私の理想の異世界チート

７１．５種類のタルトケーキ

「まぁ 見て貰った方が早いだろう。
ミユ。 こちらの机の上に出してくれるかな？」

「はい。」

エドの指し示す机に向かいます。

机の前に来て 今朝のケーキを出したいなっと思えば、いつも通り 目の前に半透明の灰色の板が現れた。

そこに表示された、５種類のケーキを 今日は指で押さずに、心の中で『この机の上に５種類のケーキを出す。』と思ってみた。

ケーキが５種類出てきた……

『やっぱり 思うだけで出せたのか…ｶﾞｯｸﾘ…
今まで エドの前で、変な動きしてたんだろうなぁ…
もっと早く気づけば良かったよ…

もしかしたら、無意識に押さずに出していたのかもしれないなぁ…』

ケーキを出して振り返ると…
王族の皆様が…
目を見開き 口を半開きにして、固まっている。

『皆さん エドと同じ反応なんですね。』

王族の皆様の反応に 吹き出しそうになったので、慌てて口を掌で隠して押さえた！

助けを求める様に エドを見れば、腕を組み ドヤ顔をしている。

「ぷっ…あははははっ！」
我慢出来ずに噴き出して笑ってしまった。

すわっ！不敬罪か！！

と回りを見れば、私の事など気にもして居なくて、王族の皆様は ケーキに熱い視線を送って居る。

『怒られないなら こちらから何か言わなくてもいっか。』
と思い エドを見る。

エドは 私にウインクすると、家族に向き直り…

「ミユからの手土産です。
ゆっくり食べながら、今後の話でもしませんか？」

と言う。
すると王族の皆様は、物凄い素早い身のこなしで、席に着席した。

女性陣は  普段は執事やメイドさんが椅子を引くのだろう、執事やメイド達が慌てている。

しかしそれも待たない素早さで 着席されたのだった。

「貴方達も 早く席に着きなさいな。」

王妃様が声を掛けてくれたので、執事が私の所の椅子を引いてくれる。
エドと並んで席に着き…

「どうぞ 召し上がって下さい。」と一様 声を掛ける。

皆様 自分で好きに選んで 食べられるかなと思えば…

「「「「「「「「全種類を食べるから、端から順番に！ 持って来るように。」」」」」」」」

と皆様 声を揃えて言う……

『何でそんなにハモれるんやっ？？！』
と思うも、顔には出さずに おいた。

ケーキは右から…
・苺のケーキ
・マンゴーのケーキ
・ブラッドオレンジのケーキ
・メロンのケーキ
・盛り沢山のフルーツケーキ
になっている。

入れた順番と違うじゃ無いかって？！

私が食べたい順番に出したから、この順番になりましたけど 何か？！

まあそれは さておき 王族の皆様を待たせてはいけませんね！

メイドさんが キレイに切り分け、皆様の前に苺たっぷりのタルトケーキが置かれました。

職人並のキレイなカットですっ！
２７cm の丸いタルトだったので、１ホールを１６等分に切ってくれています。
それでも１人分のケーキが(クッキー生地の厚くなっている部分)４～５cmは あるでしょうか。

私では真似できません…ｼｭﾝ…
タルトケーキ…切るの難しいんですよね…