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18 宿のお仕事
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夜中、若干の胸焼けを感じて厨房で水をもらいに行くと、食堂の方から笑い声が聞こえた。階段すぐ近くの食堂をひょいと覗くと、厨房との境にあるカウンターでアルバートさんが立ったままお酒を呑んでいた。
「アルバートさん?」
「おお、サヤは水か?」
近づいて行くと、厨房にはデイノさんがいた。
「サヤが最後だね。あんな食事じゃあねぇ。ボトルに入れてあげるから、部屋に持っておいき。胸がスッとするハーブ茶だよ」
「ありがとうございます」
クロノさん達もすでに取りに来ていたらしい。アルバートさんの前に小皿があるので、肴もあったのだろう。流石みんなのお母さん。全てお見通し、みたいだ。
女性相手に楽しげなアルバートさんは凄く珍しく思うけれど、それだけ彼がリラックスできる間柄なのが分かった。お邪魔しないようにそそくさと失礼しようとしたら、しかし、むんずと首根っこを掴まれた。
「なんで逃げんねん。俺も上がるっちゅーねん」
「え?凄く楽しそうにされてたのに?お構いなく……」
「あははは。サヤの話聞いてただけだよ。心配しなくても、しっかりした子じゃないか」
「一見しっかりしとるように見えるから、怖いんやんけ」
うーん、凄い言われよう。デイノさんは「大丈夫大丈夫」と笑っていて、それを見るとなんだか私すら安心感を感じる。
部屋へ戻る階段を並んで上がりながら、私はアルバートさんに聞いた。
「デイノさんは怖くないですか?その、女の人なのに」
「デイノは番持ちやからな」
「番持ち?」
「ああ」
何だっけ?また知らない単語だ。記憶の中を探すのに一瞬足が止まってしまい、アルバートさんが素早く手を回して支えてくれる。
「あ、ごめんなさい。つまづいた訳ではなくて、番持ちって何だっけって考えてしまいました」
「え、ああ、すまん。俺も今考え事しとって、無意識やったわ」
すぐにアルバートさんは手を離した。
「まぁ、俺が言えた義理やないけど、階段で考え事は危ないで」
無意識で足が止まる私と、無意識で人のサポートをしてしまうアルバートさん。なんかすみません。
「……なぁ、サヤ。俺はサヤ自身は信頼しとるけど、世の中は信頼しとらん。安全に一人でウロウロできるまでには、まだもうちょい知らんことが多すぎんねん。せやから、夜酒場とか行くなや。」
「はい」
なんだろう。私が酒場に興味は無い事は彼も知っているはずなのに。ここの酒場は何か特別なのかしら?
「それから、お守り、今持っとるか?」
言われて首からかけて服の中にしまっていた竜の鱗を出す。「ちょお、目ぇ瞑れ」と言われて目を瞑ると、凄い近さでアルバートの熱を感じた。それにアルバートさんの香りもしてドキドキする。何をしているかの説明も無く、ただ、お守りに何かしている事は感じたのはほんの数十秒間だっただろうに、凄く長い時間に感じた。「ええで」と言われて目を開けたけど、とりわけ何か変わった感じはしない。
「あの?」
「ちょっと仕掛け作っといた」
「仕掛けですか?どんな?」
「秘密や。まぁ、あんまり心配はせんでもええで。この街にはあいつもおるし。ほな、おやすみ」
「え?おやす……」
何故かそそくさと部屋に彼は入ってしまい、私のおやすみなさいの言葉は途中で空中を彷徨ってしまった。
あいつって……だれだろう?
竜の鱗を服の中にしまい直して、私も部屋に戻った。
翌朝クロノさん達を見送り、改めてデイノさんにご挨拶をする。
「ふんふん、うん。サヤは性別がまた決まってないんだね。一応華奢な方だから、こっちを着てもらおうか」
渡されたのはメイド服だ。懐かしい。
「うん、似合う似合う。さて、と。今は宿自体は閑散期でね……」
デイノさんは軽くこの町の説明をしてくださった。
この港町は帝都への入口にも近く、人の出入りも激しいけれど、この町全体で見ても泊まりの客は必ずしも多いわけでは無かった。行事で帝都の宿屋が高騰していたり、自前の船で遅く着いて、入都の審査に間に合わな無い場合位しか普通の人は泊まらないから、閑散期の時期は比較的長い。
各宿屋には特色があって、かなりの荷物を安全に預かってくれる、とか、マーマン、マーメイド御用達の宿屋とか必要な施設があるものが多いそうだ。因みにうちの特色は丈夫な檻や拘束具が充実していること。
拘束具が必要なお客様って何でしょう?デイノさんひとりで難しい時はその道のプロの人を雇っているから大丈夫って言われたけれど、何か不安しかない。
それで、閑散期は主に町や宿屋の食堂の下請けで、副菜を作るのが安定的な収入だった。組合制度で大量に毎日決められた同じ料理を作り、それぞれの食堂に収める。各食堂はメイン料理で特色を出すけれど、最低限の料理の質と種類、この町の特色の維持は保たれるようになっていた。種族によって食べられないものもあるから、とても実利に即していて画期的に思う。組合制度は帝国制度の下に敷かれたそうだけど、辺鄙な町までは噂すら届いてなかった。
なので、まずは今週の割り当ての料理を学ぶ、覚える。デイノさんに付いて回り、どこで何を買うか。同じものを作るのとは言え、材料は日々の仕入れ値に合わせてアレンジがある。大体の値段を把握して、メモに書きつけた。
皆が泊まった部屋やトイレ、シャワー室、カーテン類等閑散期ならではできる掃除も忘れない。
始めの一週間、お客様は本当に一人二人しか泊まら無かった。部屋の拘束具や檻は使用されていた形跡はあるけれど、何のためかはサッパリだ。消毒や管理は容易ですぐに覚える事が出来た。お客様は一様に唇と耳にピアスがあって鎖で口と耳が繋がっている美形ばかりだった。そして、リピーターさんだったのか、はじめましての私を見ると一瞬固まって……それから、ホッとしたような表情になる。なんというか、シャイで穏やかな感じの人達ばかりで拘束具と全く結びつかない。
週末、やはり美形のピアスの人がデイノさんを訪ねてやってきた。荷物を見る限り、その人は泊まり客ではなさそうだった。
「邪魔をする。デイノ、再来週は忙しくなる。通知は来週になると思うが」
「執行日かい?」
「ああ、いつも通り来週末から一週間だ」
「はいよ。来週真ん中が満月だからね。来週は書き入れ時さ」
ね、と私の方に振られたが、何と答えていいのやら。
「新しい従業員か。くれぐれも内密に頼む」
「すみません、話がいまいち分かりません」
「そういえば、アルバートが記憶が無いって言ってたねぇ。あんまりちゃんとしてたから、忘れてたわ」
カラカラ笑われてしまった。薄々そんな気はしていた。料理や家事については隙間を見つけてはガンガン教え込んでもらっていたのに、いわゆる常識については話題に上らなかった。
「記憶が、ない?教育課程もか?」
「あの、教育課程って何ですか?」
無表情に近かった彼は、驚いた後、デイノさん責めるように睨んだ。
「読み書き計算はできるし、料理を教える時のスケールとかも問題なかったんだよ。頭も悪くない。おいおい覚えれば大丈夫さ」
デイノさんの反応と彼は対照的だった。無言で私を引き寄せて、デイノさんに静かに怒っているように見える。
「今日は幸い少し時間がある。夕方までには送り届けよう。彼女を借りが、構わないな?」
「どこへ連れて行くんだい?」
「帝都で本を与える。それから、この宿屋での身の振り方について教える」
もうすでに一週間近くこんな感じで過ごしてますけど……と言える雰囲気でも無く、私はデイノさんの許可を得て、帝都の本屋に行くことになった。
「アルバートさん?」
「おお、サヤは水か?」
近づいて行くと、厨房にはデイノさんがいた。
「サヤが最後だね。あんな食事じゃあねぇ。ボトルに入れてあげるから、部屋に持っておいき。胸がスッとするハーブ茶だよ」
「ありがとうございます」
クロノさん達もすでに取りに来ていたらしい。アルバートさんの前に小皿があるので、肴もあったのだろう。流石みんなのお母さん。全てお見通し、みたいだ。
女性相手に楽しげなアルバートさんは凄く珍しく思うけれど、それだけ彼がリラックスできる間柄なのが分かった。お邪魔しないようにそそくさと失礼しようとしたら、しかし、むんずと首根っこを掴まれた。
「なんで逃げんねん。俺も上がるっちゅーねん」
「え?凄く楽しそうにされてたのに?お構いなく……」
「あははは。サヤの話聞いてただけだよ。心配しなくても、しっかりした子じゃないか」
「一見しっかりしとるように見えるから、怖いんやんけ」
うーん、凄い言われよう。デイノさんは「大丈夫大丈夫」と笑っていて、それを見るとなんだか私すら安心感を感じる。
部屋へ戻る階段を並んで上がりながら、私はアルバートさんに聞いた。
「デイノさんは怖くないですか?その、女の人なのに」
「デイノは番持ちやからな」
「番持ち?」
「ああ」
何だっけ?また知らない単語だ。記憶の中を探すのに一瞬足が止まってしまい、アルバートさんが素早く手を回して支えてくれる。
「あ、ごめんなさい。つまづいた訳ではなくて、番持ちって何だっけって考えてしまいました」
「え、ああ、すまん。俺も今考え事しとって、無意識やったわ」
すぐにアルバートさんは手を離した。
「まぁ、俺が言えた義理やないけど、階段で考え事は危ないで」
無意識で足が止まる私と、無意識で人のサポートをしてしまうアルバートさん。なんかすみません。
「……なぁ、サヤ。俺はサヤ自身は信頼しとるけど、世の中は信頼しとらん。安全に一人でウロウロできるまでには、まだもうちょい知らんことが多すぎんねん。せやから、夜酒場とか行くなや。」
「はい」
なんだろう。私が酒場に興味は無い事は彼も知っているはずなのに。ここの酒場は何か特別なのかしら?
「それから、お守り、今持っとるか?」
言われて首からかけて服の中にしまっていた竜の鱗を出す。「ちょお、目ぇ瞑れ」と言われて目を瞑ると、凄い近さでアルバートの熱を感じた。それにアルバートさんの香りもしてドキドキする。何をしているかの説明も無く、ただ、お守りに何かしている事は感じたのはほんの数十秒間だっただろうに、凄く長い時間に感じた。「ええで」と言われて目を開けたけど、とりわけ何か変わった感じはしない。
「あの?」
「ちょっと仕掛け作っといた」
「仕掛けですか?どんな?」
「秘密や。まぁ、あんまり心配はせんでもええで。この街にはあいつもおるし。ほな、おやすみ」
「え?おやす……」
何故かそそくさと部屋に彼は入ってしまい、私のおやすみなさいの言葉は途中で空中を彷徨ってしまった。
あいつって……だれだろう?
竜の鱗を服の中にしまい直して、私も部屋に戻った。
翌朝クロノさん達を見送り、改めてデイノさんにご挨拶をする。
「ふんふん、うん。サヤは性別がまた決まってないんだね。一応華奢な方だから、こっちを着てもらおうか」
渡されたのはメイド服だ。懐かしい。
「うん、似合う似合う。さて、と。今は宿自体は閑散期でね……」
デイノさんは軽くこの町の説明をしてくださった。
この港町は帝都への入口にも近く、人の出入りも激しいけれど、この町全体で見ても泊まりの客は必ずしも多いわけでは無かった。行事で帝都の宿屋が高騰していたり、自前の船で遅く着いて、入都の審査に間に合わな無い場合位しか普通の人は泊まらないから、閑散期の時期は比較的長い。
各宿屋には特色があって、かなりの荷物を安全に預かってくれる、とか、マーマン、マーメイド御用達の宿屋とか必要な施設があるものが多いそうだ。因みにうちの特色は丈夫な檻や拘束具が充実していること。
拘束具が必要なお客様って何でしょう?デイノさんひとりで難しい時はその道のプロの人を雇っているから大丈夫って言われたけれど、何か不安しかない。
それで、閑散期は主に町や宿屋の食堂の下請けで、副菜を作るのが安定的な収入だった。組合制度で大量に毎日決められた同じ料理を作り、それぞれの食堂に収める。各食堂はメイン料理で特色を出すけれど、最低限の料理の質と種類、この町の特色の維持は保たれるようになっていた。種族によって食べられないものもあるから、とても実利に即していて画期的に思う。組合制度は帝国制度の下に敷かれたそうだけど、辺鄙な町までは噂すら届いてなかった。
なので、まずは今週の割り当ての料理を学ぶ、覚える。デイノさんに付いて回り、どこで何を買うか。同じものを作るのとは言え、材料は日々の仕入れ値に合わせてアレンジがある。大体の値段を把握して、メモに書きつけた。
皆が泊まった部屋やトイレ、シャワー室、カーテン類等閑散期ならではできる掃除も忘れない。
始めの一週間、お客様は本当に一人二人しか泊まら無かった。部屋の拘束具や檻は使用されていた形跡はあるけれど、何のためかはサッパリだ。消毒や管理は容易ですぐに覚える事が出来た。お客様は一様に唇と耳にピアスがあって鎖で口と耳が繋がっている美形ばかりだった。そして、リピーターさんだったのか、はじめましての私を見ると一瞬固まって……それから、ホッとしたような表情になる。なんというか、シャイで穏やかな感じの人達ばかりで拘束具と全く結びつかない。
週末、やはり美形のピアスの人がデイノさんを訪ねてやってきた。荷物を見る限り、その人は泊まり客ではなさそうだった。
「邪魔をする。デイノ、再来週は忙しくなる。通知は来週になると思うが」
「執行日かい?」
「ああ、いつも通り来週末から一週間だ」
「はいよ。来週真ん中が満月だからね。来週は書き入れ時さ」
ね、と私の方に振られたが、何と答えていいのやら。
「新しい従業員か。くれぐれも内密に頼む」
「すみません、話がいまいち分かりません」
「そういえば、アルバートが記憶が無いって言ってたねぇ。あんまりちゃんとしてたから、忘れてたわ」
カラカラ笑われてしまった。薄々そんな気はしていた。料理や家事については隙間を見つけてはガンガン教え込んでもらっていたのに、いわゆる常識については話題に上らなかった。
「記憶が、ない?教育課程もか?」
「あの、教育課程って何ですか?」
無表情に近かった彼は、驚いた後、デイノさん責めるように睨んだ。
「読み書き計算はできるし、料理を教える時のスケールとかも問題なかったんだよ。頭も悪くない。おいおい覚えれば大丈夫さ」
デイノさんの反応と彼は対照的だった。無言で私を引き寄せて、デイノさんに静かに怒っているように見える。
「今日は幸い少し時間がある。夕方までには送り届けよう。彼女を借りが、構わないな?」
「どこへ連れて行くんだい?」
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