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九地篇 第十一
九地編4・大切なことなので二度言いました、っす。
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別の例えをしましょーか。
羊飼いが羊の群れを移動させようとしてるとしましょう。
羊飼いは、群れが後ろに戻れないように、両脇に散っちゃわないように、逃げ出さないように、巧いこと追い立てて、自分の思う目的地へ進ませますよね。
このとき羊さんはナニか考えてますかね?
考えてないでしょう。何にも考える必要が無い。ドドドーっと進むより他にすることがないんですし。
っていうか、追い立てられてる羊さんたちは、追い立てられてるからあっち行ったりこっち行ったりしながら進んでいるだけで、羊さんたち自身は、どこまで行くのか、とか、どうしたら良いのか、なんてことはこれっぽっちも解ってない。
解ってないけど、羊飼いの思うとおりに行動してれば、ちゃんと目的地にたどり着くんですね、これが。
あ、当然のことですけども、羊飼いさんが間違った指示を出したら、大変なことになるわけですよ。
群れごと谷に落ちるとか、狼さんに食べられちゃうとか、コントロール効かなくなってバラバラに逃げちゃうとか。逆走して羊飼いを踏み殺すことだってあり得ちゃう。
羊とか山羊とか、メーメーいってる連中、実はあいつらって結構強いンですよ。角も蹄もカッチカチだし、力もかなり強いすっからね。角なんか突き立てて突っ掛ってこられたら、打ち所が悪ければ、こっちが死にますよ。
草食動物を莫迦にしちゃイケません。本物の羊も、勿論、羊に喩えられちゃうようなおとなしい人間も、ね。
つまりですね。
羊飼い、よーするに現場を取り仕切ってる将軍には、相当な力量が必要なんです。
当然の話なんですけど、解っていただけましたでしょーかね?
ともかく、ですよ。
想像するだけでしんどい話ですけど、自分達のチームもグループも全部集めて、それをを一番危ない最前線に放り込む、ってのが、現場の一番エラい将軍さんのお仕事なんですよね。
自分の仲間、家族、子供みたいに、仲良く大切に接してきた兵隊さんの命を、独りで預かってる感じになりますね。
誰だって仲間は誰一人だって死なせたくは無いでしょ。死んで貰っちゃ困ります。
だから将軍さんは、さっき言った九地……「散地」「軽地」「争地」「交地」「衢地」「重地」「圮地」「囲地」「死地」ですね……その地形に応じた変幻自在臨機応変の対処方法をよくわかってないとイケません。
その上で、進軍と撤退の危機管理が出来てないとマズいんですね。
そんで何よりも、人間の心の動きってのが解ってないと、マジでイケないですよ。
そんなこんなで進軍してって、敵さんチームの領地に乗り込んだら、さあ攻撃しようってことになりますよね、段取り的に。
これ不思議なことなんですけど、敵の領地の奥の奥の深いトコまで入っちゃった方が、味方チームはガッチガチに団結できちゃうんですよね。
どこから敵が出てくるか解らない、今すぐ戦闘が激化するかも知れない、はぐれたら死ぬ……って感じで、気持ちが追い込まれて、緊張感がビシバシになるからですかね。
んで、逆に、入り口に近いような浅い場所だと、何故かみんなの気持ちがバラバラになって、ヘタすると逃げ出しちゃう兵隊さんが出たりする。
緊張感よりも恐怖感の方がマシマシになるんですよ。
で、まだ大丈夫、入ったばっかりだからここで逃げ出せば自分の国に戻れる、って思っちゃったりして、逃げだしちゃうんですかね。
繰り返しっぽくなりますけど、確認も兼ねて説明しますよ。
自分達の故郷から出て、国境を越えて、敵さんチームの領地に進んだ軍隊が居る場所は、母国から切り離された【絶地】。
敵チームの領地の奥深く入ったところは、気持ちが押しつぶされそうになっちゃう【重地】。
敵チームの領地にけちょこっと入ってる感じの所は、そわそわして落ち着かない【軽地】。
後ろが険しくて前が狭い場所は、敵に囲まれちゃってるのと同じっ位に危険な【囲地】。
どっちにも進めない所は負け確率倍増の【死地】。
それで、兵隊さんたちが逃げ出したくなっちゃうような【散地】では、将軍さんはみんなの心を一つにまとめる努力しちゃってください。
みんなの心がふわふわそわそわしちゃう【軽地】では、チームやグループの間の連絡をがっちり密ににしてバッチリ連携をとんなきゃいけません。
敵も味方も欲しくてたまらない【争地】に居るときは、マッハで敵さんチームの背後をとる事。
敵味方がごっちゃに行き来する【交地】では、カッチカチに守りを固めちゃいましょう。
いろんな国に道が通じている【衢地】では、そのいろんな国の王様達と仲良し同盟の友達になっちゃって。
気分が沈んじゃう【重地】では、兵隊さんたちに最低限でも「美味しいご飯」を用意しましょう。胃袋掴むって、ホント効果あるンですよ、コレが。
歩きづらい【圮地】なんかは、何があってもさっさと通り過ぎちゃいます。
もし【囲地】で戦闘が始まっちゃったりしたら、帰り道を塞いじゃう。
これ、敵を逃がさないようにじゃなくて、味方チームの兵隊さんが勝手に撤退しないように、ですよ。
もっとしんどい【死地】に入っちゃったら、みんなに
「戦わなければ生き延びられない」
ってことを、とことん解らせましょう。
戦場に出た兵隊さんたちの心境ってものをイメージしてみましょうよ。
例えば戦場で敵さんに取り囲まれちゃった、しかも逃げ道もナイ。……となれば、そりゃもう、抵抗するでしょ?
戦うしか無いんだから、青っ洟垂らしながら泣きわめいてぐるぐるパンチを繰り出してでも戦います。案外そういう攻撃が当たって、しかも有効打になったりしちゃうから、必死っていう心境は恐ろしいもんですよね。
ギリギリに追い詰められた人間の脳味噌は、自分で考えるって事ができなくなっちゃいがちなんです。
そういうときに、それに従えわなきゃ生き残れない、という内容の命令をが出たとしましょうか。それを出したのが大っ嫌いな上司だったとしても、ギチギチに追い詰められちゃってると、素直に従っちゃったりするんですよ。
そういうぶち切れたテンションの時は、今まで自分を追い詰めてた怖くてたまらない敵だって、背中を見たらガンガン追撃することだって出来ちゃう。
コレ前にも言ったかな……?
戦争なんていうでっかいイベントをやるからには、ご近所の王様の皆さんと、ちゃーんとお話をして、味方に付けとかないと不味いっすよね、ってハナシ。
そういう偉い人たちの思惑が判ってないといけない。どういうご接待をしたら喜ぶかな、とか、何をお土産にしたら仲良くしてくれるかな、とか、よーく考えて話し合っておく必要がありますよ、って。
……あ、やっぱり、オレ、コレちゃんと説明してましたね。
さすがオレ。先見の明有り! って……違うか。
あ、じゃあ、コレも多分前に言いましたよね?
戦場になるところは勿論、通り道や、万一の時の逃げ道になる場所の、地形……山林とか、險阻とか、沮澤なんてのを、よく知ってないと、行くも帰るもままならなくない? って。
……あ、やっぱ前にも言ってました? うーんと……だとすると、多分「軍争篇」辺りで喋ったかな? あ、やっぱりそうでした?
まあ、そのときも言いった筈ですけど、これも大事なことなんで、もう一遍、ね。
慣れない所に行くときには、その辺りに詳しい案内役が必要です。そう地元の人ですね。
地形が判ってないと、例え上手く使えばこっちが有利になりそうな抜群の地形があったとしても、気付かないまま利用できなかった、ってことになっちゃったりしますから――って。
何で同じ事リフレインするかって言うと、「戦場の地形」がめっちゃ大切だからなんすよ。
地べたの形も、土地や周囲の状況も、ホントに大切なんで。
だからこの辺、絶対に覚えといて貰いたいから、もう、しつこく繰り返しちゃう。
羊飼いが羊の群れを移動させようとしてるとしましょう。
羊飼いは、群れが後ろに戻れないように、両脇に散っちゃわないように、逃げ出さないように、巧いこと追い立てて、自分の思う目的地へ進ませますよね。
このとき羊さんはナニか考えてますかね?
考えてないでしょう。何にも考える必要が無い。ドドドーっと進むより他にすることがないんですし。
っていうか、追い立てられてる羊さんたちは、追い立てられてるからあっち行ったりこっち行ったりしながら進んでいるだけで、羊さんたち自身は、どこまで行くのか、とか、どうしたら良いのか、なんてことはこれっぽっちも解ってない。
解ってないけど、羊飼いの思うとおりに行動してれば、ちゃんと目的地にたどり着くんですね、これが。
あ、当然のことですけども、羊飼いさんが間違った指示を出したら、大変なことになるわけですよ。
群れごと谷に落ちるとか、狼さんに食べられちゃうとか、コントロール効かなくなってバラバラに逃げちゃうとか。逆走して羊飼いを踏み殺すことだってあり得ちゃう。
羊とか山羊とか、メーメーいってる連中、実はあいつらって結構強いンですよ。角も蹄もカッチカチだし、力もかなり強いすっからね。角なんか突き立てて突っ掛ってこられたら、打ち所が悪ければ、こっちが死にますよ。
草食動物を莫迦にしちゃイケません。本物の羊も、勿論、羊に喩えられちゃうようなおとなしい人間も、ね。
つまりですね。
羊飼い、よーするに現場を取り仕切ってる将軍には、相当な力量が必要なんです。
当然の話なんですけど、解っていただけましたでしょーかね?
ともかく、ですよ。
想像するだけでしんどい話ですけど、自分達のチームもグループも全部集めて、それをを一番危ない最前線に放り込む、ってのが、現場の一番エラい将軍さんのお仕事なんですよね。
自分の仲間、家族、子供みたいに、仲良く大切に接してきた兵隊さんの命を、独りで預かってる感じになりますね。
誰だって仲間は誰一人だって死なせたくは無いでしょ。死んで貰っちゃ困ります。
だから将軍さんは、さっき言った九地……「散地」「軽地」「争地」「交地」「衢地」「重地」「圮地」「囲地」「死地」ですね……その地形に応じた変幻自在臨機応変の対処方法をよくわかってないとイケません。
その上で、進軍と撤退の危機管理が出来てないとマズいんですね。
そんで何よりも、人間の心の動きってのが解ってないと、マジでイケないですよ。
そんなこんなで進軍してって、敵さんチームの領地に乗り込んだら、さあ攻撃しようってことになりますよね、段取り的に。
これ不思議なことなんですけど、敵の領地の奥の奥の深いトコまで入っちゃった方が、味方チームはガッチガチに団結できちゃうんですよね。
どこから敵が出てくるか解らない、今すぐ戦闘が激化するかも知れない、はぐれたら死ぬ……って感じで、気持ちが追い込まれて、緊張感がビシバシになるからですかね。
んで、逆に、入り口に近いような浅い場所だと、何故かみんなの気持ちがバラバラになって、ヘタすると逃げ出しちゃう兵隊さんが出たりする。
緊張感よりも恐怖感の方がマシマシになるんですよ。
で、まだ大丈夫、入ったばっかりだからここで逃げ出せば自分の国に戻れる、って思っちゃったりして、逃げだしちゃうんですかね。
繰り返しっぽくなりますけど、確認も兼ねて説明しますよ。
自分達の故郷から出て、国境を越えて、敵さんチームの領地に進んだ軍隊が居る場所は、母国から切り離された【絶地】。
敵チームの領地の奥深く入ったところは、気持ちが押しつぶされそうになっちゃう【重地】。
敵チームの領地にけちょこっと入ってる感じの所は、そわそわして落ち着かない【軽地】。
後ろが険しくて前が狭い場所は、敵に囲まれちゃってるのと同じっ位に危険な【囲地】。
どっちにも進めない所は負け確率倍増の【死地】。
それで、兵隊さんたちが逃げ出したくなっちゃうような【散地】では、将軍さんはみんなの心を一つにまとめる努力しちゃってください。
みんなの心がふわふわそわそわしちゃう【軽地】では、チームやグループの間の連絡をがっちり密ににしてバッチリ連携をとんなきゃいけません。
敵も味方も欲しくてたまらない【争地】に居るときは、マッハで敵さんチームの背後をとる事。
敵味方がごっちゃに行き来する【交地】では、カッチカチに守りを固めちゃいましょう。
いろんな国に道が通じている【衢地】では、そのいろんな国の王様達と仲良し同盟の友達になっちゃって。
気分が沈んじゃう【重地】では、兵隊さんたちに最低限でも「美味しいご飯」を用意しましょう。胃袋掴むって、ホント効果あるンですよ、コレが。
歩きづらい【圮地】なんかは、何があってもさっさと通り過ぎちゃいます。
もし【囲地】で戦闘が始まっちゃったりしたら、帰り道を塞いじゃう。
これ、敵を逃がさないようにじゃなくて、味方チームの兵隊さんが勝手に撤退しないように、ですよ。
もっとしんどい【死地】に入っちゃったら、みんなに
「戦わなければ生き延びられない」
ってことを、とことん解らせましょう。
戦場に出た兵隊さんたちの心境ってものをイメージしてみましょうよ。
例えば戦場で敵さんに取り囲まれちゃった、しかも逃げ道もナイ。……となれば、そりゃもう、抵抗するでしょ?
戦うしか無いんだから、青っ洟垂らしながら泣きわめいてぐるぐるパンチを繰り出してでも戦います。案外そういう攻撃が当たって、しかも有効打になったりしちゃうから、必死っていう心境は恐ろしいもんですよね。
ギリギリに追い詰められた人間の脳味噌は、自分で考えるって事ができなくなっちゃいがちなんです。
そういうときに、それに従えわなきゃ生き残れない、という内容の命令をが出たとしましょうか。それを出したのが大っ嫌いな上司だったとしても、ギチギチに追い詰められちゃってると、素直に従っちゃったりするんですよ。
そういうぶち切れたテンションの時は、今まで自分を追い詰めてた怖くてたまらない敵だって、背中を見たらガンガン追撃することだって出来ちゃう。
コレ前にも言ったかな……?
戦争なんていうでっかいイベントをやるからには、ご近所の王様の皆さんと、ちゃーんとお話をして、味方に付けとかないと不味いっすよね、ってハナシ。
そういう偉い人たちの思惑が判ってないといけない。どういうご接待をしたら喜ぶかな、とか、何をお土産にしたら仲良くしてくれるかな、とか、よーく考えて話し合っておく必要がありますよ、って。
……あ、やっぱり、オレ、コレちゃんと説明してましたね。
さすがオレ。先見の明有り! って……違うか。
あ、じゃあ、コレも多分前に言いましたよね?
戦場になるところは勿論、通り道や、万一の時の逃げ道になる場所の、地形……山林とか、險阻とか、沮澤なんてのを、よく知ってないと、行くも帰るもままならなくない? って。
……あ、やっぱ前にも言ってました? うーんと……だとすると、多分「軍争篇」辺りで喋ったかな? あ、やっぱりそうでした?
まあ、そのときも言いった筈ですけど、これも大事なことなんで、もう一遍、ね。
慣れない所に行くときには、その辺りに詳しい案内役が必要です。そう地元の人ですね。
地形が判ってないと、例え上手く使えばこっちが有利になりそうな抜群の地形があったとしても、気付かないまま利用できなかった、ってことになっちゃったりしますから――って。
何で同じ事リフレインするかって言うと、「戦場の地形」がめっちゃ大切だからなんすよ。
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