私の理想の異世界チート

ety

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264.魔導具

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望結は 石牢の外へと飛び出し、石造りの通路をひた走る……

何度も石造りの通路の、角を曲がり……
何度も石造りの通路の、別れ道を自分のカンを頼りに選んで進む……


暫くの間 薄暗い通路を進むと……

前方が薄ぼんやり明るくなり始める…

光が漏れる場所が、外からの朝の光なのか、何かの灯りの光なのかも、暗闇に慣れた目では、判別は出来なかった……

しかしその光に向かって、一生懸命に足を動かした。

そしてっ!明るい場所へと飛び出したっ!!

だがソコは………
望結が 飛び出した筈の石牢の中だった……

困惑と恐怖が足元から背中をゾワッとかけ抜ける……


突然!望結の後から……

ガラガラガラガラッ!!
ガシャン!!!

大きな金属音がして、驚いて振り向くと……

太い鉄格子が一面を全て閉じて、鉄格子のこちら側にドミニクが立っていた。


「ふふふふふっ♡お帰りなさい♡

でも 酷いじゃ無いですか、ミユさんっ!!
これから貴女に、私の思いの丈を全て受け止めて頂こうとした矢先に……

あんな力が貴女に有るなんて、思っても居ませんでしたよ……」

「ど…どうして……?!……」


「ふふふっ♪ 私からもこの場所からも逃げて走り回ったのに、何故元の場所なのか?っとお思いですね?!

どうせ逃げられないんだ。 教えて差し上げますよ♡


ココはエスデル国内の秘密の場所で、色々な魔導具を使って作り上げているそうです。

その魔導具を使えば 例えば……ミユさんの放つ番の甘い匂いも遮断してしまいますし、特定の者 以外は外に出れない仕組になっているんですよ。

だから…イガリア国から相当離れた場所なので、いくら竜人族だからと言っても、番の匂いを遮断しているこの場所に辿り着くには、数ヵ月を必要とするでしょう。」

「番の匂いを遮断……」

「そうなんですよっ!! 凄いですよね魔導具って♪
この世界の何処に居ても匂いを追って探せる竜人族までも欺けるのです♪」

『えっ?!…じゃあ…エドが私を見つけられないって事?!
エスデル国って魔族の人の国だったよね?!

この国を捜索される頃には、私コイツに手篭めにされてんのっ?!!!

いやいやいや!マジありえんっ!!』

「ああ…それと。ミユさんにはこの建物から出られない様に、特別な魔導具で留めてあります♡

勿論……僕の子が、その腹の中に宿れば、解除される様にしてあるんですよ♡

とっても素敵な演出でしょう♡?!


ああ。先程の拒絶は、混乱していた…で、許して差し上げます♡

さあ♪コチラに来なさい♡」


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