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第9章 荒ぶる神々の荒野

76: 黒い獣 (2)

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「うみゃあああああっ」
 その叫び声に犬達は少しだけ驚いて、遠巻きに燕青を囲んだ。
 後輩と女が「ギャハハッ、イヌにイかされたよコイツ!これ死ぬほど笑えるしギャハハハ!!」と騒ぐ。 
 少年の白い体が精液でベトベトになる。
 が、白い体の上なので精液はそれほど目立たない。 
 絶頂を終えた燕青は、うつろな顔であおむけになって倒れている。 
 4匹の犬に完全に獲物扱いされている燕青は、もう先ほどまでの神聖さは微塵もなかった。 

 燕青は、犬のよだれ塗れになっていた。
 犬達は燕青の股間や全く毛が生えてないキレイな足やら脇やらをクンクンとかいだ。 
 私は足の爪先で、ノースリーブの両肩の部分を破り取り引ん剥いてやった。
 パラッとシャツが落ち乳首と凹んだ胸板が曝された。 
 その胸のキズに、さっきの女が密着して観察を始める。

「燕青君。そのキズは何?」
「どうしてそんなになったの?」等々。 
 燕青は悔しそうに唇を噛んでいた。
 「ちょっと触らせてよ」とブスが胸に手を伸ばすと、生意気にもその手を燕青が叩いて、可愛い顔で女を睨みつける。
 すると「何って、聞いてんだよ!」と、以前燕青をレイプした女が近寄って来て、セミヌードで座り込んでいる燕青に蹴りを入れた。 
 ドスッと音がして燕青のみぞおちに女の足が食い込んだ。

「うぐっ・・あうぅあああ」
 私が刻みつけたでかい胸のキズの部分に女の靴跡が着いた。 
 見物人の女共も目を輝かせて、小さく「うふふ・・・」と笑いながら、燕青が女の手で全裸に剥かれ転がされている姿を見ている。 
 全員がギラツク目で、燕青を見ている。

 私は、この後どうしたものかと考えていた。 
 この程度では盛り上がりに欠ける。
 とりあえず一番小さなイヌのチンポを燕青の股間に押し当ててみる。 
「きゃあっっ な・・なに? うわ、や・・やめろ。ふざけんなよな・・やめてよー!」 
 犬はビビって逃げ出してしまい、使えない。
 私はむかついて燕青を蹴り飛ばした。 
 「うあっ」と燕青は小さくもらし、派手に倒れこんだ。
 見物人は「きゃあー。すごい飛んだぁ。ぎゃははっ」と嘲笑う。 
 咳き込みながら、あまりに酷すぎて私に何をされたか理解出来ない燕青は、おびえた目で私を見ている。

 その直後、驚くべき事が起こった。 
 例の一番でかくて黒いイヌが燕青に近づいたのだ!
 フゥフゥーッと唸って興奮している!!
 燕青の周りをウロウロとまわりだす!!!! 
 燕青の性器や尻を嘗め回す!!!
 燕青は「ああん うわっ・・わっ・・・な・・何? 何??」と困惑している。 
 ペロペロとなめ回すイヌ。

「何?何??何やってんの???」
 イヌにケツの穴をしつこく舐められて不安そうに言う燕青。  
 セックスって奴は本能なんだ。
 誰でも知っている事だったのに、私たちは驚いた。 
 誰に教えられるわけでもなく、そのように仕込まれた訳でもない。
 ただ、ペットとして飼われている犬がだ!! 
 これは一体どうなっているんだ?
 人間とイヌという立場はどうなったのか!? 

 燕青の驚いた顔は半端じゃなかった。 
 ただ見ているだけの私達がこれほど驚いているのだ。
 当事者としては信じられないほどの驚きと恐怖だろう。 
 犬の飼い主の友人が「・・・よっしゃあ・・ははっ・ははは・・」と乾いた声で笑った。 
 見物してる女が「きゃああ」といい飛び上がって近くに寄って来る。
 私は急いでポラロイドを用意しながら「騒ぐなブタども!!犬の邪魔じゃボケ!!」と言った。 

「あっ・あっ・うっ・うそ・・だ・・こんな・・のないよ・・あうっ」と燕青が情けない声を出す。 
 ズブズブずぶずぶずぶずぶズブズブ・・・・  
 見物人が呟く。
「奇跡だ・・ありえねぇ・・・」 
 燕青はイヌを凝視している。
 イヌは舌を出して自分の口の周りをペロペロ舐めてる。 
 そのペットの行動は飼い主にも、そしてこの私にも信じがたいものだった。
 イヌが激しく腰を動かしている。 

 燕青が「あっ・・あっ・・うあっ・・はっ・・・ぼ・・ボク・・ボクゥ・・あん・・あんっ・・・はっ・・ボクは・・ボクって?あんっ」 。
 そして壊れた。 
「ボクわ・・ボクはぁ?あっあはああ にゃああん。」 
 私は言ってやった。
「お前は獣姦されてんだよ。犬にレイプされてんだよ」
 そう言いながら、私は嘲笑ってやったつもりだが、本当は笑ってるのか笑ってないのか自分でもよく分らなかった。 

 私の顔を凝視しながら、燕青はビクッと動く。 
 バコッバコバコッバコ・・・ズブズブ・・・ぐちゃっ・・ぐちゃっ・・・。
 どんどん湿った音になってくる。 
 黒い犬が「フゥゥゥ。フゥゥゥア。」と喘ぐ。 
 燕青が「あ・・・・あ・・・ぅあ・・・うああああああああっ!!
やぁっ!!!!・・・やだあああああああああああああ!!!!!!! 
きゃあああああああああ・!!!たすけてぇ!!!!ああん!ダレかぁ!!!!
やだやだやだあああぁぁ。  
ああああっあんっあんっあんっ 誰かッ!だレかタスケテえええええ!!!!!!」と叫ぶ。 

 犬は燕青が暴れた直後にすごいピストンをはじめた。 
 そのせいで燕青は犬に合わせてがくがく揺れていた。
 犬に動かされているのだ。
 燕青が「うあっ・・ぐあ・・あぎっ・・いぃみゃああ!」と呻く。
 犬が馬のようにでかいとはいっても、これほどまでにあっさりと人間が犯されてしまうとは誰も思わないだろう。
 それが本当に挿入されていた。 
 人間が犬に犯されているのだ。
 燕青が本当に放心状態になっていた。 
 燕青より明らかにでかくて重い犬のせいだ。

 だが、犬と人間がセックスする光景はマジで変だった。
 エロいというよりはグロい!  
 巨犬が燕青の上に被さり、少年を押さえ込んだ。 
 黒い犬の横っ腹から白くて細い足が見える。
 犬は完全に燕青の上に覆い被さって、肝心の燕青は足しか見えないのだ。 
 そのまま体位を変えることなくひたすらピストンを続けている。

「なんか・・・やべぇぞ」と誰かが言った。
 みんな足が前に出なかった。 
 本当に異常な光景だった。
 犬にあわせて燕青の細い声がする。 
「あは・・きゃふっ・・・ えあっ・・・ ひん・・・ へあ・・・ん・・・ あは・・・かふっ・・・ ふえぅ・・・ああう・・・ 
 きはっ・・・ あや・・・ にあ・・・ おえぅ・・・ うは・・・ふぇ・・・わ・・・わっ・・・・
どあっ・・あひっ・・だ・・・はみゃ・・・っわ!」 
 でかい犬の真下から小さい声が微かに聞こえる。

 だが、ピストンが早くなるにつれ、燕青の声が途絶えた。  
 代わりに犬が本当に喘いだ。
 犬が燕青にのしかかったまま、燕青の身体を地面に擦りつけた。
 そして犬が燕青の上から退いた。 
 起き上がった犬の腹からキャラメルソースの糸が納豆のようにネバァっと広がった。 

 燕青はぐちゃぐちゃになって、壊れた操り人形みたいな変な格好で気絶していた。
 泥と犬の毛とキャラメルが絡みついて、ケツからは血が流れていて、 よくわからないピンク色の液体が付着していた。 
 そして、ケツの部分には、そのピンクの液体が泡だらけのクリーム状になって燕青自身の血と混ざり合っている。 
 燕青は全裸で完全に気絶していて、身体が軟らかくなったようで、なんともいえないおかしな格好で倒れている。 
 顔をみると、いつもよりもかなりガキッぽく見える。
 10歳くらいのガキが昼寝をしているみたいな顔だった。 
 あまりのショックに子供にかえってしまったのか?

 いつものように燕青がセクシーだとは思えなかった。
 セクシーだと思う相手は人間だからだが、 もはやこいつは人間以下だということを目の前で見てしまったから、その事は今さらどうでもよくなった。
 なんと言うか、 倒れているガキの顔が今までのような挑戦的でセクシーなイメージではなく、 10歳くらいのガキが親に怒られて泣きながら寝てしまったような、セクシーさとはほど遠い顔で、ムカツキさえ覚えた。 

 女の見物人が全裸で泥まみれの燕青に寄ってきて「ね・・・もしかして死んだ?」とか訊いてきた。 
「ヒャハハッ、この程度で死んでるくらいなら、もうとっくにぶっ殺されてるぜ」 
「確かに獣姦って面白そうで見たかったけどさ・・グロ過ぎだし?」 
「なんかシケたな。このガキが犯されながら泣き叫びまくるところがみたかったのによ、足しか見えねぇし、 声はつぶれてるし・・・つかな、今ソレに触りたくねぇ、きたねぇんだよ。」
「ぎゃははっ、汚物マミレってカンジー」 

 後輩は泥にまみれている燕青を片腕をつかんで強引に上半身を引き起こした。 
「これどーしますかぁ?起こすんなら俺が起こしてやりますよ」  
 私が「早く起こせ」というと、後輩は気絶しているガキのケツに自分のチンポをぶち込んでヒーヒー笑ってる。 
 私はよくこんなもの犯す気になるなと感心した。
 滑稽を通り越して尊敬に値する。 

 いきなり燕青は「・・・かはっ」と咳き込み目を覚ました。 
 そして、犯している後輩に抱きついた。
 藁にもすがるってやつだ。 
 ぎゅっと抱きついているが、後輩に犯されているという事は分かっているらしい。 
「お・・ねが・・い・・やめ・・て。タス・・・け・・あ・・あ・・・」
 瞳から涙が絶えることなく流れ落ちる。 
 犬に犯されたのが精神的にも肉体的にも効いているらしい。 

 だが、私はもうどうでも良かった。
 とにかくガキが汚く見えて仕方がないので、私は「今日はもう止めてやるぜ。また今度だな・・・」と宣言した。  
 後輩がペニスを抜くと犬の精液だか血だか、よく判らないものがドロドロと燕青のケツから溢れてくる。 
「おーし、今日は解散。」
 一同が「おーっ、分かりましたぁ」と口々に返事をする。
 もし私が只の黄疸患者のままだったら、こんな反応は決して起こるまい。 
 後始末は、後輩に任せた。

 燕青はとにかく堕ちまくった。 
 燕青はこの日、「獣姦された」のだ。
 そして、貴重な映像も撮れたがこれを見てマスをかける奴はあまりいないだろう。 
 最後に私は自分専用の部室に行った。
 それは教会近くの例の道場の中にある。
 その一部屋に私こと黄金髑髏のコレクションがあるのだ。 

 燕青のぼっこりと凹んだ胸の写真に、原型をとどめていないくらいちりじりになった燕青のノースリーブ。 
 それらのコレクションの中に、今日の写真を飾った。 
 犬がしゃがみこんでいる様にみえるが、犬の横っ腹からは燕青の細い足が出ている。 
 その写真を、道場の梁に全裸で吊るされている燕青の写真の隣に立てかけた。 
 これらは一種の供物の様なものだ。
 ここは私にとっての祭壇だった。
 私の神は、此処から見える暗いが灼熱の場所に存在する。
 人によっては、その神の名を「欲望」と呼ぶかも知れない。




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