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39.5話
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「お月様まだで出ないよ?」
大地君がにやっと笑う。
「えいこサン、わかってやってるだろ。」
はい、その通り。
と言うわけにいかないので、困って微笑む。
大地君は岩に背を預けて夕日を見た。
空はだんだん紅くなっていく。
「…会議でえいこサンの話題が出た。ちょっと手を貸して欲しいってな。」
大きな背中を見つめる。
「俺はえいこサンを利用するためにここで守ってんじゃねぇよって反論した。そもそも、こっちに来ちまった奴らまとめて面倒見れるように働いてる訳だし。そしたらウランさんに言われた。」
言葉を切って、1つ息をつく。
「えいこサンは既にこの国にとっても自分にとっても大切な人で、仲間だ。無理強いはしないが頼んでもいいかぐらい聞くべきだって。えいこサンは俺の同郷の友人だけど、俺の所有物じゃない。出来ることすら頼まれない辛さは知っているだろって、さ。その通りだ。」
大地君がこちらを、向く。なんだかやけに夕陽が眩しい。
「えいこサンがこっちに来てすぐは、確かに俺がいたから助かったと自分でも思ってる。でも、それを恩に着せるつもりはない。俺が引っ張り込んだ訳だし。けど、俺は、もう、」
彼の手が私に伸びて、頰を撫ぜた。
大地くんからのセリフは大体予想がつく。分かってるつもりだった。でも、触れられて心臓が小さく跳ねる。そう言えば、ゲームしてた時はテルラ推しだったんだ。
「えいこサンを手放せない。」
強い瞳が私を貫く。まずった、覚悟が足りてなかった。ちゃんと、毅然と断わらないと。
「俺のものになって欲しい。」
甘く囁かれる。
そのセリフは言わないで欲しかった。
前世で一志から欲しかった言葉を、そんな風に切なげに吐かないで。
「この世界では、愛の証を贈る事ができる。受け取って欲しい。」
「受け、取れない。」
「なんでた?」
「ダメなの。」
だって私は、、、
「ダメなの。」と小さく呟く彼女。目は潤み頰が赤い。いつもの余裕のある彼女じゃ無かった。
ソレで『ダメ』は無いだろう。
「えいこサン、ソレは煽るって言うんだよ。」
岩から引き下ろして抱きすくめる。彼女の香を嗅いで理性ごと溶けた。
引き下ろされた驚きで顔を上げたら、そのまま口で口を塞がれた。抵抗しようと思った。でも荒々しい舌が歯の裏を撫ぜた瞬間、電気が走る。
そうだ、私と彼の相性は良かったんだ。意識が朦朧とする。強く舌を吸われて下腹部が痺れて来る。いけない。
「んはぁ。」
長いキスから解放されてようやく呼吸ができた。再びキスをしようとする大地くんを押しとどめる。
「わた、し、向こうの世界に、好きな人が」
最後まで言わせてもらえない。再び深く口付けられた。舌の付け根を舐め上げられて下腹部がまた、疼く。
つい、キスに応えそうになった瞬間唐突に口が離れた。
「それでもいい。」
意味が分からない。
「向こうに好きな奴が居てもいい。この世界で好きになってさえくれれば、それでいい。」
フレンチキス、一回。
「俺が嫌いでなければ、嫌じゃなければ受けとって欲しい。」
二回。
「愛してる。応えて欲しい。」
三回以上。
啄ばむようなキスでも感じてしまうくらい、ヤバイ。
断わらないと。でも、何故か断れない。胸の奥が甘くて、辛い。自分が自分じゃなければ、ただの16歳のえいこだったら、私は大地くんが欲しいのだと体が主張する。
答えない私を、いつのまにか魔法で敷いた外套の上に優しく押し倒す。耳朶に触れられるのかと思ったけど、彼の唇は首筋に下がった。あくまで私が応えるまで待つらしい。
違う。応えるまで攻められる。
一人で脱ぎ着するのも難しい服は、魔法で緩められ大地くんの手で降ろされる。唇は更に下がり、彼の片手は双丘にかかる。片方の敏感な所を長い指が優しく押し揉む。自分でもすぐに硬くなったのが分かった。恥ずかしい。味わうように閉じていた大地くんの目が開いてふっと笑う。恥ずかしくて思わず顔を逸らして目を瞑る。
敏感な先が口に含まれたのが分かった。自分の奥から熱いトロリとしたものが溢れたのが分かった。
「あん、ん。」
恥ずかしい。恥ずかしい。両手で顔を覆い、油断すると開いてしまう脚を固く閉じる。
「えいこサン、俺が嫌いならやめる。断ってくれてもいい。でも、そうじゃない、だろ?」
訳が分からない。首を左右に振るしか出来ない。
「それじゃ分かんねぇよ。だから、確認、な?」
手がするりと秘部に伸びて、よじる間も無くバレてしまった。
いきなり下着の感触が無くなった。ビックリして見ると、濡れているどころでは無い下着を大地くんが持っている。
「魔法で取ったの?」ひどい。
「俺の愛の証を受け取るか、続けるか、どうする?」
その二択はズルい。口をパクパクしていると、彼が視界から消えた。
ぺちゃ。
小さな水音と同時に溶けるような快感が下半身を襲った。なんとか自分の脚と脚の間にある頭を掴むが、力は全く入らない。
「ぃやぁん、ん」
恥ずかしい声がなんとか漏れただけ。
蕾の先を弄んでいた舌は花弁の奥に伸ばされた。蜜が溢れる。出したり入れたりする度に「あん」という情け無い声が漏れる。
顔を上げた大地くんの舌から私まで細く糸がひく。
「えいこサン…」
慈しむ表情で手が伸びて、私の髪が耳にかけられた。
「これ、なんだ?」
何のことが一瞬分からなかった。
「これはウランさん、か?」
ウランさんからの証を大地くんが触れる。
「これは!…事故の時意味を知らずに受け取ってしまったの。」
何故か、必死に言い訳してしまう。今がきっと私から断れる最後のチャンスなのに。
「ウランさんからのは受け取ったのに、俺のは受け取れない?」
「違う!違う、よ。受け取れないのは、ただ、私が弱いだけ。」
大地くんはひどく傷ついた顔をしている。
そして、私を強く抱きしめた。
「えいこサン、もし、あいつの方が好きなら俺を止めて欲しい。」
大地くんが耳朶を食べるようにキスする。耳の縁が熱い。
少し離れて大地くんが自身を取り出した。
「今が最後の確認だ。俺が、嫌いか?」
「そんな事、ない。」
いきなり私は深く貫かれた。痛みは確かに感じた。けれど、圧倒的な快感が全身を駆け巡り、それを凌駕する。
「んんっ♡」
まともな言葉すら出ない。
大地くんは私の頭を挟むように両手をついて、私を見る。
視線が、絡む。
何かを乞こうような表情の大地くん。けれど激しく打ち付けられて、腰が砕けそうなくらい、気持ちいい。
「あ、ぁあん♡」
堪らず声をあげた口が塞がれ、吸われる。大地君の喉が私の唾液を飲み下してごくんと鳴る。私の口の周りは唾液でべとべとだ。
突然腰の動きが止まり、繋がったまま彼が見下ろす。
「えいこサン、綺麗だ。」
その言葉に逆に冷静なり、赤面する。ただでさえ冴えないのに、こんなぐちゃぐちゃにされて綺麗なはず無い。
「や、だぁ。」
感情が高ぶって涙が流れたようだ。少し視界が歪んだ直後に彼が舐めとる。
「それから、世界一可愛い。」
ゆっくりとかき混ぜるように動かされ始めて、下腹部に先ほどまでには感じなかった何かが感じられる。
「やっべぇ、締まり過ぎ。」
気持ちいいよ、と耳元で囁かれて、何かの正体が分かる。
「いやっ、いっ、いっちゃぅ♡」
どんどん高まる、だめ、おかしくなっちゃう。
「いけよ。えいこ。俺のものになれ。」
堪え難い悦びが下腹部から頭頂まで走り、無意識に口走ってしまった。
「大地くん、好き…。」
熱っぽくなった彼女が弓なりになり、中が激しく痙攣しているのが分かった。少しだらしなく空いた口に潤んだ瞳、桜色の頰全てが愛しい。
煽情的な彼女の口から、欲しくて欲しくて仕方なかった言葉が溢れた。ヤバイ、油断してたと思い、自身を引き抜こうとして彼女の脚がそれを阻止しているのに気づいた。気づいて、止められる訳がない。深く彼女の奥で熱を放った。
彼女は気絶したのか、疲労で寝てしまったのか分からないが意識はない。お互いの汗などを軽く拭いていると、ケガをしているのを見つけた。足の先を少し切っているようだったので魔法防御を上書きしてから治療する。破瓜の傷はひどくなさそうだったので、そのままにした。夢だと思われたら堪らない。
服を着せ、靴を履かせる。外套に包んで抱き抱えるように魔法で固定する。なんとなく、いつも通りの確認をする。
帰りはなるべく揺れないようにゆっくり帰った。
城に着くと、ウランさんが待っていた。
「保護魔法を破りましたね?貴方と一緒だったのでお任せしましたが、何がありましたか?彼女は、、、寝てらっしゃる?」
冷静な彼の取り乱した姿は珍しい。
「彼女を抱いた。怪我をしたから治療したんだよ。」
彼女に触れようとしていた手が止まる。触らせたりは、しないが。
「どういう、ことですか?彼女はあちらに好きな方が!」
「その想いごと抱いたんだよ。ウランさんの証は見た。悪いことをしたと思うが、あんたに謝罪はしない。一発ぐらいなら殴ってもいいぜ?えいこはこっちで俺が幸せにする。」
「…こちらで、というのはこの国を継ぐと?」
「継げるような男になるしかねぇだろ。殴るのはこいつ寝かした後でいいか?」
「殴りませんよ。…こんな時にこの国の事を先に聞いてしまう私にはハナから不相応だったんでしょう。そもそも順番は気にしないと言ったのは私でしたし。ただし、えいこサンを泣かせたら、分かりますね?」
「その時は頼む。」
ウランさんの視線を受け止めた後、そのまま立ち去ろうとする彼を引き止める。
「シャルとディナ、若しくは女手を貸して欲しい。」
「どうかなされたのですか?」
怪訝な顔をされたので、感知するよう促す。
「これは、、、まさか、、、シャル!アナスタシアを呼べ、今すぐだ!」
「ディナは陛下を!」
何処からか、承知しました、と声が聞こえた。
「シャルの母親でディナの師匠でもある私の乳母を呼ばせました。冷えると行けないので、お部屋に、貴方の部屋で宜しいですね?」
ウランさんと部屋に入り、彼女をベッドに運ぶ。どうしたどうした。とサンサンがやって来た。
「陛下、テルラ様が継嗣になられるとの事です。」
「ホントか?」
サンサンがパッと喜びに染まる。
「それから、早急にテルラ様とえいこ様と婚姻の儀を執り行います。」
「おお、えいこサンとそういう仲とは知らなんだ!しかし、早急にとは何事だ?」
「普通ならこんなに早くは分からないんでしょうねぇ。」
感知を促された闇の国の王は、彼女の腹の中に既に孫が魔力を放っている事を知った。
大地君がにやっと笑う。
「えいこサン、わかってやってるだろ。」
はい、その通り。
と言うわけにいかないので、困って微笑む。
大地君は岩に背を預けて夕日を見た。
空はだんだん紅くなっていく。
「…会議でえいこサンの話題が出た。ちょっと手を貸して欲しいってな。」
大きな背中を見つめる。
「俺はえいこサンを利用するためにここで守ってんじゃねぇよって反論した。そもそも、こっちに来ちまった奴らまとめて面倒見れるように働いてる訳だし。そしたらウランさんに言われた。」
言葉を切って、1つ息をつく。
「えいこサンは既にこの国にとっても自分にとっても大切な人で、仲間だ。無理強いはしないが頼んでもいいかぐらい聞くべきだって。えいこサンは俺の同郷の友人だけど、俺の所有物じゃない。出来ることすら頼まれない辛さは知っているだろって、さ。その通りだ。」
大地君がこちらを、向く。なんだかやけに夕陽が眩しい。
「えいこサンがこっちに来てすぐは、確かに俺がいたから助かったと自分でも思ってる。でも、それを恩に着せるつもりはない。俺が引っ張り込んだ訳だし。けど、俺は、もう、」
彼の手が私に伸びて、頰を撫ぜた。
大地くんからのセリフは大体予想がつく。分かってるつもりだった。でも、触れられて心臓が小さく跳ねる。そう言えば、ゲームしてた時はテルラ推しだったんだ。
「えいこサンを手放せない。」
強い瞳が私を貫く。まずった、覚悟が足りてなかった。ちゃんと、毅然と断わらないと。
「俺のものになって欲しい。」
甘く囁かれる。
そのセリフは言わないで欲しかった。
前世で一志から欲しかった言葉を、そんな風に切なげに吐かないで。
「この世界では、愛の証を贈る事ができる。受け取って欲しい。」
「受け、取れない。」
「なんでた?」
「ダメなの。」
だって私は、、、
「ダメなの。」と小さく呟く彼女。目は潤み頰が赤い。いつもの余裕のある彼女じゃ無かった。
ソレで『ダメ』は無いだろう。
「えいこサン、ソレは煽るって言うんだよ。」
岩から引き下ろして抱きすくめる。彼女の香を嗅いで理性ごと溶けた。
引き下ろされた驚きで顔を上げたら、そのまま口で口を塞がれた。抵抗しようと思った。でも荒々しい舌が歯の裏を撫ぜた瞬間、電気が走る。
そうだ、私と彼の相性は良かったんだ。意識が朦朧とする。強く舌を吸われて下腹部が痺れて来る。いけない。
「んはぁ。」
長いキスから解放されてようやく呼吸ができた。再びキスをしようとする大地くんを押しとどめる。
「わた、し、向こうの世界に、好きな人が」
最後まで言わせてもらえない。再び深く口付けられた。舌の付け根を舐め上げられて下腹部がまた、疼く。
つい、キスに応えそうになった瞬間唐突に口が離れた。
「それでもいい。」
意味が分からない。
「向こうに好きな奴が居てもいい。この世界で好きになってさえくれれば、それでいい。」
フレンチキス、一回。
「俺が嫌いでなければ、嫌じゃなければ受けとって欲しい。」
二回。
「愛してる。応えて欲しい。」
三回以上。
啄ばむようなキスでも感じてしまうくらい、ヤバイ。
断わらないと。でも、何故か断れない。胸の奥が甘くて、辛い。自分が自分じゃなければ、ただの16歳のえいこだったら、私は大地くんが欲しいのだと体が主張する。
答えない私を、いつのまにか魔法で敷いた外套の上に優しく押し倒す。耳朶に触れられるのかと思ったけど、彼の唇は首筋に下がった。あくまで私が応えるまで待つらしい。
違う。応えるまで攻められる。
一人で脱ぎ着するのも難しい服は、魔法で緩められ大地くんの手で降ろされる。唇は更に下がり、彼の片手は双丘にかかる。片方の敏感な所を長い指が優しく押し揉む。自分でもすぐに硬くなったのが分かった。恥ずかしい。味わうように閉じていた大地くんの目が開いてふっと笑う。恥ずかしくて思わず顔を逸らして目を瞑る。
敏感な先が口に含まれたのが分かった。自分の奥から熱いトロリとしたものが溢れたのが分かった。
「あん、ん。」
恥ずかしい。恥ずかしい。両手で顔を覆い、油断すると開いてしまう脚を固く閉じる。
「えいこサン、俺が嫌いならやめる。断ってくれてもいい。でも、そうじゃない、だろ?」
訳が分からない。首を左右に振るしか出来ない。
「それじゃ分かんねぇよ。だから、確認、な?」
手がするりと秘部に伸びて、よじる間も無くバレてしまった。
いきなり下着の感触が無くなった。ビックリして見ると、濡れているどころでは無い下着を大地くんが持っている。
「魔法で取ったの?」ひどい。
「俺の愛の証を受け取るか、続けるか、どうする?」
その二択はズルい。口をパクパクしていると、彼が視界から消えた。
ぺちゃ。
小さな水音と同時に溶けるような快感が下半身を襲った。なんとか自分の脚と脚の間にある頭を掴むが、力は全く入らない。
「ぃやぁん、ん」
恥ずかしい声がなんとか漏れただけ。
蕾の先を弄んでいた舌は花弁の奥に伸ばされた。蜜が溢れる。出したり入れたりする度に「あん」という情け無い声が漏れる。
顔を上げた大地くんの舌から私まで細く糸がひく。
「えいこサン…」
慈しむ表情で手が伸びて、私の髪が耳にかけられた。
「これ、なんだ?」
何のことが一瞬分からなかった。
「これはウランさん、か?」
ウランさんからの証を大地くんが触れる。
「これは!…事故の時意味を知らずに受け取ってしまったの。」
何故か、必死に言い訳してしまう。今がきっと私から断れる最後のチャンスなのに。
「ウランさんからのは受け取ったのに、俺のは受け取れない?」
「違う!違う、よ。受け取れないのは、ただ、私が弱いだけ。」
大地くんはひどく傷ついた顔をしている。
そして、私を強く抱きしめた。
「えいこサン、もし、あいつの方が好きなら俺を止めて欲しい。」
大地くんが耳朶を食べるようにキスする。耳の縁が熱い。
少し離れて大地くんが自身を取り出した。
「今が最後の確認だ。俺が、嫌いか?」
「そんな事、ない。」
いきなり私は深く貫かれた。痛みは確かに感じた。けれど、圧倒的な快感が全身を駆け巡り、それを凌駕する。
「んんっ♡」
まともな言葉すら出ない。
大地くんは私の頭を挟むように両手をついて、私を見る。
視線が、絡む。
何かを乞こうような表情の大地くん。けれど激しく打ち付けられて、腰が砕けそうなくらい、気持ちいい。
「あ、ぁあん♡」
堪らず声をあげた口が塞がれ、吸われる。大地君の喉が私の唾液を飲み下してごくんと鳴る。私の口の周りは唾液でべとべとだ。
突然腰の動きが止まり、繋がったまま彼が見下ろす。
「えいこサン、綺麗だ。」
その言葉に逆に冷静なり、赤面する。ただでさえ冴えないのに、こんなぐちゃぐちゃにされて綺麗なはず無い。
「や、だぁ。」
感情が高ぶって涙が流れたようだ。少し視界が歪んだ直後に彼が舐めとる。
「それから、世界一可愛い。」
ゆっくりとかき混ぜるように動かされ始めて、下腹部に先ほどまでには感じなかった何かが感じられる。
「やっべぇ、締まり過ぎ。」
気持ちいいよ、と耳元で囁かれて、何かの正体が分かる。
「いやっ、いっ、いっちゃぅ♡」
どんどん高まる、だめ、おかしくなっちゃう。
「いけよ。えいこ。俺のものになれ。」
堪え難い悦びが下腹部から頭頂まで走り、無意識に口走ってしまった。
「大地くん、好き…。」
熱っぽくなった彼女が弓なりになり、中が激しく痙攣しているのが分かった。少しだらしなく空いた口に潤んだ瞳、桜色の頰全てが愛しい。
煽情的な彼女の口から、欲しくて欲しくて仕方なかった言葉が溢れた。ヤバイ、油断してたと思い、自身を引き抜こうとして彼女の脚がそれを阻止しているのに気づいた。気づいて、止められる訳がない。深く彼女の奥で熱を放った。
彼女は気絶したのか、疲労で寝てしまったのか分からないが意識はない。お互いの汗などを軽く拭いていると、ケガをしているのを見つけた。足の先を少し切っているようだったので魔法防御を上書きしてから治療する。破瓜の傷はひどくなさそうだったので、そのままにした。夢だと思われたら堪らない。
服を着せ、靴を履かせる。外套に包んで抱き抱えるように魔法で固定する。なんとなく、いつも通りの確認をする。
帰りはなるべく揺れないようにゆっくり帰った。
城に着くと、ウランさんが待っていた。
「保護魔法を破りましたね?貴方と一緒だったのでお任せしましたが、何がありましたか?彼女は、、、寝てらっしゃる?」
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「彼女を抱いた。怪我をしたから治療したんだよ。」
彼女に触れようとしていた手が止まる。触らせたりは、しないが。
「どういう、ことですか?彼女はあちらに好きな方が!」
「その想いごと抱いたんだよ。ウランさんの証は見た。悪いことをしたと思うが、あんたに謝罪はしない。一発ぐらいなら殴ってもいいぜ?えいこはこっちで俺が幸せにする。」
「…こちらで、というのはこの国を継ぐと?」
「継げるような男になるしかねぇだろ。殴るのはこいつ寝かした後でいいか?」
「殴りませんよ。…こんな時にこの国の事を先に聞いてしまう私にはハナから不相応だったんでしょう。そもそも順番は気にしないと言ったのは私でしたし。ただし、えいこサンを泣かせたら、分かりますね?」
「その時は頼む。」
ウランさんの視線を受け止めた後、そのまま立ち去ろうとする彼を引き止める。
「シャルとディナ、若しくは女手を貸して欲しい。」
「どうかなされたのですか?」
怪訝な顔をされたので、感知するよう促す。
「これは、、、まさか、、、シャル!アナスタシアを呼べ、今すぐだ!」
「ディナは陛下を!」
何処からか、承知しました、と声が聞こえた。
「シャルの母親でディナの師匠でもある私の乳母を呼ばせました。冷えると行けないので、お部屋に、貴方の部屋で宜しいですね?」
ウランさんと部屋に入り、彼女をベッドに運ぶ。どうしたどうした。とサンサンがやって来た。
「陛下、テルラ様が継嗣になられるとの事です。」
「ホントか?」
サンサンがパッと喜びに染まる。
「それから、早急にテルラ様とえいこ様と婚姻の儀を執り行います。」
「おお、えいこサンとそういう仲とは知らなんだ!しかし、早急にとは何事だ?」
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