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【第二十一話】蚊帳の外のままだった、けど:冬至唯中.txt
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俺が自分の殻にこもっている間。
本当にいろんなことがあった。
結局、俺は最初から最後まで、蚊帳の外のままだった、けど。
蚊帳の中ではいろんなことがあったよ。
まず、一番なのは、千春とアイツが別れた。
でも、原因は浮気ではないらしい。
千春から、アイツの部屋を飛び出してきて、いや、俺を抱えて俺の部屋に入って来たらしい。
経緯はどうあれ、俺の部屋に一晩だけ、泊って行った千春はそう話していた。
その時、気が付いた俺に、千春は、私とまだ付き合いたい? って聞いて来た。
それと、今日なら抱いてもいいよ、とも。
俺は、答えられなかった。
それでも、俺は何もできなかった。
何て言うか、頭がぐちゃぐちゃすぎて、そもそも立たなかったんだ。
そんな俺を見て千春は呆れてたよ。
でも、色々話したんだ。千春と久しぶりに。本当に色々なこと、知っているはずなのに俺は千春のことをまるで知らなかったって思い知らされたよ。
こんなに千春と話をしたのは、いつぶりだろう?
たしかに千春の言う通り、俺は俺の頭の中の千春しか見ていなかったのかもしれない。
千春はこんなにも生き生きと生きているのに。
それで色々話してて……
本当は、今年は四季大にも受かっていたけど、折節大学に来たことも告げたんだ。
四季大は、まあ俗にいうところの一流大学って奴かな。
親に言われて受けただけなんだけど。
そしたら、
「馬鹿じゃん…… 私に会いたいから折節大学に来たって本気なの?」
と言われた。
その後で、
「じゃあ、この大学辞めて、来年また四季大受けなよ、それで受かって一流の企業にでも就職したらだけど。私で良いなら結婚してあげるよ。その間、私は私で遊ぶけどね。それでもいいなら、もう良いよ」
と、言われた。
俺は訳が分からなった。
でも、千春が、本物の千春がそう約束してくれたなら、それでいいと思ってしまった。
たとえそれが嘘でも、俺は本当にうれしかった。
それで、俺が泣いて喜んだら、千春は、少し戸惑った顔して、
「なんでこんな私のことなんかそんなに好きなよ……」
と、そう言って少しだけ、少しだけ嬉しそうに笑った。
結局、千春は何でアイツと別れたかのだけは、教えてくれなかったけど。
千春は次の朝早くに部屋を出て行った。
「じゃあ、遊んでくるね。唯中君。もし子供出来ちゃっても共々面倒見てよね」
そう言い残して、笑顔で千春は俺の部屋を出て行った。でも千春が初めて俺の名前を読んでくれたかもしれない。
大丈夫だよ、千春。千春の子なら俺は愛せると思うよ。
俺も狂ってたのかもしれない。それこそ最初から。
でも、やっと本物の千春に俺は出会えたんだ。
本当にいろんなことがあった。
結局、俺は最初から最後まで、蚊帳の外のままだった、けど。
蚊帳の中ではいろんなことがあったよ。
まず、一番なのは、千春とアイツが別れた。
でも、原因は浮気ではないらしい。
千春から、アイツの部屋を飛び出してきて、いや、俺を抱えて俺の部屋に入って来たらしい。
経緯はどうあれ、俺の部屋に一晩だけ、泊って行った千春はそう話していた。
その時、気が付いた俺に、千春は、私とまだ付き合いたい? って聞いて来た。
それと、今日なら抱いてもいいよ、とも。
俺は、答えられなかった。
それでも、俺は何もできなかった。
何て言うか、頭がぐちゃぐちゃすぎて、そもそも立たなかったんだ。
そんな俺を見て千春は呆れてたよ。
でも、色々話したんだ。千春と久しぶりに。本当に色々なこと、知っているはずなのに俺は千春のことをまるで知らなかったって思い知らされたよ。
こんなに千春と話をしたのは、いつぶりだろう?
たしかに千春の言う通り、俺は俺の頭の中の千春しか見ていなかったのかもしれない。
千春はこんなにも生き生きと生きているのに。
それで色々話してて……
本当は、今年は四季大にも受かっていたけど、折節大学に来たことも告げたんだ。
四季大は、まあ俗にいうところの一流大学って奴かな。
親に言われて受けただけなんだけど。
そしたら、
「馬鹿じゃん…… 私に会いたいから折節大学に来たって本気なの?」
と言われた。
その後で、
「じゃあ、この大学辞めて、来年また四季大受けなよ、それで受かって一流の企業にでも就職したらだけど。私で良いなら結婚してあげるよ。その間、私は私で遊ぶけどね。それでもいいなら、もう良いよ」
と、言われた。
俺は訳が分からなった。
でも、千春が、本物の千春がそう約束してくれたなら、それでいいと思ってしまった。
たとえそれが嘘でも、俺は本当にうれしかった。
それで、俺が泣いて喜んだら、千春は、少し戸惑った顔して、
「なんでこんな私のことなんかそんなに好きなよ……」
と、そう言って少しだけ、少しだけ嬉しそうに笑った。
結局、千春は何でアイツと別れたかのだけは、教えてくれなかったけど。
千春は次の朝早くに部屋を出て行った。
「じゃあ、遊んでくるね。唯中君。もし子供出来ちゃっても共々面倒見てよね」
そう言い残して、笑顔で千春は俺の部屋を出て行った。でも千春が初めて俺の名前を読んでくれたかもしれない。
大丈夫だよ、千春。千春の子なら俺は愛せると思うよ。
俺も狂ってたのかもしれない。それこそ最初から。
でも、やっと本物の千春に俺は出会えたんだ。
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