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43 船上パーティー
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ほんの少しだけ穏やかに過ごせるようになってしばらく、非公式の身内だけの会合とやらに私も連れて行かれる事になった。
船の上で行われ、その後少し南の方を回って帰るらしい。
発作も穏やかになったし、猫さんもいるので「いってらっしゃい」と言ったら、「俺が寂しいっつーの」と言われてしまった。
借りがあるので断る訳にもいかず、エラスノの船以外の船では記憶にある限り初めて私は海に出た。
薬が効いてるなら昼間でも海に飛び込めるな、と考えていたが、旅客船は甲板から飛び込めるとかそういうレベルじゃなかった。船は大きく、通れる航路は限られていて、何というが船旅の中では面白い方ではなさそう。景色が海なだけの大きな宿泊施設と言った感じ。
会合が始まるまで、船の中は自由に出歩いて良い、と言われて竜の鱗と真珠のネックレスを渡された。大粒のピンクパールには、細かな細工が施されている。ハウマッチ。
「絶対に外すなよ」
外して無くすのが恐ろしいです。とは言え、彼が値段や物に価値を見出すタイプにも見えない。
念を押されて、何でだろうと思ったが理由はすぐに分かった。船内の客は皆さんオールマンイーター。アルバートさんのお守りはレックスに言ってないし、そもそも効力が切れてるかもしれないので、ありがたく首にかけて置いた。
サロンにカジノスペース、映画館もある。コンサートもやっているけど、甲板の塩味のする空気の下でのカルテットを聞くことにした。楽器が傷まないかと少し心配しながら鑑賞していると、演奏者もちゃんと龍の鱗を身につけていた。
手すりにもたれながら、階下の音楽を聴く。聞いたことのあるしっとりとした曲だった。心の奥が穏やかにしみる。心に傷があるみたい。
「よぉ、変わり、あらへんか?」
すぐ横に立った人の顔は、前を向いた状態の私の視界でも見える。その視界に入ると同時に、彼は声をかけてきた。
「横、向くんやないで」
「……は、い」
アルバートさんだ。カジノでエスコートしてもらった時と同じ服。私も偶然あの時と同じ色のドレス。心臓は口から出るかと思うくらい早鐘を打っている。
「アル、バートさんもお変わりなく?」
「おお、みんな良くやっとるわ」
私はアルバートさんの事が聞きたい。アルバートさんの声が聞きたい。
「私は、元気じゃ無かったかもしれません」
「そうか」
曲調が変わって、舞曲のようなの激しい曲にかわった。
「デイノから話聞いたわ。……今、何してる人なん?」
「セクンダス族……私の一族の資料を見ながら記憶を辿ろうとしてます。上手く行ってませんけど」
「戻る時は戻るやろうし、違うアプローチもしてみ」
軽い感じのアドバイスに「そう、ですね」としか言えなかった。自分で言っておきながら、最近は資料を見るのもままならない事が言えない。
「神王さんな、皇帝陛下。ええと思う」
「え?」
「クロノやのうて、あいつでもええで」
クロノさんの名前がでて、汗が吹き出る。あれは、あの日の事は全て忘れたのでは無かったの?あの日の事をあなたは覚えているの?確かに記憶を奪う力は弱い薬だったかも知れないが、それでもあれが幻だとは思ったはずだった。
「あいつもクロノとほぼ同じ色やし……、最近あいつの色もサヤの色に染まってきとる」
「アルバートさん……」
「ネックレス、よう似合とるで。神王さんの想い、めっちゃ強いやん」
「そんな……」
「皇帝妃は大変やろけどな。サヤの、あの婚約者やったんやろ?見つかって良かったやん」
佳境に入ったのか、曲調はより強く激しく高まってきた。彼は私の声を聞かない。
「アルバートさん!私は……」
カルテットとは思えない激しい旋律は響く。私はとうとうアルバートさんの方を向いた。
彼は全てを諦めたような笑顔でこちらを向いていた。
「サヤ、幸せになりや」
ジャンッという音と共に拍手が鳴る。アルバートさんは背を向けて行ってしまった。
「時間でございます」
消えた彼の背中の代わりのように、ルルーさんが私を迎えにきた。
私は、アルバートさんにあんな顔をしてもらうために彼を諦めている訳じゃ無いのに。どうすれば、良かったの?わからない。今も、わからない。
ホールに集まった人達は皆マンイーターだった。恐らくアルバートさんもいるはずの。舞台袖からは照明が眩しくて、見つける事は出来ない。
「もうすぐ、安寧の世界を築ける。それまでより一層の協力を頼む。もちろん、その後もあるが……」
マンイーターは被差別マイノリティーだ。管理下に置きながら、特別職として重用歓待する事で、レックスは帝国を築いたのだとよく分かる。
「近々良い知らせが出来ると思う。約束の姫がこの船にいたのを皆も気付いたはずだ」
不意にホール上部の舞台上、レックスの側に引っ張りだされた。
「レックス?!」
ざわっと会場から声がした。私の登場では無く、私が彼を呼び捨てにした事に驚きが走った。
「サヤ、こい」
引き寄せられて、レックスを見ると、瞳の奥が少し冷たく見えた。そのまま顔が近づいて……キスされる?嫌だ。アルバートさんが見ている。
身を引こうとした瞬間、舞台から香りが沸き立った気がして発作が来た。それに合わせてレックスがキスをする。
おかし、い?何故、今、あの香りが?
私はそのまま意識を失った。
すぐに目覚めたつもりだったが、船室のベッドで寝ていた。体がすごく重くて、やはりおかしい。
「レッ……クス?」
レックスはイスに座って何か飲んでいた。
「襲わねぇ、つもりだったんだよ」
レックスが私の上にのしかかった。彼の目は怒りを含んでいる。
「サヤ、あの男とはどういう関係だ?」
「あの、男?」
「隠し持ってる龍の鱗の男だ。……切れたと思ってたから黙ってたが、龍の鱗のからそんな匂いさせといて、何もねぇってこたぁねえよな」
レックスは私の耳を舐めた。あの男ってアルバートさん?レックスは、今日アルバートさんと会っていたのを見たの?
服を緩められ、キスをされながら愛撫される……。怖さはあるが、未だに強い香りを感じて体は動かず、ただ習慣的な反応しかできない。
「恋愛成功率ゼロっつってなかったか?……あいつに発作とやらは慰めてもらってたんだろ!じゃなきゃ、俺が初めに触れた時あんなに反応があるはずねぇよな?!」
冷たく笑いながら、私の反応を見せつけられた。
「アルバートさんには、……片想いですっ。彼とこんな事、したことないっ!」
叫ぶように声を出すと、体に力が入った。背を向けて抵抗を試みる。無駄かもしれないけど、必死で逃げようとした。
「……悪かった」
レックスはすぐに離れた。彼の顔は蒼白だ。もしかして……あの香水の香りも消えている。レックスはあれに影響を受けた?あれは私の記憶の香りでなく、本当に香っているの?周りにフレグランス類は見当たらない。
「そう、だった。わりぃ。マジでごめん。最低だ。奴隷ん時のこと考えてなかった」
服を整えながら、合点がいった。レックスは私がそういう奴隷だったと勘違いしているらしい。いや、でも当時無性別だったんだけど。
否定しようとして、やはりやめた。自分の習慣的反応はエウディからの手ほどきで、それは遠回りにレックスのせいだ。
「アルバートさんの、龍の鱗は街での危険を減らすために仲間として貰ったもの、だよ。私は、確かに彼が好き。だけど、とっくに振られてるの。レックスは……優しいね。私の事をいつも大事にしようとしてくれてる。でも、互いに信頼出来ないと番にはなれないよ」
多分、私とアルバートさんとだって今は繋がっても番にはなれない気がした。あくまで感覚としてだけど、こんなにもどかしいのに魂の色如何で番になれるとは思えない。
「何に焦っているの?さっきの、嫉妬だけじゃないよね」
長く待っていてくれた。ぼちぼちやっていくと言っていたはずだ。アルバートさんとのやりとりを見て、ただの嫉妬にしてはおかしかった。どこからどう見ても振られた現場でしかない。
レックスは黙って私を抱きしめるだけだった。
船の上で行われ、その後少し南の方を回って帰るらしい。
発作も穏やかになったし、猫さんもいるので「いってらっしゃい」と言ったら、「俺が寂しいっつーの」と言われてしまった。
借りがあるので断る訳にもいかず、エラスノの船以外の船では記憶にある限り初めて私は海に出た。
薬が効いてるなら昼間でも海に飛び込めるな、と考えていたが、旅客船は甲板から飛び込めるとかそういうレベルじゃなかった。船は大きく、通れる航路は限られていて、何というが船旅の中では面白い方ではなさそう。景色が海なだけの大きな宿泊施設と言った感じ。
会合が始まるまで、船の中は自由に出歩いて良い、と言われて竜の鱗と真珠のネックレスを渡された。大粒のピンクパールには、細かな細工が施されている。ハウマッチ。
「絶対に外すなよ」
外して無くすのが恐ろしいです。とは言え、彼が値段や物に価値を見出すタイプにも見えない。
念を押されて、何でだろうと思ったが理由はすぐに分かった。船内の客は皆さんオールマンイーター。アルバートさんのお守りはレックスに言ってないし、そもそも効力が切れてるかもしれないので、ありがたく首にかけて置いた。
サロンにカジノスペース、映画館もある。コンサートもやっているけど、甲板の塩味のする空気の下でのカルテットを聞くことにした。楽器が傷まないかと少し心配しながら鑑賞していると、演奏者もちゃんと龍の鱗を身につけていた。
手すりにもたれながら、階下の音楽を聴く。聞いたことのあるしっとりとした曲だった。心の奥が穏やかにしみる。心に傷があるみたい。
「よぉ、変わり、あらへんか?」
すぐ横に立った人の顔は、前を向いた状態の私の視界でも見える。その視界に入ると同時に、彼は声をかけてきた。
「横、向くんやないで」
「……は、い」
アルバートさんだ。カジノでエスコートしてもらった時と同じ服。私も偶然あの時と同じ色のドレス。心臓は口から出るかと思うくらい早鐘を打っている。
「アル、バートさんもお変わりなく?」
「おお、みんな良くやっとるわ」
私はアルバートさんの事が聞きたい。アルバートさんの声が聞きたい。
「私は、元気じゃ無かったかもしれません」
「そうか」
曲調が変わって、舞曲のようなの激しい曲にかわった。
「デイノから話聞いたわ。……今、何してる人なん?」
「セクンダス族……私の一族の資料を見ながら記憶を辿ろうとしてます。上手く行ってませんけど」
「戻る時は戻るやろうし、違うアプローチもしてみ」
軽い感じのアドバイスに「そう、ですね」としか言えなかった。自分で言っておきながら、最近は資料を見るのもままならない事が言えない。
「神王さんな、皇帝陛下。ええと思う」
「え?」
「クロノやのうて、あいつでもええで」
クロノさんの名前がでて、汗が吹き出る。あれは、あの日の事は全て忘れたのでは無かったの?あの日の事をあなたは覚えているの?確かに記憶を奪う力は弱い薬だったかも知れないが、それでもあれが幻だとは思ったはずだった。
「あいつもクロノとほぼ同じ色やし……、最近あいつの色もサヤの色に染まってきとる」
「アルバートさん……」
「ネックレス、よう似合とるで。神王さんの想い、めっちゃ強いやん」
「そんな……」
「皇帝妃は大変やろけどな。サヤの、あの婚約者やったんやろ?見つかって良かったやん」
佳境に入ったのか、曲調はより強く激しく高まってきた。彼は私の声を聞かない。
「アルバートさん!私は……」
カルテットとは思えない激しい旋律は響く。私はとうとうアルバートさんの方を向いた。
彼は全てを諦めたような笑顔でこちらを向いていた。
「サヤ、幸せになりや」
ジャンッという音と共に拍手が鳴る。アルバートさんは背を向けて行ってしまった。
「時間でございます」
消えた彼の背中の代わりのように、ルルーさんが私を迎えにきた。
私は、アルバートさんにあんな顔をしてもらうために彼を諦めている訳じゃ無いのに。どうすれば、良かったの?わからない。今も、わからない。
ホールに集まった人達は皆マンイーターだった。恐らくアルバートさんもいるはずの。舞台袖からは照明が眩しくて、見つける事は出来ない。
「もうすぐ、安寧の世界を築ける。それまでより一層の協力を頼む。もちろん、その後もあるが……」
マンイーターは被差別マイノリティーだ。管理下に置きながら、特別職として重用歓待する事で、レックスは帝国を築いたのだとよく分かる。
「近々良い知らせが出来ると思う。約束の姫がこの船にいたのを皆も気付いたはずだ」
不意にホール上部の舞台上、レックスの側に引っ張りだされた。
「レックス?!」
ざわっと会場から声がした。私の登場では無く、私が彼を呼び捨てにした事に驚きが走った。
「サヤ、こい」
引き寄せられて、レックスを見ると、瞳の奥が少し冷たく見えた。そのまま顔が近づいて……キスされる?嫌だ。アルバートさんが見ている。
身を引こうとした瞬間、舞台から香りが沸き立った気がして発作が来た。それに合わせてレックスがキスをする。
おかし、い?何故、今、あの香りが?
私はそのまま意識を失った。
すぐに目覚めたつもりだったが、船室のベッドで寝ていた。体がすごく重くて、やはりおかしい。
「レッ……クス?」
レックスはイスに座って何か飲んでいた。
「襲わねぇ、つもりだったんだよ」
レックスが私の上にのしかかった。彼の目は怒りを含んでいる。
「サヤ、あの男とはどういう関係だ?」
「あの、男?」
「隠し持ってる龍の鱗の男だ。……切れたと思ってたから黙ってたが、龍の鱗のからそんな匂いさせといて、何もねぇってこたぁねえよな」
レックスは私の耳を舐めた。あの男ってアルバートさん?レックスは、今日アルバートさんと会っていたのを見たの?
服を緩められ、キスをされながら愛撫される……。怖さはあるが、未だに強い香りを感じて体は動かず、ただ習慣的な反応しかできない。
「恋愛成功率ゼロっつってなかったか?……あいつに発作とやらは慰めてもらってたんだろ!じゃなきゃ、俺が初めに触れた時あんなに反応があるはずねぇよな?!」
冷たく笑いながら、私の反応を見せつけられた。
「アルバートさんには、……片想いですっ。彼とこんな事、したことないっ!」
叫ぶように声を出すと、体に力が入った。背を向けて抵抗を試みる。無駄かもしれないけど、必死で逃げようとした。
「……悪かった」
レックスはすぐに離れた。彼の顔は蒼白だ。もしかして……あの香水の香りも消えている。レックスはあれに影響を受けた?あれは私の記憶の香りでなく、本当に香っているの?周りにフレグランス類は見当たらない。
「そう、だった。わりぃ。マジでごめん。最低だ。奴隷ん時のこと考えてなかった」
服を整えながら、合点がいった。レックスは私がそういう奴隷だったと勘違いしているらしい。いや、でも当時無性別だったんだけど。
否定しようとして、やはりやめた。自分の習慣的反応はエウディからの手ほどきで、それは遠回りにレックスのせいだ。
「アルバートさんの、龍の鱗は街での危険を減らすために仲間として貰ったもの、だよ。私は、確かに彼が好き。だけど、とっくに振られてるの。レックスは……優しいね。私の事をいつも大事にしようとしてくれてる。でも、互いに信頼出来ないと番にはなれないよ」
多分、私とアルバートさんとだって今は繋がっても番にはなれない気がした。あくまで感覚としてだけど、こんなにもどかしいのに魂の色如何で番になれるとは思えない。
「何に焦っているの?さっきの、嫉妬だけじゃないよね」
長く待っていてくれた。ぼちぼちやっていくと言っていたはずだ。アルバートさんとのやりとりを見て、ただの嫉妬にしてはおかしかった。どこからどう見ても振られた現場でしかない。
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