我が家の猫は王様である

饕餮

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いたずらっ子

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 当時は私と母しかおらず、父はすでに他界しており、弟は行方不明。

 女しかいない状態でしたが、なんとかなるだろうとトイレの設置が終わると子猫を母に任せ、子猫用のご飯と、まだミルクを飲んでるとのことだったので、猫用の哺乳瓶とミルク、餌入れなど諸々の買い物をして帰宅。ゲージになるようにキッチンで使うような網目のものを購入してゲージを作り、その中にトイレと水とご飯、寝床を作りました。
 まあ、最終的にはいらなくなったんですけどね、母親のせいで。

 それをしている間、子猫は家中を探検していました。
 捨てようと思っていたダンボールに乗ろうとして乗れずに落ちたり、紙袋に入ってそのまま寝てしまったり。
 結んであったビニール袋をちょいちょいとつついて、転がしてみたり。

 とにかく好奇心旺盛で、あちこち探検していました。

 トイレも、しそうになるとその場所に連れて行く。何回かそうしているうちに自然と場所を覚えました。
 もちろん、食事の場所も。

 お気に入りの場所は、ベッドの上の布団。母親がその上で寝かせてしまったがためにそこが寝る場所だと覚えてしまったのです。
 何のためにゲージを作ったんだと思うものの、昼間は母がベッドの上で寝かせてたもんだから、それが当たり前になってしまった。
 全く……。
 まあ、ふすまや柱をガリガリしない、いい子ではあった。爪とぎはきちんと、大家さんにいただいた爪とぎでやってたしね。これも教えたら、きちんと覚えた。

 うん、いい子!(親バカである)

 まだまだミルクも飲みたい盛りだったようで、子猫用の哺乳瓶とミルクを買ってきて与えた。
 昼間は仕事に行っていたので、その間は母にお願いし、夜は私がミルクを与えたんだけど、なんとミルクのおねだりの時間は三時間おき。人間と一緒。
 三時間たつと「ミー、ミー」と鳴いて起こすので、ミルクを作って与える。だけど、飲み方が下手なのか、或いは哺乳瓶の乳首のところが大きかったのか、すぐに噛み千切ってしまって大変。

「あー、また噛み千切ってるし……」

 眠い目を擦りながら龍にミルクを与え、飲みきったら寝床へ。それで寝てしまう、まだまだ小さい子猫の龍。まあ、当時はまだ二ヶ月くらいの、本当に小さな子猫だった。
 キャットタワーだとまだ自分では登れないからと、百均で紙のポールやら板でキャットタワーを作り、外が見れるように窓際に置いた。
 階段状に組んだから自分で登れるといいんだけどなあ……。と考えて作ったものでした。

 まあ、低めに組んだとはいえ、筋力や躰の大きさの問題なのかやっぱり登れなくて、最初は一番上に乗せてあげていた。だけど躰が大きくなっていくうちに一人で登れるようになって。
 外にいる雀や鳩、たまに横切る猫を眺めてました。

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