で、太ももを撫で、柔らかなお尻も撫でた。
さあ、後はティムの大事なものと、奥に隠されている大事な場所だけか。
ごくっ
今日は籍も入れたし、結婚式も挙げた。
だから分かっている、分かっているんだ。
ティムが成人しているのは間違いないんだ。
だが、何故こんなにつるつるなんだ?
それに色も桃色で、カリも張っていない。
俺、触っても大丈夫だよな⋯?
「ティ、ティムは成人してる、よ、な?」
「はい、20歳になりました」
「そ、そうだよな⋯」
「僕の⋯、小さいですよね?ブラント様のは、大きくて、長くて、固くて、上に反り返っていて、血管が浮き出ていて、カリも大きくて、僕の手の中(タオル越し)でビクビク動いていて、かっこいいのに⋯」
「くうっ⋯、ティム、そんな言葉責め、どこで習ったんだ?今ので、危うく達しそうになったぞ」
「あっ、ごめんなさいっ」
「ふっ、ティムのここは、ティムらしくて可愛いと思うぞ。見ているだけで、興奮してくる。ティム、触っていいか?」
「はいっ」
ティムは触れ慣れていないのか、少し強く擦ると痛がり、優しく触れると、もう達しそうになる。
たまらん。いかん、俺もティムに触れているだけで気持ちよくなってきた。
ああ、ティムが言った事は本当だな。
夫夫の契りとは、こんなにも気持ち良くて、相手を昂らせるものなんだ。
愛おしい。ティムが愛おしくてたまらない。
俺は、はふはふと苦しそうにしている、ティムの唇を激しく貪った。
いきなり唇を塞がれ、驚くティムの頭をそっと撫でると、ティムの体からふっと力が抜けた。
全身性感帯のようなティムを、どうにか果てさせる事なく、ようやく挿入できるまでに解した。
大変だった。
いや、もう、途中で俺自身が果てるかと思った。
「ティム、中に入るよ」
「はぁはぁ、ブラント様、嬉しいぃ」
「いくよ」
少しずつ少しずつ、狭い中を割り入る。
するとすぐに、ティムの中が俺の昂りをやわやわと締め付けてきた。
「くっ、ティム、力を抜いて」
「は、はひっ、こう、ですか?」
「うっ、ティム、逆だ、力を入れるんじゃなくて抜くんだ」
「こ、こう、ですか?ふっ⋯ん」
「ち、違う、あうっ、締め付けが⋯強くなった」
「え、えっと、こう?あっ、違う⋯、こう?」
「ちょっ、ティム、あうっ、ティム、ティム、もう、そのままで、そのままでいい、ティム」
「ご、ごめんなさい⋯」
ティムが肩を落とした瞬間、締め付けが一気に緩んだ。
俺はそれを見逃さず、小刻みに腰を揺らし、ようやくティムの最奥まで辿り着いた。
「ああぁぁっ!」
「ティム、全部入ったよ。頑張ったな」
「はぁはぁ、ブラント様ぁ、嬉しいです」
「ああ、俺も嬉しいよ。ティム、愛してる」
「ブラント様、僕も愛してます。末永くよろしくお願いします」
「ふはっ、この状況でそれを言うとは、ティムは本当に可愛いくてたまらないな」
結局、互いに散々焦らされていた俺とティムは、一度目は呆気なく達してしまった。
だが、焦らされまくった俺の愚息が、一度達したくらいで治まるはずがなく、ぐったりとするティムの腰を掴み、俺は抜かずにそのまま、腰を振り続けた。
チュンチュン
「うっ、くぅっ、はぁはぁ、ティム、大丈夫か?ティム!ティム!大丈夫か!?」
俺の暴走で朝まで抱き潰してしまったティムは、いつの間にか意識を手放していた。
「ティム、すまない、抑えが効かなかった」
「はわっ、ブラント様、謝らないでくださいっ」
「いや、でも⋯」
「僕、嬉しかったです。汗を飛び散らせながら、切ない顔で一生懸命僕を求めてくださって、僕、嬉しかったです」
「⋯ティム、なんか、恥ずかしい」
「だって僕、大好きなブラント様との初めてを覚えておきたくて⋯」
「⋯っ!?ティム!!」
「はわわっ、もう無理ですっ!!」
巡り巡って100人目。
俺がティムに出会えたのは、必然か、はたまた運命か。
なんて、考えても答えが見つからない事はどうでもいい。
俺は今日も、ティムと一緒にいられる幸せを噛み締める。
「ブラント様、行ってらっしゃい!」
「ああ、行ってくる」
俺は今日も、絆創膏だらけのティムの手を握り、はにかむティムに軽く口付けをする。
終わり
番外編を一話更新して完結になります。
双方の実家共に、驚く程の歓迎ぶりで、まだ少し不安がっていたティムも、ようやく笑顔を見せてくれた。
そして半年後、俺とティムはめでたく結婚式を挙げ、夫夫になった。
俺とティムの希望で、身内と極々親しい友人だけを招待して、ささやかな結婚式を挙げた。
「「「おめでとう!」」」
結婚式は、終始和やかな雰囲気だった。
ティムの柔らかな雰囲気に当てられた招待客は、皆ティムにメロメロになり、俺の嫉妬が爆発しそうになる寸前で、オーギュに止められた。
「このお料理、全部ティムちゃんが作ったの?」
「あっ、はいっ、お義母様。でもっ、ブラント様もお手伝いしてくださいました。それに、伯爵家の料理長もうちまで来てくれたんです」
「まあ、そうだったの?あの子、ちゃんとティムちゃんを大切にしてるみたいで、安心したわ」
「母上、もういいでしょう?ティムを離してやってください」
「まあっ、ブラント、少しくらい、私がティムちゃんを独り占めしてもいいじゃない。あなた達、ちっとも顔を見せに来ないんだから」
「駄目です」
「ブラント、母様はあなたに愛する人ができて嬉しいの、ぐすっ」
「ああ、もう、母上、今日はずっと泣きっぱなしではありませんか」
「今日くらい、いいじゃない」
「はいはい」
「ティム、あっちにも挨拶に行こうか 」
ティムの腰を引き寄せて歩き出した時、後ろから声を掛けられた。
「ブラント、ティム、私の願いを叶えてくれてありがとう」
こ、この声は⋯。
俺とティムは立ち止まって、ゆっくり後ろを振り向いた。
「伯母上⋯」
「会長⋯、あっ、違った、伯母上様」
「ふふっ、今日はなんておめでたい日なの。あなた達は、私が仲人をした夫婦(夫夫)の記念すべき1000組目ですよ。ティム、私はあなたを一目見て、ピンときたの。あなたがブラントの心を絶対に掴んでくれるって」
「そ、その節は、お世話になりました!」
「伯母上、ティムを紹介していただきありがとうございす。心から感謝しています。⋯まさか包丁を持ち歩いているティムの対応に困って、俺に丸投げされたんじゃないですよね?」
「そ、そんな訳ないでしょう!最悪ティムが強盗でも、あなたがどうにかするだろう、なんて思う訳ないじゃない!」
伯母上、そんな事思ってたんですか⋯。
「ぼ、僕、強盗なんてしません!」
「ティム、伯母上は冗談をおっしゃったんだ」
俺は含み笑いをして、伯母上と目を合わせた。
「そ、そうよ、冗談よ。あなた達も挨拶で忙しいでしょう?私は少し休憩でもしようかしら。おほほほほ」
伯母上はバツが悪くなったのか、くるりと踵を返して、俺達の前から去って行った。
「やっと嵐が去ったな」
「でも、ブラント様に出会えたのは、会長のお陰ですから」
「そうだな。伯母上には一生頭が上がらないよ」
「ふふっ、そうですね」
幸せそうに笑うティムが愛おしくて、俺はティムを包み込むように抱き締め、柔らかな髪に口付けをした。
「よし、ティム、挨拶回りに行くか」
「はいっ、ブラント様」
俺とティムの夫夫としての人生が、いよいよ今日から始まる。
「ティム、疲れてないか?」
「僕は大丈夫です。ブラント様はお疲れではないですか?」
「ティム、俺はむしろ結婚式の前よりも元気だ。早く我が家へ帰ろう」
結婚式の当日くらい豪華なホテルに泊まればいいのに、と母上から言われたが、俺もティムも、我が家に帰りたいからと言って断った。
家に帰ってすぐに風呂の準備を済ませたところで、ティムから恥ずかしそうに、俺に先に入って、ベッドで待っててくれと言われた。
「わ、分かった。だが、一緒に入る手もあるぞ」
「だ、駄目ですっ。今日は、何だか恥ずかしくて⋯、だから、先に入ってください」
「くっ⋯」
もうすぐだ。やっとティムと本物の夫夫になれる。
俺達は、半年前に心を通わせ合い、同時に共寝もするようになったが、結局まだ、口付けしかしていない。
俺もティムもいい大人で、別に結婚初夜に強いこだわりがあった訳ではなかったが、いざそういう事になりそうになると、ティムがとにかく恥ずかしがるのだ。
しかし、結婚初夜の今日、ティムも覚悟を決めたようだ。
「あ、あの、ブラント様、お待たせしました」
「ティム⋯」
俺はベッドから立ち上がり、もじもじしているティムを横抱きに抱き上げた。
「わわっ」
「ティム、ベッドに行くよ」
ティムは顔を赤らめ、こくりと小さく頷いた。
ティムをそっとベッドに下ろすと、ティムは俺の首に手を回してしがみつきてきた。
「おわっ、ティム、どうした!?」
「ブラント様、このまま抱いてください」
「ティム⋯、いいのか?」
「はい」
俺は寝間着を一気に脱ぎ捨て、ティムの寝間着もそっと脱がせた。
二人共、一糸まとわぬ姿になり、もじもじと恥ずかしがるティムにそのまま覆い被さった。
「あぁっ」
「ティムがこの状況に慣れるまで、しばらくこうしていよう」
格好つけてそうは言ったものの、俺のガチガチの愚息は、もう既にティムのカチコチの愚息を探し当ててしまっている。
これ、いつまで持つか⋯?
すると、ティムの息が色っぽく乱れてきた。
「はぁはぁ、ふぁん、あぁっ⋯ん⋯」
俺は思わず愚息同士を当てたまま、腰を激しく振ってしまった。
「あぁぁぁっ、やぁ、だめぇ、きちゃうっ」
危なっ!かった⋯。
達してしまうところだった(2人共)。
俺は達する寸前で腰を止めた。
慌ててティムの顔を覗き込むと、ティムは涙目でふるふると震えていた。
「ティム、すまない、ティムも感じてくれていると思ったら、抑えが効かなかった」
「はぁはぁ、ブラント様、夫夫の契りとは、こんなに気持ちいいものなのですね」
「くっ⋯、ティム、まだこれからが本番だぞ」
「は、はいっ、頑張りますっ」
「ふっ、ティムは可愛いな。じゃあ、力を抜いていてくれ」
ティムは俺がどこを触っても、喘ぎながら、びくんと跳ねて反応してくれる。
「ティム、ここは、気持ちいいか?」
胸の尖りを指の腹で擦ってみる。
「ふぁっ、あぁっん、きもちい、い、です」
ごくっ
たまらん。
腹を撫で、腰を撫で、太ももを撫で、柔らかなお尻も撫でた。
さあ、後はティムの大事なものと、奥に隠されている大事な場所だけか。
ごくっ
今日は籍も入れたし、結婚式も挙げた。
だから分かっている、分かっているんだ。
ティムが成人しているのは間違いないんだ。
だが、何故こんなにつるつるなんだ?
それに色も桃色で、カリも張っていない。
俺、触っても大丈夫だよな⋯?
「ティ、ティムは成人してる、よ、な?」
「はい、20歳になりました」
「そ、そうだよな⋯」
「僕の⋯、小さいですよね?ブラント様のは、大きくて、長くて、固くて、上に反り返っていて、血管が浮き出ていて、カリも大きくて、僕の手の中(タオル越し)でビクビク動いていて、かっこいいのに⋯」
「くうっ⋯、ティム、そんな言葉責め、どこで習ったんだ?今ので、危うく達しそうになったぞ」
「あっ、ごめんなさいっ」
「ふっ、ティムのここは、ティムらしくて可愛いと思うぞ。見ているだけで、興奮してくる。ティム、触っていいか?」
「はいっ」
ティムは触れ慣れていないのか、少し強く擦ると痛がり、優しく触れると、もう達しそうになる。
たまらん。いかん、俺もティムに触れているだけで気持ちよくなってきた。
ああ、ティムが言った事は本当だな。
夫夫の契りとは、こんなにも気持ち良くて、相手を昂らせるものなんだ。
愛おしい。ティムが愛おしくてたまらない。
俺は、はふはふと苦しそうにしている、ティムの唇を激しく貪った。
いきなり唇を塞がれ、驚くティムの頭をそっと撫でると、ティムの体からふっと力が抜けた。
全身性感帯のようなティムを、どうにか果てさせる事なく、ようやく挿入できるまでに解した。
大変だった。
いや、もう、途中で俺自身が果てるかと思った。
「ティム、中に入るよ」
「はぁはぁ、ブラント様、嬉しいぃ」
「いくよ」
少しずつ少しずつ、狭い中を割り入る。
するとすぐに、ティムの中が俺の昂りをやわやわと締め付けてきた。
「くっ、ティム、力を抜いて」
「は、はひっ、こう、ですか?」
「うっ、ティム、逆だ、力を入れるんじゃなくて抜くんだ」
「こ、こう、ですか?ふっ⋯ん」
「ち、違う、あうっ、締め付けが⋯強くなった」
「え、えっと、こう?あっ、違う⋯、こう?」
「ちょっ、ティム、あうっ、ティム、ティム、もう、そのままで、そのままでいい、ティム」
「ご、ごめんなさい⋯」
ティムが肩を落とした瞬間、締め付けが一気に緩んだ。
俺はそれを見逃さず、小刻みに腰を揺らし、ようやくティムの最奥まで辿り着いた。
「ああぁぁっ!」
「ティム、全部入ったよ。頑張ったな」
「はぁはぁ、ブラント様ぁ、嬉しいです」
「ああ、俺も嬉しいよ。ティム、愛してる」
「ブラント様、僕も愛してます。末永くよろしくお願いします」
「ふはっ、この状況でそれを言うとは、ティムは本当に可愛いくてたまらないな」
結局、互いに散々焦らされていた俺とティムは、一度目は呆気なく達してしまった。
だが、焦らされまくった俺の愚息が、一度達したくらいで治まるはずがなく、ぐったりとするティムの腰を掴み、俺は抜かずにそのまま、腰を振り続けた。
チュンチュン
「うっ、くぅっ、はぁはぁ、ティム、大丈夫か?ティム!ティム!大丈夫か!?」
俺の暴走で朝まで抱き潰してしまったティムは、いつの間にか意識を手放していた。
「ティム、すまない、抑えが効かなかった」
「はわっ、ブラント様、謝らないでくださいっ」
「いや、でも⋯」
「僕、嬉しかったです。汗を飛び散らせながら、切ない顔で一生懸命僕を求めてくださって、僕、嬉しかったです」
「⋯ティム、なんか、恥ずかしい」
「だって僕、大好きなブラント様との初めてを覚えておきたくて⋯」
「⋯っ!?ティム!!」
「はわわっ、もう無理ですっ!!」
巡り巡って100人目。
俺がティムに出会えたのは、必然か、はたまた運命か。
なんて、考えても答えが見つからない事はどうでもいい。
俺は今日も、ティムと一緒にいられる幸せを噛み締める。
「ブラント様、行ってらっしゃい!」
「ああ、行ってくる」
俺は今日も、絆創膏だらけのティムの手を握り、はにかむティムに軽く口付けをする。
終わり
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